JPH0665549B2 - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JPH0665549B2
JPH0665549B2 JP14669885A JP14669885A JPH0665549B2 JP H0665549 B2 JPH0665549 B2 JP H0665549B2 JP 14669885 A JP14669885 A JP 14669885A JP 14669885 A JP14669885 A JP 14669885A JP H0665549 B2 JPH0665549 B2 JP H0665549B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両の操舵を行う入力軸の操舵トルクを車
両の走行、操舵状態によって変化する物理量要素を検出
し、その物理量変化に対応して操舵感覚を変化させる動
力舵取装置に関し、特に、前記物理量要素に応じて舵角
比を変化させることが可能な動力舵取装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、操舵輪の操舵角と車輪の転舵角との比を変化させ
ることが可能な動力舵取装置として、例えば特公昭58
−5826号公報に記載されているものがある。
このものは、車両の車輪の転舵時に補助動力を与える動
力装置と、該動力装置を操舵輪の操向方向により軸を介
して制御する切換弁と、該切換弁を常に中立位置に付勢
するバネ装置を備えるとともに、車輪の路面抵抗に比例
した操舵反力を与える反力機構とから成る動力操舵取装
置において、切換弁の操舵軸と操舵輪との間に操舵トル
クに応じて略線型のバネ定数の範囲で回転変位を与える
弾性手段を介在せしめて可変舵角比を得るように構成し
たことを特徴とする車両の動力舵取装置であって、車両
の停車時における据切り時のように舵角比を出来るだけ
小さく設定して操舵輪の僅かな回動で転舵輪の大きな転
舵角を得、また、高速走行時の操舵のように所謂のハン
ドルの切りすぎを防止するために舵角比を大きく設定す
るような相反する要求を満足して、操舵安定性を確保す
ることができるものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記従来の動力舵取装置にあっては、切
換弁の操舵軸と操舵輪との間に操舵トルクに応じて略線
型のバネ定数の範囲で回転変位を与える例えばトーショ
ンバーでなる弾性手段を介在せしめて可変舵角比を得る
ように構成されているので、舵角比を大きくするよう
に、弾性手段での捩れ角を大きくするには、トーション
バーのバネ定数を低く設定する必要があり、このため、
トーションバーの捩り剛性が低下して、操舵系全体とし
ての操舵感覚が低下するという問題点があった。
そこで、この発明は、弾性体の捩り剛性を低下させない
で、停車若しくは低速走行時の舵角比を小さくすると共
に、高速走行時の舵角比を大きくすることを可能とし操
舵感覚を向上させ得る動力舵取装置を提供することを目
的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この発明は、車両を操舵す
る操舵入力軸と、該操舵入力軸に作用された操舵トルク
に応じて操舵補助力を発生させる動力装置と、前記操舵
入力軸に作用される操舵トルクに抗する反力を発生させ
る操舵反力発生機構と、前記動力装置及び操舵反力発生
機構を入力軸に作用される操舵トルクの方向により制御
する切換弁と、車両の走行、操舵状態によって変化する
物理量要素を検出する検出手段と、該検出手段の検出結
果に応じて前記動力装置及び操舵反力発生装置の作動比
率を選択する選択手段とを有する動力舵取装置におい
て、前記操舵入力軸と前記切換弁の入力軸とを連結する
弾性体と、前記操舵入力軸に対して前記操舵反力発生機
構の反力に応動して前記入力軸との相対回転変位を操舵
方向と同一方向に発生させる回転変位発生手段とからな
る舵角比可変機構を備えたことを特徴とする。
〔作用〕
この発明においては、車両を操舵する操舵入力軸と、動
力装置を制御する切換弁との間に比較的剛性の大きい弾
性体を介挿して、この弾性体によって、操舵入力軸と切
換弁との間の回転変位を許容して舵角比を変化可能と
し、さらに、操舵入力軸に作用される操舵トルクに対し
