JPH0663901U - アキュムレータ - Google Patents
アキュムレータInfo
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- JPH0663901U JPH0663901U JP1034493U JP1034493U JPH0663901U JP H0663901 U JPH0663901 U JP H0663901U JP 1034493 U JP1034493 U JP 1034493U JP 1034493 U JP1034493 U JP 1034493U JP H0663901 U JPH0663901 U JP H0663901U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】内シェルのガス案内孔を確実に閉鎖し、ひいて
はブラダの一部が内シェルのガス案内孔に吸い込まれる
ことを回避し、結果的にブラダが破損されることを抑制
し、併せて組立作業が煩雑となることを回避する。 【構成】ブラダが内シェルのガス案内孔(12b) に吸い込
まれることを回避するためのポペット(23)をブラダの弾
性材料層の一表面に配設する。 【効果】内シェルのガス案内孔を確実に閉鎖でき、ひい
てはブラダの一部が内シェルのガス案内孔に吸い込まれ
ることを回避でき、結果的にブラダが破損されることを
抑制でき、併せて組立作業が煩雑となることを回避でき
る。
はブラダの一部が内シェルのガス案内孔に吸い込まれる
ことを回避し、結果的にブラダが破損されることを抑制
し、併せて組立作業が煩雑となることを回避する。 【構成】ブラダが内シェルのガス案内孔(12b) に吸い込
まれることを回避するためのポペット(23)をブラダの弾
性材料層の一表面に配設する。 【効果】内シェルのガス案内孔を確実に閉鎖でき、ひい
てはブラダの一部が内シェルのガス案内孔に吸い込まれ
ることを回避でき、結果的にブラダが破損されることを
抑制でき、併せて組立作業が煩雑となることを回避でき
る。
Description
【0001】
【0002】
本考案は、ブラダによって内部空間がガス室と液体室とに区画されたシェルの 内部に内シェルを配設することによりガス室を少なくとも2つのガス小室に区画 してなるアキュムレータに関し、特に、ブラダが内シェルのガス案内孔に対し吸 い込まれることを回避するためのポペットがブラダの弾性材料層の一表面に配設 されてなるアキュムレータに関するものである。
【0003】
従来、この種のアキュムレータとしては、無負荷状態で周縁部の端面方向に突 出せしめられたブラダの中央部が液体室の液体圧の減少に伴なって液体室方向 ( “吐出方向”ともいう) に向けて移動しかつ液体室の液体圧の増加に伴なってガ ス室方向 (“吸入方向”ともいう) に向けて移動することにより液体供給源の液 体圧の変動を吸収し緩和するに際し、内シェルによってガス室を少なくとも2つ のガス小室に区画して2つのガス小室を連通するガス案内孔に対し弁体を脱落し ないように配設しておき、液体供給源の液体圧が急速に増大したときにブラダの 中央部が内シェルに当接されるに先き立ち弁体によってガス案内孔を閉鎖し2つ のガス小室間のガスの移動を抑制することにより、急速な液体圧の変動に伴なう ブラダの急速な変形を吸収し緩和してなるものが、提案されていた。
【0004】
しかしながら、従来のアキュムレータでは、内シェルのガス案内孔の内周面と 弁体の外周面との間に間隙が残存していたので、液体室の液体圧の増加にともな いブラダの中央部がガス室側に向けて移動し内シェルに当接せしめられたとき、 (i) ガス案内孔の内周面と弁体の外周面との間に残存する間隙に対しブラダの一 部が侵入ないしは吸い込まれてしまう欠点があり、ひいては(ii)ブラダの中央部 近傍が過度に伸長されてしまい損傷を受け易い欠点があった。
【0005】 また、従来のアキュムレータでは、内シェルのガス案内孔に弁体が脱落しない ように配設されていたので、(iii) 組立作業が煩雑となってしまう欠点もあった 。
【0006】 そこで、本考案は、これらの欠点を除去する目的で、ブラダが内シェルのガス 案内孔に吸い込まれることを回避するためのポペットがブラダの弾性材料層の一 表面に配設されてなるアキュムレータを提供せんとするものである。
【0007】
【0008】
本考案により提供される問題点の解決手段は、 「ブラダによって内部空間がガス室と液体室とに区画されたシェルの内部に 内シェルを配設することによりガス室を少なくとも2つのガス小室に区画し てなるアキュムレータにおいて、ブラダが内シェルのガス案内孔(12b) に吸 い込まれることを回避するためのポペット(23)がブラダの弾性材料層の一表 面に配設されてなることを特徴とするアキュムレータ」 である。
【0009】
