JPH0665289A - N−末端に修飾を有するペプチド - Google Patents

N−末端に修飾を有するペプチド

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JPH0665289A
JPH0665289A JP5076877A JP7687793A JPH0665289A JP H0665289 A JPH0665289 A JP H0665289A JP 5076877 A JP5076877 A JP 5076877A JP 7687793 A JP7687793 A JP 7687793A JP H0665289 A JPH0665289 A JP H0665289A
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シユテフアン・ヘンケ
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ヘルマン・ゲールハルトス
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 N末端が変性されたペプチドを提供する。 【構成】 式I Z−P−A−B−C−E−F−K−(D)Q−G−M−F′−I (I) 〔例えば、 Fmoc-D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thia-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH〕 で表されるペプチド及びその生理学的に許容しうる塩。 【効果】 該ペプチドは優れたブラジキニン拮抗性作用
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラジキニン−拮抗性作
用を有する新規ペプチドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ブラジキニン−拮抗性ペプチドはとりわ
け、WO 86/07263号並びにヨーロッパ特許出
願第370453号、第413277号、第45513
3号および第472220号の各明細書中に記載されて
いる。
【0003】
【発明の構成】本発明には下記式I Z−P−A−B−C−E−F−K−(D)Q−G−M−F′−I (I) で表される、ブラジキニン−拮抗性作用を有する新規ペ
プチドおよびその生理学的に許容しうる塩が記載されて
いる。
【0004】上記式中、 Zはa1) (C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−
アルカノイル、(C1〜C8)−アルコキシカルボニル、
(C3〜C8)−シクロアルキル、(C4〜C9)−シクロ
アルカノイルまたは(C1〜C8)−アルキルスルホニ
ル、{ここで各場合において1、2又は3個の水素原子
は下記の基:カルボキシル、NHR1、((C1〜C4)−
アルキル)NR1又は((C6〜C10)−アリール−(C1
〜C4)−アルキル)NR1(ここでR1は水素又はウレタ
ン保護基である)、(C1〜C4)−アルキル、(C1
8)−アルキルアミノ、(C6〜C10)−アリール−
(C1〜C4)−アルキルアミノ、ヒドロキシル、(C1
〜C4)−アルコキシ、ハロゲン、ジ−(C1〜C8)−
アルキルアミノ、ジ−〔(C6〜C10)−アリール−
(C1〜C4)〕−アルキルアミノ、カルバモイル、フタ
ルイミド、1,8−ナフタルイミド、スルファモイル、
(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C6〜C14
−アリール及び(C6〜C14)−アリール−(C1
5)−アルキルからなる系より選択される1、2また
は3個の同一又は相異なる基によって場合により置換さ
れているか、
【0005】またはここで各場合において1個の水素原
子は下記の基:(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1
〜C6)−アルキルスルホニル、(C1〜C6)−アルキ
ルスルフィニル、(C6〜C14)−アリール−(C1〜C
4)−アルキルスルホニル、(C6〜C14)−アリール−
(C1〜C4)−アルキルスルフィニル、(C6〜C14
−アリール、(C6〜C14)−アリールオキシ、(C3
13)−ヘテロアリールおよび(C3〜C13)−ヘテロ
アリールオキシからなる系より選択される1個の基によ
って場合により置換されていて、かつ
【0006】1または2個の水素原子は下記の基:カル
ボキシル、アミノ、(C1〜C8)−アルキルアミノ、ヒ
ドロキシル、(C1〜C4)−アルコキシ、ハロゲン、ジ
−(C1〜C8)−アルキルアミノ、カルバモイル、スル
ファモイル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、
(C6〜C14)−アリールおよび(C6〜C14)−アリー
ル−(C1〜C5)−アルキルからなる系より選択される
1または2個の同一または相異なる基によって置換され
ている}
【0007】a2) (C6〜C14)−アリール、(C7
〜C15)−アロイル、(C6〜C14)−アリールスルホ
ニル、(C3〜C13)−ヘテロアリール、または(C3
13)−ヘテロアロイル; a3) カルバモイル(これは窒素原子上で下記の基:
(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C14)−アリールま
たは(C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキ
ルにより場合によって置換されうる)であり、 ここで、前記a1)、a2)およびa3)に定義されてい
る基において各場合のアリール、ヘテロアリール、アロ
イル、アリールスルホニルおよびヘテロアロイルは下記
の基:
【0008】カルボキシル、アミノ、ニトロ、(C1
8)−アルキルアミノ、ヒドロキシル、(C1〜C6
−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C6
14)−アリール、(C7〜C15)−アロイル、ハロゲ
ン、シアノ、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、カル
バモイル、スルファモイルおよび(C1〜C6)−アルコ
キシカルボニルからなる系より選択される1、2、3ま
たは4個の同一または相異なる基によって場合により置
換されており、
【0009】Pは直接結合であるか、または式II −NR2−(U)−CO (II) の基であり、ここで上記式IIにおいてR2は水素、メチ
ルまたはウレタン保護基であり、Uは(C3〜C8)−シ
クロアルキリデン、(C6〜C14)−アリーリデン、
(C3〜C13)−ヘテロアリーリデン、(C6〜C14)−
アリール−(C1〜C6)−アルキリデン(これらの各々
は場合により置換されうる)であるか、または(CHR
3)nであり、ここでnは1〜8好ましくは1〜6であ
り、R3は互いに独立していて水素、(C1〜C6)−ア
ルキル、(C3〜C8)−シクロアルキル、(C6
14)−アリール、(C3〜C13)−ヘテロアリールで
あり、それらは各場合において下記の基:
【0010】アミノ、置換アミノ、アミジノ、置換アミ
ジノ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルバモイル、グ
アニジノ、置換グアニジノ、ウレイド、置換ウレイド、
メルカプト、メチルメルカプト、フェニル、4−クロロ
フェニル、4−フルオロフェニル、4−ニトロフェニ
ル、4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、
フタルイミド、1,8−ナフタルイミド、4−イミダゾ
リル、3−インドリル、2−チエニル、3−チエニル、
2−ピリジル、3−ピリジルまたはシクロヘキシルによ
って場合によりモノ置換されており、ここで上記基にお
いて置換アミノは好ましくは−N(A′)−Zであり、置
換アミジノは好ましくは−(NH=)C−NH−Zであ
り、置換グアニジノは好ましくは−N(A′)−C(=N
(A′))−NH−Zでありそして置換ウレイドは好まし
くは−CO−N(A′)−Zであって、ここでのA′は互
いに独立していて水素またはZであり、Zは前記a1
またはa2)で定義したとおりであり、
【0011】またはここでR2およびR3はそれらを担持
している原子と一緒になって2〜15個の炭素原子を有
する単、二または三環式環系を形成し;AはPと同じ定
義を有し;BはLまたはD配置の塩基性アミノ酸(これ
は側鎖が置換されうる)であり;Cは式IIIaまたはIII
b G′−G′−Gly (IIIa) G′−NH−(CH2)p−CO (IIIb) の化合物であり、ここで上記式中pは2〜8でありそし
てG′は互いに独立していて、式IV −NR4−CHR5−CO− (IV) (ここでR4およびR5はそれらを担持している原子と一
緒になって2〜15個の炭素原子を有する複素環式の
単、二または三環式環系を形成する)の基であり、
【0012】Eは中性、酸性または塩基性の脂肪族また
は脂環式−脂肪族アミノ酸の残基であり;Fは互いに独
立して、側鎖が置換されうる中性、酸性または塩基性の
脂肪族または芳香族アミノ酸の残基であるか、または直
接結合であり;D(Q)はそれぞれが場合によりハロゲ
ン、メチルまたはメトキシによって置換されうるD−T
ic、D−Phe、D−Dic、D−ThiまたはD−
Nalであるか、または式(V)
【0013】
【化2】 (式中、Xは酸素、硫黄または直接結合であり;Rは水
素、(C1〜C8)−アルキル、(C3〜C8)−シクロア
ルキル、(C6〜C14)−アリール、(C6〜C14)−ア
リール−(C1〜C4)−アルキルであって、ここでシク
ロアルキルは場合により、ハロゲン、メチルまたはメト
キシによって置換されうる)の基であり;Gは前記G′
と同じ定義を有するか、または直接結合であり;F′は
Fと同じ定義を有するか、−NH−(CH2)q−(ここで
q=2〜8)の基であるか、またはGが直接結合でない
場合には直接結合であることができ;Iは−OH、−N
2またはNHC25であり;Kは基−NH−(CH2)x
−CO−(ここでx=1〜4)であるか、または直接結
合であり、そしてMはFと同じ定義を有する。
【0014】特記しない限り、立体記述子を有していな
いアミノ酸残基の略記号はL形態での残基を示す(Schr
oeder, Luebke, Peptides, Volume 1, New York 1965,
pages XXII−XXIII;Houbern-Weyl, Methoden der Org
anischen Chemie(Methods of organic chemistry)Vol
ume XV/1 and 2, Stuttgart 1974参照)。例として
は下記のとおりである。
【0015】Aad、Abu、γAbu、ABz、2A
Bz、εAca、Ach、Acp、Adpd、Ahb、
Aib、βAib、Ala、βAla、ΔAla、Al
g、All、Ama、Amt、Ape、Apm、Ap
r、Arg、Asn、Asp、Asu、Aze、Az
i、Bai、Bph、Can、Cit、Cys、Cyt
a、Daad、Dab、Dadd、Dap、Dapm、
