JPH0665157A - 新規なトリフルオロ乳酸ハロゲン化物及びその製造方法 - Google Patents

新規なトリフルオロ乳酸ハロゲン化物及びその製造方法

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JPH0665157A
JPH0665157A JP23881892A JP23881892A JPH0665157A JP H0665157 A JPH0665157 A JP H0665157A JP 23881892 A JP23881892 A JP 23881892A JP 23881892 A JP23881892 A JP 23881892A JP H0665157 A JPH0665157 A JP H0665157A
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JP
Japan
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trifluorolactic
acid
acid halide
compound
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JP23881892A
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English (en)
Inventor
Toshimasa Katagiri
利真 片桐
Toshio Kubota
俊夫 久保田
Katsuyuki Ueki
克行 植木
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1 【化1】 (式中Aはアルキルカルボニル基を、Xはハロゲン原子
を示す)で表されるトリフルオロ乳酸ハロゲン化物及び
その光学活性体、並びに下記一般式化2 【化2】 (式中のA及びXは上記と同じ)で表されるトリフルオ
ロ乳酸誘導体あるいはこの光学活性体をハロゲン化剤を
用いて酸ハロゲン化することからなるトリフルオロ乳酸
ハロゲン化物或いはこの光学活性体の製造方法。 【効果】 従来入手不可能であったトリフルオロ乳酸ハ
ロゲン化物を安価に入手することができるようになり、
このトリフルオロ乳酸ハロゲン化物を原料とする生理活
性物質などの有機化合物を簡便に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬や農薬等の生理活
性物質、液晶や界面活性剤等の機能性有機化合物等々の
合成中間原料として、あるいはアルコール、アミン類の
エステル体、アミド体とすることによりジアステレオメ
リックな光学分割剤として有用なトリフルオロ乳酸ハロ
ゲン化物、及びその光学活性体、さらにこれらの化合物
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、機能性或いは生理活性を有する
既知化合物の水素をフッ素に置き換えた化合物は、その
フッ素原子の特異的な電子効果により、その機能や生理
活性が強化され、或いは新しい機能や生理活性を得るこ
とが知られている。そのため既知化合物の原料と類似の
構造を持つ含フッ素ビルディングブロックが多数設計さ
れ合成されてきている〔例えば、「90年代のフッ素系
生理活性物質」石川延男監修 CMC社刊(1991);「Flu
orine in Bioorganic Chemistry」J.T.Welch,S.Eswarakr
ishnan, John Wiley & Sons (1991)〕。
【0003】とくにハロゲン化ホルミル基を持つ化合
物、すなわち酸ハロゲン化合物は、その官能基中心の炭
素の求電子性により高い反応性を有しており、また適応
できる反応の種類も多く、しかも反応の選択性が高いた
め、合成中間体として広く用いられている。本発明のト
リフルオロ乳酸ハロゲン化物はこのようなハロゲン化ホ
ルミル基に加えトリフルオロメチル基を有しており、さ
らにそのメチン炭素が不斉中心となるため、光学活性な
含フッ素化合物を合成するためのビルディングブロック
として高い価値を持つ。このようにトリフルオロ乳酸ハ
ロゲン化物は広い利用可能性を有する化合物として強く
望まれていたが、今日まで、この化合物は知られていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状に鑑みてなされたもので、本発明の目的は生理活
性物質や機能性有機化合物等の合成中間原料、あるいは
光学分割剤として有用なトリフルオロ乳酸ハロゲン化物
を提供すると共に、安価でかつ簡便にこの化合物を製造
する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式化