本考案にかかるアキュムレータ用ブラダは、ブラダによって内部空間がガス室 と液体室とに区画されたシェルの内部に内シェルを配設することによりガス室を 少なくとも2つのガス小室に区画してなるアキュムレータであって、上述の[問 題点の解決手段]の欄に明示したごとく構成されており、特に、ブラダが内シェ ルのガス案内孔に吸い込まれることを回避するためのポペットがブラダの弾性材 料層の一表面に配設されているので、 (i) 内シェルのガス案内孔を確実に閉鎖する作用 をなし、ひいては (ii) ブラダの一部が内シェルのガス案内孔に吸い込まれることを回避す る作用 をなし、結果的に (iii) ブラダが破損されることを抑制する作用 をなし、併せて (iv) 組立作業が煩雑となることを回避する作用 をなす。
【0010】
次に、本考案にかかるアキュムレータについて、その好ましい実施例を挙げ、 添付図面を参照しつつ、具体的に説明する。
【0011】 しかしながら、以下に説明する実施例は、本考案の理解を容易化ないし促進化 するために記載されるものであって、本考案を限定するために記載されるもので はない。
【0012】 換言すれば、以下に説明する実施例において開示される各要素は、本考案の精 神ならびに技術的範囲に属する全ての設計変更ならびに均等物置換を含むもので ある。
【0013】 (添付図面の説明)
【0014】 図1は、本考案にかかるアキュムレータの第1の実施例を示すための断面図で あって、特に、ブラダ20の中央部21A の両表面にそれぞれポペット23,24 が配設 されており、ブラダ20が内シェル12に未だ当接されていない状態を示している。
【0015】 図2は、図1に示した実施例の作用を説明するための断面図であって、特に、 ブラダ20が内シェル12に既に当接されている状態を示している。
【0016】 図3は、本考案にかかるアキュムレータの第2の実施例を示すための断面図で あって、特に、ブラダ20の中央部21A の一表面にポペット23が配設されかつ他表 面に樹脂シート25が配設されており、ブラダ20が内シェル12に未だ当接されてい ない状態を示している。
【0017】 図4は、図1に示した実施例の作用を説明するための断面図であって、特に、 ブラダ20が内シェル12に既に当接されている状態を示している。
【0018】 (第1の実施例の構成)
【0019】 まず、図1を参照しつつ、本考案にかかるアキュムレータの第1の実施例につ いて、その構成を詳細に説明する。
【0020】 10は、本考案にかかるアキュムレータであって、後述のブラダ20によってシェ ル11の内部空間がガス室11A と液体室11B とに区画され、かつガス室11A が内シ ェル12によって第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2とに区画されている。 すなわち、本考案にかかるアキュムレータ10は、シェル11の内周面に対しブラダ 20 の周縁部21B の外周面を当接するよう内シェル12の外周面に形成されたブラダ 取付部12a によってその弾性取付部21a をシェル11の内周面に向けて押圧するこ とにより、ブラダ20をシェル11の内周面に保持し、シェル11の内部空間をガス室 11A と液体室11B とに区画している。内シェル12は、シェル11の内周面に形成さ れた係止段部11c に一表面 (すなわちブラダ20に対向しない表面)12cの周縁部を 係止することにより、シェル11の内部に固定されている。
【0021】 シェル11のガス室11A (すなわち第1のガス小室11A1および第2のガス小室11 A2) には、適宜の不活性ガス (たとえば窒素ガス) が、シェル11のガス供給口11 b から充填されたのち、閉鎖部材 (いわゆる“ガスプラグ”)13 およびシール部 材 (ここではOリング)13aによってそのガス供給口11b を閉鎖することにより、 封入されている。
【0022】 シェル11の液体室11B は、後述のポペット23によって内側開口が閉鎖可能な液 体案内孔14a を備えたオイルポート (すなわち液体出入口部材)14 の基端部をオ イルポート取付開口11a に配設しかつ先端部を液体供給管 (図示せず) に連結す ることにより、適宜の液体供給源(図示せず)に連通されている。すなわち、シ ェル11の液体室11B は、オイルポート14の先端部の外周面もしくは内周面 (ここ では外周面) に形成されたネジ部14b に対して液体供給管(図示せず)のネジ部 を螺合することによって、液体案内孔14a および液体供給管を介し適宜の液体供 給源に連通されており、その液体供給源の液体圧に応じて適宜の量の液体(たと えばブレーキ液,水あるいはオイル)が供給されている。
【0023】 内シェル12の中央部には、第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2との間で ガスの移動を確保するためのガス案内孔12b が形成されている。
