JPH0663126U - 膜を用いたろ過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 限外ろ過膜を用いたろ過装置において、ろ過
膜を損傷することなく簡便に洗浄再生できる装置を提供
する。 【構成】 その少なくとも一面に限外ろ過膜を張設した
ろ板を水平状に支架した案内レール上に多数並列し、こ
れらろ板を開閉自在にし、これらろ板を閉板したときに
各ろ板間に上記限外ろ過膜によってろ過室を形成すると
ともに、上記ろ過膜の上面に近接させて保護シートを張
設したものである。ろ過膜面を洗浄したいときには、ろ
過膜面と保護シートとの間に洗浄液を流せばよく、ろ過
膜を逆洗したいときには、ろ過膜の背面に逆洗液を送れ
ばよい。このとき、近接した保護シートがあるので、逆
洗液でろ過膜が浮き上がる等するのを防止し、破損させ
ることなく洗浄できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、微細通孔を有するろ過膜を用いたろ過装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、限外ろ過膜等を用いたろ過装置は公知である。特公平３−５５１７３号 発明はその一例であり、この発明では、その両面にろ過膜を張設したろ板を一定 の間隔をあけて多数並列し、これらのろ板間にろ過すべき原液を流して、ろ液を 取り出すようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述のような従来装置において、ろ過膜の目詰りを防止するには、ろ過膜面に 沿って原液を流動させて目詰り物を洗い流すのが一般的であり、この方法では、 ろ過膜の目に入った夾雑物は除去できず、一定限度まで目詰りすると分解して洗 浄するか、ろ過膜を交換しなければならない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上述のような課題を解決したものであって、その要旨とするとこ ろは、その両面にろ過床を設けた多数のろ板を案内杆上に並列し、これらろ板を 可撓自在な連結具で連結して開閉自在にするとともに、上記ろ板のろ過床には、 微細通孔を有するろ過膜を張設し、そのろ過膜に近接させて保護シートを張設し 、これらろ板を閉板したとき、各ろ板間にその前面に保護シートを有する一対の ろ過膜でろ過室を形成し、一方、ろ板には、このろ過室に連通する原液の供給路 と、このろ過室に連通する濃縮原液の取出路と、ろ過膜の背後のろ過床に連通す るろ液の取出路を設けたものである。

【０００５】

【作用】

この考案に係る装置は上述のように構成されており、ろ板を閉板することによ り、各ろ板間にろ過膜で囲まれたろ過室を形成することができる。従って、この ろ過室に送られた原液は、ろ過膜面上を流動する間にろ過膜によってろ過されて 、そのろ液はろ過床を経て、ろ板内に設けた取出路から機外に取り出される。一 方、ろ液を分離された濃縮原液は、ろ板内に設けた取出路から機外に取り出され る。このような運転をしてろ過膜が目詰りしたときには、原液の供給路から洗浄 液を送ることによってろ過膜の表面を洗浄することができる。

【０００６】 このように洗浄してもろ過膜の目に詰って除去できない夾雑物に対しては、ろ 過床側から洗浄液を送ることによって、目詰り物を原液通路側に押し出して除去 することができる。すなわち、逆洗を併用することによって、完全に目詰り物を 除去してろ過膜を再生することができる。このとき、この考案では、ろ過膜面に 近接させて保護シートが設けてあるので、洗浄液圧によってろ過膜が浮き上がっ たり、膨張したりしてしわ等が生じるのを防止することができる。以下、図面に 基づいてこの考案を具体的に説明する。

【０００７】

【実施例】

図１は、この考案に係る装置の全体側面図を示し、図中、符号１は、ガイドレ ール２を橋架したフレーム、３は、ガイドレール２上に移動自在に並列したろ板 、４は、各ろ板３を連結するリンクチェーン、５は可動ヘッド、６は、可動ヘッ ドに連結されて各ろ板の開閉および締め付けをするための油圧シリンダー、７は 原液槽、８は原液供給用のポンプ、９はろ液取出用のパイプ、１０はろ液槽であ る。

