JPH0664733B2 - 磁気記憶媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記憶媒体の製造方法

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JPH0664733B2
JPH0664733B2 JP23206592A JP23206592A JPH0664733B2 JP H0664733 B2 JPH0664733 B2 JP H0664733B2 JP 23206592 A JP23206592 A JP 23206592A JP 23206592 A JP23206592 A JP 23206592A JP H0664733 B2 JPH0664733 B2 JP H0664733B2
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JP
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carbon
magnetic
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JP23206592A
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JPH05217161A (ja
Inventor
敏弘 安東
修一 平井
博 竹野
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は録画用、録音用又は電算
機に用いられるテープ状、ドラム状又はディスク状の磁
気記憶媒体の製造方法に関し、特に高湿度条件下に暴露
された後でも優れた耐摩耗性を有する磁気記憶媒体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録密度の向上の目的のもとに、
鉄、コバルト、ニッケル又はこれらの合金からなる強磁
性金属薄膜を真空蒸着、スパッタリング又はメッキ法で
基体上に設けた磁気記憶媒体が提案されている。これら
の金属磁気記憶媒体は高密度記録性に優れているが、記
録再生装置に使用すると磁気ヘッド等と物理的に接触し
ながら高速度走行をするので、実用上、耐摩耗性も優れ
ていることが必要である。
【0003】この耐摩耗性を向上させるために、強磁性
体金属の表面に液体又は固体のパラフィン等の炭化水素
類からなる潤滑剤を塗布するか、又は真空蒸着法により
薄膜を形成することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の塗布法又は真空蒸着法で形成された炭化水素保護膜
は、溶剤に可溶であるので、常態での耐摩耗性は優れて
いるものの、高湿度条件下に暴露した後ではその耐摩耗
性が著しく劣化するという欠点がある。
【0005】本発明者等は、これらの欠点を改善するた
めに種々の研究を行った結果、磁気記憶媒体の保護被膜
として炭化水素膜が高湿度条件下に暴露しても耐摩耗性
が劣化しないという知見に基づいて本発明に到達したも
のである。
【0006】即ち、本発明の目的は、常態及び高湿度条
件下に暴露した後のいずれにおいても、耐摩耗性が優れ
た磁気記憶媒体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記憶媒
体の製造方法は、基体の上に設けた強磁性金属薄膜の表
面上に、炭化水素ガスを含む雰囲気中でカーボンターゲ
ットをバイアススパッタリングすることにより、形成す
べき炭化水素質保護膜の炭素/水素の割合を原子比で5
0/50から98/2の範囲にすることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明においては、基体の上に設けた強磁性金
属薄膜の表面上に、炭化水素保護膜を形成する。この炭
化水素保護膜(以下、保護膜という)とは、炭素/水素
の割合が50/50から98/2の範囲にあるものであ
る。このような保護膜は、炭化水素ガスを含む雰囲気中
でカーボンターゲットをバイアススパッタリングする方
法により形成することができる。
【0009】このようにして形成した保護膜は溶剤に不
溶であり、その赤外分光分析によるとC−H結合の吸収
ピークが存在し、その元素分析ではC/Hの原子比で5
0/50以下の水素が含有されているものである。水素
の含有量が少なくなると、膜の硬度は増加すると共に、
その内部応力及び動摩擦係数も増加する。従って、磁気
記憶媒体の保護膜としては、C/Hの原子比で50/5
0から98/2の範囲にすることが必要であるが、特に
好ましい範囲としては60/40から90/10であ
る。
【0010】保護膜は高湿度条件下に暴露した後でも極
めて硬く、なおかつ極めて小さな摩擦係数をもっている
ので、磁気記憶媒体上に積層する保護膜として特に有益
で優れた特性を有する。従って、本発明方法により製造
した磁気記憶媒体は、高湿度条件下で使用する場合に極
めて実用性が高い。
【0011】保護膜の厚さとしては、好ましくは2000Å
以下、特に好ましくは1000Å以下であり、それ以上の厚
さになるとスペーシングロスが大きくなる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例に係る磁気記憶媒体の
製造方法について、添付の図面を参照して具体的に説明
する。
【0013】図1は、本実施例方法において、保護膜を
作成するために使用するバイアススパッタリング装置の
一例を示す模式図である。反応容器14は気密が保持さ
れるように構成されたもので、反応容器14には炭化水
素を含むガスの供給口15及び排気ポンプに接続された
排気管16が設けられている。また、反応容器14内に
はバイアス電源12に接続された磁気ディスク8及びデ
ィスクホルダー9が配置され、更にスパッタリング電源
13に接続されたカーボンターゲット10及びターゲッ
トホルダー11が、磁気ディスク8及びカーボンターゲ
ット10間に適当な間隔をおいて配置されている。この
装置により、スパッタリングされたカーボン粒子が炭化
水素を含むプラズマ中で反応し、磁気ディスク表面に保
護膜が形成される。
【0014】本実施例方法においては、反応容器14内
