JPH066540B2 - β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法 - Google Patents

β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法

Info

Publication number
JPH066540B2
JPH066540B2 JP60161157A JP16115785A JPH066540B2 JP H066540 B2 JPH066540 B2 JP H066540B2 JP 60161157 A JP60161157 A JP 60161157A JP 16115785 A JP16115785 A JP 16115785A JP H066540 B2 JPH066540 B2 JP H066540B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
treated
carrier
activated carbon
basic substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60161157A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6222736A (ja
Inventor
隆良 増田
文雄 山崎
博進 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP60161157A priority Critical patent/JPH066540B2/ja
Publication of JPS6222736A publication Critical patent/JPS6222736A/ja
Publication of JPH066540B2 publication Critical patent/JPH066540B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエポキシ化合物を異性化してβ,γ−不飽和ア
ルコールを製造する方法に関する。
更に詳しくは、少なくとも主触媒であるリン酸塩と塩基
性物質で処理した担体とから成る触媒を用いてエポキシ
化合物を異性化し、高選択率、高収率で、かつ、長時間
に亘って触媒性能の低下を伴なうことなくβ,γ−不飽
和アルコールを製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、β,γ−不飽和アルコール(例えば、アリルアル
コール)を製造する方法としては、主に、β,γ−不飽
和アルケニルハライド(例えば、アリルクロライド)を
アルカリの存在下に加水分解する方法並びにエポキシ化
合物(例えば、プロピレンオキシド)を異性化する方法
の二方法が知られているが、前者は選択率や収率が充分
ではなく、又、目的物であるβ,γ−不飽和アルコール
が稀薄な水溶液の形で得られ、濃縮、精製に多大なエネ
ルギーを要するという欠点も有しているので、工業的に
は専ら後者の方法が採用されている。
エポキシ化合物を異性化してβ,γ−不飽和アルコール
を製造する方法に於ては、通常、異性化触媒としてリン
酸三リチウム(Li3PO4)が使用されており、ほぼ満足し得
る出発原料の転化率と目的とする生成物の選択率とが達
成されるが、該触媒は異性化反応時に副生する高沸点物
質の付着等の原因によって極めて短時間で劣化し、触媒
性能、特に活性が大幅に低下するという致命的な欠点を
有している。
この為、工業的には、触媒の劣化を可能な限り抑制すべ
く、該異性化用触媒を多量の高沸点溶剤中に分散(通
常、触媒に対して4〜10倍量の高沸点溶剤を使用)さ
せた状態で使用(例えば、特公昭39-10313号公報;便宜
上“液相法”と呼称することとする)し、かつ、触媒劣
化の主原因となる副生高沸点物質を高沸点溶剤中から連
続的又は間欠的に分離去しながら異性化反応を実施する
方法が採用されているのが現状である。
一方、高沸点溶剤を用いることなく、触媒を固床又は流
動床の形で使用する、いわゆる“気相法”は、上述の液
相法に比して設備費、原料費、用役費やプラントの保
守、管理面で遥かに有利になるので、気相法を主対象と
する触媒も提案されている(例えば、特公昭37-17552号
公報、特公昭47-13009号公報、特公昭47-38407公報)。
然し乍ら、特公昭37-17552号公報のアルカリ金属を0.05
〜1重量%残存させた浸出塩基性リン酸三リチウム触媒
は、活性や選択率の点ではほぼ満足できるものの、触媒
寿命が極めて短かく、高々50時間程度の使用で著しく
劣化し、触媒の再生を必要とする。
又、特公昭47-13009号公報のリン酸三リチウムと炭酸リ
