JPH066204B2 - ミルスピンドルの交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、２種類以上のミルスピンドルを必要とする圧
延機に対してそのミルスピンドルを短時間内に組替える
ためのミルスピンドルの交換装置に関する。

＜従来の技術＞ 従来、公知の圧延機としては、第５図(a)，(b)に示す如
く、４重形式の大型ワークロール０１Ａとそのバックア
ップロール０３を上下に配列したもの、及び多段クラス
タ形式の小径ワークロール０１Ｂ、中間ロール０２ａ，
０２ｂ及びバックアップロール０３ａ，03ｂ，０４をそ
れぞれ上下に配列したものが主として挙げられるが、こ
れらをそれぞれ単体機5A，５Ｂとして使用する場合にお
いては、ミルスピンドルを組替える必要はない。

ところが、同一のハウジングを使用して上述した２型式
以上のロール配列またはロール径を１台の圧延機で大幅
に変換するコンビネーションミルにおいては、各ロール
駆動用のミルスピンドルが２種以上必要となり、ロール
交換の都度、これら２種以上のミルスピンドル及びスピ
ンドルサポートを同時に組替える必要がある。勿論、単
体機でもミルスピンドルに事故が生じた場合には同様な
組替が必要となる。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら、ハウジングと駆動源との間には通常、ス
ピンドルサポート等の諸設備品があるので、上述のミル
スピンドルの組替え作業は、複雑かつ困難であり、多く
の作業員と作業時間とを費すとともに稼動率を著しく低
下させる原因となり、しかも安全性に欠けるという問題
があった。

そこで、本発明者らは先に、台車上の載置台に支持され
たミルスピンドルを被圧延材の通板方向に対して平行な
方向へ移動するサイドシフト装置によりミルスピンドル
を交換する装置を出願した（特願昭６０−165969（特公
平４−65723））また、特公昭５２−９４２２号公報に
は、ハウジング内の下バックアップロールの上方近傍に
駆動側より作業側まで延長して設けたレールを介して、
ミルスピンドルを保持した台車を移動させることにより
台車ごと交換する組替装置が提案されている。

しかし、上述のサイドシフト装置は、圧延機の両側に設
置スペースを必要とし、この設置スペースが無い場合に
は使用できないという不都合がある。また、ハウジング
内にレールを延設する場合にはレールの位置に制限があ
り、ミル形式によっては下側のミルスピンドルとレール
との間にスペースがとれずに台車の設計が不可能なこと
がある。また両者とも設備費が高くなるという問題があ
る。

よって、本発明はこのような事情に鑑み、設置スペース
を必要とせず、しかも容易に設備でき、短時間内にミル
スピンドルの組替えを行い得るミルスピンドルの交換装
置を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 前記目的を達成する本発明の構成は、圧延機のハウジン
グと圧延ロールの駆動源との間に被圧延材の通板方向に
対して直角に設けられたレール上に往復動自在に載置さ
れるとともにミルスピンドルを支持する載置台を有する
台車と、バックアップロール組替用のベース上に被圧延
材の通板方向に対して直角方向に移動自在に設けられた
スレッドに着脱自在に装着されるとともに前記レールと
同じ高さとなるレールを有する架台とを具えてなること
を特徴とする。

＜作 用＞ 上記構成において、スレッドとともに架台をハウジング
内へ挿入し、ミルスピンドルを台車ごと架台上に移動さ
せ、さらに架台とともにハウジング外へ搬出し、クレー
ン等により台車ごとミルスピンドルの交換を行う。

＜実 施 例＞ 以下、本発明の好適な実施例を図面を参照しながら説明
する。

第１図(a)〜(c)は４重型式の圧延機に適用した場合のミ
ルスピンドルの交換工程を示す説明図、第２図はそのII
−II線矢視図である。これらの図面に示すように、内部
に被圧延材を圧延する２本のワークロール（図示せず）
と２本のバックアップロールとを有するハウジング１と
図示しない駆動源と連結される減速機６との間に該減速
機６と前記ワークロール（図示せず）との間を連結する
２本のミルスピンドル５ａ，５ｂが配設されている圧延
機において、前記ミルスピンドル５ａ，５ｂの下方にレ
ール９が固設され、このレール９上に台車７が載置され
ている。この台車７は油圧シリンダ８のピストン先端８
ａに連結されてその伸縮によりレール９上を走行可能と
なっており、その上にはミルスピンドル５ａ，５ｂを支
持するとともに上下方向及びロール軸方向に調芯できる
載置台であるサポート１２が設けられている。一方、ハ
ウジング１の操作側にはベース２ａ上にバックアップロ
ール組替用のスレッド２がシリンダ４によりロール軸方
向移動自在に設けられており、このスレッド２上に着脱
自在に装着される架台３上には前記レール９と同じ高さ
であって整合し得るレール３ａが備えられている。