Dasu、Djen、Dpa、Dtc、Fel、Gl
n、Glu、Gly、Guv、hAla、hArg、h
Cys、hGln、hGlu、His、hlle、hL
eu、hLys、hMet、hPhe、hPro、hS
er、hThr、hTrp、hTyr、Hyl、Hy
p、3Hyp、Ile、Ise、Iva、Kyn、La
nt、Lcn、Leu、Lsg、Lys、βLys、Δ
Lys、Met、Mim、Min、hArg、Nle、
Nva、Oly、Orn、Pan、Pec、Pen、P
he、Phg、Pic、Pro、ΔPro、Pse、P
ya、Pyr、Pza、Qin、Ros、Sar、Se
c、Sem、Ser、Thi、βThi、Thr、Th
y、Thx、Tia、Tle、Tly、Trp、Trt
a、Tyr、Val等。
【0016】式IVの複素環式環系の基として特に適当な
のは下記の基:ピロリジン−2−カルボン酸;ピペリジ
ン−2−カルボン酸;1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリン−3−カルボン酸;デカヒドロイソキノリン−
3−カルボン酸;オクタヒドロインドール−2−カルボ
ン酸;デカヒドロキノリン−2−カルボン酸;オクタヒ
ドロシクロペンタ〔b〕ピロール−2−カルボン酸;2
−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−3−カルボン
酸;2−アザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−3−カル
ボン酸;2−アザビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン−3−
カルボン酸;2−アザスピロ〔4.4〕ノナン−3−カ
ルボン酸;2−アザスピロ〔4.5〕デカン−3−カル
ボン酸;スピロ〔(ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン)−
2,3−ピロリジン−5−カルボン酸〕;スピロ〔(ビ
シクロ〔2.2.2〕オクタン)−2,3−ピロリジン−
5−カルボン酸〕;
【0017】2−アザトリシクロ〔4.3.0.16.9〕デ
カン−3−カルボン酸;デカヒドロシクロヘプタ〔b〕
ピロール−2−カルボン酸;デカヒドロシクロオクタ
〔b〕ピロール−2−カルボン酸;オクタヒドロシクロ
ペンタ〔c〕ピロール−2−カルボン酸;オクタヒドロ
イソインドール−1−カルボン酸;2,3,3a,4,6a
−ヘキサヒドロシクロペンタ〔b〕ピロール−2−カル
ボン酸;2,3,3a,4,5,7a−ヘキサヒドロインド
ール−2−カルボン酸;テトラヒドロチアゾール−4−
カルボン酸;イソオキサゾリジン−3−カルボン酸;ピ
ラゾリジン−3−カルボン酸;ヒドロキシピロリジン−
2−カルボン酸;(これらの全ては場合により置換され
うる)
【0018】
【化3】 から選択される複素環の基である。
【0019】前記基が誘導される複素環は例えば下記明
細書:US−A 4,344,949、US−A 4,37
4,847、US−A 4,350,704、EP−A 2
9 488、EP−A 31 741、EP−A 46 9
53、EP−A 49 605、EP−A 49 658、
EP−A 50 800、EP−A 51 020、EP
−A 52 870、EP−A 79 022、EP−A
84 164、EP−A 89 637、EP−A 90
341、EP−A90 362、EP−A 105 10
2、EP−A 109 020、EP−A 111 87
3、EP−A 271 865およびEP−A 344 6
82中に開示されている。
【0020】各場合において特記しない限り、アルキル
は直鎖または分枝鎖状であることができる。同じことは
アルキルから誘導される基例えばアルコキシ、アラルキ
ルまたはアルカノイルにも適用される。(C6〜C12)−
アリールはフェニル、ナフチル、ビフェニリル、フルオ
レニルまたはフェナンスレニルであるのが好ましい。該
アリールから誘導される基例えばアリールオキシ、アラ
ルキルまたはアロイルも相応に解釈されるべきである。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましく
は塩素またはフッ素である。ウレタン保護基は例えばA.
Hubbuck, Kontakte Merck 3/79, pages 14〜2
3に記載されているが、FmocおよびCbzが好まし
い。適当な塩は特にアルカリ金属またはアルカリ土類金
属の塩、生理学的に許容しうるアミンとの塩および無機
または有機酸例えばHCl、HBr、H2SO4、H 3
4、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、酢酸
との塩である。
【0021】式Iの好ましいペプチドは式中、BがAr
g、Lys、Orn、2,4−ジアミノブチリルまたは
L−ホモアルギニン残基(ここで各場合において側鎖の
アミノまたはグアニジノ基はa1)またはa2)に記載の
Zによって置換されうることが可能である)であり;E
が側鎖に1〜14個の炭素原子を有するLまたはD配置
の脂肪族または脂環式脂肪族アミノ酸の残基例えばチエ
ニルアラニン、フェニルアラニン、アラニン、セリン、
スレオニン、O−(C1〜C6)−アルキルまたはO−
(C6〜C10)−アリール保護セリンまたはスレオニ
ン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノ
ルロイシン、ネオペンチルグリシン、tert−ブチルグリ
シンまたは(C3〜C7)−シクロアルキル−(C1
3)−アルキルグリシンであり;F′がLまたはD配
置の塩基性アミノ酸の残基例えばArg、hArg、O
rnまたはLys(ここで側鎖のグアニジノ基またはア
ミノ基はa1)またはa2)に記載のZによって置換され
ることが可能である)であるか、または基−NH(C
2)q−(ここでq=2〜8)であり;Kが基−NH−
(CH2)x−CO−(ここでx=2〜4)であるか、また
は直接結合であるペプチドである。
【0022】特に好ましい式Iのペプチドは、式中Bが
Arg、hArg、OrnまたはLys(ここで側鎖の
グアニジノ基またはアミノ基は置換されていないか、ま
たは(C1〜C4)−アルキル、トリフルオロメチル−
(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C8)−アルカノイ
ル、(C7〜C1 3)−アロイル、(C3〜C13)−ヘテロ
アロイル、(C1〜C8)−アルキルスルホニルまたは
(C6〜C14)−アリールスルホニルによって置換され
ることができ、アリール、ヘテロアリール、アロイル、
アリールスルホニルおよびヘテロアロイル基は場合によ
り1、2、3または4個の同一または相異なる基で
2)に記載のようにして置換されうることが可能であ
る)であり;Eがチエニルアラニン、フェニルアラニ
ン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン又はシクロ
ヘキシルアラニンであり;Kが直接結合であり;D(Q)
がD−TicまたはD−Phe(それぞれはハロゲン、
メチルまたはメトキシによって場合により置換されう
る)であるか、または式V(式中Xは酸素、硫黄または
直接結合でありそしてRは(C1〜C6)−アルキル、
(C3〜C6)−シクロアルキル、フェニルまたはベンジ
ルである)の基であり;そしてMが直接結合であるペプ
チドである。
【0023】極めて特に好ましい式Iのペプチドは、式
中 Zがa1) (C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−
アルカノイル、(C1〜C8)−アルコキシカルボニル、
(C3〜C8)−シクロアルキル、(C4〜C9)−シクロ
アルカノイルまたは(C1〜C8)−アルキルスルホニ
ル、{ここで各場合において1、2または3個の水素原
子は下記の基:NHR1、((C1〜C4)−アルキル)N
1又は((C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)−アル
キル)NR1(ここでR1は水素又はウレタン保護基であ
る)、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C8)−アルキ
ルアミノ、(C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)−
アルキルアミノ、(C1〜C4)−アルコキシ、ハロゲ
ン、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、ジ−〔(C6
〜C10)−アリール−(C1〜C4)〕−アルキルアミ
ノ、フタルイミド、1,8−ナフタルイミド、(C6〜C
14)−アリールおよび(C6〜C14)−アリール−(C1
〜C5)−アルキルからなる系より選択される1、2ま
たは3個の同一または相異なる基によって場合により置
換されているか、
【0024】またはここで各場合において1個の水素原
子は下記の基:(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1
〜C6)−アルキルスルホニル、(C1〜C6)−アルキ
ルスルフィニル、(C6〜C14)−アリール−(C1〜C
4)−アルキルスルホニル、(C6〜C14)−アリール−
(C1〜C4)−アルキルスルフィニル、(C6〜C14
−アリール、(C6〜C14)−アリールオキシおよび
(C3〜C13)−ヘテロアリールからなる系より選択さ
れる1個の基によって場合により置換されていて、かつ
【0025】1または2個の水素原子は下記の基:アミ
ノ、(C1〜C8)−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C8
−アルキルアミノ、カルバモイルおよびスルファモイル
からなる系より選択される1または2個の同一または相
異なる基によって置換されている}
【0026】a2) (C6〜C14)−アリール、(C7
〜C15)−アロイル、(C6〜C14)−アリールスルホ
ニル、(C3〜C13)−ヘテロアリール、または(C3
13)−ヘテロアロイル; a3) カルバモイル(これは窒素原子上で下記の基:
(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C14)−アリールま
たは(C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキ
ルによって場合によって置換されうる)であり、 ここで、前記a1)、a2)およびa3)に定義されてい
る基において各場合のアリール、ヘテロアリール、アロ
イル、アリールスルホニルおよびヘテロアロイルは下記
の基:
【0027】アミノ、ニトロ、(C1〜C8)−アルキル
アミノ、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アル
コキシ、(C6〜C14)−アリール、(C7〜C15)−ア
ロイル、ハロゲン、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ
およびカルバモイルからなる系より選択される1、2、
3または4個の同一または相異なる基によって場合によ