に磁気ディスク8及びカーボンターゲット10を設置し
た後、排気管16を介して反応容器14内を排気する。
次いで、この排気を継続しつつ、供給口15を介して、
原料ガスとして、C22、C24、C26,CH4,C4
10等の飽和若しくは不飽和の炭化水素、C66,C6
12等の常温・常圧で液体の炭化水素をガス化したも
の、又はこれらのガス状炭化水素とAr、He、Ne、
2等の炭化水素以外のガスとの混合ガスを供給する。
このようにして、反応容器14内を所定の圧力の原料ガ
ス雰囲気におき、磁気ディスク8にバイアス電圧を印加
し、カーボンターゲット10に所定の電圧を印加するこ
とにより、バイアススパッタリングが発生する。そし
て、スパッタリングされたカーボン粒子が炭化水素を含
むプラズマ中で反応し、磁性層を備えた磁気記憶媒体1
の表面に保護膜が形成される。
【0015】なお、本発明において、保護膜は磁性層の
上に直接形成しても良いが、Au、Pt,Ni−P,C
r,Ni,SiO2,Si,Ti,Ti−C,Si34
等からなる非磁性下地層を介して形成することもでき
る。
【0016】バイアススパッタリング装置の操作条件の
要因としては、ガス圧力、スパッタリング電源、デバイ
ス電圧及び反応時間等があるが、これらの条件は装置の
形状及び大きさなどによって変わるので特定は困難であ
る。通常用いられている条件でバイアススパッタリング
を行えばよい。
【0017】このようにして製造した磁気記憶媒体にお
いては、その表面に炭素/水素の割合が原子比で50/
50〜98/2である架橋した炭化水素質保護膜が形成
されるので、この磁気記憶媒体を高湿度条件下に暴露し
ても耐摩耗性が劣化しないという優れた効果を有する。
【0018】以下、本発明方法により製造した実施例を
その比較例と比較して説明する。実施例1 メッキディスクの製造 直径9cm、厚さ2mmの鏡面研摩したアルミ板上に非磁性N
i−P合金下地層を50μm厚に無電解メッキした後、30
μmまで鏡面研摩し、更にその上に下記表1に示すメッ
キ液及びメッキ条件でCo−Ni−P合金(Co:80
%、Ni;15%、P:5%)の磁性膜を0.1μm厚となる
ように無電解メッキした。無電解メッキの前処理として
は日本カニゼン(株)の「シューマセンシタイザー」及
び「シューマアクチベーター」を使用した。
【0019】
【表1】
【0020】このメッキディスクをメッキディスクAと
して試料に供した。磁気記憶媒体の製造 図1に示す構造のバイアススパッタリング装置[(株)
徳田製作所製マグネトロン型スパッタリング装置(商品
名「CFS−8ES」)を用い、また、ターゲットとし
ては高純度カーボン(日立化成(株)商品名「カーボン
HCB−18」)を用い、下記表2に示す条件下でスパ
ッタリングを行い、メッキデイスクA上に炭化水素保護
膜を800Å厚に形成した。但し、表2において、DCは
直流、ACは交流電圧を示す。
【0021】また、比較例No.14としてArガス単独で
スパッタリングを行い、メッキデイスクA上に800Åの
炭素膜を得た。
【0022】以下にその形成条件及びその評価結果を夫
々下記表3及び表4に示す。
【0023】
【表2】
【0024】これらの試験材に対し、常態及び耐湿後に
行った摺動試験の結果を下記表3に示す。また、実施例
No.1〜No.10及び比較例No.11〜13と雰囲気ガス、ガス圧
力、スパッタリング電源、バイアス電圧を同条件にし、
反応時間だけを長くして厚膜を作成し、そのCH元素分
析を行った結果を下記表4に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】但し、表3に示す物性等の測定は、次のよ
うにして行った。 1)動摩擦係数測定 装置は図2に示す構造の摺動物性測定装置を用い、ヘッ
ドは直径が2mmのサフアイア球を使用し、ヘッド荷重を5
gとし、相対速度が5m/secの条件下で動摩擦係数を測定
した。 2)摺動回数測定 図2に示す摺動物性測定装置を用い、ヘッドは直径が2m
mのサファイア球を使用し、ヘッド荷重を10gとし、相対
速度が10m/secの条件下で保護膜が破壊するまでの回数
を摺動回数とした。 3)CSS(コンタクト、スタート、ストップ)テスト ヘッドはIBM−3350タイプを使用し、ヘッド荷重を9.
8gとし、回転速度3600r.p.m、ON-OFF 30秒サイクルの条
件下でヘッドクラッシュが発生するまでのサイクル数を
CSSテスト回数とした。
【0028】その結果、実施例1乃至10においては、常
態及び耐湿後のいずれの場合も、比較例に比して摺動回
数及びCSSテスト回数が大きく、極めて優れた耐摩耗
性を有する。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高湿度条件下に暴露し
た場合でも、耐摩耗性が劣化しない磁気記録媒体を製造
方法することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイアススパッタリング装置の説明図である。
【図2】摺動物性測定装置の説明図である。
【符号の説明】
8,17;磁気ディスク 9;ディスクホルダー 10;カーボンダーゲット 11;ターゲットホルダー 12;バイアス電源 13;スパッタリング電源 14;反応容器 15;ガス供給口 16;排気管 18;ホルダー 19;サファイア球 20;板バネ 21;歪ゲージ 22;XYステージ 23;ディスク回転用モーター 24;架台

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の上に設けた強磁性金属薄膜の表面
    上に、炭化水素ガスを含む雰囲気中でカーボンターゲッ
    トをバイアススパッタリングすることにより、形成すべ
    き炭化水素質保護膜の炭素/水素の割合を原子比で50
    /50から98/2の範囲にすることを特徴とする磁気
    記憶媒体の製造方法。
JP23206592A 1992-08-31 1992-08-31 磁気記憶媒体の製造方法 Expired - Lifetime JPH0664733B2 (ja)

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