て反力を必要とする高速走行時には、操舵反力発生機構
で発生させる操舵反力に基づいて回転変位発生手段によ
って操舵入力軸を操舵方向と同一方向に積極的に変位さ
せることにより、舵角比を大きく設定して走行安定性を
保証し、操舵感覚を良好に維持しながら、舵角比を走行
状態に応じて変化させることができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明の一実施例を示す全体構成図である。
図中、1はステアリングホイールであって、その中心部
に連結された操舵入力軸としてのステアリングシャフト
2がコラムチューブ3内を通って舵角比可変機構4に連
結され、この舵角比可変機構4の出力軸5がユニバーサ
ルジョイント6を介して操舵力可変動力舵取装置7に連
結されている。
操舵力可変動力舵取装置7は、第2図に示すように、選
択手段としての可変オリフィス弁8と、ロータリ切換弁
9と、動力装置としてのパワーシリンダ10と、操舵反
力発生機構11とから構成されている。
可変オリフィス弁8は、流路12を介して一定流量を吐
出するポンプ13に連結された入力ポート8aと、タン
ク14に連結されたドレンポート8b,8cと、流量可
変の出力ポート8d,8eと、戻りポート8fと、電磁
ソレノイド8gによって摺動位置制御されるスプール8
hと、リターンスプリング8iとから構成され、電磁ソ
レノイド8gに供給される電流値に比例してスプール8
hが移動され、第2図図示の中立状態では、スプール8
hによって入力ポート8aが所定開度を保って出力ポー
ト8d,8eの夫々に連通し、且つ戻りポート8fがド
レンポート8bに連通されている。この状態から電磁ソ
レノイド8gへの通電量を増加(又は減少)させるとス
プール8hが左動(又は右動)して入力ポート8aに対
する出力ポート8e(又は8d)の連通面積が増加し、
他方の出力ポート8d(又は8e)の連通面積が減少
し、しかも両者の連通面積の和は常に一定値以上となっ
ている。また、入出力ポート8dの入力ポート8aに対
する連通面積が減少すると、これに応じて入出力ポート
8dとドレンポート8cとが連通状態となって、入出力
ポート8dに供給される圧力流体がドレンポート8cを
通じてタンク14に戻される。
そして、電磁ソレノイド8gは、制御装置15からの駆
動電流によって制御される。この制御装置15には、車
両の走行状態の変化による物理量を検出する検出手段と
してのステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵
角センサ16と車両の車速を検出する車速センサ17と
からの検出信号が供給され、これらに基づき所定の演算
処理を実行して、電磁ソレノイド8gの駆動電流指令値
を算出し、これに応じて電磁ソレノイド8gの通電量が
制御される。ここで、制御装置15による制御態様の一
例は、第5図に示すような、車速に対する可変オリフィ
ス弁の連通面積の関係で表される。第5図において、実
線図示の曲線は入出力ポート8eと入力ポート8aとの
間で構成される可変絞りAの開口面積を、点線図示の
曲線は入出力ポート8dと入力ポート8aとの間で構成
される可変絞りAの開口面積を、鎖線図示の曲線は入
出力ポート8dとドレンポート8cとの間で構成される
可変絞りAの開口面積を夫々示す。
ロータリ切換弁9は、円筒状のハウジング9aと、これ
に内嵌するアウタスリーブ9bと、これに回動自在に内
嵌され入力軸20(第3図参照)と一体に形成されたロ
ータリスプール9cとを有する。
アウタスリーブ9bには、前記可変オリフィス弁8の出
力ポート8d;8eに夫々接続される一対の入力ポート
9e1,9e2;9d1,9d2が等間隔を保って形成され、入
力ポート9d1,9d2の両側に隣接して夫々入出力ポート
9f1,9g1;9f2,9g2が、入力ポート9e1;9e2の両
側に隣接して夫々流路9h1,9i1;9h2,9i2が形成さ
れている。
また、ロータリスプール9cには、アウタースリーブ9
bの流路9h1,9i1,9h2,9i2に対向する位置に夫々
入出力ポート9j1,9k1,9j2,9k2が形成され、入力
ポート9d1,9d2;9e1,9e2に夫々対向する位置に流
体通路911〜914が形成されていると共に、入出力ポート
間にドレン用流路9m1〜9m4が形成され、各ドレンポー