り置換されており、Pが直接結合であるか、または式II
の基であり、ここで式IIにおいて、R2は水素、メチル
またはウレタン保護基であり、Uは(C3〜C8)−シク
ロアルキリデン、(C6〜C14)−アリーリデン、(C3
〜C13)−ヘテロアリーリデン、(C6〜C14)−アリ
ール−(C1〜C6)−アルキリデン(これらの各々は場
合により置換されうる)であるか、または(CHR3)n
であり、ここでnは1〜6であり、R3は互いに独立し
ていて水素、(C1〜C6)−アルキル、(C3〜C8)−
シクロアルキル、(C6〜C14)−アリールであり、そ
れらは各場合において下記の基:
【0028】アミノ、置換アミノ、アミジノ、置換アミ
ジノ、カルバモイル、グアニジノ、置換グアニジノ、ウ
レイド、置換ウレイド、フェニル、4−フルオロフェニ
ル、4−メトキシフェニル、フタルイミド、1,8−ナ
フタルイミド、3−インドリル、2−チエニル、3−チ
エニルまたはシクロヘキシルによって場合によりモノ置
換されており、ここで上記基において置換アミノは好ま
しくは−N(A′)−Zであり、置換アミジノは好ましく
は−(NH=)C−NH−Zであり、置換グアニジノは好
ましくは−N(A′)−C(=N(A′))−NH−Zであ
りそして置換ウレイドは好ましくは−CO−N(A′)−
Zであって、ここでのA′は互いに独立していて水素ま
たはZであり、Zは前記a1)またはa2)で定義したと
おりであり、または
【0029】ここでR2およびR3はそれらを担持してい
る原子と一緒になって2〜15個の炭素原子を有する
単、二または三環式環系を形成し;Aが(D)−または
(L)−Arg、(D)−または(L)−Lys、(D)−また
は(L)−Ornまたは(D)−または(L)−hArg(こ
こで側鎖のグアニジノ基またはアミノ基は(C1〜C4
−アルキルまたはトリフルオロメチル−(C1〜C4)−
アルキルによって置換されることが可能である)である
か、または結合であり;BがArg、OrnまたはLy
s(ここで側鎖のグアニジノ基またはアミノ基は(C1
〜C4)−アルキル、トリフルオロメチル−(C1
4)−アルキル、(C1〜C8)−アルカノイル、(C7
〜C13)−アロイル、(C3〜C13)−ヘテロアロイ
ル、(C1〜C8)−アルキルスルホニルまたは(C6
14)−アリールスルホニルによって置換されることが
可能であり、アリール、ヘテロアリール、アロイル、ア
リールスルホニルおよびヘテロアロイル基は場合によ
り、メチル、メトキシおよびハロゲンからなる系より選
択される1、2、3または4個の同一または相異なる基
によって置換されうる)であり;
【0030】CがPro−Pro−Gly、Hyp−P
ro−GlyまたはPro−Hyp−Glyであり;E
がThia、Phe、LeuまたはChaであり;Fが
Ser、Cys、Leu、Val、Nle、Ile、ま
たはThrであり;Kが直接結合であり;QがTic、
Pheまたは式V(式中Xは酸素でありそしてRは(C
1〜C6)−アルキルであるか、またはXは硫黄でありそ
してRはフェニルまたはベンジルであるか、またはXは
直接結合でありそしてRはシクロヘキシル、フェニルま
たはベンジルである)の基であり;Mが直接結合であ
り;Gが式IVを有する複素環式環系の基(ここでの複素
環の基はピロリジン−2−カルボン酸;ピペリジン−2
−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボ
ン酸、シス−およびトランス−デカヒドロイソキノリン
−3−カルボン酸;シス−エンド−、シス−エキソ−、
トランス−オクタヒドロインドール−2−カルボン酸;
シス−エンド−、シス−エキソ−、トランス−オクタヒ
ドロシクロペンタ〔b〕ピロール−2−カルボン酸、ピ
ロリジン−2−カルボン酸または4−ヒドロキシピロリ
ジン−2−カルボン酸が好ましい)であり;F′がAr
g(これは場合によりグアニジノ基がa1)またはa2
に記載のZによって置換されている)であるか、または
直接結合でありそしてIがOHまたはNH2であるペプ
チドである。
【0031】〔製造方法〕本発明はさらに式Iのペプチ
ドの製造方法に関する。その方法は a) C−末端遊離カルボキシル基を有するフラグメン
トまたはその活性化誘導体をN−末端遊離アミノ基を有
する対応するフラグメントと反応させるか、または b) ペプチドを段階的に構築する ことからなり、適切な場合にはa)またはb)で得られ
た化合物中においてその他の官能価保護のために一時的
に導入した1種以上の保護基を除去し、そして適切な場
合にはこうして得られた式Iの化合物をその生理学的に
許容しうる塩に変換することからなる。
【0032】本発明のペプチドはペプチド化学の一般的
に知られている手法(例えばHouben-Weyl, Methoden de
r organischen Chemie, Volume 15/2 参照)で、好まし
くは例えばB. Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85, 214
9(1963)またはR. C. Sheppard, Int. J. Peptide Pro
tein Res. 21, 118(1983)に記載されているような固
相合成によりまたは同等の知られている各手法により製
造された。ウレタン保護基例えばtert.−ブチルオキシ
カルボニル〔Boc〕またはフルオレニルメチルオキシカ
ルボニル〔Fmoc〕保護基が一時的なアミノ保護基として
用いられる。
【0033】特定のペプチドを合成するために副反応を
防止する必要がある場合には、アミノ酸側鎖中の官能基
がさらに適当な保護基(例えば、T. W. Greene, “Prot
ective Groups in Organic Synthesis”参照)で保護さ
れ、主としてArg(Tos)、Arg(Mts)、Arg(Mtr)、Arg(Pm
c)、Asp(OBzl)、Asp(OBut)、Cys(4-MeBzl)、Cys(Acm)、
Cys(SBut)、Glu(OBzl)、Glu(OBut)、His(Tos)、His(Fmo
c)、His(Dnp)、His(Trt)、Lys(Cl-Z)、Lys(Boc)、Met
(O)、Ser(Bzl)、Ser(But)、Thr(Bzl)、Thr(But)、Trp(M
ts)、Trp(CHO)、Trp(Boc)、Tyr(Br-Z)、Tyr(Bzl)または
Tyr(But)が用いられている。
【0034】固相合成は保護されたアミノ酸を適当な樹
脂上に結合させることによってペプチドのC−末端から
開始される。この型の出発物質は、クロロメチル、ヒド
ロキシメチル、ベンゾヒドリルアミノ(BHA)または
メチルベンゾヒドリルアミノ(MBHA)基で変性され
ているポリスチレンまたはポリアクリルアミド樹脂にエ
ステルまたはアミド結合を介して、保護されたアミノ酸
を結合させることによって得ることができる。支持物質
として用いる樹脂は商業的に入手しうる。合成されるペ
プチドがC末端に遊離カルバモイル基を含有すべき場合
には、BHA−およびMBHA−樹脂が通常用いられ
る。ペプチドがC−末端に第2アミド基を含有すべき場
合には、クロロメチル−またはヒドロキシメチル−樹脂
が用いられ、その分裂は適当なアミンを使用して遂行さ
れる。例えば、エチルアミドを得たい場合にはペプチド
はエチルアミンを用いて樹脂から分裂される。その場合
には引続き、側鎖保護基の除去がその他の適当な試薬を
用いて遂行される。アミノ酸側鎖上のtert.−ブチル保
護基がペプチド中に保持されうる場合には、その合成
は、アミノ酸における鎖延長して用いるアミノ基を一時
的に遮断するためにFmoc保護基を使用して遂行され
る。該合成は例えばR. C. Sheppard, J. Chem. Soc., C
hem. Comm. 1982, 587に記載の手法で実施され、その場
合にはアルギニンのグアニジノ官能価は過塩素酸ピリジ
ニウムでのプロトン化により保護されそして側鎖で官能
化されたその他のアミノ酸はベンジル保護基によって保
護され、次いで該保護基は接触転移水添(A. Felix et
al., J. Org. Chem. 13, 4194(1978))または液体アン
モニア中のナトリウム(W. Roberts, J. Am. Chem. So
c. 76, 6203(1954)参照)により除去されうる。
【0035】樹脂に結合されたアミノ酸上のアミノ保護
基を、適当な試薬例えばBoc保護基の場合にはメチレ
ンクロリド中のトリフルオロ酢酸、またはFmoc保護
基の場合にはジメチルホルムアミド中におけるピリジン
の20%溶液を使用して除去した後に、次の保護された
各アミノ酸を順次、必要とされる配列に結合させる。中
間体として製造されるN−末端保護の施されたペプチド
−樹脂は、その後に続くアミノ酸誘導体への結合の前に
前記試薬によって脱遮断される。
【0036】結合試薬としてはペプチド合成で用いる全
ての可能な活性化試薬(例えばHouben-Weyl, Methoden
der organischen Chemie, Volume 15/2 参照)を用いる
ことが可能であるが、特に好ましいのはカルボジイミド
類例えばN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、
N,N′−ジイソプロピルカルボジイミドまたはN−エ
チル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミドまたは例えばR.Knorr et al. in Tetrahedron Le
tters, Vol. 30, No. 15, pp 1927-1930, 1989またはヨ
ーロッパ特許出願No. 460446に記載されているウ
ロニウム化合物(例えばTBTU、TOTU)である。
さらに結合は、アミノ酸誘導体を活性化試薬とともにそ
して適切な場合にはラセミ化を抑制する添加剤例えば1
−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(W. Koe
nig, R. Geiger, Chem. Ber. 103, 708(1970))または
3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロベンゾ
トリアジン(HOObt)(W. Koenig, R. Geiger, Ch
em. Ber. 103, 2054(1970))とともに樹脂に加えるこ
とによって直接実施されうるか、あるいはまた対称無水
物またはHOBtもしくはHOObtエステルとしての
アミノ酸誘導体をあらかじめ別々に活性化させ、それら
の活性化された種を適当な溶媒中に溶解した溶液を結合
用のペプチド−樹脂に加えることもできる。
【0037】前記活性化試薬の1種によるアミノ酸誘導
体の結合および活性化は、ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドンまたはメチレンクロリドまたはこれら
溶媒の混合物中で遂行されうる。活性化されたアミノ酸
誘導体は通常、1.5〜4倍過剰で用いられる。不完全
な結合が生じる場合には結合反応は、次々と次のアミノ
酸を結合させるのに必要とされるペプチド−樹脂上のア
ミノ基の脱遮断をあらかじめ行わずに繰り返される。
【0038】例えばE. Kaiser et al., Anal. Biochem.