【0024】 内シェル12の他表面 (すなわちブラダ20に対向する表面)12dは、液体室11B 中 の液体圧が増大するに伴なってブラダ20の中央部21A が当接せしめられるとき、 ブラダ20の一表面 (すなわち内シェル12に対向する表面)20aとの間に大きな空隙 が残存することを回避し、かつブラダ20が彎曲反転部21C などで過度に伸長され て過度の応力を生じることを阻止するよう、ブラダ20の一表面20a の無負荷状態 における形状に相応する形状 (すなわち一致ないし近似する形状) とされている ことが、好ましい。すなわち、内シェル12の他表面12d は、周縁部にブラダ20の 彎曲反転部21C の一部の無負荷状態における表面形状に相応する形状を確保でき るよう彎曲凸部12e が形成され、中央部にブラダ20の中央部21A の無負荷状態に おける表面形状に相応する形状を確保できるよう凹部12f が形成され、併せて周 縁部から中央部にかけてブラダ20の彎曲反転部21C の残部の無負荷状態における 表面形状に相応する形状を確保できるよう緩慢に彎曲した凹面とされていること が、好ましい。
【0025】 オイルポート14は、基端部すなわち内側端面の外周部が拡張されており、シェ ル11のオイルポート取付開口11a に配設されたのち熔接されるに際し不具合を回 避するよう、配慮されている。
【0026】 20は、本考案にかかるアキュムレータ10に組み込みガス室11A と液体室11B と を互いに区画するためのブラダであって、中央部21A と中央部21A の無負荷状態 における突出方向に向けて端面が形成された周縁部21B と中央部21A および周縁 部21B を互いに連結するための彎曲反転部21C とを包有しておりゴムなどの適宜 の弾性材料によって形成された弾性材料層21と、ガス透過性能の低い適宜の材料 によって作成されており所望に応じ弾性材料層21の内部に対して配設されたガス 遮蔽層22と、内シェル12のガス案内孔12b に吸い込まれることを回避する目的で 弾性材料層21の一表面 (すなわち内シェル12に対向している表面)20aのうち中央 部21A に相当する部分に対して配設されたポペット23と、オイルポート14の液体 案内孔14a に吸い込まれることを回避する目的で弾性材料層21の他表面 (すなわ ち内シェル12に対向していない表面)20bのうち中央部21A に相当する部分に対し て配設されたポペット24とを、備えている。
【0027】 ブラダ20の弾性材料層21には、ブラダ20が内シェル12の外周面によって前述の ごとくシェル11の内周面に対して取付けられたとき、シェル11の内周面との間で 十分のシールを確保できるよう、(i) 周縁部21B の端面にそって延長された厚肉 の弾性取付部21a が、ゴムなどの適宜の弾性材料によって、周縁部21B の内周面 (すなわち内シェル12に対向する一表面20a の周縁部) に形成されており、また (ii)周縁部21B の端面にそって延長された弾性突部21b が、同様に、周縁部21B の外周面 (すなわち内シェル12に対向していない他表面20b の周縁部) に形成さ れている。
【0028】 ブラダ20のガス遮蔽層22は、図示することを省略してあるが、通常、織布 (た とえばメリヤスなど) あるいは不織布などの補強材の少なくとも一面に対し、ポ リビニルアルコール樹脂,ポリフッ化ビニル樹脂あるいは塩化ビニリデン樹脂な どで作製されたガス透過性能の低い樹脂膜あるいは金属箔からなる少なくとも一 層のガス遮蔽膜を配設することによってによって形成されている。しかしながら 、ガス遮蔽層22では、所望により、補強材を省略してもよい。
【0029】 (第1の実施例の作用)
【0030】 また、図1および図2を参照しつつ、本考案にかかるアキュムレータの第1の 実施例について、その作用を詳細に説明する。
【0031】 液体圧がガス圧に一致しているときの動作
【0032】 本考案にかかるアキュムレータ10は、液体供給源 (図示せず) の液体圧が適度 の大きさであってガス室11A のガス圧と一致しておりブラダ20が図1に示した状 態に停止している場合、ブラダ20が、彎曲反転部21C で反転し中央部21A で一側 (すなわちガス室11A に相当する側) に向け周縁部21B の端面と同一方向に突出 している。
【0033】 このとき、内シェル12のガス案内孔12b は、ポペット23が当接されていないの で、第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2との間におけるガスの移動を抑制 ないし阻害していない。このため、第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2と の間では、ガスが、ガス案内孔12b を介して自由に移動可能とされている。この 結果、第1のガス小室11A1のガス圧は、第2のガス小室11A2のガス圧に等しく維 持され、かつ液体室11B 中の液体圧に等しく維持されている。
