JPH0663575A - 好気性生物汚水浄化処理方法 - Google Patents

好気性生物汚水浄化処理方法

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JPH0663575A
JPH0663575A JP21503592A JP21503592A JPH0663575A JP H0663575 A JPH0663575 A JP H0663575A JP 21503592 A JP21503592 A JP 21503592A JP 21503592 A JP21503592 A JP 21503592A JP H0663575 A JPH0663575 A JP H0663575A
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backwashing
porosity
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Hiroji Seki
廣二 関
Takao Okura
孝雄 大倉
Noriaki Suzuki
憲亮 鈴木
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Ataka Kogyo KK
Ataka Construction and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 気孔率を35〜45%、比重を1.4〜2.
1、比表面積を10,000〜100,000cm2 /g
に制御して微生物接触用の充填材12を成型する。充填材
12にて空隙率を15〜30%に制御して充填し、充填層
11を形成する。充填層11内を、空気を散気して好気状態
に保持し、汚水2を流過して汚水2中の汚濁物質を処理
する工程と、汚水2の通過によって通水抵抗値の増加分
が0.5〜0.7m-Aqになった時点で充填層11内を洗浄
する逆流洗浄処理工程からなる。 【効果】 充填材12の開気孔に微生物が存在し、微生物
は逆洗によって流出せず、汚水処理能力は低下しない。
逆流洗浄エネルギを低減でき、初期通水抵抗値は一定
し、安定して効率よく汚水2を浄化処理でき、装置を小
型化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば下水、産業廃
水、河川、農業用水路、公園、運動場、庭園などにおい
て、BOD、SSを含む有機性汚水を浄化処理する好気
性生物汚水浄化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、汚水を処理する有効な方法の一
つとして知られている好気性生物処理法には、例えば、
特公昭63−66595号公報に記載されているよう
に、微生物接触用充填材を設けて好気性生物による汚水
処理を行い、汚泥などによって充填層が閉塞されたとき
に逆流洗浄を行うようにした処理方法が知られている。
【0003】この特公昭63−66595号公報に記載
のものは、頻繁な逆流洗浄によって、充填材に接触させ
た好気性生物が剥離して、浄化処理能力が低減しないよ
うに、微生物接触用充填材からなる充填層内を汚水が通
過する際に発生する抵抗を示す通水抵抗値の増加分が1
ないし2m-Aq以上となったときに逆流洗浄を行う構成が
採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭63−66595号公報に記載のものは、充填層内
を汚水が通過する際に発生する抵抗を示す通水抵抗値の
増加分が1ないし2m-Aq以上となったときに逆流洗浄を
行うようにしているが、このような通水抵抗値の場合、
流入する汚濁物質および増加した微生物の付着が増大
し、逆流洗浄用空気および水の流速を速くおよび洗浄時
間を長くする必要があるとともに、図9に特性Aで示す
ように、洗浄不充分による微生物の残留で浄化処理装置
の運転初期および逆流洗浄後の通水抵抗である初期通水
抵抗が高くなり、汚水の浄化処理継続時間が短くなる。
また、前記充填層上部を少なくとも1ないし2m 以上を
必要とし過大な装置となる問題がある。
【0005】本発明の目的は、上記従来の問題点を解決
して効率よく汚水の浄化処理ができ、しかも省エネルギ
対策にも効果的で経済的な好気性生物汚水浄化処理方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の好気性生物汚水