このような装置におけるミルスピンドル交換の工程を説
明する。

まず、スレッド２上に架台３を装着するとともに台車７
上のサポート１２によりミルスピンドル５ａ，５ｂの両
端部を支持するとともに減速機６とのカップリング６
ａ，６ｂを解放する。次に第１図(b)に示すように架台
３を装着したスレッド２をシリンダ４によりハウジング
１内に挿入してレール３ａをレール９と整合させ、ミル
スピンドル５ａ，５ｂが載置されている台車７をシリン
ダ８によりハウジング１内で待機中の架台３上へ押し出
して移載する。続いて第１図(c)に示すようにシリンダ
８のピストン先端８ａと台車７との連結を解き、シリン
ダ４の作動により台車７を架台３とともに載置したスレ
ッド２をハウジング１内から操作側の所定位置まで引き
出す。このようにして操作側に移動されたミルスピンド
ル５ａ，５ｂは台車７とともにクレーン等により吊上げ
交換される。新しく交換されたミルスピンドル５ａ，５
ｂを保持する台車７′はスレッド２とともにハウジング
１内に挿入され、上述と逆の動作、すなわち、シリンダ
８のピストン８ａと台車７′とを連結し、このシリンダ
８により台車７′を駆動側の所定位置に移動するととも
にサポート１２′の作動により新しいスピンドルと減速
機６の軸との芯合せを行い、カップリング６ａ，６ｂに
よりスピンドル５ａ，５ｂと減速機６とを連結する。こ
のようにして新・旧スピンドルの交換が行われる。

次に多段式圧延機に適用した場合の一例を第３図及びそ
のIV−IV線矢視図である第４図に示す。この場合には小
径用スピンドル10ａ，１０ｂが上下に２個づつ設けられ
ており、これらスピンドル１０ａ，１０ｂを支持し得る
サポート１３を有する台車１１を２台と台車１１用のレ
ール１４ａを有する架台１４を準備することにより、新
・旧スピンドルの交換は上述した４重式と全く同じ動作
で行うことができるので、説明は省略する。

なお、上述したサポート１２，１３が具備している調芯
機構は特に限定されるものではなく、リンクとシリンダ
機構、あるいはモータとボールネジ等でよい。ここで、
上述の場合、シリンダ８によりロール軸方向の芯合せが
可能となるのでその方向の調芯機構を省くことができ
る。また必要に応じて被圧延材の走行方向に対する調芯
機構を具備させてもよい。

＜発明の効果＞ 以上、実施例とともに具体的に説明したように、本発明
のミルスピンドルの交換装置は設置スペースを必要とせ
ず、既設スレッドを利用して、簡単な改造工事で設置で
き、しかも、本装置によれば少ない作業人員で迅速にか
つ安全にスピンドル交換ができるので、稼動率が向上す
るとともに安価な製品が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図(a)〜(c)は本発明の一実施例におけるミルスピン
ドル交換工程を示す説明図、第２図はそのII−II線矢視
図、第３図は他の実施例を示す側面図、第４図はそのIV
−IV線矢視図、第５図(a)は４重形式圧延機のロール配
置図、第５図(b)は多段クラスタ形式圧延機のロール配
置図である。 図 中、 １はハウジング、 ２はスレッド、 ２ａはベース、 ３，１４は架台、 ３ａ，９，１４ａはレール、 ５ａ，５ｂはミルスピンドル、 ７，７′，１１，１１′は台車、 １２，１２′，１３はサポート（載置台）である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村本 晴正 千葉県千葉市川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 中原 久直 千葉県千葉市川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭62−28013（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−19013（ＪＰ，Ａ) 特公 昭52−9422（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧延機のハウジングと圧延ロールの駆動源
   との間に被圧延材の通板方向に対して直角に設けられた
   レール上に往復動自在に載置されるとともにミルスピン
   ドルを支持する載置台を有する台車と、バックアップロ
   ール組替用のベース上に被圧延材の通板方向に対して直
   角方向に移動自在に設けられたスレッドに着脱自在に装
   着されるとともに前記レールと同じ高さとなるレールを
   有する架台とを具えてなることを特徴とするミルスピン
   ドルの交換装置。