JPH066291Y2 - 多段変速装置 - Google Patents

多段変速装置

Info

Publication number
JPH066291Y2
JPH066291Y2 JP1987098263U JP9826387U JPH066291Y2 JP H066291 Y2 JPH066291 Y2 JP H066291Y2 JP 1987098263 U JP1987098263 U JP 1987098263U JP 9826387 U JP9826387 U JP 9826387U JP H066291 Y2 JPH066291 Y2 JP H066291Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
clutch
shaft
hydraulic
path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987098263U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS643150U (ja
Inventor
広志 北川原
薫徳 咲川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP1987098263U priority Critical patent/JPH066291Y2/ja
Publication of JPS643150U publication Critical patent/JPS643150U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH066291Y2 publication Critical patent/JPH066291Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は走行車輌において、油圧クラッチ装置とオーバ
ーランニングクラッチとを、2軸上に併置することによ
り、4段変速を主クラッチペダルの操作なしで連続的に
可能とした多段変速装置に関するものである。
(ロ)従来技術 従来から、各変速段毎に油圧クラッチを介装し、主クラ
ッチペダルの操作なしで変速可能な多段変速装置は公知
とされているのである。
例えば実開昭51−124556号公報の如くである。
しかし、該従来の技術においては、各変速段毎に油圧ク
ラッチが必要であり、コスト的に高価な構成と成ってい
たのである。
(ハ)考案が解決しようとする問題点 本考案においては、変速軸上に油圧クラッチとオーバー
ランニングクラッチとを併設していくことにより、該軸
上で高低の2段の変速を可能として、該高低2段変速の
ユニットを連結することにより4段変速装置を構成した
ものである。
このような構成とすることにより、2組の高速側油圧ク
ラッチC1・C2の断接により4段の変速が可能となる
のであるが、両油圧クラッチが断状態の場合にも、変速
段を得ることができるように成ったものである。
本考案においては、該高低側油圧クラッチC1・C2が
どちらも断状態となる変速段を最低段である第1速と
し、該高速側油圧クラッチC1・C2に圧油を送油する
油圧ポンプPを、該多段変速装置の前段で、主クラッチ
装置Bの操作により停止する従動軸の上に配置すること
により、主クラッチ装置Bを切った場合には圧油の吐出
が停止し、高速側油圧クラッチC1・C2のどちらもが
断となり、最低速の状態に戻り、次回に主クラッチ装置
Bが接合された場合にも、最初は油圧ポンプPの圧力が
低いので、変速レバー9が高速段にある場合にも自動的
に最低段から発進し、油圧ポンプPの圧油が上昇するに
連れて、該変速レバー9の変速段に自動的に移行すべく
構成したものである。
また該高速側油圧クラッチC1・C2を、「断・断」
「断・接」「接・断」「接・接」の4位置に切り換える
変速制御バルブVを、最も下降簡単のバルブケースの同
一幅のパスの並列と、スプールの上の2個のランドによ
り構成し、変速制御バルブVの簡潔化、操作の容易性を
得たものである。
(ニ)問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的を達成す
る為の構成を説明すると。
一対の高低歯車連を2軸間に配置し、一方の高速側遊嵌
歯車には高速側油圧クラッチC1を介装し、他方の低速
側遊嵌歯車には低速側オーバーランニングクラッチA1