浄化処理方法は、微生物接触用の多孔質材料からなる充
填層内に、酸素含有ガスを散気せしめて前記充填層内を
好気的状態に保持させつつ汚水を流過させ汚水中の汚濁
物質を処理し、前記多孔質材料の物理的性質を、気孔率
を35〜45%、比重を1.4〜2.1、比表面積を1
0,000〜100,000cm2 /g とし、かつ、前記
充填層の空隙率を15〜30%とし、前記汚水の通過に
よって通水抵抗値の増加分が0.5〜0.7m-Aqになっ
た時点で前記充填層を洗浄するものである。
【0007】
【作用】本発明の好気性生物汚水浄化処理方法は、気孔
率を35〜45%、比重を1.4〜2.1、比表面積を
10,000〜100,000cm2 /g に制御された多
孔質材料の多孔部に微生物が存在または存在せしめ、こ
の多孔質材料を充填材に用いて、充填層内の空隙率を1
5〜30%となるように充填し、汚水の通過によって通
水抵抗値の増加分が0.5〜0.7m-Aqになった時点で
充填層を洗浄することで、汚水処理に必要な微生物は水
および空気などによる頻繁な逆流洗浄でも流出せず常に
確保されており、汚水処理能力の低下はない。また、前
記充填材からなる充填層内に流入する汚濁物質および増
加した微生物は、充填材の比重が小さいので逆流洗浄に
よって充填材が容易に移動できるため、充填材表面に固
着することなく容易に剥離でき、残留させることなく容
易に流出できる。さらに、充填材の比重が小さく、か
つ、充填層の空隙率を15%以上に制御したため、浄化
処理装置の運転初期および逆流洗浄後の通水抵抗である
初期通水抵抗を低く抑えられ、通水抵抗値が0.5ない
し0.7m-Aqに増加する時点で前記充填層の逆流洗浄を
低いエネルギにて行うことが可能となる。このことか
ら、汚水の浄化処理継続時間は長くなるとともに、安定
した効率のよい微生物による汚水の浄化処理が可能とな
り、さらに、逆流洗浄が容易なことから逆流洗浄の空気
および水の量も少なくすむ。また、前記充填層は同時に
処理する汚水のろ過作用も有し、清澄度が良好な処理水
が得られる。さらに、充填材は、充填層の空隙率を30
%以下にすることで、粒径および形状の管理が簡略し
て、製造工程が簡便な方法でできるとともに、歩留まり
が向上して経済的に製造できる。
【0008】
【実施例】本発明の好気性生物汚水浄化処理方法を実施
する装置の一実施例の構成を図1について説明する。
【0009】1は汚水槽で、この汚水槽1には汚水槽1
の汚水2を搬送するポンプ3が設けられている。そし
て、ポンプ3には、開閉弁4を設けた処理槽5の上部に
連通する汚水流入管6が接続され、汚水2はポンプ3に
て汚水流入管6を介して処理槽5の上部に形成された流
入部7に供給されるようになっている。
【0010】また、前記処理槽5内には充填層11が配設
され、この充填層11は多数の多孔質材料としての充填材
12で形成され、この充填材12間の隙間である空隙率が1
5〜30%となるように充填されて形成されている。
【0011】そして、この充填材12は、図2および図3
に示すように、汚水2中の汚濁物質を充分に補足できる
ように、微生物13が付着する多孔部としての開気孔14を
有する多孔質材料で形成され、この多孔質材料は強度が
強く、浸食や反応がないセラミックスにて、平均粒径が
6mmの円筒状で、気孔率を35〜45%、比重を1.
4〜2.1、比表面積を10,000〜100,000
cm2 /g となるように成型されている。なお、比表面積
は45000cm2 /g 以上、また、充填層11の空隙率と
充填材12の気孔率との和、すなわち、充填層11の容積に
対する充填層11内に位置する汚水2の容積の割合は、6
0〜70%となるように制御されていることが好まし
い。
【0012】そして、前記充填層11は、下部に流出室15
を形成する多孔管および多孔板などの透水性の支持体16
にて支持されている。
【0013】また、前記充填層11の下部に形成した流出
室15には集水兼逆流洗浄管21が設けられ、この集水兼逆
流洗浄管21は流出管22に接続され、この流出管22には開
閉弁23が接続されている。また、この開閉弁23と流出室
15との間に位置して前記流出管22には逆流洗浄水供給管
24が接続され、この逆流洗浄水供給管24は、処理水兼逆
流洗浄水貯溜槽25に設けられたポンプ26に接続されてい
る。また、逆流洗浄水供給管24の途中には絞り弁27が接
