JPH0665591B2 - エレベ−タの制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、エレベータの制御装置に関し、特に昇降路
のピットおよび、オーバーヘッドクリアランスに制限が
ある昇降路で運転される既設エレベータの定格速度の上
昇を可能とするのに好適なエレベータの制御装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

既設昇降路に改造または新設のエレベータを設置する場
合、昇降路のピットおよびオーバーヘッドのクリアラン
スがその定格速度に見合った距離に確保されている事が
必要である。この為、上記クリアランスが確保されてい
ない場合は、昇降路を改造しなければならず、既設建屋
であるという制約から昇降路の改造が極めて大規模とな
ったり、改造が殆ど不可能に近い場合が多い。

従って、ピットおよびオーバーヘッドのクリアランスに
制限がある場合でも、改造または新設のエレベータを設
置する方法として、第６図(B)に示す様に、昇降路終端
階の一階手前からエレベータの速度を制限して走行させ
るものがある。これは、終端階手前で一旦減速して、所
定速度を保持し、終端階直近で更に減速する様にしてい
る。

例えば、特開昭60−236985号公報に示される装置におい
ては、終端階から所定距離手前部分までにおいて動作す
るスイッチを設け、このスイッチから発生されるスイッ
チ信号により上記減速を開始させる方法が開示されてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来のエレベータの制御装置は以上のように構成されて
いるので、終端において減速運転を行わせるには、昇降
路内に設けられている位置スイッチが動作することが必
要であり、この位置スイッチがオン故障等の動作不良を
起こすと、減速運転が不可能となって安全が確保されな
くなる問題点があった。

この発明は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、位置スイッチにオン故障等が発生しても、
エレベータを安全に運転制御することが出来るエレベー
タの制御装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係るエレベータの制御装置は、エレベータが
終端階に停止して終点スイッチが動作している時に、位
置スイッチ動作の合理性をチェックするものである。つ
まり、上部終点スイッチが動作している時にアップ側の
位置スイッチが動作していてダウン側の位置スイッチが
動作していないこと、又逆に下部終点スイッチが動作し
ている時にダウン側の位置スイッチが動作していてアッ
プ側の位置スイッチが動作していないことをチェック
し、上記動作のいずれかに異常が生じた時は最高速度を
制限して走行させるとともに、係る異常を表示させる機
能を持たせたものである。

〔作用〕

この発明におけるエレベータの制御装置は、エレベータ
が終端階に停止した際に、速度制限手段として設けられ
た位置スイッチの異常が検出されると、定格速度が１段
階下の定格速度に強制的に下げられることから、安全性
が確実に確保されることになる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の実施例を図について説明する。第１図
において、Ｓはエレベータのかご１が終端階ゾーンに位
置する時に動作する終点スイッチ、２はかご１を吊り下
げているロープ、３はかご１のドア、４はドア３を開閉
するドアモータである。７はドア開指令検出ゾーン検出
用の遮へい板、８は終点スイッチＳおよび位置スイッチ
９を動作させるカムである。なお、強制減速を開始する
為の位置スイッチ９は、終点スイッチＳが動作した時に
も動作しているように設置されている。10は緩衝器、11
1〜113は１〜３階の乗場をそれぞれ示す。

第２図は、第１図に示すエレベータの制御を行なうマイ
クロコンピュータ11の内部の略図であって、入力回路11
bは外部の信号をコンピュータ内で使える信号に変換す
る装置で、ここから終点スイッチＳと強制減速用位置ス
イッチ９の出力信号を取り込む。また、ROM11dには第３
図のフローチャートを含むプログラムが書き込まれてお
り、演算の結果としてのプログラム内部信号を外部信号
に変換する。また、出力回路11cから出力される電動機
駆動の為の速度指令用のデータも同じくROM11d内に格納
されている。

一方、位置スイッチ９の異常を検出した際に、前述の出
力回路11cから出力される図示しない表示灯を点灯させ
る信号は、一時記憶装置であるRAM11eに格納されてお
り、CPU11aをリセットするまで消えない様プログラムさ
れている。

以下、上記構成によるエレベータの制御装置の動作を第
３図〜第５図に示すフローチャートおよび第６図に示す
エレベータ速度を示す特性図を用いて説明する。まず、
メインプログラムにおいては、第３図にステップ31に示
すように電源が投入されると、イニシャルリセット処理
が行われた後にステップ32に移行して、スイッチ等から
の外部信号を取り込む。次にステップ33においては、第
４図に示すサブプログラムを実行することによって、位
置スイッチ９の異常検出および表示灯出力信号の作成処
理を実行する。次に、ステップ34においては、第５図に
示すサブプログラムを実行することによって、速度指令
信号を出力するために、ROMデータの抽出を実行する。
次にステップ35においては、通常走行時と同様のプログ
ラムによって速度指令を出力する。次に、ステップ36に
おいては、表示灯信号を出力することによって、係る表
示灯の駆動制御を実行した後に、再びステップ32に戻る
ことによって係る処理動作を繰り返す。