を介装し、該高速側油圧クラッチC1と低速側オーバー
ランニングクラッチA1を介した軸を次段の変速軸に対
する入力軸として、同様の高低歯車連と高速側油圧クラ
ッチC2と低速側オーバーランニングクラッチA2を次
段の軸上に設けて、各変速軸の高速側油圧クラッチC1
・C2の断接操作により高低2段の変速を行なう多段変
速装置において、該高速側油圧クラッチC1・C2に圧
油を供給する油圧ポンプPを、多段変速装置前段の主ク
ラッチ装置Bの従動軸上に配置したものである。
また、高速側油圧クラッチC1・C2を断接制御する変
速制御バルブVを、バルブケース40側に順に同一幅a
の、タンク側パス41・高速側油圧クラッチC1用パス
42・油圧ポンプ用パス43・高速側油圧クラッチC2
用パス44・タンク側パス45を設け、該バルブケース
40に嵌挿したスプール46には、両高速側油圧クラッ
チC1・C2を断状態とした位置でタンク側パス41と
油圧ポンプ用パス43の幅の中央に位置し、前記パスの
幅aよりも小の幅bのランド47・48を構成したもの
である。
(ホ)実施例 本考案の目的・構成は以上の如くであり、次に添付の図
面に示した実施例の構成を説明すると。
第1図は本考案の多段変速装置を装備した田植機の全体
側面図、第2図は該田植機のミッションケース部分の側
面断面図、第3図は該変速装置のうちで、要部のみの拡
大断面図、第4図は油圧クラッチとオーバーランニング
クラッチの配置を相違させた他の実施例を示す動力伝達
線図、第5図は本考案の多段変速装置の油圧回路図、第
6図は変速制御バルブVの第1速の状態における断面
図、第7図・第8図・第9図はそれぞれ第2速・第3速
・第4速の状態におけるスプール46の位置を示す図面
である。
第1図において、本考案の多段変速装置を装備した田植
機の全体構成について説明すると。
前輪31と後輪32により支持した機体上にエンジンE
を載置し、該エンジンEのクランク軸を延長して、主ク
ラッチ装置Bに動力伝達している。
該主クラッチ装置Bにて断接した後の動力をミッション
ケースMに入力しているのであるが、本実施例において
は、ミッションケースMを前部ミッションケースM1と
センタープレートM2と後部ミッションケースM3の3
者を結合して構成している。
該ミッションケースM内において、本考案の多段変速装
置により変速後の動力をスイングケース33により後輪
32へ伝達し、また前輪動力伝達軸35を介して、前輪
31を駆動している。
またジョイント軸34を介して、植付装置Rに動力伝達
している。
センタープレートM2の後面に多段変速装置用の圧油を
送油する油圧ポンプPが配置されており、また座席の側
方に、該多段変速装置を制御する変速制御バルブVを操
作する変速レバー9が配置されている。
次に第2図・第3図において、本考案の多段変速装置の
具体的な構成について説明すると。
ミッションケースMの内で前部ミッションケースM1と
センタープレートM2の部分に架設して、入力軸3と第
1変速軸1と第2変速軸2が配置されている。
エンジンEの動力が主クラッチ装置Bに伝達されて、該
主クラッチ装置Bにより断接された後の動力が入力軸3
に伝達されている。
該入力軸3の上の固設歯車10・11と、第1変速軸1
の上の遊嵌歯車12・17により、入力軸3と第1変速
軸1の間に、一対の高低歯車連が構成されている。
固設歯車10と遊嵌歯車12の常時噛合歯車連が高速歯
車連であり、固設歯車11と遊嵌歯車17との常時噛合
歯車連が低速歯車連である。
そして遊嵌歯車12は高速側油圧クラッチC1を介して
第1変速軸1に係合すべく構成されており、遊嵌歯車1
7は低速側オーバーランニングクラッチA1を介して、
第1変速軸1と係合可能に構成されている。
また遊嵌歯車17においては、低速側オーバーランニン
グクラッチA1と並列に、高速側油圧クラッチC1より
も小さい容量のエンジン制動クラッチD1を介装してい
るのである。
該エンジン制動クラッチD1の油圧シリンダー5内へ送
油される圧油は、高速側油圧クラッチC1の油圧シリン
ダー4へ送油される圧油を分岐して送油しており、該高
速側油圧クラッチC1の断接に対して、エンジン制動ク
ラッチD1が接断と逆の動きをすべく構成されているの
である。
該エンジン制動クラッチD1において、そのハウジング
端に爪部を形成し、遊嵌歯車17の爪部と断接可能とさ
れており、油圧シリンダー5内に圧油が送油されない場