続されている。さらに、この絞り弁27と並列に絞り弁27
より絞り量の大きい絞り弁28を設けている。
【0014】そして、前記処理槽5の流出室15には、前
記集水兼逆流洗浄管21の上部に位置する散気装置31が設
けられ、この散気装置31には、ブロワ32を有する送気管
33が接続されている。さらに、処理槽5の流出室15に
は、開閉弁34を介してブロワ35を接続した逆流洗浄送気
管36が設けられている。
【0015】一方、前記処理槽5には充填層11の上部に
位置して汚水2を戻す戻し口41が開口形成され、この戻
し口41には一端が汚水槽1内に連通する開閉弁42が設け
られた戻し管43が接続されている。
【0016】また、処理槽5の流入部7には、逆流洗浄
によって生じた排水を回収する回収部44が設けられ、こ
の回収部44は、逆流洗浄排水管45を介して濃縮設備46に
連通されている。
【0017】次に、この装置について本発明の一実施例
の動作を説明する。
【0018】汚水流入管6の開閉弁4を開き、ポンプ3
を駆動するとともに、送気管33に接続したブロワ32を駆
動すると、汚水2は汚水槽1から汚水流入管6を経て処
理槽5の上部に開口する流入部7に流入する。この流入
部7に至った汚水2は、図3に示す充填層11を形成する
充填材12の表面に存在する微生物13に接触し、汚水2中
の汚濁物質が酸化分解される。
【0019】そして、前記充填層11内は常に好気的状態
に維持される。すなわち、酸素含有ガス例えば空気がブ
ロワ32により、送気管33を通って、散気装置31から送気
される。送気量は、通常、空気を用いた場合では、除去
BOD量kgあたり10Nm3 で十分であり、活性汚泥処理
法などに比べて1/3ないし1/5で済み、前記散気装
置31も前記充填層11内を好気的状態下に保たれる位置に
選んで配置すればよい。
【0020】また、前記充填層11内で十分浄化処理され
た汚水2は、例えば多孔板などの透水性の支持体16を経
て処理水として流出室15に至る。この流出室15内の処理
水は流出管22および開閉弁23を経て処理水兼逆流洗浄水
貯溜槽25へ流出する。なお、この処理水兼逆流洗浄水貯
溜槽25へ流入した処理水は、図示しない消毒などの別の
処理工程へ導入される。
【0021】以上の説明は汚水処理工程についての説明
であるが、この工程を続けると、通水時間の経過ととも
に充填層11の通水抵抗が徐々に増大し、通水困難に至
る。そこで通水困難になる以前、具体的には、充填層11
内を好気的状態に保持させつつ汚水2を通水速度(L
V)15m/h 以下、BOD容積負荷5kg/m3 .d以下の通
水によって、通水抵抗値の増加分が0.5ないし0.7
m-Aqになった時点毎に洗浄工程を行う。なお、この通水
抵抗値の増加分は、処理槽5の上部の流入部7内に設け
られた例えば水位レベル検知手段などの図示しない検知
手段によって検知する。そして、以下の洗浄工程の制御
を行うように、検知手段の信号を図示しない制御手段に
検出させる。また、検知手段の代わりに、通水抵抗値の
増加分が0.5ないし0.7m-Aqになる前にタイマなど
により以下の洗浄工程を制御させることもできる。
【0022】この洗浄工程は、汚水流入管6に設けた開
閉弁4を閉じポンプ3を停止するとともに開閉弁23を閉
じ、戻し管43の開閉弁42を2〜3分程度開とし、戻し管
43より充填層11内に貯留されている汚水2を汚水槽1に
戻す。処理槽5内の水位レベルが戻し管43を連結し開口
した戻し口41まで達した後、空気逆流洗浄を行なう。す
なわち、5分程度逆流洗浄送気管36の開閉弁34を開き、
ブロワ35を駆動し、逆流洗浄送気管36から空気を充填層
11内に1m3 /m2 /分程度で噴出させて空気逆流洗浄
を行なう。
【0023】さらに、絞り弁28を開きポンプ26により、
処理水兼逆流洗浄水貯溜槽25内の一部の水を集水兼逆流
洗浄管21から1分程度噴出させて空気兼水逆流洗浄を行
なう。この逆流洗浄は空気を1m3 /m2 /分、水を
0.5m3 /m2 /分程度とする。
【0024】次に、ブロワ35を停止するとともに絞り弁
28を閉じ、絞り弁27を開いて、ポンプ26によって処理水
兼逆流洗浄水貯溜槽25内の水を集水兼逆流洗浄管21から
3分間程度1m3 /m2 /分程度で噴出させて水逆流洗
浄を行う。
【0025】そして、この逆流洗浄終了後に、ポンプ26
を停止させ、絞り弁27を閉じて1〜2分静置する。この