ト9m1〜9m4がロータリスプール9c内の空洞9nを通
じて前記可変オリフィス弁8の戻りポート8fに接続さ
れている。ここで、流体通路911〜914及びドレン用流路
9m1〜9m4の夫々は、第2図に図示するようにロータリ
スプール9cが中立位置にある状態で、それらの両端に
対向する入出力ポートと僅かな開口面積で連通してい
る。
パワーシリンダ10は、そのピストンロッド10aが例
えばラックアンドピニオン式ステアリングギヤのラック
軸とされ、その両端にステアリングロッド(図示せず)
を介して左右の転舵輪(図示せず)が転舵可能に連結さ
れている。そして、ピストン10bで画成される圧力室
10c,10dの一方が、前記ロータリ切換弁9の入出
力ポート9f1,9f2に、他方が9g1,9g2に夫々接続さ
れている。
操舵反力機構11は、出力軸としてのピニオン軸21の
上端部に中心軸を挟んで対称的に円筒状の空洞部11
a,11bが形成され、これら空洞部11a,11bの
中心位置に夫々プランジャ11c,11dが介挿され、
これらプランジャ11c;11dの両端とピニオン軸2
1の外周部に嵌合させた円筒体22との間に圧力室11
e,11f;11g,11hが形成されている。また、
ピニオン軸21の中央部に入力軸20の端部が回動可能
に挿入され、その対称位置に形成した係合突起20a,
20bがプランジャ11c,11dに形成された係合凹
部11i,11j内に係合されている。そして、圧力室
11e及び11hが前記ロータリ制御弁9の入出力ポー
ト9j1,9J2に、圧力室11f及び11gが入出力ポー
ト9k1,9k2に夫々接続されている。この場合、圧力室
11e,11hと入出力ポート9j1,9J2とは、第3図
に示すように、ロータリスプール9cの内部に形成した
流路9o及びアウタスリーブ9bの下端とロータリスプ
ール9cの下端とで形成される流路9pとを通じて連通
され、同様に圧力室11f,11gと入出力ポート9
k1,9k2とは、ロータリスプール9cの内部に形成した
流路9q、アウタースリーブ9bに形成した流路9r、
ピニオン軸21の上端に軸方向に形成した流路9s及び
ピニオン軸21に半径方向に形成した流路9tを通じて
連通されている。
そして、第3図に示すように、入力軸20とピニオン軸
21との間にトーションバー23が介挿されている。こ
のトーションバー23は、入力軸20の軸心に形成され
た貫通孔24に内装され、その上端がピン25によって
入力軸20に連結され、下端がピニオン軸21にセレー
ション結合され、一方、ピニオン軸21がラック軸26
に噛合されている。
なお、トーションバー23の下端部は、入力軸20の貫
通孔24の下端部に嵌着された軸受11lによって入力
軸の下端部と相対的回動可能に支承されている。
以上の操舵力可変動力装置7の接続関係を油圧回路図で
表すと、第4図のようになる。図中、27,28は方向
切換弁であって、方向切換弁27は、ロータリ切換弁9
における入出力ポート9d1,9d2,9f1,9f2,9g1
9g2に対応しており、方向切換弁28は、入出力ポート
9e1,9e2,9j1,9j2,9k1,9k2に対応している。
舵角比可変機構4は、第6図に示すように、コラムチュ
ーブ3に外嵌されたハウジング31と、このハウジング
31内に回動可能に保持された出力軸5と、操舵入力軸
となるステアリングシャフト2と出力軸5との間に介挿
された15kgfcm/deg程度の比較的高捩り剛性を有する
弾性体としてのトーションバー32と、出力軸5の上端
に形成されたステアリングシャフト2に回転変位を付与
する回転変位発生手段33とから構成されている。
トーションバー32は、ステアリングシャフト2内に形
成された貫通孔2a内に回動可能に挿通され、その上端
がピン34によってステアリングシャフト2に固定され
ていると共に、下端が同様にピン35によって出力軸5
に固定されている。
回転変位発生手段33は、第7図に示すように、出力軸
5の上端部に中心軸を挟んで対称的に円筒状の空洞部3
3a,33bが形成され、これら空洞部33a,33b
の中心位置に夫々プランジャ33c,33dが介挿さ
れ、これらプランジャ33c;33dの両端と出力軸5
の外周部に嵌合させた円筒体36との間に圧力室33
e,33f;33g,33hが形成されている。また、