合には、遊嵌歯車17と第1変速軸1を係合する方向に
付勢バネ38にて付勢しているのである。
またそのハウジングはボール型のキー止め部材9によっ
て第1変速軸1に対し相対回転不能でかつ、円滑にクラ
ッチ断切方向にスライド可能とされている。
該高速側油圧クラッチC1の容量と、エンジン制動クラ
ッチD1の容量の関係は、油圧シリンダー4の方が油圧
シリンダー5よりも大に構成しているのである。
次に第1変速軸1と第2変速軸2の間の変速装置につい
て説明すると。
第1変速軸1と第2変速軸2との間にも、同様に油圧ク
ラッチとオーバーランニングクラッチによる高低変速装
置が介装されているのである。
即ち第1変速軸1の上の固設歯車18と第2変速軸2の
上の遊嵌歯車19の常時噛合歯車連が、高速歯車連であ
る。
また第1変速軸1の上の固設歯車13と第2変速軸2の
上の遊嵌歯車20の常時噛合連が、低速歯車連である。
そして高速歯車連の遊嵌歯車19が高速側油圧クラッチ
C2を介して第2変速軸2と係合可能に構成されてお
り、また低速歯車連の遊嵌歯車20が低速側オーバーラ
ンニングクラッチA2を介して第2変速軸2と係合可能
に構成されている。
また該低速側オーバーランニングクラッチA2と並列し
て、遊嵌歯車20はエンジン制動クラッチD2を介して
も、第2変速軸2と係合可能としている。
該エンジン制動クラッチD2の油圧シリンダー8と高速
側油圧クラッチC2の油圧シリンダー6には変速制御バ
ルブVにより制御されて同じ圧油が分岐されて送油され
ており、高速側油圧クラッチC2の「断・接」に対し
て、エンジン制動クラッチD2は「接・断」状態と逆の
方向に作用するものである。
該高速側油圧クラッチC2とエンジン制動クラッチD2
の容量の関係は、油圧シリンダー6の方を油圧シリンダ
ー8よりも大に構成しているのである。
また該入力軸3と第1変速軸1と第2変速軸2は前部ミ
ッションケースM1内に架設されているのである。
本考案においては、センタープレートM2と後部ミッシ
ョンケースM3が構成する空間に、延長軸14とPTO
軸15とカウンター軸16と車輪駆動軸7が配置されて
いる。
まず第2変速軸2が本実施例では本考案の多段変速装置
の最終の変速軸とされ、それを出力軸としてる。そして
更に前部ミッションケースM1から、後部ミッションケ
ースM3内に挿入されており、該挿入部が延長軸14と
カップリングにより連結されている。
該カップリングの部分の上に後進用遊嵌歯車21・22
が遊嵌されており、また延長軸14の上に固設歯車23
が固設されている。
該固設歯車23よりPTO軸15の上の前進1速固設歯
車26に動力が伝達されている。
またPTO軸15の上には、他の前進2速固設歯車25
と後進速固設歯車24が固設されている。該後進速固設
歯車24は、前述の後進用遊嵌歯車21と噛合してい
る。
またカウンター軸16の上には摺動歯車27・28が前
後にスライド可能に構成されており、該摺動歯車27・
28を前後に3位置にスライドすることにより、前進1
速・前進2速・後進速の3段の変速を可能としている。
前進1速は摺動歯車28が前進1速固設歯車26と噛合
することにより得られる。
前進2速は摺動歯車27が前進2速固設歯車25と噛合
することにより得られる 後進速は、摺動歯車27が後進用遊嵌歯車22と噛合す
ることにより得られるのである。
PTO軸15が後方へ延長されて、第1図のジョイント
軸34と連結されて植付装置Rを駆動している。
また車輪駆動軸7が後方へ延長されて、スイングケース
33を介して後輪32を駆動している。また車輪駆動軸
7が前方へ突出されて前輪動力伝達軸35を介して、前
輪31を駆動している。
油圧ポンプPがセンタープレートM2の後面で、後部ミ
ッションケースM3の上方に露出した部分に固設され
て、入力軸3の後方延長部つまり主クラッチ装置Bの従
動軸により駆動されている。
次に第4図の実施例について説明すると。
該実施例においては、第2図・第3図に示す実施例に対
して、高速側油圧クラッチC2とエンジン制動クラッチ
D2の位置が前後逆に構成されている点が異なってい
る。
これは、第1変速軸1上の1ユニットにて高低変速が可
能であり、第2変速軸2の上の1ユニットで高低変速が
可能とされており、それぞれの軸の上の油圧クラッチと
オーバーランニングクラッチにより高低変速が可能とな
っているので、高低どちらを前後に配置するかは、上段
の軸上の固設歯車の配置との関係で決められるだけであ
