JPS6355472B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主として自動車に用いられるラツクア
ンドピニオン式パワーステアリング装置の改良に
関する。

操向ハンドルの回転をピニオンとラツクとから
なる機構を介して車輪操向腕に伝達するようにし
たステアリング装置は、構造が簡単で操作応答性
に優れるという特徴があるが、このようなラツク
アンドピニオン式ステアリング装置を油圧でパワ
ーアシストするようにしたパワーステアリング装
置として本出願人により特願昭55−148612号とし
て次の様なものが提案されている。

すなわち、ハンドル操作時にピニオン軸が軸心
と平行方向に移動するように形成し、ピニオンと
スプールバルブとを装置本体の一部を支点とする
レバーを介して連接することにより、スプールバ
ルブをピニオンと近接して直交方向に配置し、装
置のコンパクト化と車体側の取付スペースを節約
したもので、この装置の概要を説明すると第１図
および第２図において、１はステアリングリンク
（タイロツド等図示せず）に連係するラツク、２
はピニオン、３はピニオン２と直交方向に配置さ
れたスプールバルブ、４はこれらを収装する本体
である。

ラツク１とかみ合うピニオン２は、ピニオン軸
５と一体的に形成され、ピニオン２の前後に位置
して設けられた軸受６，７を介して本体４に支持
される。

軸受６，７は第３図にも示すように、ラツク１
と平行方向に長軸が存在する楕円形の長孔８に軸
受６，７のアウターレース９が挿入されており、
左右に所定距離だけピニオン軸５が変位しうるよ
うに形成してある。ただし、ピニオン軸５は図示
しないハンドルと連結されるのであるが、その途
中でこの左右への変位を吸収する機構が設けられ
ている。

一方、スプールバルブ３は、ピニオン軸５と直
交方向に本体４に形成されたスリーブ部１０に摺
動自由に収装される。

スプールバルブ３には、第２図に示すようにス
リーブ部１０との間で圧油通路を形成する環状溝
１１，１２が設けられ、またスリーブ部１０には
これら環状溝１１，１２と協働して図示しないパ
ワーシリンダの油圧室をポンプ側またはタンク側
と選択的に連通する制御ポート１３，１４、ポン
プポート１５等が形成されており、スプールバル
ブ３が図示中立位置から右方または左方へ移動す
ると、その移動方向に応じてパワーシリンダへの
圧油供給方向が切り換わる。

このスプールバルブ３には、ピニオン軸５と直
交するピン穴１６が形成されている。そして、こ
のピン穴１６とピニオン軸５を連接する駆動レバ
ー１７が、スプールバルブ３とピニオン軸５とを
隔てる本体４仕切壁部４Ａに形成された開口部１
８を通して配置されている。この駆動レバー１７
には、ピニオン軸５に嵌まるリング部１９の中心
を通る対称位置に支持ピン２０および駆動ピン２
１が突設され、その先端には球面状に形成された
支点部２２および駆動部２３がそれぞれ設けられ
ている。

支持ピン２０の支点部２２は本体４に形成され
た支持穴２４に嵌まり、駆動ピン２１の駆動部２
３はスプールバルブ３のピン穴１６に嵌まつてい
る。

上記構成において、いま図示しないハンドルを
操作してピニオン軸５をいずれかの方向に回動す
ると、ステアリングリンクに連係するラツク１の
抵抗が大きいため、この回動方向にラツク１に沿
つて長孔８で許容される分だけピニオン軸５は変
位する。

このとき駆動レバー１７は、リング部１９がピ
ニオン軸５に係合しながらピニオン軸５の変位方
向へと揺動するのに伴い支点部２２を中心として
駆動部２３が振られる。これによつてスプールバ
ルブ３が切換変位されて、図示しないパワーシリ
ンダに圧油が供給されピニオン軸５の回転方向に
ラツク１が駆動される。

なお、符号２５はスプールバルブ３を中立位置
に付勢するニユートラルスプリングである。

ところで近年、パワーステアリング装置を自動
操縦や運転外乱に対する補償制御等へ適用するこ
とが試みられているが、必らずしも適切なものは
ないのが現状である。

そこで本発明は上記した装置を改良して、自動
操縦や補償制御に適用し得るパワーステアリング
装置を提供することを目的としている。

以下実施例を図面にもとずいて説明するが、第
４図および第５図において、第１〜第３図と実質
的に同一のものには同一符号を付して説明する。

第４図および第５図に示すように、駆動レバー
１７の支点部２２は、ガイドカラー２６のカラー
部２７に形成された支持穴２４に嵌つている。

そのガイドカラー２６は、両側に形成された軸
状のガイド部２８によつて、本体４から突設され
たケース部２９にラツク１と平行方向に摺動自在
に支持されており、また支持穴２７の反対側にラ
ツク１と平行方向の制御用ラツク３０が形成され
ている。