チウムとを担体に担持させた触媒は、触媒の再生を要す
るまでの使用可能時間がある程度改善され、かつ、再生
可能回数も増大するという利点を有しているが、依然と
してかなり頻繁に再生を必要とするので、実用上問題が
ある。
又、特公昭47-38407号公報の場合、リン酸三リチウムと
銅、ニツケル、クロム等の助触媒とから成る触媒を使用
し、かつ、水素の存在下に異性化反応を行なう方法であ
り、活性、選択率、寿命の点で上述の特公昭47-13009号
公報の場合と大差はなく、しかも水素を必要とするとい
う問題を有している。
以上の如く、気相法は液相法に比べてプラントの建設費
や運転管理等の点で有利であるにも拘らず、活性や選択
率に優れ、しかも気相法に好適に使用可能な長寿命の触
媒が未だ開発されていないので、工業的規模では実施さ
れていないのが実情である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、エポキシ化合物を異性化し、高選択
率、高収率で、かつ、長時間に亘って触媒性能の低下を
伴なうことなくβ,γ−不飽和アルコールを製造する方
法を提供することにある。
又、本発明の別の目的は、気相法でのエポキシ化合物の
異性化反応に於て、従来技術の欠点を大幅に改良した
β,γ−不飽和アルコールの製造方法を提供することで
ある。
(問題点を解決する為の手段) 本発明者等は、上記目的を達成する為、鋭意検討を重ね
た結果、少なくとも主触媒であるリン酸塩と塩基性物質
で処理した担体とから成る触媒を用いてエポキシ化合物
の異性化を行なうことにより、高選択率、高収率で、し
かも気相法での異性化反応に於ても長時間に亘って触媒
性能の低下を伴なうことなくβ,γ−不飽和アルコール
を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
即ち、本発明は、少なくとも主触媒であるリン酸塩と塩
基性物質で処理した担体とバインダーとしてのメチルセ
ルロースとから成る触媒の存在下にエポキシ化合物を異
性化することを特徴とするβ,γ−不飽和アルコールの
製造方法である。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明の適用の対象となる、出発原料としてのエポキシ
化合物は、分子内に1個以上の含酸素三員環骨格を有
し、かつ、炭素数が3以上(但し、芳香環を構成する炭
素は除く)のエポキシ化合物である。また、エポキシ化
合物は分子内に水酸基、ハロゲノ基、アルケニル基、ニ
トロ基、ニトリル基、エーテル結合、エステル結合等を
有してもよい。
エポキシ化合物の具体例としては、例えば、プロピレン
オキシド(別名1,2−エポキシプロパン)、1,2−ブチレ
ンオキシド(別名1,2−エポキシブタン)、2,3−ブチレ
ンオキシド(別名2,3−エポキシブタン)、イソブチレ
ンオキシド(別名1,2−エポキシイソブタン)、1,2−エ
ポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキ
シオクタン、2,3−エポキシオクタン、3,4−エポキシオ
クタン、1,2−エポキシデカン等の短鎖状又は長鎖状の
アルキレンオキシド類、シクロヘキセンオキシド(別名
1,2−エポキシシクロヘキサン)、1−メチルシクロヘ
キセンオキシド(別名1,2−エポキシ−1−メチルシク
ロヘキサン)、1,2−エポキシシクロオクタン等の脂環
式エポキシ化合物、α−メチルスチレンオキシド(別名
1,2−エポキシ−2−フェニルプロパン)、m−ジイソ
プロペニルベンゼンオキシド、p−ジイソプロペニルベ
ンゼンオキシド、1,2−エポキシ−3−フエニルプロパ
ン等の芳香族エポキシ化合物があげられる。
次に、本発明に用いられる触媒は、少なくとも主触媒で
あるリン酸塩と塩基性物質で処理した担体とから成るも
のである。
リン酸塩の具体例としては、リン酸三リチウム、リン酸
二リチウムナトリウム、リン酸二リチウムカリウム、リ
ン酸二ナトリウムリチウム、リン酸ニッケル等の従来公
知の触媒が用いられ、通常、リン酸三リチウムが特に好
ましい。
これらのリン酸塩は従来公知の方法により容易に調製す
ることができ、例えばリン酸三リチウムの場合には、リ
ン酸三ナトリウムと水酸化リチウムとを反応させる方
法、リン酸と水酸化リチウムとを反応させる方法、リン
酸三ナトリウムと硝酸リチウムとを水酸化ナトリウムの
存在下に反応させる方法、リン酸三カリウムと硝酸リチ
ウムとを水酸化カリウムの存在下に反応させる方法等を
任意に用いることができる。
尚、上記した主触媒としてのリン酸塩のほかに助触媒や
バインダー等を任意に併用することもできる。
一方、塩基性物質で処理した担体は、本発明の効果を発
揮させる上で重要な役割を演ずるものであり、ヤシガラ
活性炭、コール活性炭、分子ふるい活性炭(モレキュラ
ーシービングカーボン)、グラファイト、活性炭繊維の