り、上段の油圧クラッチとオーバーランニングクラッチ
の位置には規制されない為である。
また第2図・第3図の実施例においては、エンジン制動
クラッチD1とエンジン制動クラッチD2のクラッチ断
接部を爪により構成したドッグクラッチとしていたが、
第4図の実施例においては摩擦板式クラッチにより構成
した点において相違しているのである。
該エンジン制動クラッチD1・D2は爪式でも摩擦板式
でもどちらでも良いものである。
第2図、第3図のエンジン制動クラッチD1・D2は変
速軸1・2の上半部では非係合位置に、下半部では係合
位置に夫々図示しているが、実際には選択的にどちらか
の動きをするものである。
次に第4図、第5図において、本考案の多段変速装置を
操作する油圧回路について説明すると。
入力軸3の後端突出部に設けられた油圧ポンプPにより
圧油を吐出しており、該油圧ポンプPの圧油はメインリ
リーフバルブL2と変速制御バルブVに送油されてい
る。
各高速側油圧クラッチC1・C2からの戻り油は低圧リ
リーフバルブL1により滞留されて、第3図の変速軸1
・2に穿設した潤滑油路により各油圧クラッチC1・
C2及びオーバーランニングクラッチA1・A2の潤滑
油として使用されている。
変速制御バルブVは付勢バネ36により常時付勢されて
おり、第1速方向に付勢されている。
そして変速制御バルブVの第1速は、第1変速軸1側・
第2変速軸2のどちらにも圧油を送油しない場合であ
る。
第2速は、第1変速軸1側は送油し、第2変速軸2側へ
は送油しない場合である。
第3速は、第1変速軸1側へは送油せず、第2変速軸2
側へのみを送油する場合である。
第4速は第1変速軸1側・第2変速軸2側のどちらにも
送油する場合である。
次に第6図より第9図の図面により、変速制御バルブV
の構成を説明すると。
バルブケース40にはスプール46の摺動可能なスプー
ル孔を開け、該スプール孔に一定幅aのパスを同一間隔
を開けて、タンク側パス41・高速側油圧クラッチC1
用パス42・油圧ポンプ用パス43・高速側油圧クラッ
チC2用パス44・タンク側パス45と設けているので
ある。
また該スプール孔に嵌入するスプール46には、前記パ
スの幅aよりも狭い幅bのランド47・48を、スプー
ル46の第1速位置で、前者はタンク側パス41の中央
位置に、後者は油圧ポンプ用パス43の中央位置に位置
するように配置したものである。
(ヘ)考案の作用 本考案は以上の如く構成したものであり、次に変速制御
バルブVの切換えにより、油圧クラッチとオーバーラン
ニングクラッチとエンジン制動クラッチのそれぞれがど
のように作用するかを説明すると。
第1速の場合には、変速制御バルブVにおいて、センタ
ーオープン状態と成っており、タンク側へ連通し、油圧
ポンプPからの圧油はどちらにも供給されず、第2図の
状態(第3図の第1変速軸1の下半部及び第2変速軸2
の下半部の状態)となるのである。
即ち、第1変速軸1上では、油圧シリンダー4に圧油が
送油されないので高速側油圧クラッチC1が断状態とな
り、同様に油圧シリンダー5に圧油が送油されないの
で、エンジン制動クラッチD1は付勢バネ38により押
されて遊嵌歯車17と第1変速軸1を接合するのであ
る。
また高速側油圧クラッチC1が第1変速軸1と接合され
ていないので、固設歯車10と遊嵌歯車12により構成
された高速歯車連の回転は第1変速軸1に伝達されてお
らず、逆に固設歯車11と遊嵌歯車17の低速歯車連の
回転が、遊嵌歯車17側からの動力伝達時は係合状態と
なる低速側オーバーランニングクラッチA1を介して第
1変速軸1に動力伝達されているのである。
同様に、第2変速軸2の上の高速側油圧クラッチC2が
断状態であり、エンジン制動クラッチD2は付勢バネ3
9により係合されている。そして高速歯車連が動力を伝
達しないので、遊嵌歯車20側からの動力伝達時は係合
状態となる低速側オーバーランニングクラッチA2によ
り低速回転が第2変速軸2に伝達されているのであり、
第1変速軸1側低速×第2変速軸2側低速で第1速とな
るのである。
該低速側オーバーランニングクラッチA1・A2と並列
したエンジン制動クラッチD1・D2も接合状態である
から、該エンジン制動クラッチD1・D2からも動力伝
達が可能なのであるが、主たる動力伝達は低速側オーバ
ーランニングクラッチA1・A2により行われているの
である。
エンジン制動クラッチD1・D2は、エンジンブレーキ