【０００８】 次に、図２および図３に基づいて、ろ板３およびろ板間に形成されるろ過室の 構成を説明する。図において、符号１１は、ろ板３のろ過床３ａに張設したろ過 膜、１２は、ろ過膜１１の表面に近接させて設けた金属で構成したメッシュ、１ ３はろ過室を示すものである。また、符号１４はろ過すべき原液の供給路、１５ は、分離したろ液の取出路、１６は、濃縮液の取出路であり、原液の供給路１４ 、濃縮液の取出路１６は、ろ過室１３に連通させてあり、また、ろ液の取出路１ ５はろ過床３ａに連通させてある。尚、図２および図３において、符号１４ａは 原液の分配室、１４ｂは分配溝であり、また、１６ａは濃縮液の集液室、１６ｂ は集液溝である。

【０００９】 上述のように構成したろ板３が、ガイドレール２上に多数並列されて、閉板し たとき各ろ板間にろ過室１３が構成されるものであり、各ろ板の前述の原液の供 給路１４および濃縮液の取出路１６は互いに連結されて連通管を構成し（図２参 照）、また、ろ液の取出路１５は取出用のパイプ９に連結されているものである 。図１では、供給路１４および取出路１６を仮想線で示し、流れ方向を矢示して いる。尚、図例では、濃縮液を原液槽７に戻すようにしている。

【００１０】 この考案に係る装置は、上述のように構成してあり、ろ板３を閉板した状態で は、図２に示すように、各ろ板３間にろ過室１３が構成され、ここに送られた原 液は、ろ過膜１１によってろ過され、そのろ液は、ろ過床３ａ，取出路１５を経 てパイプ９に流入し、ろ液槽１０に集液される。一方、ろ液を分離されて濃縮さ れた原液は、取出路１６を経て原液槽７に戻される。すなわち、原液をその分離 ろ液と濃縮液とに分離することができる。

【００１１】 上述のような、ろ過運転を継続してろ過膜１１が目詰りしたときには、供給路 １４からろ過室１３に洗浄液を送ることによって、ろ過膜１１の表面を洗浄する ことができる。このようにしても除去できない目詰り物に対してはろ過床３ａ側 から洗浄液を送ることによって、ろ過膜１１が逆洗され、目に詰った夾雑物を押 し出し、除去することができる。このとき、この考案では、ろ過膜１１の前面部 に保護シート１２が張設してあるので、洗浄液の圧力によって薄いろ過膜１１が 膨張したり、破損等するのを防止することができる。

【００１２】

【考案の効果】

このように、この考案に係る装置によれば、ろ過膜が目詰りしたとき、これを 損傷させることなく、内外から洗浄し、完全に再生させることができるとともに 、ろ過室を構成するにも、これを開放するにも、単にろ板を開閉するのみの簡単 な操作で足り、メンテナンス等に際しても従来の固定的な膜ろ過室に比較して至 便なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るろ過装置の概略の全体側面図で
ある。

【図２】図１の装置のろ板の縦断側面図である。

【図３】同じく、ろ板の正面図である。

【符号の説明】

２ ガイドレール ３ ろ板 ３ａ ろ過床 ４ リンクチェーン １１ ろ過膜 １２ 保護シート １３ ろ過室 １４ 供給路 １５ ろ液の取出路 １６ 濃縮液の取出路

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【手続補正書】

【提出日】平成５年９月１０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 その両面にろ過床３ａを設けた多数のろ
   板３を案内杆２上に並列し、これらろ板３を可撓自在な
   連結具４で連結して開閉自在にするとともに、上記ろ板
   ３のろ過床３ａには、微細通孔を有するろ過膜１１を張
   設し、そのろ過膜１１に近接させて保護シート１２を張
   設し、これらろ板３を閉板したとき、各ろ板間に、その
   前面に保護シート１２を有する一対のろ過膜１１でろ過
   室１３を形成し、一方、ろ板３には、このろ過室１３に
   連通する原液の供給路１４と、このろ過室１３に連通す
   る濃縮原液の取出路１６と、ろ過膜１１の背後のろ過床
   ３ａに連通するろ液の取出路１５とを設けてなる膜を用
   いたろ過装置。