如き炭素系担体やケイソウ土、活性白土、酸性白上、炭
化ケイ素、窒素ケイ素、シリカ、アルミナ、シリカアル
ミナ等の各種担体を塩基性物質で処理したものが用いら
れ、中でも活性炭を塩基性物質で処理したものが特に好
ましい。
因みに、未処理の担体を用いる方法は従来知られている
が、本発明者等が検討した結果によれば、未処理担体は
触媒寿命を改良する効果が殆んどないか、又はその効果
が小さく、しかも目的とする生成物の選択率に寧ろ悪影
響を与えるという致命的な欠陥を有しており、又、無機
酸、有機酸、酸性塩類等の酸性物質で処理した担体も好
ましくはなく、塩基性物質で処理した担体を使用する時
にのみ優れた効果が発揮される。
尚、主触媒であるリン酸塩自体を塩基性物質で処理して
も本発明の様な効果は発揮されない。
担体を処理する際に用いる塩基性物質としては、例え
ば、アンモニア、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン等に
よって代表される無機窒素化合物、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチ
ルアミン、ラウリルアミン、エチレンジアミン、ヘキサ
チレンジアミン、トリエチレンジアミン、アリルアミ
ン、クロチルアミン、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノ
ールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、N,N−
ジメチルアニリン、p−クロロアニリン、o−トルイジ
ン、m−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミン、ピ
リジン、キノリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピラジン、インドール、エチレンイミン、ピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルモルホリン、
ホルムアミジン、グアニジン、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド、水酸化テトラメチルアンモニウム、テト
ラブチルアンモニウムブロマイド、塩化コリン、リジ
ン、オルニチン、アルギニン等によつて代表される脂肪
族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、含窒素複素環
化合物、アミジン類、グアニジン類、第4アンモニウム
塩、塩基性アミノ酸の如き有機窒素化合物、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アン
モニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭
酸水素アンモニウム等によって代表される無機騒酸化
物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、蟻酸ナトリウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、モノクロロ酢酸ナトリウ
ム、プロピオン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、シユウ
酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、ラウリル酸ナト
リウム、酢酸アンモニウム、ナトリウムフェノラート等
によって代表される有機酸又はフエノール類の塩類等が
あげられる。
尚、上記した塩基性物質の中では、無機窒素化合物や有
機窒素化合物が担体の性能を改善する効果が優れてお
り、特に好ましい塩基性物質である。
これらの塩基性物質は1種類を単独使用しても良いし、
また2種類以上を併用することもできる。
担体を塩基性物質で処理する際には、塩基性物質が気体
状または液体状の形態で使用するのが好ましく、固体状
の塩基性物質の場合には、予め水、有機溶媒、含水有機
溶媒等に溶解させた後、担体の処理に使用される。又、
この際に用いられる有機溶媒としては、例えば炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル
類、エステル類等の如く、塩基性物質による担体の処理
効果を損なわないものである限り、特に限定を受けな
い。
尚、気体状又は液体状の塩基性物質の場合も水、有機溶
媒等に溶解させ、稀釈して用いることもできる。
担体を塩基性物質で処理する方法としては、担体を塩基
性物質の気流に接触させる方法、担体を液状の塩基性物
質(塩基性物質自体が液状の場合はそのまま、又は水、