を掛けたり、バンテリーが上がった場合に突き掛けする
必要のある場合の如く、車輪側の動力がエンジン側に伝
達される場合に必要なのである。
該エンジン制動クラッチD1・D2を介装した理由は、
該第1変速軸1と第2変速軸2上の低速側オーバーラン
ニングクラッチA1・A2を介してエンジン側から車輪
側へ動力が伝達されている場合において、エンジン側か
らの回転よりも、車軸側から逆に速い回転が伝達された
場合には、低速側オーバーランニングクラッチA1・A
2は、遊嵌歯車側からの動力伝達においては係止状態と
なるが、軸側からは回転自由の状態と成ってしまうので
ある。
故に、トラックの荷台から車輌を歩み板に沿って降ろす
場合や、急な下り坂を下降する場合等において、エンジ
ンからの動力ではなくて、機体の慣性力による下降力の
方の速度が早くなると、歯車やクラッチにより互いに係
合して動力伝達を行っている構成の場合には発生しない
危険な状態が発生するのである。
即ち、車輪側からの下降速度が該低速側オーバーランニ
ングクラッチA1・A2の部分で、自由回転する為に、
エンジンブレーキの状態が掛からず、咄嗟に走行ブレー
キを掛けなければ急下降して大事故となるのである。
故にこの低速側オーバーランニングクラッチA1・A2
の部分で車輪側からの駆動回転が自由に開放されてしま
うという不具合いを、エンジン制動クラッチD1・D2
を、低速側オーバーランニングクラッチA1・A2と並
列に配置することにより解消しているのである。
該エンジン制動クラッチD1・D2はその他に、バッテ
リーが上がった場合において、エンジンの突き掛けを行
う場合にも、有効に働くものである。
また該エンジン制動クラッチD1・D2は、エンジンE
側の大馬力を伝達するものではなく、また常時は作動す
る可能性の低いものであるから、高速側油圧クラッチC
1・C2に比較して小容量のクラッチに構成することが
出来るのである。
次に第2速は、第1変速速軸1側へは圧油が送油され、
高速側油圧クラッチC1が接合されるのである。同時に
エンジン制動クラッチD1が解除されるので、二重噛合
状態は発生しないのである。(第3図の第1変速軸1に
おける上半部の状態) この際において、高速側油圧クラッチC1の方を大容量
とし、エンジン制動クラッチD1の方を小容量としてい
るので、まず先にエンジン制動クラッチD1の油圧シリ
ンダー5の方が先に充填され解除されるように構成して
いるのである。次に高速側油圧クラッチC1が接合され
るという順序が守られるので、二重噛合状態が発生しな
いのである。
高速側油圧クラッチC1が接合されることにより、第1
変速軸1が高速で回転することになり、遊嵌歯車17に
介装された低速側オーバーランニングクラッチA1は軸
側の方が高速で回転することにより、自由回転状態とな
り、第1変速軸1と遊嵌歯車17との間で相違する回転
を行い、これを低速側オーバーランニングクラッチA1
が吸収することとなるのである。
そして第2変速軸2側へは送油されておらず(第3図の
第2変速軸2における下半部の状態)、該第2変速軸2
では、やせり高速側油圧クラッチC2が断状態で、低速
側オーバーランニングクラッチA2が遊嵌歯車20側か
らは軸に係合するので、第2変速軸2を駆動しているの
である。
故に第1変速軸1側高速×第2変速軸2側低速で第2速
となるのである。
第3速は、逆に第1変速軸1側へは送油されず、第2変
速軸2側へは送油されるのである。
故に第1変速軸1側は低速側オーバーランニングクラッ
チA1により低速となり、第2変速軸2側は高速側油圧
クラッチC2により高速となり、掛けると第3速となる
のである。(第3図の第1変速軸1の下半部と第2変速
軸2の上半部の状態) 第4速は、第1変速軸1も第2変速軸2も圧油が送油さ
れており、第1変速軸1は高速側油圧クラッチC1によ
り高速となり、第2変速軸2も高速側油圧クラッチC2
により高速となり掛けると第4速となるのである。(第
3図の第1変速軸1の上半部と第2変速軸2の上半部の
状態) 次に変速制御バルブVの作用を説明すると。
第6図の第1速位置では、高速側油圧クラッチC1・C
2は「断・断」状態であり、油圧ポンプ用パス43の圧
油は、該位置の中央に位置するランド48が幅が狭い為
に両側に間隙が構成されているので、該間隙よりタンク
側パス41・45を介してタンク側回路に圧油が吐出さ
れ、高速側油圧クラッチC1・C2内の圧油もタンク側
回路に連通しているのである。