【0034】液体圧が増加するときの動作…液体吸入動作
【0035】 液体供給源の液体圧が図1に示した状態に比べて増加する場合、本考案にかか るアキュムレータ10では、液体が、液体供給源から液体供給管を介してオイルポ ート14の液体案内孔14a に供給される。これに伴なって、シェル11の液体室11B には、オイルポート14の液体案内孔14a から液体が供給されるので、その液体圧 が増加する。
【0036】液体圧が緩慢に増加する場合
【0037】 シェル11の液体室11B における液体圧の増加が緩慢である場合、ブラダ20の中 央部21A は、ガス室11A 側 (すなわち“吸入方向”) へ向けて矢印Xで示すごと く緩慢に移動し、その両面20a,20b に印加された圧力 (すなわちガス室11A のガ ス圧および液体室11B の液体圧) が互いに平衡した位置で停止する。
【0038】 このとき、ブラダ20の中央部21A が矢印X方向へ緩慢に移動しているので、第 2のガス小室11A2におけるガス圧の増加が緩慢であり、第2のガス小室11A2から 第1のガス小室11A1へのガスの移動も緩慢である。このため、内シェル12のガス 案内孔12b は、第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2との間におけるガスの 移動を実質的に抑制ないし阻害していない。それ故、第2のガス小室11A2の容積 がブラダ20の移動に伴なって縮小されるにつれ、第1のガス小室11A1には、第2 のガス小室11A2からガスが自由に供給される。この結果、第1のガス小室11A1の ガス圧は、第2のガス小室11A2のガス圧に常に等しく維持されている。
【0039】 液体供給源の液体圧が更に増加する場合、本考案にかかるアキュムレータ10で は、液体が、液体供給源から液体供給管を介してオイルポート14の液体案内孔14 a に供給される。これに伴なって、シェル11の液体室11B には、オイルポート14 の液体案内孔14a から液体が供給されるので、液体圧が増加する。
【0040】 シェル11の液体室11B における液体圧の増加に応じ、ブラダ20の中央部21A は 、ガス室11A 側 (すなわち“吸入方向”) へ向けて矢印Xで示すごとく更に移動 し、その一表面20a が図2に示したごとく内シェル12の他表面12d(特に凹部12f) に当接せしめられる。
【0041】 これに伴ない、ブラダ20のポペット23が内シェル12のガス案内孔12b を閉鎖す るので、ガス案内孔12b を介した第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2との 間におけるガスの移動が阻止される。
【0042】 しかしながら、ブラダ20が内シェル12に向けて緩慢に移動しており、かつ内シェ ル12の他表面12d の形状がブラダ20の弾性材料層21の無負荷状態の形状と相応す るよう配慮されているので、ブラダ20のポペット23が内シェル12のガス案内孔12 b を閉鎖したとき、ブラダ20と内シェル12との間の空間 (すなわち第2のガス小 室A2 の大きさ) が十分に縮小されており、過剰のガスが残留されることがない 。このため、シェル11の液体室11B における液体圧がさらに増加しても、ブラダ 20 に過剰の応力が印加されることを回避でき、併せてブラダ20を過剰のガスが透 過することを抑制できる。
【0043】液体圧が急速に増加する場合
【0044】 シェル11の液体室11B における液体圧が急速に増加する場合、ブラダ20の中央 部21A は、ガス室11A 側 (すなわち“吸入方向”) へ向けて矢印Xで示すごとく 急速に移動し、その両面20a,20b に印加された圧力 (すなわちガス室11A のガス 圧および液体室11B の液体圧) が互いに平衡した位置で停止する。
【0045】 このとき、ブラダ20の中央部21A が矢印X方向へ急速に移動しているので、第 2のガス小室11A2におけるガス圧の増加が急速であり、内シェル12のガス案内孔 12b を介した第2のガス小室11A2から第1のガス小室11A1へのガスの移動も急速 である。
【0046】 液体供給源の液体圧が更に増加する場合、本考案にかかるアキュムレータ10で は、液体が、液体供給源から液体供給管を介してオイルポート14の液体案内孔14 a に供給される。これに伴なって、シェル11の液体室11B には、オイルポート14 の液体案内孔14a から液体が供給されるので、液体圧が増加する。
【0047】 シェル11の液体室11B における液体圧の増加に応じ、ブラダ20の中央部21A は 、ガス室11A 側 (すなわち“吸入方向”) へ向けて矢印Xで示すごとく更に移動 し、その一表面20a が図2に示したごとく内シェル12の他表面12d(特に凹部12f) に当接せしめられる。