有機溶媒等に溶解させ稀釈したもの、固体の場合には
水、有機溶媒等に溶解させた液状化したもの)中に浸漬
させる方法等を任意に採用することができる。
担体と塩基性物質との使用比率、塩基性物質で担体を処
理する際の温度や処理時間等は適宜選択することがで
き、特に限定を受けるものではないが、通常、担体が塩
基性物質と充分に接触するに足る量の塩基性物質、又は
その稀釈溶液を使用し、0〜300℃の温度で1〜100時間
程度処理するのが良い。
上記の方法に従つて塩基性物質で処理された担体には、
通常、過剰の塩基性物質が残存しており、一般にこれら
の過剰の塩基性物質はエポキシ化合物の異性化反応に対
して不利に作用するので、過、水洗、有機溶媒洗浄、
加熱、焼成等の方法を適宜組み合わせることによって除
去するのが好ましい。
かくして得られる塩基性物質で処理した担体と主触媒で
あるリン酸塩とを組み合わせることにより、本発明に用
いるエポキシ化合物の異性化用触媒が調製される。
塩基性物質で処理した担体と主触媒との使用比は、一般
に10:90乃至90:10重量比、好ましくは20:80乃至80:20重
量比程度が適当である。
リン酸塩を塩基性物質で処処理した担体に担持させる方
法としては、通常、混練法が用いられるが、その他の方
法を用いることもできる。
本発明に用いる触媒は、粉末状、粒状、球形状、円柱
状、円筒状等の任意の形態で使用することができるが、
例えばエポキシ化合物の異性化反応を気相法で、かつ、
固定床方式の触媒充填反応器を用いて行なう場合には、
球形状、円柱状、円筒状等の形態に成形して用いるのが
好ましく、液相法で異性化反応を行なう場合には、粉末
状のものが好ましい。
触媒を球状、円柱状、円筒状等の形態に成形する場合に
は、通常、リン酸塩と塩基性物質で処理し担体とを、予
め充分に混練後、打錠機を用いて圧縮成形する方法、押
出成形する方法、転動造粒する方法等が用いられる。
尚、成形の際、触媒の機械的強度を増大させる為に、デ
ンプン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロ
ース等によって代表される粘結効果を有し、かつ、触媒
性能に悪影響を及ぼさない様なバインダーを任意に使用
することができる。
上記した触媒を用いてエポキシ化合物の異性化反応を行
なう際のエポキシ化合物の供給速度は、LHSV(Liquid Ho
urly Space Velocity;液体のエポキシ化合物の1時間
当りの供給容積を触媒の占める容積で割った値)表示で
0.1〜3hr-1、好ましくは0.5〜2hr-1程度が適当であ
る。
又、反応温度は一般に200〜350℃、好ましくは250〜300
℃程度である。
尚、反応時の圧力は大気圧乃至加圧条件下のいずれでも
良い。
本発明の方法によるエポキシ化合物の異性化反応は、液
相法(触媒を炭化水素系等の高沸点溶剤に分散させた液
中にエポキシ化合物を供給して異性化反応を行なう方
法)、気相法(固定床又は流動床方式の触媒反応器にエ
ポキシ化合物を供給して、気相状態で異性化反応を行な
う方法)のいずれでも実施することが可能であるが、特
に気相法に於てその真価が発揮される。
異性化反応による生成物は、例えばプロピレンオキシド
を出発原料に用いた場合にはβ,γ−不飽和アルコール
であるアリールアルコールが主生成物であり、プロピオ
ンアルデヒド、アセトン、n−プロパノール等の副生物
が若干生成する。
β,γ−不飽和アルコールの選択率は少なくとも90%
以上、最も好ましくは反応条件下に実施した場合には9
4%以上に達する。
反応生成物中には前述のアルデヒド、ケトン、飽和アル
コール等の副生物の他に未反応のエポキシ化合物が含有
されているが、蒸留等の精製方法を用いることにより、
高純度のβ,γ−不飽和アルコールを取得することがで
き、又、回収した未反応のエポキシ化合物は異性化反応
に再使用することができる。
(実施例) 以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
参考例1 リン酸三リチウムの調製 予め、A液(LiOH・H2O 377.7g(9モル)を蒸留水1.5に加
熱溶解した溶液)及びB液(Na3PO4・12H2O 1254.4g(3.3
モル)を蒸留水2.3に加熱溶解した溶液)を調製後、
撹拌下、60℃の温度でB液にA液を添加し、リン酸三
リチウムの白色沈殿を生成させた。
A液の添加終了後、更に60℃で3時間熟成反応を行な
ってからリン酸三リチウムの結晶を別し、合計50
の蒸留水を用いて充分に洗浄した。引き続いて該結晶を
120℃で10時間乾燥し、リン酸三リチウム260g(22.2
5モル)を得た。
尚、上記方法によるリン酸三リチウムの製造を更に4回
くり返し、合計5バツチ分のリン酸三リチウム(約1.3k
g)を均一に混合して1ロットとし、以下の実験に使用
した。