【化3】 で表されるトリフルオロ乳酸ハロゲン化物及びその光学
活性体、並びに下記一般式化4
【化4】 で表されるトリフルオロ乳酸誘導体あるいはこの光学活
性体をハロゲン化剤を用いて酸ハロゲン化することを特
徴とするトリフルオロ乳酸ハロゲン化物或いはこの光学
活性体を製造する方法である。
【0006】上記一般式化3および化4中のAはアルキ
ルカルボニル基を表すが、そのアルキル基部分としては
直鎖状または枝分かれのあるまたは環状構造を持ち、こ
れらはその中にヘテロ原子または二重結合および置換基
などをを含んでいてもよく、あるいは置換基を持つこと
もある芳香族性基を示すもので、用いるハロゲン化剤と
反応しないものであれば特に制限はない。実際に反応を
行なうときは、この部分の構造に応じたハロゲン化剤を
用いればよい。これらのアルキルカルボニル基として、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリ
ル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ヘキサノイル基、
シクロヘキシルカルボニル基、メタクリロイル基、アク
リロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基、トリフルオ
ロアセチル基等を例示できる。また、この置換基の目的
は乳酸の水酸基の保護にあり、よく知られている水酸基
の保護法、例えばエーテル結合を利用した方法、シリル
エーテル結合を利用した方法、炭酸エステル結合を利用
した方法、硼酸エステル結合を利用した方法、燐酸エス
テル結合を利用した方法、硝酸エステル結合を利用した
方法、スルホン酸エステル結合を利用した方法などによ
る水酸基の保護法も、この化合物の反応に利用できるこ
とは容易に推測される。
【0007】一方上記一般式化3中のXはハロゲン原子
を示し、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を例示できる。一
般には生成する酸ハロゲン化物の安定性、試薬の入手し
易さ、試薬の選択の幅広さなどの理由により塩素が好ま
しい。
【0008】一般式化3で示される構造を持つ化合物を
合成するための出発物質となる一般式化4のトリフルオ
ロ乳酸誘導体は、トリフルオロプロペンを微生物酸化す
ることにより得られる3,3,3-トリフルオロプロペン
オキシド(特公昭61-14798公報参照)を硝酸で酸
化して得られるトリフルオロ乳酸(特願平3-06097
9号明細書、特願平3-103630号明細書)の水酸基
を、適当なカルボン酸塩化物と反応させてエステル結合
を形成させることにより得ることができる。
【0009】この反応に用いるハロゲン化剤としては一
般にカルボン酸ハロゲン化物の合成に用いられるもので
あれば特に制限は無い。具体的には塩化チオニル、塩化
スルフリル、臭化チオニル、五塩化リン、三塩化リン、
塩化フタロイル、ホスゲン、三臭化リン、塩化ホスホリ
ル、シュウ酸塩化物、シュウ酸臭化物等を例示すること
ができる。
【0010】反応条件は用いる試薬によって異なり、そ
れぞれ試薬に応じた反応条件を選択すればよい。実施例
で述べたように、トリフルオロ乳酸の水酸基をアセチル
保護した場合は塩素化剤としてフタル酸塩化物を、ベン
ゾイル保護した場合は塩化チオニルをそれぞれハロゲン
化剤として用いるとよいが、この場合、これらのハロゲ
ン化剤は目的物であるトリフルオロ乳酸塩化物と副生物
等とは蒸留によって効率良く分離できる。
【0011】反応の終了は、NMR、ガスクロマトグラ
フィー等の分析手段により確認することができる。
【0012】反応終了後の反応混合物から蒸留などの公
知の分離操作により目的物を単離精製することができ
る。
【0013】
【実施例】
(参考例1)2-アセチルオキシ-3,3,3-トリフルオ
ロプロピオン酸の合成 トリフルオロ乳酸(2-ヒドロキシ-3,3,3-トリフル
オロプロピオン酸)1.44g(10mmol)を塩化アセチ
ル1.2g(15mmol)に加え、70℃に加熱して3時間反
応を行なった。その後、減圧蒸留を行ない目的物である
2-アセチルオキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン
酸と思われる化合物1.8g(10mmol)をほぼ定量的に得
た。この化合物は次の物性値などより目的物であること
が確認された。
【0014】沸点:70℃/20mmHg.1 H-NMR(CCl4)δ:2.14(s,3H)、5.42(q,1H)ppm.19 F-NMR(neat)δ:−4.20(d)ppm. IR(neat):1760、3250cm-1 MS(m/e):187(M+1).