出力軸5の中央部にステアリングシャフト2の端部が回
動可能に挿入され、その対称位置に形成した係合突起2
b,2cがプランジャ33c,33dに形成された係合
凹部33i,33j内に係合されている。そして、第6
図に示すように、圧力室33e及び33hが出力軸5内
に穿設した流路33k−出力軸5の外周面及びハウジン
グ31の内周面間に形成した流路33及びハウジング
31内に穿設した流路33mを介してハウジング31の
外周面に形成した入出力ポート33nに連通され、この
入出力ポート33nが第3図の前記ロータリ制御弁9の
入出力ポート9k1,9k2に接続されている。ここで、入
出力ポート33nと入出力ポート9k1,9k2とは、入出
力ポート33nと第3図に示すハウジング7a内で流路
9sと分岐した流路9uとを流体配管37で接続するこ
とによって連通されている。一方、圧力室11f及び1
1gが第6図に示す出力軸5内に穿設した流路33o−
出力軸5の外周面及びハウジング31の内周面間に形成
した流路33p及びハウジング31内に穿設した流路3
3qを介してハウジング31の外周面に形成した入出力
ポート33rに連通され、この入出力ポート33rが第
3図の前記ロータリ制御弁9の入出力ポート9j1,9j2
に夫々接続されている。ここで、入出力ポート33rと
入出力ポート9j1,9j2とは、第3図に示す操舵反力発
生機構11における圧力室11e,11h、入力軸20
の下端及びピニオン軸21との間の流路11m、トーシ
ョンバー23及びピニオン軸21のセレーション嵌合部
11n、ピニオン軸21の中心部に形成した流路11
o、ハウジングの下端に螺合されたキャップ7bに形成
した流路11p及び流体配管38を通じて連通されてい
る。なお、第6図において、オイルシール33sやプラ
ンジャ33c,33d等から漏れる流体は、出力軸5に
穿設した流路33t及びトーションバー32の下端外周
面に形成した流路33uを通じて出力軸5の上端に形成
した空洞部33vに集められ、これからオーバフローす
る流体がベアリング33w内を通り、一対の逆止弁33
xを通じてドレンポート33yに供給され、このドレン
ポート33yが前記可変オリフィス弁8の戻りポート8
fに接続されている。
次に上記実施例の動作について説明する。今、車両が停
車状態にあるものとすると、この状態では、車速が零で
あるので、制御装置15から出力される駆動電流値が最
大であり、このため、電磁ソレノイド8gによってスプ
ール8hがリターンスプリング8iに抗して左動した位
置に保持される。したがって、可変オリフィス弁7は、
第5図に示すように、入力ポート8aと入出力ポート8
eとの間の連通面積が最大となり、入力ポート8aと入
出力ポート8dとの間の連通面積が零となり、且つ入出
力ポート8dとドレンポート8cとの間の連通面積が最
大となっている。
その結果、ポンプ13から供給される圧力流体が全て入
出力ポート8eに供給されることになり、これがロータ
リ制御弁9の入力ポート9d1,9d2に供給される。この
とき、ステアリングホイール1を据切りしていない状態
では、第2図に示すように、ロータリスプール9cが中
立位置にあるので、入力ポート9d1,9d2に供給される
圧力流体は、流路9j1;9j2から入出力ポート9f1,9
g1;9f2,9g2に分流されてパワーシリンダ10の圧力
室10c;10dに供給されるが、両圧力室10c;1
0dが等圧力になるため、ピストンロッド10aは中央
位置で停止状態にあり、操舵輪は直進走行位置に維持さ
れる。このため、各入出力ポート9f1,9g1;9f2,9
g2に分流した圧力流体は、隣接するドレン用流路9k1
9k4に流入し、空洞9lを通じて可変オリフィス弁8の
戻りポート8fを介し、さらにドレンポート8bを介し
てタンク14に戻される。
また、この停車状態で、ステアリングホイール1を右方
向(又は左方向)に据切りすると、ステアリングホイー
ル1の操舵力がステアリングシャフト2、比較的捩り剛
性の大きいトーションバー32、出力軸4、ユニバーサ
ルジョイント5を介して出力軸20に伝達されるので、
ロータリ切換弁9のロータリスプール9cが第2図でみ
て時計方向(又は反時計方向)に回動する。このため、
入力ポート9d1,9d2と入出力ポート9g1,9g2(又は
9f1,9f2)との間の連通面積が入力ポート9d1,9d2