参考例2 塩基性物質で処理した担体の調製 (1) 市販の粒状ヤシガラ活性炭200gを10%アン
モニウム水1中に室温で24時間浸漬させた後、別
し、合計10の蒸留水で良く洗浄し、最後に120℃で
5時間乾燥することにより、アンモニウムで処理した粒
状ヤシガラ活性炭を調製した。
(2) 市販の粒状ヤシガラ活性炭100gを、周囲に電
熱ヒーターを巻いたガラス管(内径3cm、長さ110cm)
内に充填し、アンモニウムガス50m/分及び窒素ガス
(as稀釈用)200m/分の混合ガスの気流下、100℃
で2時間処理を行なった後、アンモニウムガスの供給を
止め、窒素ガスのみの気流(200m/分)下、150
℃で2時間加熱することにより、アンモニウムガスで処
理した粒状ヤシガラ活性炭を調製した。
(3) 市販の粒状ヤシガラ活性炭100gを5%のトリ
メチルアミン水溶液500m中に室温で24時間浸漬さ
せた後、別し、合計5の蒸留水で良く洗浄し、最後
に150℃で5時間乾燥することにより、トリチルアミ
ンで処理した粒状ヤシガラ活性炭を調製した。
(4) 市販の粒状ヤシガラ活性炭100gをピリジン5
%及びタノール95%より成る溶液500m中に50℃
の温度で5時間浸漬後、別し、合計5の蒸留水で良
く洗浄し、最後に150℃の温度で5時間乾燥すること
により、ピリジンで処理した粒状ヤシガラ活性炭を調製
した。
(5) 市販の粒状ヤシガラ活性炭100gを1%の水酸
化ナトリウム水溶液500m中に100℃の温度で5時
間浸漬後、別し、合計5の蒸留水で良く洗浄し、最
後に150℃の温度で5時間乾燥することにより、水酸
化ナトリウムで処理した粒状ヤシガラ活性炭を調製し
た。
(6) 粒状ヤシガラ活性炭の代りに市販の粒状シリカゲ
ル100gを用いた以外は(2)に記載の方法と同一の条
件で操作を行なうことにより、アンモニアガスで処理し
た粒状シリカゲルを調製した。
(7) 粒状ヤシガラ活性炭の代りに市販の粒末状ケイソ
ウ土200gを用いた以外は(1)に記載の方法と同一の
条件で操作を行なうことにより、アンモニアで処理した
粉末状ケイソウ土を調製した。
(8) 市販の粒状コール活性炭100gを2%のテトラ
メチルアンモニウムクロライド水溶液500m中に室温
で24時間浸漬後、別し、合計5の蒸留水で良く洗
浄し、最後に150℃の温度で5時間乾燥することによ
り、テトラメチルアンモニウムクロライドで処理した粒
状コール活性炭を調製した。
(9) 2%のテトラメチルアンモニウムクロライド水溶
液の代りに5%の酢酸カリウム水溶液500mを用いた
以外は(8)に記載の方法と同一の条件で操作を行なうこ
とにより、酢酸カリウムで処理した粒状コール活性炭を
調製した。
実施例1 参考例1の方法によって調製したリン酸三リチウム70
g及び参考例2−(1)で得たアンモニア処理粒状ヤシガ
ラ活性炭30gをボールミルで粉砕してからメチルセル
ロース1g及び少量の蒸留水を添加して充分混練後、押
出成形法によつて4mmФ×6mmの円柱状に成形した。該
成形品を100℃で5時間乾燥後、300℃で3時間焼
成することにより、エポキシ化合物の異性化用触媒を製
造した。
上記の異性化用触媒70m(約42g)を、周囲に電熱
ヒーターを巻いたガラス製反応器(内径2.5cm、長さ30c
m)に充填後、予熱器を用して100〜120℃に予熱したプ
ロピレンオキシドを70m(as液体容積)/時の割合で
該反応器に連続的供給し、異性化反応を行なつた(反応
温度275℃、反応圧力0kg/cm2G)。
反応生成物は−10℃のブラインで冷却したコンデンサ
ーで凝縮捕集した。連続反応開始後、5時間目、50時
間目並びに100時間目のラップサンプルをガスクロマト
グラフィーを用いて定量分析し、プロピレンオキシドの
転化率並びに目的とする生成物であるアリルアルコール
の選択率を算出した。結果を表に示した 実施例2 参考例1の方法によって調製したリン酸三リチウム50
g及び参考例2−(1)で得たアンモニア処理粒状ヤシガ
ラ活性炭50gを用いた以外は実施例1と全く同様の方
法で異性化用触媒を製造した。
次にプロピレンオキシドを35m(as液体容積)/時で
供給した以外は実施例1と全く同様の方法で異性化反応
を行なった。
結果を表に示した。
実施例3 参考例2−(1)の担体(アンモニウム処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(2)で得たアンモニアガス処理
ヤシガラ活性炭30gを用いた以外は実施例1と全く同
様の方法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピレン
オキシドの異性化化反応を行なった。結果を表に示し
た。
実施例4 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(3)で得たトリメチルアミン処