【0048】 これに伴ない、ブラダ20のポペット23が内シェル12のガス案内孔12b を閉鎖す るので、ガス案内孔12b を介した第1のガス小室11A1と第2のガス小室11A2との 間におけるガスの移動が阻止される。
【0049】 ブラダ20が内シェル12に向けて急速に移動していたが、内シェル12の他表面12 d の形状がブラダ20の弾性材料層21の無負荷状態の形状と相応するよう配慮され ているので、ブラダ20のポペット23が内シェル12のガス案内孔12b を閉鎖したと き、ブラダ20と内シェル12との間の空間 (すなわち第2のガス小室A2 の大きさ ) が十分に縮小されており、過剰のガスが残留されることがない。このため、シ ェル11の液体室11B における液体圧が更に増加しても、ブラダ20に過剰の応力が 印加されることを回避でき、併せてブラダ20を過剰のガスが透過することを抑制 できる。
【0050】液体圧が減少するときの動作…液体吐出動作
【0051】 液体供給源の液体圧がたとえば図1あるいは図2に示した状態に比べて減少す る場合、本考案にかかるアキュムレータ10は、ブラダ20の中央部21A が液体室11 B 側 (すなわち“吐出方向”) へ向けて矢印Yで示すごとく移動し、その両面20 a,20b に印加された圧力 (すなわちガス室11A のガス圧と液体室11B の液体圧と ;図2に示した状態の場合実質的には第2のガス小室11A2のガス圧と液体室11B の液体圧と) が互いに平衡した位置で停止する。ブラダ20の中央部21A の移動に 伴なって、シェル11の液体室11B の液体が、オイルポート14の液体案内孔14a を 介して液体供給源に向けて排出される。
【0052】 液体供給源の液体圧が更に減少する場合、本考案にかかるアキュムレータ10は 、ブラダ20の中央部21A(すなわちポペット24) が、液体室11B 側 (すなわち“吐 出方向”) へ向けて矢印Yで示すごとく移動してオイルポート14に当接され、オ イルポート14の液体案内孔14a を閉鎖する。
【0053】 このとき、液体供給源の液体圧が当初に図1に示した状態にあったか図2に示 した状態にあったかにかかわらずブラダ20が矢印Y方向に移動される場合には、 ブラダ20の中央部21A のポペット23が内シェル12のガス案内孔12b を開放してい る限り、ガス案内孔12b が第1のガス小室11A1から第2のガス小室11A2へのガス の移動を抑制ないし阻害することはない。このため、ブラダ20の中央部21A のポ ペット23が内シェル12のガス案内孔12b を開放している限り、第2のガス小室11 A2の容積がブラダ20の移動に伴なって拡大されるにつれ、第2のガス小室11A2に は、第1のガス小室11A1からガスが自由に供給される。この結果、第1のガス小 室11A1のガス圧は、第2のガス小室11A2のガス圧に等しく維持されている。
【0054】 以上より明らかなごとく、本考案にかかるアキュムレータ10によれば、内シェ ル12のガス案内孔12b がブラダ20の中央部21A のポペット23によって閉鎖可能と されているので、ブラダ20の中央部21A が内シェル12に当接されたとき、(i) 内 シェル12のガス案内孔12b をポペット23で確実に閉鎖でき、ひいては(ii)ブラダ 20 の一部がガス案内孔12b に吸い込まれて破損されることを回避でき、併せて(i ii) 組立作業が煩雑となることを回避できる。
【0055】 また、本考案にかかるアキュムレータ10によれば、内シェル12の他表面12d の 形状がブラダ20の一表面20a の無負荷状態における形状に相応する形状とされて いるので、(i) ブラダ20の中央部21A がガス室11A 側に向けて移動し内シェル12 に当接されるとき、ブラダ20の一表面20a と内シェル12の他表面12d との間に残 留する空隙を十分に削減でき、ひいては(ii)その間に残留するガスの量を十分に 削減でき、また(iii) ブラダ20が過度に伸長され損傷を受けることを抑制でき、 更に(iv)ブラダ20の一表面20a と内シェル12の他表面12d との間に残留する空隙 からブラダ20を透過して液体室11B へ移動するガスの量を削減できる。
【0056】 (第2の実施例)
【0057】 更に、図3および図4を参照しつつ、本考案にかかるアキュムレータの第2の 実施例について、その構成および作用を詳細に説明する。
【0058】 第2の実施例は、ポペット24に代え、樹脂シート25が配設されていることを除 き、第1の実施例と実質的に同一の構成を有している。樹脂シート25は、たとえ ばテフロンによって作成されておればよい。
【0059】 そのため、第2の実施例は、第1の実施例に比べて、ガス室11A のガス圧が高 圧でない場合 (たとえば0.98MPa 以下の場合) にブラダ20を軽量化できる作用効 果を有している。
【0060】 その他の構成ないし作用効果は、第1の実施例と実質的に同一であるので、便 宜上それらの説明を省略する。
【0061】 (変形例)