と入出力ポート9f1,9f2(又は9g1,9g2)との間の
連通面積に比較して大きくなるので、パワーシリンダ1
0の圧力室10d(又は10c)側の圧力が圧力室10
c(又は10d)側に比較して高くなり、ピストンロッ
ド10aが右方向(又は左方向)に移動して、所定の操
舵補助力を発生し、据切りを軽く行うことができる。こ
のとき、ピストンロッド10aの移動により、圧力室1
0c(又は10d)から押し出される流体は、ロータリ
切換弁9の入出力ポート9f1,9f2(又は9g1,9g2
及びドレン用流路9k3,9k4を通じ、さらに空洞部9
l,可変オリフィス弁8の戻りポート8f,ドレンポー
ト8bを通じてタンク14に戻される。
そして、車両が停車状態から走行を開始して、車速が増
加すると、これに応じて制御装置15から出力される駆
動電流が低下するので、可変オリフィス弁8のスプール
8hがリターンスプリング8iによって右動することに
なり、入力ポート8aと出力ポート8eとの間の連通面
積が減少するので、パワーシリンダ10に供給される流
体圧力も減少して操舵補助力が減少し、結局入力軸トル
クに対するラック軸26の推力は、第8図に示すように
車速の増加に伴って減少する。
なお、第8図において、車速が比較的小さい範囲におい
て入力軸トルクTHの増加がある値を越えるとラック軸
推力Fが僅かに増加する程度になる。この理由は、供
給ポンプ13にリリーフ回路が設けられているため、あ
る値以上には動力補助が行われないことによるものであ
る。
一方、可変オリフィス弁8の入力ポート8aと出力ポー
ト8dとの間の連通面積は第5図に示す如く車速の増加
に伴って増加し、且つ出力ポート8dとドレンポート8
cとの間の連通面積が減少するので、ポンプ13から供
給される圧力流体の一部が出力ポート8dを介してロー
タリ切換弁9の入力ポート9e1,9e2に供給される。こ
のため、ステアリングホイール1を右切り(又は左切
り)すると、ロータリ切換弁9のロータリスプール9c
が時計方向(又は反時計方向)に回動する。これに応じ
て、入出力ポート9i1,9i2(又は9h1,9h2)側の圧
力流体の圧力が入出力ポート9h1,9h2(又は9i1,9
i2)側に比較して高くなり、これが操舵反力機構11の
圧力室11e,11h(又は11f,11g)に夫々供
給されるので、プランジャ11c,11dが操舵方向と
逆方向の隅力を操舵反力として入力軸20に作用させる
ことになり、ステアリングホイール1の操舵感が重くな
って、急操舵が行われることを防止することができる。
ここで、車速Vをパラメータとしたパワーシリンダ10
の圧力と操舵反力機構11の圧力との関係は、第9図に
示すようになり、可変オリフィス弁8の入力ポート8a
に対する入出力ポート8d,8eの連通面積が等しくな
る所定車速Vを境にして低車速域ではパワーシリンダ
10の圧力が操舵反力発生機構11の圧力に比較して大
きく、高車速域では逆に操舵反力発生機構11の圧力が
パワーシリンダ10の圧力に比較して大きくなり、車速
に応じて最適な操舵感覚を得ることができる。
このように、ロータリ切換弁9の入出力ポート9i1,9
i2(又は9h1,9h2)に圧力流体が出力される状態とな
ると、この圧力流体が舵角比可変機構4の入出力ポート
33n(又は33r)にも供給される。したがって、入
出力ポート33n(又は33r)に供給された圧力流体
は、流路33m,33l,33k(又は流路33q,3
3p,33o)を通じて回転機構33の圧力室33e,
33h(又は33f,33g)に供給される。このた
め、プランジャ33c及び33dがステアリングシャフ
ト2を操舵方向に回転変位させる隅力を発生せるように
移動する。その結果、ステアリングシャフト2の操舵角
変位がトーションバー32の捩り剛性に抗して増加さ
れ、舵角比が大きくなる。なお、回転変位発生手段33
の圧力室33e,33h及び33f,33gに供給され
る反力油圧とトーションバー32の捩れ角との関係は、
第10図に示すように、反力圧力の増加に伴って増加す
る比例関係となる。
次に、舵角比可変機構4による舵角比の変更について説
明する。まず、ステアリングホイール1の操舵角θ
は、次式で表すことができる。
ただし、θはラックアンドピニオン式ステアリングギ
ヤの入力軸が回転する角度、θは舵角比可変機構4の