【0015】(実施例1)2-アセチルオキシ-3,3,3
-トリフルオロプロピオン酸クロリドの合成 参考例1の方法により製造した2-アセチルオキシ-3,
3,3-トリフルオロプロピオン酸の全量〔1.8g(10m
mol)〕をフタル酸二塩化物1.1g(5mmol)と混合し、溶
液を95mmHgにまで減圧し、80℃にまで加熱して生成
物を蒸留しながら反応を行なった。その結果、沸点58
℃/95mmHgの留分を1.0g得た。この留分は、次に示し
た物性値を有していたため、目的物である2-アセチル
オキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸クロリドで
あることが確認された(収率約50%)。
【0016】沸点:58℃/95mmHg.1 H-NMR(CCl4)δ:2.12(s,3H)、5.53(q,1H)ppm.19 F-NMR(neat)δ:−4.33(d)ppm. IR(neat):1770cm-1
【0017】(参考例2)2-ベンゾイルオキシ-3,3,
3-トリフルオロプロピオン酸の合成 トリフルオロ乳酸1.44g(10mmol)を塩化ベンゾイル
1.54g(11mmol)に加え、70℃に加熱して6時間反
応を行なった。19F-NMRによる分析では目的物と思
われる物質がほぼ100%の収率で生成した。この反応
溶液を室温にまで冷却した後にクロロホルムを展開溶媒
とするシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ法によ
り副生物を除き、次の物性を有する生成物を0.62g得
た。この物性値から2-ベンゾイルオキシ-3,3,3-ト
リフルオロプロピオン酸であることが確認された(収率
25%)。
【0018】1H-NMR(CCl4)δ:5.72(q,1H)、6.94
〜8.26(m,5H)、11.09(s,1H)ppm.19 F-NMR(neat)δ:−5.73ppm. IR(neat):1700、1750、3150cm-1
【0019】(実施例2)2-ベンゾイルオキシ-3,3,
3-トリフルオロプロピオン酸クロリドの合成 参考例1の方法により製造した2-ベンゾイルオキシ-
3,3,3-トリフルオロプロピオン酸のうち、単離精製
操作を行なわずに得られたものを全量(約10mmol)を
塩化チオニル0.48g(4mmol)と混合し、反応溶液を7
0℃に加熱して6時間還流を行なった。その後、20mm
Hgに減圧し、70℃に加熱して副生成物、原料などを留
去した。このようにして得られた粗生成物を蒸留により
精製して、沸点68.5℃/3mmHgの留分で、次の物性値
を有する化合物を0.88g得た。この物性値から2-ベ
ンゾイルオキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸ク
ロリドであることが確認された(収率33%)。
【0020】沸点:68.5℃/3mmHg.1 H-NMR(CCl4)δ:5.52(q,1H)、6.53〜7.80(m,
5H) ppm.19 F-NMR(neat)δ:−6.00 ppm. IR(neat):1750、1800cm-1
【0021】
【発明の効果】本発明は、医薬や農薬等の生理活性物
質、液晶や界面活性剤等の機能性有機化合物等々の合成
中間原料として、あるいはジアステレオメリックな光学
分割剤として有用であり、本発明により従来入手不可能
であったトリフルオロ乳酸ハロゲン化物を安価に入手す
ることができるようになり、このトリフルオロ乳酸ハロ
ゲン化物を原料とする生理活性物質などの有機化合物を
簡便に製造できるという格別の効果を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式化1 【化1】 (式中Aはアルキルカルボニル基を、Xはハロゲン原子
    を示す)で表される新規なトリフルオロ乳酸ハロゲン化
    物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一般式化1で表される化
    合物おいて、トリフルオロメチル基と水酸基とが結合し
    ているメチン炭素上に不斉中心を持つことを特徴とする
    光学活性なトリフルオロ乳酸ハロゲン化物。
  3. 【請求項3】下記一般式化2 【化2】 (式中Aはアルキルカルボニル基を示す)で表されるト
    リフルオロ乳酸誘導体をハロゲン化剤を用いて酸ハロゲ
    ン化することを特徴とする請求項1の一般式化1で表わ
    される新規なトリフルオロ乳酸ハロゲン化物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】上記一般式化2で表されるトリフルオロ乳
    酸誘導体としてトリフルオロメチル基と水酸基とが結合
    しているメチン炭素上に不斉中心を持つ光学活性体を用
    いることを特徴とする請求項2に記載の光学活性なトリ
    フルオロ乳酸ハロゲン化物の製造方法。 【0001】
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