次に、第４図に示す位置ステップ９の異常検出および表
示灯出力信号の作成処理を実行するサブプログラムにお
いては、ステップ41,42において条件成立の可否を判断
し、係るステップ41,42の判断結果が共にイエスである
場合には、ステップ43において位置スイッチ９が正常で
あると判断して、ステップ44に移行する。ステップ44に
おいては、前回故障表示灯出力の有無を判断し、無しの
場合にはリターンとなる。

一方、ステップ41,42における判断の何れか一方がノー
の場合、ステップ45に移動して、位置ステッチの故障検
出を行う。そして、この位置スイッチの故障検出が終了
したならば、ステップ46に移行して故障表示灯出力を送
出して、対応する故障表示灯を点灯表示させた後にリタ
ーンとなる。つまり、かご１が終端階に停止して終点ス
イッチＳの常閉接点が開放された時に、位置スイッチ９
の常閉接点が閉成されていると判断されると、位置スイ
ッチ９が故障していると判断する。このようにして位置
ステッチ９の故障を検出すると、ステップ46において制
御盤内にある図示しない表示灯の点灯によって異常状態
を確認する事ができる。これは、エレベータの動きを制
御するマイクロコンピュータ11内のCPU11aをリセットす
るまで保持し続けられることになる。

また、ステップ44における判断がイエスとなった場合に
おいても、ステップ46の処理を実行することにより、対
応する故障表示灯を点灯表示させた後にリターン状態と
なる。

次に、第５図に示すサブプログラムにおいては、まずス
テップ51において定格速度を出す為の走行距離が充分あ
るか否かを判別し、この判断結果がイエスである場合に
は、ステップ52に移行して位置スイッチ９が正常である
か否かの判断処理を実行する。そして、このステップ52
における処理がイエスである場合には、ステップ53にお
いて、最高速度を定格速度に設定した後に、ステップ54
に移行して電動機駆動回路へ係る速度指令信号を出力す
る。

一方ステップ51またはステップ52における判断がノーと
なった場合、つまり定格速度を出す為の走行距離が充分
で無い場合または位置スイッチ９が故障していると判断
された場合には、ステップ55に移行して、第６図に示す
終端速度を最高速度としての走行となり、以後手動モー
ドに切り替えるまで、第６図(C)の様に強制的に終端階
速度を最高速度として、終端階走行か否かに拘らず走行
する。なお、手動モードに切り替えることにより、保守
員による修理が行なわれたものと判断して、正常動作に
復帰する。

なお、上記実施例においては、位置スイッチ故障検出後
の最高速度を終端速度に限定しているが、終端速度未満
であればより安全性が増すことは言うまでもない。

〔発明の効果〕

以上の様に、この発明によれば、終端階強制減速装置を
有するエレベータに於て、強制減速を開始する為の位置
スイッチの状態を終端階の終点スイッチが動作した時に
チェックし、異常を検出した場合は以後の運転における
最大速度を、手動運転が指令されるまで所定値に制限す
るとともに、異常状態を警告表示する手段を設けたもの
であるために、位置スイッチが故障した時でもいたずら
にエレベータを止める事なく、且つ安全な速度で走行す
ることができるために、サービスの低下を最少限におさ
えることができると共に、故障状況を保守員等が容易に
知る事ができ、早期に対策が行え、保守員が修理のため
手動運転に切り換えると正常動作に復帰できる等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例によるエレベータの制御装
置を示す側面図、第２図は第１図に示すマイクロコンピ
ュータの内部構成を示すブロック図、第３図〜第５図は
第１図に示すエレベータの制御装置の動作を説明するた
めのフローチャート図、第６図はエレベータの速度特性
図である。 １はかご、２はロープ、３はドア、４はドアモータ、５
は位置検出器、７は遮へい板、８はカム、９は位置スイ
ッチ、10は緩衝器、111〜113は１〜３階の乗場、11はマ
イクロコンピュータ、11aはCPU、11bは入力回路、11cは
出力回路、11dはROM、11eはRAM、Ｓは終端スイッチ。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】かごが上下終端階から所定距離以内にある
   ときに動作する位置スイッチと，上記かごが終端階ゾー
   ンに位置するときに動作する終点スイッチとを設け，こ
   の終点スイッチが動作したときに上記位置スイッチが動
   作していないことを検出する異常検出手段と，上記位置
   スイッチが動作すると上記かごの速度を１段階下の定格
   速度に下げる速度指令を発し，上記異常検出手段が動作
   すると以後かごの速度を上記一段階下の定格速度または
   それ以下に制限する速度指令を発し，手動運転が指令さ
   れるまで継続する速度パターン発生手段と，上記異常検
   出手段が動作するとこれを警告する警報手段とを備えて
   なるエレベータの制御装置。