捩れ角、nはラックアンドピニオン式ステアリングギ
ヤのギヤ比、θはタイヤ回転角、Tはステアリング
ホイール1に作用する操舵トルク、Kはトーションバー
32のバネ定数、Sはプランジャ33c,33dの面
積、Pは反力油圧、Rはステアリングシャフト2の係
合突起2b,2cの入力軸20の中心からの長さ(半
径)である。
また、ステアリングホイール1に作用する操舵トルクと
反力油圧との関係は、第11図に示すようになり、低車
速領域では、実線図示のように反力油圧は殆どないと共
に、そのときの操舵トルクは、ロータリ切換弁9のロー
タリスプール9cを締め切る角度(約3°)と、トーシ
ョンバー23のバネ定数とを乗算したトルクが必要とな
るだけであり小さいものとなる。また、高車速領域では
点線図示のように、操舵トルクが小さくてロータリ切換
弁9のロータリスプール9cをあまり回転させなくても
(約1°)反力油圧が立ち上がる。
したがって、前記(1)式に基づいて舵角比可変機構4に
おけるトーションバー32の捩れ角θを操舵トルクを
変化させて算出すると、第12図に示すようになり、こ
の第12図から同一操舵トルクに対して高車速領域の捩
れ角θRHは低車速領域の捩れ角θRLに比較して数倍大き
くなっていることが理解できる。
一方、操舵トルクと操舵角との関係は、高車速領域にお
いては第13図に、低車速領域においては第14図に示
すようになる。各図において実線図示の直線は、タイヤ
のセルフアライニングトルクによる剛性特性を示し、こ
れは車速が増加するにつれて大きくなる。
したがって、タイヤのセルフアライニングトルクに基づ
くタイヤを回転するためにラックアンドピニオンの入力
軸20が回転する角度を高車速領域及び低車速領域で夫
々θGH,θGLとすると、これらに夫々舵角比可変機構4
の捩れ角θRH,θRLを加算することにより、ステアリン
グホイール1の総操舵角θSH,θSLを求めることができ
る。
θSH=θGH+θRH…………(2) θSL=θGL+θRL…………(3) そして、タイヤの回転角θWH,θWLとステアリングホイ
ール1の総操舵角θSH,θSLとの舵角比は、 となる。
ここで、舵角比可変機構4の捩れ角θRH,θRLとは、第
12図から明らかなように、θRH>θRLであり、タイヤ
の回転角は高車速になる程操舵補助トルクが小さくなる
ので、同一操舵トルクに対して高車速になる程小さくな
り、θWH<θWLとなる。
したがって、前記(4)式及び(5)式の右辺第2項の値が大
きく異なることになり、結局舵角比はnGH>nGLとなっ
て、高車速領域の舵角比nGHが低車速領域の舵角比nGL
より遥かに大きい値となる。
その結果、低車速領域から高車速領域の全ての領域にお
いて最適な操舵感覚を得ることができる。
すなわち、トーションバー32の捩り剛性を大きな値に
選定し、低車速領域では、ステアリングシャフト2に回
転変位発生手段33による回転変位は与えられず、ステ
アリングホイール1の操舵力が比較的高捩り剛性のトー
ションバー32自体の僅かな捩れによる僅かな回転変位
をもって操舵補助力発生装置に伝達されるため通常のト
ーションバー32を有しないものと変わらない操舵力の
伝達を行うことができ、一方高車速領域では、回転変位
発生手段33で操舵方向の回転変位を発生させてトーシ
ョンバー32の捩れ角を積極的に大きくするようにして
いるので、高速走行中の操舵において所謂ステアリング
ホイールのきりすぎを防止して直進安定性を保証するこ
とができる。
以上のようにこの実施例によれば、操舵反力発生機構1
1に供給する反力油圧の一部を舵角可変機構4の回転変
位発生手段33に供給するようにしているので、タンク
14に接続する配管が不必要となり、配管のレイアウト
が容易となってコストダウンすることができると共に、
操舵入力軸となるステアリングシャフト2の周囲に舵角
比可変機構を配置するようにしたので、全体の構成を簡
易小型化することができる。
なお、上記実施例では、舵角比可変機構4を反力油圧で
作用されるプランジャ33c,33dによってステアリ
ングシャフト2に操舵方向と同一方向に隅力を与える場
合について説明したが、何れか一方のプランジャを省略
して他方のプランジャのみによってステアリングシャフ
ト2に回転変位を与えることもできる。
また、上記実施例では、プランジャ33c,33dで直