第7図の第2速の場合には、ランド47・48により、
油圧ポンプ用パス43と高速側油圧クラッチC1用パス
42を連通し、その他のパスとは遮断しているのであ
る。高速側油圧クラッチC2用パス44はタンク側パス
45に連通している。
第8図の第3速の場合には、ランド47・48により油
圧ポンプ用パス43と高速側油圧クラッチC2用パス4
4を連通し、その他のパスとは遮断しているのである。
高速側油圧クラッチC1用パス42はタンク側パス41
に連通している。
第9図の第4速の場合には、油圧ポンプ用パス43と高
速側油圧クラッチC1用パス42と高速側油圧クラッチ
C2用パス44を連通し、タンク側パス41・45はス
プールガイドを利用して閉鎖しているのである。
(ト)考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏
するものである。
第1に、2組の高速側油圧クラッチC1・C2の断接に
より4段の変速が可能となるのであるが、両油圧クラッ
チが断状態の場合にも、変速段を得ることができるよう
に成ったものである。
そして本考案においては、該高速側油圧クラッチC1・
C2がどちらも断状態となる変速段を最低段である第1
速とし、該高速側油圧クラッチC1・C2に圧油を送油
する油圧ポンプPを、該多段変速装置の前段で、主クラ
ッチ装置Bの操作により停止する従動軸である入力軸3
の上に配置することにより、主クラッチ装置Bを切った
場合には圧油が停止し、高速側油圧クラッチC1・C2
のどちらもが断となり最低速の状態に戻り、次回に主ク
ラッチ装置Bが接合された場合にも、最初は油圧ポンプ
Pの圧力が低いので、変速レバー9が高速段にある場合
にも自動的に最低段から発進し、油圧ポンプPの圧油が
上昇するに連れて、該変速レバー9の変速段に自動的に
移行可能と成ったのである。
これにより、変速レバー9を低速段に戻すのを忘れて発
進する場合にも、必ず第1速から発進するので急発進を
防ぐことが出来たものである。
第2に、該高速側油圧クラッチC1・C2を、断断・断
接・接断・接接の4位置に切り換える変速制御バルブV
を、最も加工簡単のバルブケースの同一幅のパスの並列
と、スプールの上の2個のランドにより構成し、変速制
御バルブVの簡潔化、操作の容易性を得たものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の多段変速装置を装備した田植機の全体
側面図、第2図は該田植機のミッションケース部分の側
面断面図、第3図は該変速装置のうちで、要部のみの拡
大断面図、第4図は油圧クラッチとオーバーランニング
クラッチを配置を相違させた他の実施例を示す動力伝達
線図、第5図は本考案の多段変速装置の油圧回路図、第
6図は変速制御バルブVの第1速の状態における断面
図、第7図・第8図・第9図はそれぞれ第2速・第3速
・第4速の状態におけるスプール46の位置を示す図面
である。 A1,A2……低速側オーバーランニングクラッチ C1,C2……高速側油圧クラッチ D1,D2……エンジン制動クラッチ V……変速制御バルブ 1……第1変速軸 2……第2変速軸 3……入力軸 40……バルブケース 46……スプール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 61/26 9138−3J

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の高低歯車連を2軸間に配置し、一方
    の高速側遊嵌歯車には高速側油圧クラッチC1を介装
    し、他方の低速側遊嵌歯車には低速側オーバーランニン
    グクラッチA1を介装し、該高速側油圧クラッチC1と
    低速側オーバーランニングクラッチA1を介した軸を次
    段の変速軸に対する入力軸として、同様の高低歯車連と
    高速側油圧クラッチC2と低速側オーバーランニングク
    ラッチA2を次段の軸上に設けて、各変速軸の高速側油
    圧クラッチC1・C2の断接操作により各々高低2段の
    変速を行う多段変速装置において、該高速側油圧クラッ
    チC1・C2に圧油を供給する油圧ポンプPを、多段変
    速装置前段の主クラッチ装置Bの従動軸上に配置したこ
    とを特徴とする多段変速装置。
  2. 【請求項2】実用新案登録請求の範囲第1項記載の、高