34, 595(1970)に記載のようなニンヒドリン反応を用
いて、結合反応が十分に行われているかどうかをチェッ
クすることが可能である。また合成は自動的に例えばAp
plied Biosystems社製の430A型ペプチドシンセサイザー
を用いて実施されうる。その際、該装置の製造者より提
供される合成プログラムまたはユーザー自身が作成した
その他のプログラムのいずれかを使用することが可能で
ある。Fmoc基で保護したアミノ酸誘導体を用いる場
合には、特に後者を使用するのが好ましい。
【0039】ペプチドを前記のようにして合成した後
に、該ペプチドは試薬例えば液体フッ化水素(Boc法
により製造されるペプチドの場合に好ましい)またはト
リフルオロ酢酸(Fmoc法により合成されるペプチド
の場合に好ましい)を用いて樹脂から分裂されうる。こ
れらの試薬は樹脂からペプチドを分裂させるばかりでな
く、アミノ酸誘導体上のその他の側鎖保護基をも除去す
る。このようにして、BHA−およびMBHA−樹脂が
使用される場合以外はペプチドは遊離酸の形態で得られ
る。BHA−およびMBHA−樹脂の場合には、ペプチ
ドはフッ化水素またはトリフルオロメタンスルホン酸に
よる分裂でアミドとして得られる。ペプチドアミド製造
のその他の方法はEP−A 287 882号およびEP
−A 322 348号に記載されている。この場合ペプ
チドアミドは、陽イオン掃去剤として例えばフェノー
ル、クレゾール、チオクレゾール、アニソール、チオア
ニソール、エタンジオール、ジメチルスルフィド、エチ
ルメチルスルフィドのような物質または固相合成に慣用
である同様の陽イオン掃去剤を単独でまたは該助剤の2
種以上の混合物として加えながら、ペプチド合成で慣用
的に用いられている適度の強酸(例えばトリフルオロ酢
酸)で処理することによって樹脂から分裂される。トリ
フルオロ酢酸はさらに適当な溶媒例えばメチレンクロリ
ド中で希釈して使用することができる。分裂は同様にト
リフルオロ酢酸、トリメチルシリルハライド(例えばト
リメチルシリルブロミド)およびフェノール(例えばm
−クレゾール)の混合物を用いて実施されうる。ペプチ
ド上のtert.−ブチルまたはベンジル側鎖保護基が保持
されうる場合には、特異的に変性された支持体樹脂上で
合成されたペプチドは例えばR. C. Sheppard, J. Chem.
Soc., Chem. Comm. 1982,587に記載のように、メチレ
ンクロリド中の1%トリフルオロ酢酸を用いて分裂され
る。個々のtert.−ブチルまたはベンジル側鎖保護基が
保持されうる場合には、合成および分裂の各手法の適当
な組合せが使用される。
【0040】Sheppard氏により記載の変性された支持体
樹脂はまた、C−末端カルバモイル基またはω−アミノ
−もしくはω−グアニジノアルキル基を有するペプチド
を合成するのに使用される。合成後、側鎖が完全に保護
されているペプチドを樹脂から分裂し、引続き古典的な
溶液合成において適当なアミンすなわちω−アミノアル
キルアミンまたはω−グアニジノアルキルアミンと反応
させる。適切な場合には存在するその他の官能基を知ら
れている手法で一時的に保護することが可能である。ω
−アミノアルキル基を有するペプチドを製造するための
別の方法はEP−A264 802号に記載されてい
る。本発明のペプチドは2つの一般的な保護基を用いる
手段による固相法で合成するのが好ましかった。
【0041】該合成はApplied Biosystems社製の430A型
自動ペプチドシンセサイザーで、アミノ基の一時的遮断
のためにBocまたはFmoc保護基を用いて実施され
た。Boc保護基を使用した場合には装置製造者により
あらかじめプログラムされた合成工程を該合成のために
用いた。
【0042】C−末端に遊離カルボキシル基を有するペ
プチドはApplied Biosystems社製の、適当なBoc−ア
ミノ酸で官能化された4−(ヒドロキシメチル)フェニ
ルアセトアミドメチルポリスチレン樹脂(R. B. Merrif
ield, J. Org. Chem. 43, 2845(1978))上で合成され
た。ペプチドアミドを製造するには該会社製のMBHA
−樹脂を使用した。使用した活性化試薬はN,N′−ジ
シクロヘキシルカルボジイミドまたはN,N′−ジイソ
プロピルカルボジイミドであった。活性化は対称無水物
として、CH2Cl2、CH2Cl2/DMF混合物または
NMP中のHOBtエステルまたはHOObtエステル
として行われた。2〜4当量の活性化アミノ酸誘導体を
結合用に用いた。結合が不完全に行われる場合には反応
を繰り返した。
【0043】Fmoc保護基をアミノ基の一時的保護の
ために用いた場合には、本発明者等自身の合成プログラ
ムを、Applied Biosystems社製の430A型自動ペプチドシ
ンセサイザーでの合成のためにインプットした。合成は
Bachem社製のp−ベンジルオキシベンジルアルコール−
樹脂(S. Wang, J. Am. Chem. Soc. 95, 1328(1973))
上で行われ、次いでそれは知られた手法(E. Atherton
et al., J. C. S. Chem. 1981, 336)によって適当なア
ミノ酸でエステル化された。該アミノ酸誘導体は、あら
かじめ計量しておいたアミノ酸誘導体およびHOBtま
たはHOObtの混合物にDMF中のジイソプロピルカ
ルボジイミドの溶液を加えることによって、装置製造者
により供給されたアミノ酸カートリッジ中で直接HOB
tエステルまたはHOObtエステルとして活性化され
た。同様に、EP−A 247,573号に記載のように
塊状で製造されたFmoc−アミノ酸HOObtエステ
ルを用いることも可能である。Fmoc保護基は反応容
器中でDMF中に溶解されたピペリジンの20%溶液を
用いて除去した。使用された過剰の反応性アミノ酸誘導
体は1.5〜2.5当量であった。結合が不完全である場
合には、Boc法として結合を繰り返した。
【0044】〔有用性〕本発明のペプチドは単独または
組合せでブラジキニン拮抗性作用を有する。この作用は
種々のモデル(Handbook of Exp. Pharmacol. Vol. 25,
Springer Verlag, 1970, pages 53-55 参照)で、例え
ば単離されたラットの子宮、モルモットの回腸または単
離されたモルモットの肺動脈に関して試験されうる。
【0045】本発明のペプチドを単離された肺動脈に関
して試験するには、400〜450gのモルモット(Du
nkin Hartley)を首の後に一撃を加えて犠牲にする。胸
部を切開し、肺動脈を慎重に解剖する。周辺組織を注意
深く除去し、肺動脈を45°の角度でらせん状に切り開
く。縦2.5cm、横3〜4mmの脈管ストリップを、10m
lの容量を有し、リンゲル液で満たされている器官浴中
で固定する。
【0046】リンゲル液の組成はmmol/リットル表示で
以下のとおりである。 NaCl 154 KCl 5.6 CaCl2 1.9 NaHCO3 2.4 グルコース 5.0 95%O2および5%CO2をリンゲル液中で泡立たせ、
それを37℃に加熱する。pHは7.4であり、脈管のス
トリップ上の前負荷(preload)は1.0gである。
【0047】アイソメトリック収縮(isometric contra
ction)の変化をレバー装置およびHugo Sachs社製のH
Fモデム(位置検出器)を用いて検査し、電位差記録計
(BEC, Goerz Metrawatt SE 460)に記録する。実験は
1時間の平衡後に開始する。脈管のストリップが2×1
-7mol/リットル ブラジキニンに対して最高感度に達
した後に、すなわちブラジキニンが脈管のストリップの
収縮をもたらしたら、ペプチドをそれぞれ10分間5×
10-8〜1×10-5mol/リットルの投与量において作
用させしめ次いで新たにブラジキニンを加えた後にブラ
ジキニン作用の減少を対照と比較する。
【0048】半アゴニスト効果を検出するためにペプチ
ドを1×10-5〜1×10-3mol/リットルの用量で用
いる。本発明ペプチドのIC50値は、用量−効果プロッ
トから計算すると、下記表1に示されるとおりである。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】いくつかの選択された化合物について、脈
管のストリップがペプチド含有を“単純な”バッファー
によって置き換えた後に再び2×10-7mol/リットル
ブラジキニンに対する最高感度に達するまでの時間もま
た、前記の実験手順で測定された。この時間はT50と称
され、作用期間の測定値である。計算により実測された
このT50の値は下記表2に示されるとおりである。
【0052】
【表3】
【0053】選択された化合物はまた下記実験において
インビボで調査された。 カラゲーナン惹起によるラット足の浮腫に対する、全身
性投与後における抗炎症性作用: 手法 急性の全身性抗炎症作用のために選択した試験は、Wint
er C. A. et al., Proc. Soc. Exp. Biol.(N.Y.), 11
1, 544(1962)に記載の手法での、カラゲーナン惹起に
よるラット足の浮腫である。約170g体重の雄のSpra
gue-Dawleyラットを5匹ずつの動物の各群に分けて、蒸
留水中に溶解した供試物質を各ラットに皮下投与する
(1ml/kg体重)。15分後、足の初期容量を測定して
から0.5%カラゲーナン溶液0.1mlを左の後足にエー
テル麻酔の下で注射する。膨潤の容量増加を3時間およ
び6時間後に測定する。対照はビヒクルのみを摂取す
る。足容量はmlで報告されている(平均および標準偏
差)。結果は下記表3に示すとおりである。
【0054】
【表4】
【0055】本発明によるペプチドの治療的効果は、ブ
ラジキニンおよびブラジキニンに関連するペプチドによ
って仲介され、生起されまたは促進される病理学的状態
全てにわたる。該状態としてはとりわけ損傷例えば傷、
やけど、発疹、紅斑、浮腫、扁桃炎、関節炎、喘息、ア
レルギー、鼻炎、ショック、炎症、膵炎、低血圧、疼
痛、かゆみ等、並びに精子運動の変化を挙げることがで
きる。
【0056】〔医薬の調製〕すなわち、本発明はこれら
の化合物を含有する医薬および製剤としての式Iのペプ
チドの使用に関する。該製剤は有効量の式Iの活性物質
を単独または組合せで、無機または有機の製薬的に使用
可能な賦形剤と一緒にして含有する。
【0057】投与は経腸、非経口−例えば皮下、筋肉内
(i.m.)または静脈内(i.v.)−舌下線、皮膚上、鼻
内、直腸、膣内、口内または吸入で行うことができる。
活性物質の投与量は温血動物種、体重、年令および投与
方法に左右される。本発明の製剤はそれ自体知られてい
る溶解、混合、顆粒化およびコーティング法で調製され
る。
【0058】経口投与または粘膜投与用形態の場合には
活性化合物をこのために慣用の添加剤例えば賦形剤、安
定剤または不活性希釈剤と混合し、慣用法で適当な剤形
例えば錠剤、コーティング錠剤、ハードゼラチンカプセ
ル剤、水性、アルコール性もしくは油性の懸濁液または
溶液に変換する。使用しうる不活性ビヒクルの例として
はアラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン
酸カリウム、ラクトース、グルコース、マグネシウム、
ステアリルフマレートまたはデンプン特にコーンスター
チがある。これに関して、調製は乾燥および湿潤顆粒の
両方で実施されうる。適当な油性の賦形剤または溶媒は
植物性油または動物性油例えばヒマワリ油および魚肝油
である。
【0059】局所用製剤は水性または油性の溶液、ロー
ション、乳液またはゼリー、軟膏または脂肪性軟膏の形
態または可能な場合にはスプレー形態であることもでき
る。適切な場合には、ポリマーを加えることによって粘
着性を改善することが可能である。
【0060】鼻内投与形態の場合には、該化合物をこの
ための慣用の添加剤例えば安定剤または不活性希釈剤と
混合し、次に慣用法で適当な剤形例えば水性、アルコー
ル性もしくは油性の懸濁液または溶液に変換する。水性
の鼻内製剤にはキレート剤、エチレンジアミン−N,N,
N′,N′−テトラ酢酸、クエン酸、酒石酸またはその
塩を加えることが可能である。経鼻用溶液の投与は計量
噴霧器によりまたは粘度増加含量を有する点鼻剤とし
て、または経鼻用ゲルもしくはクリームとして行うこと
ができる。吸入噴霧器または圧縮ガスパックによる投与
用に不活性担体ガスを使用することが可能である。静脈
内、皮下、皮膚上または皮内投与の場合には、活性化合
物またはその生理学的に許容しうる塩を、必要に応じて
例えば等張性にするためまたはpH調整のために製薬上慣
用の補助物質並びに溶解剤、乳化剤またはその他の補助
物質と一緒にして溶液、懸濁液または乳液に変換する。
【0061】前記医薬物質のいくつかは体液中で半減期
が短いので、注射用デポ製剤を用いるのが賢明である。
使用しうる製薬形態の例としては油状の結晶懸濁液、マ
イクロカプセル、ロッド(rod)またはインプラント(i
mplant)がある。後者は組織適合性ポリマー特に生分解
性ポリマー例えばポリ乳酸/ポリグリコール酸コポリマ
ーまたはヒトアルブミンをベースとしたポリマーからな
ることができる。
【0062】局所および吸入投与形態に適当な投与量範
囲は0.001〜5mg/kgの溶液であって、全身用投与
形態の場合には0.001〜10mg/kgが適当である。 略記表:アミノ酸に使用する略記はEurop. J. Biochem.
138, 9(1984)に記載の、ペプチド化学において慣用
の3文字コードに相当する。使用するその他の略記は下
記に示すとおりである。
【0063】Acm アセトアミドメチル Aeg N−(2−アミノエチル)グリシン ε−Ahx ε−アミノヘキサノイル Aoc シス、エンド−2−アザビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−S−カルボニル Boc tert.−ブチルオキシカルボニル But tert.−ブチル Bzl ベンジル Cbz ベンジルオキシカルボニル CDF クロロ−(D)−フェニルアラニル Cha シクロヘキシルアラニル Chg シクロヘキシルグリシル Cl−Z 4−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Dic ジヒドロインドールカルボニル DMF ジメチルホルムアミド DOMT O−メチル−(D)−スレオニル Dnp 2,4−ジニトロフェニル
【0064】 Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル MDY O−メチル−(D)−チロシル Me メチル 4−Mebzl 4−メチルベンジル Mtr 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニル−スルホニル Mts メシチレン−2−スルホニル Nal 2−ナフチルアラニル NMP N−メチルピロリジン Npg ネオペンチルグリシル Oic シス−エンド−オクタヒドロインドール−
2−カルボニル Opr イソオキサゾリジン−3−イルカルボニル Pal ピリジルアラニル Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−
6−スルホニル Tbg tert.−ブチルグリシル TBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムテトラ
フルオロボレート tBu tert.−ブチル Tcs 4−メチルフェニルスルホニル TFA トリフルオロ酢酸 Thia 2−チエニルアラニル Tic 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
−3−イルカルボニル TOTU O−〔(シアノ−(エトキシカルボニル)
メチリデン)アミノ〕−1,1,3,3−テトラメチルウ
ロニウムテトラフルオロボレート Trt トリチル
【0065】
【実施例】以下に本発明によるペプチドの固相合成の好
ましい手法を実施例により説明するが、それらは本発明
を限定するものではない。
【0066】使用したアミノ酸誘導体は特に下記のとお
りである。Fmoc-Arg(Mtr)-OH、Fmoc-D-Arg(Mtr)-OH、Fm
oc-D-Arg(Pmc)-OH、Boc-(D)-Arg-OH、Fmoc-Arg(Pmc)-O
H、Fmoc-Hyp-OH、Fmoc-Pro-OObt、Fmoc-Gly-OObt、Fmoc
-Phe-OObt、Fmoc-Ser(tBu)-OObt、Fmoc-(D)-Tic-OH、Fm
oc-Gln-OH、Fmoc-Aoc-OH、Fmoc-Thia-OH、Fmoc-Oic-O
H、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-ε-Ahx-OH。
【0067】実施例1: Fmoc-D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thia-Ser-D-Tic-Oic-Arg-
OH 標記化合物はApplied Biosystems社製の430A型ペプチド
シンセサイザーを用いて、Fmoc-Arg(Mtr)-OHでエステル
化したNovabiochem社製のp−ベンジルオキシベンジル
アルコール−樹脂(約0.5mmol/g樹脂の負荷)上でF
moc法により段階的に構築した。樹脂1gを用い、合成
はFmoc法用に修正された合成プログラムを用いて実施し
た。
【0068】各場合、遊離カルボキシル基を有するアミ
ノ酸誘導体1mmolをHOObt 0.95mmolとともに計量し
てシンセサイザーのカートリッジ中に入れた。これらア
ミノ酸の前活性化は、DMF 4ml中に溶解し次いでD
MF中のジイソプロピルカルボジイミドの0.55mol/
リットル溶液2mlを加えることによってカートリッジ中
で直接行った。
【0069】その他のアミノ酸のHOObtエステルをNM
P 6ml中に溶解し、次いで反応系中においてあらかじ
め活性化されたアミノ酸と丁度同じようにして、DMF
中の20%ピペリジンであらかじめ脱遮断された樹脂上
に結合させた。結合された最後のアミノ酸誘導体はFmoc
-D-Arg(Pmc)-OHであった。これは引続きピペリジンで脱
保護されなかった。合成の完了後にペプチドは、陽イオ
ン掃去剤としてチオアニソールおよびエタンジチオール
を用いたトリフルオロ酢酸による側鎖保護基の同時除去
とともに、樹脂から分裂された。トリフルオロ酢酸を完
全に留去した後に得られた残留物を数回、酢酸エチルで
蒸解し次いで遠心分離にかけた。残留物を RSephadex LH
20上で10%酢酸を用いてクロマトグラフィー処理し
た。純粋なペプチドを含有するフラクションを合一し、
凍結乾燥した。MS(FAB):1526.9
【0070】実施例2 Fmoc-Aoc-D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thia-Ser-D-Tic-Oic-
Arg-OH 標記化合物は、実施例1と同様にしてあらかじめ得られ
た配列Fmoc-D-Arg(Pmc)-Arg(Mtr)-Pro-Hyp-Gly-Thia-Se
r(But)-D-Tic-Oic-Arg(Mtr)−樹脂を有するペプチド−
樹脂からピペリジン/ジメチルホルムアミドを用いてN
−末端Fmoc保護基を最初に除去し、樹脂をDMFで洗浄
し次いでウロニウム結合試薬TOTUを用いてFmoc-Aoc
-OH上で結合させることによって得られた。次にトリフ
ルオロ酢酸、トリメチルシリルブロミドおよびm−クレ
ソールの混合物を用いて樹脂からペプチドを分裂させ
た。精製は実施例1に記載の方法と類似の方法で行っ
た。MS(FAB):1663.8
【0071】下記の実施例の化合物は実施例2と類似の
方法で製造された。 実施例3: ジベンジルアセチル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thia-Ser
-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1526.7 実施例4: シクロヘキシルカルボニル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Th
ia-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1414.7 実施例5: Fmoc−ε−アミノヘキサノイル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gl
y-Thia-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1639.6
【0072】実施例6: N,N−ジベンジル−グリシル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly
-Thia-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1542.2 実施例7: Fmoc−D-Aoc-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-
Arg-OH MS(FAB):1663.8 実施例8: 2−(4−イソブチルフェニル)プロピオニル−Arg-Ar
g-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1493 実施例9: (2−R−(tert.−ブチルスルホニルメチル)−3−
(1−ナフチル)プロピオニル−Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-
Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1621 実施例10: インドール−3−イル−アセチル−Arg-Arg-Pro-Hyp-Gl
y-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1462
【0073】実施例11: 2−(4−イソブチルフェニル)プロピオニル−D-Arg-
Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1493 実施例12: 2−(4−イソブチルフェニル)プロピオニル−6−ア
ミノヘキサノイル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-
Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1606 実施例13: 6−(4−ベンゾイル−ベンゾイルアミノ)ヘキサノイ
ル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1625.8 実施例14: Fmoc-Aeg(Fmoc)−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Ti
c-Oic-Arg-OH MS(FAB):1849.8 実施例15: Fmoc−(4−アミノシクロヘキシルカルボニル)−D-Ar
g-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1652
【0074】実施例16: 1,8−ナフタルイミドアセチル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-G
ly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1542.3 実施例17: (2−R−(tert.−ブチルスルホニルメチル)−3−
(1−ナフチル)プロピオニル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gl
y-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1621.9 実施例18: インドール−3−イル−アセチル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-
Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1462 実施例19: Fmoc−(4−アミノシクロヘキシルカルボニル)−Arg-
Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1496 実施例20: 7−テオフィリンアセチル−Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-
D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1369
【0075】実施例21: N−ベンゾイル−D-Arg-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Ti
c-Oic-Arg-OH MS(FAB):1410 実施例22: Fmoc-Aeg(Fmoc)-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-A
rg-OH MS(FAB):1694 実施例23: Fmoc-D-Lys-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-O
H MS(FAB):1500 実施例24: Fmoc-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1371 実施例25: Fmoc-Oic-Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1523 実施例26: Fmoc-trans−4−アミノメチルシクロヘキシル−カルボ
ニル−Arg-Pro-Hyp-Gly-Thi-Ser-D-Tic-Oic-Arg-OH MS(FAB):1511
【0076】以上、本発明を詳細に説明したが、本発明
はさらに次の実施態様によってこれを要約して示すこと
ができる。
【0077】1) 式I Z−P−A−B−C−E−F−K−(D)Q−G−M−F′−I (I) で表されるペプチド及びその生理学的に許容しうる塩。
上記式中、 Zはa1) (C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−
アルカノイル、(C1〜C8)−アルコキシカルボニル、
(C3〜C8)−シクロアルキル、(C4〜C9)−シクロ
アルカノイルまたは(C1〜C8)−アルキルスルホニ
ル、{ここで各場合において1、2又は3個の水素原子
は下記の基:カルボキシル、NHR1、((C1〜C4
−アルキル)NR1又は(C6〜C10)−アリール−(C1
〜C4)−アルキル)NR1(ここでR1は水素又はウレタ
ン保護基である)、(C1〜C4)−アルキル、(C1
8)−アルキルアミノ、(C6〜C10)−アリール−
(C1〜C4)−アルキルアミノ、ヒドロキシル、(C1
〜C4)−アルコキシ、ハロゲン、ジ−(C1〜C8)−
アルキルアミノ、ジ−〔(C6〜C10)−アリール−
(C1〜C4)〕−アルキルアミノ、カルバモイル、フタ
ルイミド、1,8−ナフタルイミド、スルファモイル、
(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C6〜C14
−アリール及び(C6〜C14)−アリール−(C1
5)−アルキル、からなる系より選択される1、2ま
たは3個の同一又は相異なる基によって場合により置換
されているか、
【0078】またはここで各場合において1個の水素原
子は下記の基:(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1
〜C6)−アルキルスルホニル、(C1〜C6)−アルキ
ルスルフィニル、(C6〜C14)−アリール−(C1〜C
4)−アルキルスルホニル、(C6〜C14)−アリール−
(C1〜C4)−アルキルスルフィニル、(C6〜C14
−アリール、(C6〜C14)−アリールオキシ、(C3
13)−ヘテロアリールおよび(C3〜C13)−ヘテロ
アリールオキシからなる系より選択される1個の基によ
って場合により置換されていて、かつ1または2個の水
素原子は下記の基:
【0079】カルボキシル、アミノ、(C1〜C8)−ア
ルキルアミノ、ヒドロキシル、(C1〜C4)−アルコキ
シハロゲン、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、カル
バモイル、スルファモイル、(C1〜C4)−アルコキシ
カルボニル、(C6〜C14)−アリールおよび(C6〜C
14)−アリール−(C1〜C5)−アルキル;からなる系
より選択される1または2個の同一または相異なる基に
よって置換されている}
【0080】a2) (C6〜C14)−アリール、(C7
〜C15)−アロイル、(C6〜C14)−アリールスルホ
ニル、(C3〜C13)−ヘテロアリール、または(C3
13)−ヘテロアロイル; a3) カルバモイル(これは窒素原子上で下記の基:
(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C14)−アリールま
たは(C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキ
ルにより場合によって置換されうる)であり、 ここで、前記a1)、a2)およびa3)に定義されてい
る基において各場合のアリール、ヘテロアリール、アロ
イル、アリールスルホニルおよびヘテロアロイルは下記
の基:
【0081】カルボキシル、アミノ、ニトロ、(C1
8)−アルキルアミノ、ヒドロキシル、(C1〜C6
−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C6
14)−アリール、(C7〜C15)−アロイル、ハロゲ
ン、シアノ、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、カル
バモイル、スルファモイルおよび(C1〜C6)−アルコ
キシカルボニル;からなる系より選択される1、2、3
または4個の同一または相異なる基によって場合により
置換されており、Pは直接結合であるか、または式II
【0082】−NR2−(U)−CO (II) の基であり、ここで上記式IIにおいてR2は水素、メチ
ルまたはウレタン保護基であり、Uは(C3〜C8)−シ
クロアルキリデン、(C6〜C14)−アリーリデン、
(C3〜C13)−ヘテロアリーリデン、(C6〜C14)−
アリール−(C1〜C6)−アルキリデン(これらの各々
は場合により置換されうる)であるか、または(CHR
3)nであり、ここでnは1〜8好ましくは1〜6であ
り、R3は互いに独立していて水素、(C1〜C6)−ア
ルキル、(C3〜C8)−シクロアルキル、(C6
14)−アリール、(C3〜C13)−ヘテロアリールで
あり、それらは各場合において下記の基:
【0083】アミノ、置換アミノ、アミジノ、置換アミ
ジノ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルバモイル、グ
アニジノ、置換グアニジノ、ウレイド、置換ウレイド、
メルカプト、メチルメルカプト、フェニル、4−クロロ
フェニル、4−フルオロフェニル、4−ニトロフェニ
ル、4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、
フタルイミド、1,8−ナフタルイミド、4−イミダゾ
リル、3−インドリル、2−チエニル、3−チエニル、
2−ピリジル、3−ピリジルまたはシクロヘキシルによ
って場合によりモノ置換されており、ここで上記基にお
いて置換アミノは好ましくは−N(A′)−Zであり、置
換アミジノは好ましくは−(NH=)C−NH−Zであ
り、置換グアニジノは好ましくは−N(A′)−C(=N
(A′))−NH−Zでありそして置換ウレイドは好まし
くは−CO−N(A′)−Zであって、ここでのA′は互
いに独立していて水素またはZであり、Zは前記a1
またはa2)で定義したとおりであり、
【0084】またはここでR2およびR3はそれらを担持
している原子と一緒になって2〜15個の炭素原子を有
する単、二または三環式環系を形成し;AはPと同じ定
義を有し;BはLまたはD配置の塩基性アミノ酸(これ
は側鎖が置換されうる)であり;Cは式IIIaまたはIII
b G′−G′−Gly (IIIa) G′−NH−(CH2)p−CO (IIIb) の化合物であり、ここで上記式中pは2〜8でありそし
てG′は互いに独立していて、式IV −NR4−CHR5−CO− (IV) (ここでR4およびR5はそれらを担持している原子と一
緒になって2〜15個の炭素原子を有する複素環式の
単、二または三環式環系を形成する)の基であり、
【0085】Eは中性、酸性または塩基性の脂肪族また
は脂環式−脂肪族アミノ酸の残基であり;Fは互いに独
立して、側鎖が置換されうる中性、酸性または塩基性の
脂肪族または芳香族アミノ酸の残基であるか、または直
接結合であり;D(Q)はそれぞれが場合によりハロゲ
ン、メチルまたはメトキシによって置換されうるD−T
ic、D−Phe、D−Dic、D−ThiまたはD−
Nalであるか、または式(V)
【0086】