接ステアリングシャフト2に隅力を作用させて、回転変
位を生じさせるようにした場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、プランジャをラックアン
ドピニオン等の伝達機構を介してステアリングシャフト
2に連結するようにしても良い。
さらに、上記実施例では、舵角比可変機構4の弾性体と
してトーションバー32を適用した場合について説明し
たが、これに限らず硬質ゴム、FRP等の比較的捩り剛
性の大きい弾性体を適用し得る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、操舵力と逆方
向の操舵反力を発生させる操舵反力発生機構の反力を利
用して舵角比可変機構の回転変位発生部で積極的に弾性
体に操舵方向の回転変位を与えるように構成されている
ので、弾性体の捩り角を回転変位発生部で制御すること
ができ、これによって弾性体の捩り剛性を大きな値に選
定することが可能となり、低車速状態から高車速状態の
全てにおいて最適な操舵感覚を得ることができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概略構成を示す構成図、第2図は操
舵力可変動力舵取装置のシステム概要を、可変オリフィ
ス弁、第3図のII−II線上の断面でなるロータリ切換弁
及び第3図のIII−III線上の断面でなる操舵反力発生機
構の接続関係と共に示す説明図、第3図は操舵力可変動
力舵取装置の縦断面図、第4図は操舵力可変動力舵取装
置の油圧回路図、第5図は車速と可変オリフィス弁の各
部の連通面積との関係を示すグラフ、第6図は舵角比可
変機構の縦断面図、第7図はそのVI−VI線上の断面図、
第8図は車速をパラメータとして入力軸トルクとラック
軸推力との関係を示すグラフ、第9図は車速をパラメー
タとしてパワーシリンダ圧力と操舵反力発生機構の圧力
との関係を示すグラフ、第10図は反力油圧とトーショ
ンバーの捩れ角との関係を示すグラフ、第11図は操舵
トルクと反力油圧との関係を示すグラフ、第12図は操
舵トルクと捩れ角との関係を示すグラフ、第13図は高
車速時における操舵トルクと操舵角との関係を示すグラ
フ、第14図は低車速時における操舵トルクと操舵角と
の関係を示すグラフである。 図中、1はステアリングホイール、2はステアリングシ
ャフト(操舵入力軸)、4は舵角比可変機構、5は出力
軸、6はユニバーサルジョイント、7は操舵力可変動力
舵取装置、8は可変オリフィス分、9はロータリ切換
弁、10はパワーシリンダ、11は操舵反力発生機構、
32はトーションバー(弾性体)、33は回転変位発生
手段、33c,33dはプランジャ、33e〜33hは
圧力室である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両を操舵する操舵入力軸と、該操舵入力
    軸に作用された操舵トルクに応じて操舵補助力を発生さ
    せる動力装置と、前記操舵入力軸に作用される操舵トル
    クに抗する反力を発生させる操舵反力発生機構と、前記
    動力装置及び操舵反力発生機構を入力軸に作用される操
    舵トルクの方向により制御する切換弁と、車両の走行、
    操舵状態によって変化する物理量要素を検出する検出手
    段と、該検出手段の検出結果に応じて前記動力装置及び
    操舵反力発生装置の作動比率を選択する選択手段とを有
    する動力舵取装置において、前記操舵入力軸と前記切換
    弁の入力軸とを連結する弾性体と、前記操舵入力軸に対
    して前記操舵反力発生機構の反力に応動して前記入力軸
    との相対回転変位を操舵方向と同一方向に発生させる回
    転変位発生手段とからなる舵角比可変機構を備えたこと
    を特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】前記弾性体がトーションバーである特許請
    求の範囲第1項記載の動力舵取装置。
JP14669885A 1984-12-26 1985-07-05 動力舵取装置 Expired - Lifetime JPH0665549B2 (ja)

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