一方、本体４のケース部２９には、前記制御用
ラツク３０とかみあう制御用のピニオン３１が、
その軸部３２によつて回転自在に支持されてお
り、その軸部３２は制御用モータ３３の駆動軸と
連結される。このモータ３３は制御装置３４から
の制御電流にもとづいて可逆的に回転し、これに
より自動的にステアリング操作を行うことを可能
としている。

上記構成において、モータ３３が制御装置３４
の信号をうけて第５図で反時計方向に回転し、ピ
ニオン３１および制御用ラツク３０を介して、ガ
イドカラー２６を矢印で示すように左方に移動さ
せると、駆動レバー１７はその支点部２２が移動
し、これにより最初ピニオン軸５も若干変位する
が、すでに長孔８の端面に接して止まるため、以
後は駆動部２３を中心として時計方向に回動す
る。これによつてスプールバルブ３が切換えら
れ、図示しないパワーシリンダに圧油が送り込ま
れ、ラツク１が所定の方向へと移動してステアリ
ング操作が行われる。

このように、制御用モータ３３を回転させるこ
とによつて、運転者とは無関係に自動車を操舵す
ることができる。

従つて、この装置を自動操縦に適用するには、
例えば制御装置３４を、所定の進行方向に対する
自動車のづれ方向とづれ量を検知し、これを解消
する方向に制御ラツク３０を移動させるようにモ
ータ３３を回転させる信号を出力させるようにす
ればよい。

また、運転外乱に対する補償制御についても、
制御装置３４を、運転者の入力と補正回路からの
入力信号と比較し、スプールバルブ３の変位量を
増減させるようにモータ３３を回転させる信号を
出力すればよい。上記の補正条件として、横風や
路面抵抗あるいは車速等があげられ、この場合、
横風や路面抵抗による過ヨーイングや、あるいは
高速時の過操舵が防止される。

以上説明したように本発明によれば、ラツクア
ンドピニオン式パワーステアリング装置のピニオ
ン軸の軸心と平行方向の変位をスプールバルブに
伝達する駆動レバーの支点を本体に可動的に支持
し、その支点を外部信号に応じてラツクと同方向
に移動させる制御手段を備え、スプールバルブを
外部信号によつて切換えられるようにしたので、
極めて簡単に自動操縦や補償制御に適用できる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の縦断面図、第２図は同−
断面図、第３図は同−断面図、第４図は本
発明の一実施例の縦断面図、第５図は同−断
面図である。 １……ラツク、２……ピニオン、３……スプー
ルバルブ、４……本体、５……ピニオン軸、６，
７……軸受、８……長孔、９……アウターレー
ス、１７……駆動レバー、１９……リング部、２
２……支点部、２３……駆動部、２４……支持
穴、２６……ガイドカラー、３０……制御ラツ
ク、３１……制御用ピニオン、３３……制御用モ
ータ、３４……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車両のステアリングリンクと連接するラツク
   と、このラツクとかみ合うピニオンを備えて操向
   ハンドルと共に回動するピニオン軸を設け、ポン
   プからの圧油をパワーシリンダに選択的に供給す
   るスプールバルブをピニオン軸と直交するように
   配置し、前記ピニオン軸を長孔を介してラツクに
   沿つて所定距離だけ平行移動しうるよう支持する
   とともに、当該ピニオン軸の平行移動を駆動レバ
   ーによりスプールバルブに伝達して切換え動作さ
   せるようにする一方、前記駆動レバーの支点を本
   体に可動に支持し、かつこの支点を外部信号に応
   じて前記ラツクと平行方向に移動させる駆動手段
   を備えたことを特徴とするパワーステアリング装
   置。 ２ 駆動手段が、駆動レバーの支点を回動自在に
   支持しかつラツクと平行方向に移動する制御用ラ
   ツクと、この制御用ラツクとかみ合うピニオン
   と、ピニオンを回転させるモータとから構成され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載のパワーステアリング装置。