理ヤシガラ活性炭30gを用いた以外は実施例1と全く
同様の方法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピレ
ンオキシドの異性化反応を行なった。結果の表に示し
た。
実施例5 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(4)で得たピリジン処理ヤシガ
ラ活性炭30gを用いた以外は実施例1と全く同様の方
法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピレンオキシ
ドの異性化反応を行なった。結果の表に示した。
実施例6 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに、参考例2−(5)で得た水酸化ナトリウム
処理ヤシガラ活性炭30gを用いた以外は実施例1と全
く同様の方法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピ
レンオキシドの異性化反応を行なった。結果の表に示し
た。
実施例7 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(6)で得たアンモニアガス処理
シリカゲル30gを用いた以外は実施例1と全く同様の
方法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピレンオキ
シドの異性化反応を行なった。結果の表に示した。
実施例8 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(7)で得たアンモニア処理ケイ
ソウ土30gを用いた以外は実施例1と全く同様の方
法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピレンオキシ
ドの異性化反応を行なった。結果の表に示した。
実施例9 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(8)で得たテトラメチルアンモ
ニウムクロライド処理コール活性炭30gを用いた以外
は実施例1と全く同様の方法、条件で異性化用触媒の製
造並びにプロピレンオキシドの異性化反応を行なった。
結果の表に示した。
実施例10 参考例2−(1)の担体(アンモニア処理ヤシガラ活性
炭)の代りに参考例2−(9)で得た酢酸カリウム処理コ
ール活性炭30gを用いた以外は実施例1と全く同様の
方法、条件で異性化用触媒の製造並びにプロピレンオキ
シドの異性化反応を行なった。結果の表に示した。
比較例1 参考例1の方法によって調製したリン酸三リチウム10
0gのみを使用し、担体を全く使用しない以外は実施例
1と全く同様の方法、条件で異性化用触媒の製造並びに
プロピレンオキシドの異性化反応を行なった。結果の表
に示した。
比較例2 アンモニア処理活性炭の代りに市販の粒状ヤシガラ活性
炭30gをアンモニア処理を施すことなくそのまま担体
として用いた以外は実施例1と全く同様の方法、条件で
異性化用触媒の製造並びにプロピレンオキシドの異性化
反応を行なった。結果の表に示した。
比較例3 アンモニア処理ケイソウ土の代りに市販の粉末状ケイソ
ウ土30gをアンモニア処理を施すことなくそのまま担
体として用いた以外は実施例8と全く同様の方法、条件
で異性化用触媒の製造並びにプロピレンオキシドの異性
化反応を行なった。結果の表に示した。
比較例4 参考例1の方法によつて調製したリン酸三リチウム20
0gを、参考例2−(1)のヤシガラ活性炭のアンモニア
処理と同様の方法、条件によってアンモニア処理を行な
つた後、比較例1と全く同様の方法、条件で異性化用触
媒の製造並びにプロピレンオキシドの異性化反応を行な
った。結果の表に示した。
(発明の効果) 以上に詳述した様に、本発明のβ,γ−不飽和アルコー
ルの製造方法は、少なくとも主触媒であるリン酸塩と塩
基性物質で処理した担体とから成る触媒の存在下のエポ
キシ化合物を異性化することにより、高選択率、高収率
で、かつ、長時間に亘って触媒性能の低下を伴なうこと
なくβ,γ−不飽和アルコールを製造することを可能と
する。
又、本発明の方法は、従来、触媒寿命に問題がある為に
工業的規模での実施が困難であった気相法によるエポキ
シ化合物の異性化反応をも実現可能とするものである。
因みに、本発明のこれらの優れた効果は、触媒を構成す
る担体として塩基性物質で処理した担体を用いることに
よつて達成されるものであり、無処理の担体や酸性物質
で処理した担体の場合には到底発揮され得ないものであ
る。
以上の通り、本発明のβ,γ−不飽和アルコールの製造
方法は優れたものであり、工業上の利用価値の高い方法