水逆流洗浄により発生した排水は、回収部44から逆流洗
浄排水管45を通り濃縮設備46へ流入する。また、処理槽
5の流入部7に残留する排水を、開閉弁42を開いて汚水
槽1へ戻し、洗浄工程は終了する。
【0026】次いで、引き続き汚水処理工程を実施す
る。
【0027】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0028】本発明者らによる実験において、充填層11
を形成する充填材12について、各種粘土を主原料に配合
して、成形性および製造性を考慮して円筒形状のペレッ
ト状に各種試料を成型し、各種実験を行った。
【0029】なお、気孔率および比重をJIS−R−2
205に基づいて見掛け気孔率および見掛け比重にて測
定し、比表面積を窒素吸着法によって測定した。また、
空隙率をタップ充填によって充填された容積に対して上
記見掛け比重より充填材の占める割合から算出し、充填
層11の空隙率と充填材12の気孔率との和、すなわち、充
填層11の容積に対する充填層11内に位置する汚水2の容
積の割合は、ピクノメータ法によって測定した。
【0030】まず、同配合で粒径の異なる試料にて充填
層11を形成し、初期通水抵抗および逆流洗浄の際のポン
プやブロワなどの消費電力について比較検討した結果、
図4および図5に示すように、粒径が大きくなるほど初
期通水抵抗が減少して、効率よく汚水を処理できるが、
逆流洗浄の際には、逆に大きなエネルギを必要とする。
そこで、成形性および製造性を考慮して充填材を粒径が
6mmとなるように成型した。
【0031】また、図6に示すように、気孔率が大きく
なると、すなわち、開気孔が多くなると、この開気孔に
存在する微生物の量が増大する。なお、この微生物は汚
水の処理能力に比例することから、気孔率が大きくなる
と処理能力が増大することがわかる。また、この微生物
の存在量は比表面積にも比例する。但し、気孔率を10
%以下となるように試料を作製した際、原料の粘土の粒
子を粒度分布が狭く超微粉としたものを用いて高圧力で
成型しなければならず、成形性および製造性が非常に悪
く、歩留まりも低下した。また、気孔率を60%以上に
制御して試料を作製した際、試料の強度が著しく低下し
て、搬送や逆流洗浄などの応力によって破損しやすく、
充填材12としては利用できないと判断される。なお、こ
の気孔率の結果は、同時に比表面積について行った実験
結果と比例した。
【0032】一方、見掛け比重を変化させて逆流洗浄の
際の消費電力を測定した結果、図7に示すように、比重
1.5を1とすると比重が約2.2で、倍のエネルギを
必要とすることが分かる。そして、比重が2.1以下で
従来の装置運転初期の初期通水抵抗より低い値となる。
また、比重1.3では、充填層に充填した試料が浮いて
しまい、汚水処理が行えなかった。
【0033】また、見掛け気孔率が35%、見掛け比重
が1.5、比表面積が60000cm2 /g に制御して成
型した試料を充填材として、空隙率が異なるように粒径
および形状を変化させて充填層を形成して初期通水抵抗
を測定した結果、図8に示すように、空隙率が10%の
場合、汚水2の通水時間が経過するにしたがって、逆流
洗浄後の初期通水抵抗が上昇してしまう。ところが、空
隙率が15%以上となるように充填した場合、初期通水
抵抗は通水時間が経過してもほぼ一定となり、空隙率が
30%以上では初期通水抵抗に大差がなくなった。ま
た、形状は球状および円筒状に成型した試料が容易に空
隙率を15%〜30%に制御でき、成型性および製造性
から球状および円筒状が好ましいと判断できる。
【0034】上記各種実験から、充填材12に、平均粒径
が6mmの円筒状で、平均見掛け気孔率を40%、平均
見掛け比重を1.5、平均比表面積を60,000cm2
/gとなるように成型し、この充填材12を空隙率が20
%となるように充填して、充填層11を断面積が0.5m
2 、容積が1m3 となるように形成した実験用処理装置
にて、従来の処理方法によるものと比較して実験を行っ
た。
【0035】この実験の結果は、従来の微生物接触充填
材を形成する好気性生物浄化方法による初期通水抵抗値
の経時変化をA、本発明の浄化方法による初期通水抵抗
値の経時変化をBとし、縦軸に初期通水抵抗値(単位は
m-Aq)、横軸に通水時間(単位は月)で表して図9に示
す。
【0036】従来の汚水浄化処理方法によると、初期通
水抵抗値は特性Aに示すように、ある程度の期間まで上