【0062】 なお、上述では、ブラダ20の他表面に対しポペット24もしくは樹脂シート25を 配置して液体案内孔14a に吸い込まれることを回避する場合について説明したが 、本考案は、これらに限定されるものではなく、ガス室11のガス圧が高くない限 りブラダの他表面に対しポペットもしくは樹脂シートを配置しない場合も包摂し ている。
【0063】
上述より明らかなように、本考案にかかるアキュムレータは、ブラダによって 内部空間がガス室と液体室とに区画されたシェルの内部に内シェルを配設するこ とによりガス室を少なくとも2つのガス小室に区画してなるアキュムレータであ って、[問題点の解決手段]の欄に明示したごとく構成されており、特に、ブラ ダが内シェルのガス案内孔に吸い込まれることを回避するためのポペットがブラ ダの弾性材料層の一表面に配設されているので、 (i) 内シェルのガス案内孔を確実に閉鎖できる効果 を有し、ひいては (ii) ブラダの一部が内シェルのガス案内孔に吸い込まれることを回避で きる効果 を有し、結果的に (iii) ブラダが破損されることを抑制できる効果 を有し、併せて (iv) 組立作業が煩雑となることを回避できる効果 を有する。
【図1】本考案にかかるアキュムレータの第1の実施例
を示すための断面図である。
を示すための断面図である。
【図2】図1に示した実施例の作用を説明するための断
面図である。
面図である。
【図3】本考案にかかるアキュムレータの第2の実施例
を示すための断面図である。
を示すための断面図である。
【図4】図3に示した実施例の作用を説明するための断
面図である。
面図である。
【符号の説明】10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アキュムレータ 11・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シェル 11A ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガス室 11A1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1のガス小室 11A2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2のガス小室 11B ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・液体室 11a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オイルポート取付開口 11b ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガス供給口 11c ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・係止段部 12・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内シェル 12a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブラダ取付部 12b ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガス案内孔 12c ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一表面 12d ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・他表面 12e ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彎曲凸部 12f ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・凹部 13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガスプラグ 13a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シール部材 14・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オイルポート 14a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・液体案内孔 14b ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネジ部 15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多孔性栓体20・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブラダ 20a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一表面 20b ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・他表面 21・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弾性材料層 21A ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中央部 21B ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周縁部 21C ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彎曲反転部 21a ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弾性取付部 22・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガス遮蔽層 23・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポペット 24・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポペット 25・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・樹脂シート
Claims (1)
- 【請求項1】ブラダによって内部空間がガス室と液体室
とに区画されたシェルの内部に内シェルを配設すること
によりガス室を少なくとも2つのガス小室に区画してな
るアキュムレータにおいて、ブラダが内シェルのガス案
内孔(12b) に吸い込まれることを回避するためのポペッ
ト(23)がブラダの弾性材料層の一表面に配設されてなる
ことを特徴とするアキュムレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993010344U JP2601461Y2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | アキュムレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993010344U JP2601461Y2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | アキュムレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0663901U true JPH0663901U (ja) | 1994-09-09 |
JP2601461Y2 JP2601461Y2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=11747576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993010344U Expired - Fee Related JP2601461Y2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | アキュムレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601461Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015500971A (ja) * | 2011-09-10 | 2015-01-08 | ヴィンケルマン・スプウカ・ス・オルガニザツィーノン・オトゥポビエジャルノシチョン | ダイヤフラム圧力膨張容器 |
CN104989680A (zh) * | 2015-07-02 | 2015-10-21 | 重庆卓山机械制造有限公司 | 液压系统蓄能装置 |
-
1993
- 1993-02-16 JP JP1993010344U patent/JP2601461Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015500971A (ja) * | 2011-09-10 | 2015-01-08 | ヴィンケルマン・スプウカ・ス・オルガニザツィーノン・オトゥポビエジャルノシチョン | ダイヤフラム圧力膨張容器 |
CN104989680A (zh) * | 2015-07-02 | 2015-10-21 | 重庆卓山机械制造有限公司 | 液压系统蓄能装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2601461Y2 (ja) | 1999-11-22 |
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