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも主触媒であるリン酸塩と塩基性
    物質で処理した担体とバインダーとしてのメチルセルロ
    ースとから成る触媒の存在下にエポキシ化合物を異性化
    することを特徴とするβ,γ−不飽和アルコールの製造
    方法。
JP60161157A 1985-07-23 1985-07-23 β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法 Expired - Lifetime JPH066540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60161157A JPH066540B2 (ja) 1985-07-23 1985-07-23 β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60161157A JPH066540B2 (ja) 1985-07-23 1985-07-23 β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6222736A JPS6222736A (ja) 1987-01-30
JPH066540B2 true JPH066540B2 (ja) 1994-01-26

Family

ID=15729675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60161157A Expired - Lifetime JPH066540B2 (ja) 1985-07-23 1985-07-23 β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH066540B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5262371A (en) * 1992-05-06 1993-11-16 Arco Chemical Technology, L.P. Alkylene oxide isomerization process and catalyst
US5455215A (en) * 1994-10-17 1995-10-03 Arco Chemical Technology, L.P. Epoxide isomerization catalysts

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6222736A (ja) 1987-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5013692B2 (ja) フルオロメタンの製造方法およびその製品
JPH06198171A (ja) ケイ素−アルミニウム系触媒及び該触媒を用いた第三級オレフィンの製造方法
JPH066540B2 (ja) β,γ−不飽和アルコ−ルの製造方法
KR870000035B1 (ko) 옥살산 디에스테르의 제법
US4003984A (en) Production of sulfuryl fluoride
JPS6223439A (ja) エポキシ化合物の異性化用触媒
CN111004123A (zh) 一种3-乙氧基丙酸乙酯的制备方法
EP0284816B1 (en) Method of producing aldehydes
JPS62164647A (ja) エステルの合成法
JPH05170698A (ja) 低級脂肪酸エステルの製造方法
KR100429274B1 (ko) 피라진화합물의제조방법
JP3147500B2 (ja) 酢酸エチルとエチルアルコールの製造法
JP3568293B2 (ja) 2,3−ジメチル−2−ブテンの製造方法
JP2910296B2 (ja) 低級脂肪酸エステルの製造方法
JPS58146562A (ja) インドリンの製造方法
JP3266924B2 (ja) 低級脂肪酸エステル製造触媒の再生方法
JPH08141402A (ja) 3級n−アルケニルカルボン酸アミド類の製造用触媒及び3級n−アルケニルカルボン酸アミド類の製造方法
CN1789256A (zh) 耦合法制备2-甲基呋喃和环己酮
CN115215744A (zh) 一种高活化催化剂生产水杨酸苄酯的工艺
JP2608722B2 (ja) 4−メチルー1−ペンテンの製造法
JP3904916B2 (ja) フッ素を含有する脂環式ジアミン化合物の製造方法
JPS62277342A (ja) 脂肪族カルボン酸エステルの製造方法
JP3541448B2 (ja) アセトアミドの製造方法
JPH05294894A (ja) 低級脂肪酸エステルの製造法
JPH0155265B2 (ja)