【化4】 (式中、Xは酸素、硫黄または直接結合であり;Rは水
素、(C1〜C8)−アルキル、(C3〜C8)−シクロア
ルキル、(C6〜C14)−アリール、(C6〜C14)−ア
リール−(C1〜C4)−アルキルであって、ここでシク
ロアルキルは場合により、ハロゲン、メチルまたはメト
キシによって置換されうる)の基であり;Gは前記G′
と同じ定義を有するか、または直接結合であり;F′は
Fと同じ定義を有するか、−NH−(CH2)q−(ここで
q=2〜8)の基であるか、またはGが直接結合でない
場合には直接結合であることができ;Iは−OH、−N
2またはNHC25であり;Kは基−NH−(CH2)x
−CO−(ここでx=1〜4)であるか、または直接結
合であり、そしてMはFと同じ定義を有する。
【0087】2) 式Iにおいて BがArg、Lys、Orn、2,4−ジアミノブチリ
ルまたはL−ホモアルギニン残基(ここで各場合におい
て側鎖のアミノまたはグアニジノ基はa1)またはa2
に記載のZによって置換されうることが可能である)で
あり;Eが側鎖に1〜14個の炭素原子を有するLまた
はD配置の脂肪族または脂環式脂肪族アミノ酸の残基例
えばチエニルアラニン、フェニルアラニン、アラニン、
セリン、スレオニン、O−(C1〜C6)アルキルまたは
O−(C6〜C10)−アリール保護セリンまたはスレオ
ニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、
ノルロイシン、ネオペンチルグリシン、tert−ブチルグ
リシンまたは(C3〜C7)−シクロアルキル−(C1
3)−アルキルグリシンであり;F′がLまたはD配
置の塩基性アミノ酸の残基例えばArg、hArg、O
rnまたはLys(ここで側鎖のグアニジノ基またはア
ミノ基はa1)またはa2)に記載のZによって置換され
ることが可能である)であるか、または基−NH(C
2)q−(ここでq=2〜8)であり;Kが基−NH−
(CH2)x−CO−(ここでx=2〜4)であるか、また
は直接結合である、前項1記載の式Iのペプチド。
【0088】3) 式Iにおいて BがArg、hArg、OrnまたはLys(ここで側
鎖のグアニジノ基またはアミノ基は置換されていない
か、または(C1〜C4)−アルキル、トリフルオロメチ
ル−(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C8)−アルカノ
イル、(C7〜C1 3)−アロイル、(C3〜C13)−ヘテ
ロアロイル、(C1〜C8)−アルキルスルホニルまたは
(C6〜C14)−アリールスルホニルによって置換され
ることができ、アリール、ヘテロアリール、アロイル、
アリールスルホニルおよびヘテロアロイル基は場合によ
り1、2、3または4個の同一または相異なる基で
2)に記載のようにして置換されうることが可能であ
る)であり;Eがチエニルアラニン、フェニルアラニ
ン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン又はシクロ
ヘキシルアラニンであり;Kが直接結合であり;D(Q)
がD−TicまたはD−Phe(それぞれはハロゲン、
メチルまたはメトキシによって場合により置換されう
る)であるか、または式V(式中Xは酸素、硫黄または
直接結合でありそしてRは(C1〜C6)−アルキル、
(C3〜C6)−シクロアルキル、フェニルまたはベンジ
ルである)の基であり;そしてMが直接結合である、前
項1記載の式Iのペプチド。
【0089】4) 式Iにおいて Zがa1) (C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−
アルカノイル、(C1〜C8)−アルコキシカルボニル、
(C3〜C8)−シクロアルキル、(C4〜C9)−シクロ
アルカノイルまたは(C1〜C8)−アルキルスルホニ
ル、{ここで各場合において1、2または3個の水素原
子は下記の基:NHR1、((C1〜C4)−アルキル)
NR1または(C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)−ア
ルキル)NR1(ここでR1は水素又はウレタン保護基で
ある)、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C8)−アル
キルアミノ、(C6〜C10)−アリール−(C1〜C4
−アルキルアミノ、(C1〜C4)−アルコキシ、ハロゲ
ン、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、ジ−〔(C6
〜C10)−アリール−(C1〜C4)〕−アルキルアミ
ノ、フタルイミド、1,8−ナフタルイミド、(C6〜C
14)−アリールおよび(C6〜C14)−アリール−(C1
〜C5)−アルキル、からなる系より選択される1、2
または3個の同一または相異なる基によって場合により
置換されているか、
【0090】またはここで各場合において1個の水素原
子は下記の基:(C3〜C8)−シクロアルキル、(C1
〜C6)−アルキルスルホニル、(C1〜C6)−アルキ
ルスルフィニル、(C6〜C14)−アリール−(C1〜C
4)−アルキルスルホニル、(C6〜C14)−アリール−
(C1〜C4)−アルキルスルフィニル、(C6〜C14
−アリール、(C6〜C14)−アリールオキシおよび
(C3〜C13)−ヘテロアリールからなる系より選択さ
れる1個の基によって場合により置換されていて、かつ
1または2個の水素原子は下記の基:
【0091】アミノ、(C1〜C8)−アルキルアミノ、
ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、カルバモイルおよ
びスルファモイルからなる系より選択される1または2
個の同一または相異なる基によって置換されている}、
【0092】a2) (C6〜C14)−アリール、(C7
〜C15)−アロイル、(C6〜C14)−アリールスルホ
ニル、(C3〜C13)−ヘテロアリール、または(C3
13)−ヘテロアロイル; a3) カルバモイル(これは窒素原子上で下記の基:
(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C14)−アリールま
たは(C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキ
ルによって場合によって置換されうる)であり、 ここで、前記a1)、a2)およびa3)に定義されてい
る基において各場合のアリール、ヘテロアリール、アロ
イル、アリールスルホニルおよびヘテロアロイルは下記
の基:
【0093】アミノ、ニトロ、(C1〜C8)−アルキル
アミノ、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アル
コキシ、(C6〜C14)−アリール、(C7〜C15)−ア
ロイル、ハロゲン、ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ
およびカルバモイル;からなる系より選択される1、
2、3または4個の同一または相異なる基によって場合
により置換されており、Pが直接結合であるか、または
式IIの基であり、ここで式IIにおいて、R2は水素、メ
チルまたはウレタン保護基であり、Uは(C3〜C8)−
シクロアルキリデン、(C6〜C14)−アリーリデン、
(C3〜C13)−ヘテロアリーリデン、(C6〜C14)−
アリール−(C1〜C6)−アルキリデン(これらの各々
は場合により置換されうる)であるか、または(CHR
3)nであり、ここでnは1〜6であり、R3は互いに独立
していて水素、(C1〜C6)−アルキル、(C3〜C8
−シクロアルキル、(C6〜C14)−アリールであり、
それらは各場合において下記の基:
【0094】アミノ、置換アミノ、アミジノ、置換アミ
ジノ、カルバモイル、グアニジノ、置換グアニジノ、ウ
レイド、置換ウレイド、フェニル、4−フルオロフェニ
ル、4−メトキシフェニル、フタルイミド、1,8−ナ
フタルイミド、3−インドリル、2−チエニル、3−チ
エニルまたはシクロヘキシルによって場合によりモノ置
換されており、ここで上記基において置換アミノは好ま
しくは−N(A′)−Zであり、置換アミジノは好ましく
は−(NH=)C−NH−Zであり、置換グアニジノは好
ましくは−N(A′)−C(=N(A′))−NH−Zであ
りそして置換ウレイドは好ましくは−CO−N(A′)−
Zであって、ここでのA′は互いに独立していて水素ま
たはZであり、Zは前記a1)またはa2)で定義したと
おりであり、
【0095】またはここでR2およびR3はそれらを担持
している原子と一緒になって2〜15個の炭素原子を有
する単、二または三環式環系を形成し;Aが(D)−また
は(L)−Arg、(D)−または(L)−Lys、(D)−ま
たは(L)−Ornまたは(D)−または(L)−hArg
(ここで側鎖のグアニジノ基またはアミノ基は(C1
4)−アルキルまたはトリフルオロメチル−(C1〜C
4)−アルキルによって置換されることが可能である)
であるか、または結合であり;BがArg、Ornまた
はLys(ここで側鎖のグアニジノ基またはアミノ基は
(C1〜C4)−アルキル、トリフルオロメチル−(C1
〜C4)−アルキル、(C1〜C8)−アルカノイル、
(C7〜C13)−アロイル、(C3〜C13)−ヘテロアロ
イル、(C1〜C8)−アルキルスルホニルまたは(C6
〜C14)−アリールスルホニルによって置換されること
が可能であり、アリール、ヘテロアリール、アロイル、
アリールスルホニルおよびヘテロアロイル基は場合によ
り、メチル、メトキシおよびハロゲンからなる系より選
択される1、2、3または4個の同一または相異なる基
によって置換されうる)であり;
【0096】CがPro−Pro−Gly、Hyp−P
ro−GlyまたはPro−Hyp−Glyであり;E
がThia、Phe、LeuまたはChaであり;Fが
Ser、Cys、Leu、Val、Nle、Ile、ま
たはThrであり;Kが直接結合であり;QがTic、
Pheまたは式V(式中Xは酸素でありそしてRは(C
1〜C6)−アルキルであるか、またはXは硫黄でありそ
してRはフェニルまたはベンジルであるか、またはXは
直接結合でありそしてRはシクロヘキシル、フェニルま
たはベンジルである)の基であり;Mが直接結合であ
り;Gが式IVを有する複素環式環系の基(ここでの複素
環の基はピロリジン−2−カルボン酸;ピペリジン−2
−カルボン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボ
ン酸、シス−およびトランス−デカヒドロイソキノリン
−3−カルボン酸;シス−エンド−、シス−エキソ−、
トランス−オクタヒドロインドール−2−カルボン酸;
シス−エンド−、シス−エキソ−、トランス−オクタヒ
ドロシクロペンタ〔b〕ピロール−2−カルボン酸、ピ
ロリジン−2−カルボン酸または4−ヒドロキシピロリ
ジン−2−カルボン酸が好ましい)であり;F′がAr
g(これは場合によりグアニジノ基がa1)またはa2
に記載のZによって置換されている)であるか、または
直接結合でありそしてIがOHまたはNH2である、前