昇し続けた後一定の高い値のままとなるが、本発明によ
る上記汚水浄化処理方法によると、特性Bに示すよう
に、運転開始当初の初期通水抵抗値と一年後の初期通水
抵抗値に差はなく、逆流洗浄により汚水の浄化処理に必
要な微生物は確保されたまま、増殖した残留微生物や汚
水中の汚濁物質は確実に処理槽より取り除かれているこ
とが判断される。また、従来の方法では、初期通水抵抗
値が上昇するにつれて逆流洗浄を行う回数も増加する
が、本実施例では、一年経過しても1日に1回ないし2
回の逆流洗浄で、汚水2中の汚濁物質や増殖した残留微
生物を取り除くことができた。
【0037】上記各種実験から、充填材12は、平均粒径
が6mmの円筒状で、気孔率を35〜45%、比重を
1.4〜2.1、比表面積を10,000〜100,0
00cm2 /g となるように成型し、この充填材12を空隙
率が15%〜30%となるように充填して充填層11を形
成することによって、容易で経済的に充填材を製造で
き、初期通水抵抗を低い状態で持続して、効率よく経済
的に汚水2を処理できることが判断される。
【0038】上記実施例によれば、気孔率を35〜45
%、比重を1.4〜2.1、比表面積を10,000〜
100,000cm2 /g に制御された微生物接触用の多
孔質材料からなる充填材12を、充填材12間の隙間である
空隙率が15〜30%となるように充填して充填層11を
形成する。そして、この充填層11内に、酸素含有ガスで
ある空気を散気せしめて前記充填層11内を好気的状態に
保持しつつ汚水2を通過して汚水2中の汚濁物質を処理
するとともに、汚水2の通過によって通水抵抗値の増加
分が0.5ないし0.7m-Aqになった時点毎に定期的に
前記充填層11を洗浄するように処理した。
【0039】これにより、従来の汚水浄化処理方法の充
填層内に充填される多孔質材料では、多孔質材料の比重
が大きく逆流洗浄に大きなエネルギ、すなわち、多量の
水および空気を高い流速で処理槽内に噴出しなければな
らないが、本発明の処理方法のように比重の小さい多孔
質材料を充填材12に用いることで、逆流洗浄において、
逆流洗浄エネルギの低い1m3 /m2 /分の条件で逆流
洗浄が可能で、この条件で確実に処理槽5より汚水2中
の汚濁物質や増殖した残留微生物を取り除くことができ
るので、簡便で適宜に逆流洗浄することができるととも
に、汚泥による閉塞が防止でき、バルキングが生じず、
汚泥または水を循環することなく処理できる。そして、
逆流洗浄に使用する水および空気が小量で済み、さら
に、逆流洗浄する際に必要な噴出エネルギを小さくでき
経済的である。
【0040】また、微生物接触用の充填材12に気孔率を
35〜45%、比重を1.4〜2.1、比表面積を1
0,000〜100,000cm2 /g に制御された多孔
質材料を使用することにより、逆流洗浄では多孔部であ
る開気孔14に付着する微生物13は剥離されず、逆流洗浄
後も十分な処理能力が維持され、安定した生物処理が可
能となる。
【0041】また、運転開始当初の初期通水抵抗値を長
期間保持でき、初期通水抵抗値が安定し、汚水2の浄化
処理継続時間の増加によって効率よく汚水2の浄化処理
が可能となる。
【0042】なおかつ、ろ過作用もあることにより処理
水の清澄度は良好であり、さらに沈降分離部が不要とな
り、装置を小型化できる。
【0043】また、BOD除去のみならずNH4 −N
を含有する汚水2に対しても硝酸菌などの作用によりN
4 −Nの除去が可能であり、汚水2の処理コストも
大幅に節減できる。
【0044】なお、上記実施例において、充填材12をセ
ラミックスにて押し出し成形によって形成して説明した
が、砂などを合成樹脂などによって粒状にしたものな
ど、気孔率を35〜45%、比重を1.4〜2.1、比
表面積を10,000〜100,000cm2 /g に制御
されたいずれの多孔質材料でもできる。
【0045】また、処理槽5に流出室15を設け、この流
出室15に集水兼逆流洗浄管21、逆流洗浄送気管36、およ
び、散気装置31を設けて説明したが、流出室15を設け
ず、充填層11下部に集水兼逆流洗浄管21、逆流洗浄送気
管36、および、散気装置31を埋設するような状態で配設
してもできる。また、逆流洗浄送気管36と散気装置31を
一つにしたものでもできる。
【0046】
【発明の効果】本発明の好気性生物汚水浄化処理方法に
よれば、気孔率を35〜45%、比重を1.4〜2.