    速側油圧クラッチC1・C2を断接制御する変速制御バ
    ルブVを、バルブケース40側に順に同一幅aの、タン
    ク側パス41・高速側油圧クラッチC1用パス42・油
    圧ポンプ用パス43・高速側油圧クラッチC2用パス4
    4・タンク側パス45を設け、該バルブケース40に嵌
    挿したスプール46には、両高速側油圧クラッチC1・
    C2を断状態とした位置でタンク側パス41と油圧ポン
    プ用パス43の幅の中央に位置し、前記パスの幅aより
    も小の幅bのランド47・48を構成したことを特徴と
    する多段変速装置。
JP1987098263U 1987-06-25 1987-06-25 多段変速装置 Expired - Lifetime JPH066291Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987098263U JPH066291Y2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25 多段変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987098263U JPH066291Y2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25 多段変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS643150U JPS643150U (ja) 1989-01-10
JPH066291Y2 true JPH066291Y2 (ja) 1994-02-16

Family

ID=31324371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987098263U Expired - Lifetime JPH066291Y2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25 多段変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH066291Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS643150U (ja) 1989-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
IL26798A (en) Powershift transmission
US5570608A (en) Power transmission
WO1999061296A1 (en) Braking arrangement and braking manouvre means
GB2063395A (en) Two-speed sub-transmission for a vehicle
US4271723A (en) Power train with an auxiliary creeper drive system
JPH066291Y2 (ja) 多段変速装置
JPH064105Y2 (ja) 多段変速装置
JPH06249302A (ja) 電気自動車の歯車変速装置
JP3537373B2 (ja) 作業機の伝動装置
GB2096251A (en) Speed-changing transmission device for vehicles
JPS6316626B2 (ja)
JPS58156763A (ja) 車両用変速機
JP2904795B2 (ja) トラクターの変速機構
JP2004034724A (ja) 作業機の走行構造
JPS6324280Y2 (ja)
JP2002227876A (ja) トランスミッションのギア抜け防止機構
JP3537390B2 (ja) 作業機の伝動装置
JPH04107120U (ja) 作業車両の走行伝動装置
JPS602538B2 (ja) 車輌の走行用油圧クラッチ装置
JPH0625737Y2 (ja) 作業車の走行変速装置
JPS6119240Y2 (ja)
JPH0790792B2 (ja) 作業車
JPS5983855A (ja) 車輌用pto付自動変速装置の制御方法
JPS6042047B2 (ja) トラクタ−等における走行動力伝達装置
JPS6220767Y2 (ja)