項1に記載の式Iのペプチド。
【0097】5) a) C−末端遊離カルボキシル基
を有するフラグメントまたはその活性化誘導体をN−末
端遊離アミノ基を有する対応するフラグメントと反応さ
せるか、または b) ペプチドを段階的に構築する、 ことからなり、適切な場合にはa)またはb)で得られ
た化合物中においてその他の官能価保護のために一時的
に導入した1種以上の保護基を除去し、そして適切な場
合にはこうして得られた式Iの化合物をその生理学的に
許容しうる塩に変換することからなる、前項1記載の式
Iを有するペプチドの製造方法。
【0098】6) 医薬としての、前項1〜4のいずれ
か1項に記載の式Iのペプチドの使用。 7) ブラジキニンおよびそれに関連のペプチドによっ
て仲介され、生起されまたは促進される病理学的状態の
治療用としての、前項1〜4のいずれか1項に記載の式
Iのペプチドの使用。 8) 前項1〜4のいずれか1項に記載の式Iのペプチ
ドを含有する医薬組成物。
フロントページの続き (72)発明者 ヨヘン・クノレ ドイツ連邦共和国デー−6239クリフテル /タウヌス.ヘーヒスターシユトラーセ21 (72)発明者 ベルンヴアルト・シエルケンス ドイツ連邦共和国デー−6233ケルクハイム /タウヌス.ヘルダーリーンシユトラーセ 62 (72)発明者 ハンス−ゲオルク・アルパーマン ドイツ連邦共和国デー−6240ケーニヒシユ タイン/タウヌス.アム・アイヒコプフ10 (72)発明者 ヘルマン・ゲールハルトス ドイツ連邦共和国デー−6238ホフハイム・ アム・タウヌス.ヴアホルダーヴエーク4 (72)発明者 クラウス・ヴイルト ドイツ連邦共和国デー−6239クリフテル /タウヌス.ローベルト−シユーマン−リ ング104

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I Z−P−A−B−C−E−F−K−(D)Q−G−M−F′−I (I) で表されるペプチド及びその生理学的に許容しうる塩。
    上記式中、 Zはa1) (C1〜C8)−アルキル、 (C1〜C8)−アルカノイル、 (C1〜C8)−アルコキシカルボニル、 (C3〜C8)−シクロアルキル、 (C4〜C9)−シクロアルカノイルまたは (C1〜C8)−アルキルスルホニル、 {ここで各場合において1、2又は3個の水素原子は下
    記の基: カルボキシル、 NHR1、((C1〜C4)−アルキル)NR1又は((C6
    〜C10)−アリール−(C1〜C4)−アルキル)NR
    1(ここでR1は水素又はウレタン保護基である)、 (C1〜C4)−アルキル、 (C1〜C8)−アルキルアミノ、 (C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)−アルキルア
    ミノ、 ヒドロキシル、 (C1〜C4)−アルコキシ、 ハロゲン、 ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、 ジ−〔(C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)〕−ア
    ルキルアミノ、 カルバモイル、 フタルイミド、 1,8−ナフタルイミド、 スルファモイル、 (C1〜C4)−アルコキシカルボニル、 (C6〜C14)−アリール及び (C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキル、 からなる系より選択される1、2または3個の同一又は
    相異なる基によって場合により置換されているか、 またはここで各場合において1個の水素原子は下記の
    基: (C3〜C8)−シクロアルキル、 (C1〜C6)−アルキルスルホニル、 (C1〜C6)−アルキルスルフィニル、 (C6〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルス
    ルホニル、 (C6〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルス
    ルフィニル、 (C6〜C14)−アリール、 (C6〜C14)−アリールオキシ、 (C3〜C13)−ヘテロアリールおよび (C3〜C13)−ヘテロアリールオキシ からなる系より選択される1個の基によって場合により
    置換されていて、かつ1または2個の水素原子は下記の
    基: カルボキシル、 アミノ、 (C1〜C8)−アルキルアミノ、 ヒドロキシル、 (C1〜C4)−アルコキシ、 ハロゲン、 ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、 カルバモイル、 スルファモイル、 (C1〜C4)−アルコキシカルボニル、 (C6〜C14)−アリールおよび (C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキル; からなる系より選択される1または2個の同一または相
    異なる基によって置換されている} a2) (C6〜C14)−アリール、 (C7〜C15)−アロイル、 (C6〜C14)−アリールスルホニル、 (C3〜C13)−ヘテロアリール、または (C3〜C13)−ヘテロアロイル; a3) カルバモイル(これは窒素原子上で下記の基: (C1〜C8)−アルキル、 (C6〜C14)−アリールまたは (C6〜C14)−アリール−(C1〜C5)−アルキル により場合によって置換されうる)であり、 ここで、前記a1)、a2)およびa3)に定義されてい
    る基において各場合のアリール、ヘテロアリール、アロ
    イル、アリールスルホニルおよびヘテロアロイルは下記
    の基: カルボキシル、 アミノ、 ニトロ、 (C1〜C8)−アルキルアミノ、 ヒドロキシル、 (C1〜C6)−アルキル、 (C1〜C6)−アルコキシ、 (C6〜C14)−アリール、 (C7〜C15)−アロイル、 ハロゲン、 シアノ、 ジ−(C1〜C8)−アルキルアミノ、 カルバモイル、 スルファモイルおよび (C1〜C6)−アルコキシカルボニル; からなる系より選択される1、2、3または4個の同一
    または相異なる基によって場合により置換されており、 Pは直接結合であるか、または式II −NR2−(U)−CO (II) の基であり、ここで上記式IIにおいてR2は水素、メチ
    ルまたはウレタン保護基であり、 Uは(C3〜C8)−シクロアルキリデン、(C6
    14)−アリーリデン、(C3〜C13)−ヘテロアリー
    リデン、(C6〜C14)−アリール−(C1〜C6)−ア
    ルキリデン(これらの各々は場合により置換されうる)
    であるか、または(CHR3)nであり、ここでnは1〜
    8好ましくは1〜6であり、 R3は互いに独立していて水素、 (C1〜C6)−アルキル、 (C3〜C8)−シクロアルキル、 (C6〜C14)−アリール、 (C3〜C13)−ヘテロアリールであり、それらは各場
    合において下記の基: アミノ、 置換アミノ、 アミジノ、 置換アミジノ、 ヒドロキシル、 カルボキシル、 カルバモイル、 グアニジノ、 置換グアニジノ、 ウレイド、 置換ウレイド、 メルカプト、 メチルメルカプト、 フェニル、 4−クロロフェニル、 4−フルオロフェニル、 4−ニトロフェニル、 4−メトキシフェニル、 4−ヒドロキシフェニル、 フタルイミド、 1,8−ナフタルイミド、 4−イミダゾリル、 3−インドリル、 2−チエニル、 3−チエニル、 2−ピリジル、 3−ピリジルまたは シクロヘキシル によって場合によりモノ置換されており、ここで上記基
    において置換アミノは好ましくは−N(A′)−Zであ
    り、置換アミジノは好ましくは−(NH=)C−NH−Z
    であり、置換グアニジノは好ましくは−N(A′)−C
    (=N(A′))−NH−Zでありそして置換ウレイドは
    好ましくは−CO−N(A′)−Zであって、ここでの
    A′は互いに独立していて水素またはZであり、Zは前
    記a1)またはa2)で定義したとおりであり、 またはここでR2およびR3はそれらを担持している原子
    と一緒になって2〜15個の炭素原子を有する単、二ま
    たは三環式環系を形成し;AはPと同じ定義を有し;B
    はLまたはD配置の塩基性アミノ酸(これは側鎖が置換
    されうる)であり;Cは式IIIaまたはIIIb G′−G′−Gly (IIIa) G′−NH−(CH2)p−CO (IIIb) の化合物であり、ここで上記式中pは2〜8でありそし
    てG′は互いに独立していて、式IV −NR4−CHR5−CO− (IV) (ここでR4およびR5はそれらを担持している原子と一
    緒になって2〜15個の炭素原子を有する複素環式の
    単、二または三環式環系を形成する)の基であり、 Eは中性、酸性または塩基性の脂肪族または脂環式−脂
    肪族アミノ酸の残基であり;Fは互いに独立して、側鎖
    が置換されうる中性、酸性または塩基性の脂肪族または
    芳香族アミノ酸の残基であるか、または直接結合であ
    り;D(Q)はそれぞれが場合によりハロゲン、メチルま
    たはメトキシによって置換されうるD−Tic、D−P
    he、D−Dic、D−ThiまたはD−Nalである
    か、または式(V) 【化1】 (式中、Xは酸素、硫黄または直接結合であり;Rは水
    素、(C1〜C8)−アルキル、(C3〜C8)−シクロア
    ルキル、(C6〜C14)−アリール、(C6〜C14)−ア
    リール−(C1〜C4)−アルキルであって、ここでシク
    ロアルキルは場合により、ハロゲン、メチルまたはメト
    キシによって置換されうる)の基であり;Gは前記G′
    と同じ定義を有するか、または直接結合であり;F′は
    Fと同じ定義を有するか、−NH−(CH2)q−(ここで
    q=2〜8)の基であるか、またはGが直接結合でない
    場合には直接結合であることができ;Iは−OH、−N
    2またはNHC25であり;Kは基−NH−(CH2)x
    −CO−(ここでx=1〜4)であるか、または直接結
    合であり、そしてMはFと同じ定義を有する。
  2. 【請求項2】 a) C−末端遊離カルボキシル基を有
    するフラグメントまたはその活性化誘導体をN−末端遊
    離アミノ基を有する対応するフラグメントと反応させる
    か、または b) ペプチドを段階的に構築する、 ことからなり、適切な場合にはa)またはb)で得られ
    た化合物中においてその他の官能価保護のために一時的
    に導入した1種以上の保護基を除去し、そして適切な場
    合にはこうして得られた式Iの化合物をその生理学的に
    許容しうる塩に変換することからなる、請求項1記載の
    式Iを有するペプチドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の式Iのペプチドを含有
    する医薬組成物。
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