1、比表面積を10,000〜100,000cm2 /g
に制御された多孔質材料の多孔部に微生物が存在または
存在せしめ、この多孔質材料を充填材に用いて、充填層
内の空隙率を15〜30%となるように充填し、汚水の
通過によって通水抵抗値の増加分が0.5〜0.7m-Aq
になった時点で充填層を洗浄することで、汚水処理に必
要な微生物は水および空気などによる頻繁な逆流洗浄で
も流出せず常に確保されており、汚水処理能力の低下は
ない。また、前記充填材からなる充填層内に流入する汚
濁物質および増加した微生物は、充填材の比重が小さい
ので逆流洗浄によって充填材が容易に移動できるため、
充填材表面に固着することなく容易に剥離でき、残留さ
せることなく容易に流出できる。さらに、充填材の比重
が小さく、かつ、充填層の空隙率を15%以上に制御し
たため、浄化処理装置の運転初期および逆流洗浄後の通
水抵抗である初期通水抵抗を低く抑えられ、通水抵抗値
が0.5ないし0.7m-Aqに増加する時点で前記充填層
の逆流洗浄を低いエネルギにて行うことが可能となる。
このことから、汚水の浄化処理継続時間は長くなるとと
もに、安定した効率のよい微生物による汚水の浄化処理
が可能となり、さらに、逆流洗浄が容易なことから逆流
洗浄の空気および水の量も少なくすむ。また、前記充填
層は同時に処理する汚水のろ過作用も有し、清澄度が良
好な処理水が得られる。さらに、充填材は、充填層の空
隙率を30%以下にすることで、粒径および形状の管理
が簡略して、製造工程が簡便な方法でできるとともに、
歩留まりが向上して経済的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好気性生物汚水浄化処理方法を実施す
る装置の一実施例の構成を示す系統説明図である。
【図2】本発明の浄化処理方法を実施する装置を形成す
る処理槽内に設けられた充填層を形成する微生物接触用
の多孔質材料の充填材を示す図である。
【図3】同上充填材に微生物の付着状態を示す充填材の
拡大断面図である。
【図4】同上各種充填材にて充填層を形成したときの充
填材の異なる粒径による初期通水抵抗の変化をグラフ化
した図である。
【図5】同上各種充填材にて充填層を形成したときの充
填材の異なる粒径による逆流洗浄エネルギ比の変化をグ
ラフ化した図である。
【図6】同上各種充填材にて充填層を形成したときの充
填材の異なる見掛け気孔率による開気孔に存在する微生
物量の比の変化をグラフ化した図である。
【図7】同上各種充填材にて充填層を形成したときの充
填材の異なる見掛け比重による逆流洗浄エネルギ比の変
化をグラフ化した図である。
【図8】同上各種充填材にて充填層を異なる空隙率に形
成したときの初期通水抵抗の経時変化をグラフ化した図
である。
【図9】従来の方法および本発明の方法による初期通水
抵抗の経時変化をグラフ化した図である。
【符号の説明】
2 汚水 5 処理槽 11 充填層 12 多孔質材料としての充填材 21 集水兼逆流洗浄管 31 散気装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物接触用の多孔質材料からなる充填
    層内に、酸素含有ガスを散気せしめて前記充填層内を好
    気的状態に保持させつつ汚水を流過させ汚水中の汚濁物
    質を処理し、 前記多孔質材料の物理的性質を、気孔率を35〜45
    %、比重を1.4〜2.1、比表面積を10,000〜
    100,000cm2 /g とし、かつ、前記充填層の空隙
    率を15〜30%とし、 前記汚水の通過によって通水抵抗値の増加分が0.5〜
    0.7m-Aqになった時点で前記充填層を洗浄することを
    特徴とする好気性生物汚水浄化処理方法。
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