JPH0661883B2 - 微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents
微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0661883B2 JPH0661883B2 JP2244282A JP24428290A JPH0661883B2 JP H0661883 B2 JPH0661883 B2 JP H0661883B2 JP 2244282 A JP2244282 A JP 2244282A JP 24428290 A JP24428290 A JP 24428290A JP H0661883 B2 JPH0661883 B2 JP H0661883B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品
及びその製造方法に関するものである。
及びその製造方法に関するものである。
(従来技術及びその問題点) 従来、微細凹凸面を有する樹脂成形品を機械的に得るた
めに、成形品表面に高速で飛翔する砂を衝突させて微細
な傷を付けるサンドブラスト加工法が行われている。し
かし、この方法で成形品の表面に形成される微細凹凸
は、高速で飛翔する砂の衝突により形成された引掻傷で
あるので、ささくれ状に形成されたもので、毛羽状や繊
維状の突起を有するものとなっている。従って、このよ
うな表面構造では、表面を微細凹凸面に形成した割には
摩擦係数の格別の向上が達成されず、その上、その表面
に形成された突起が切れやすく、摩擦粉発生の原因とな
る等の問題を含む。さらに、表面には使用した砂が少量
残存し、この砂は洗浄によっても完全に除去するのが難
しい。
めに、成形品表面に高速で飛翔する砂を衝突させて微細
な傷を付けるサンドブラスト加工法が行われている。し
かし、この方法で成形品の表面に形成される微細凹凸
は、高速で飛翔する砂の衝突により形成された引掻傷で
あるので、ささくれ状に形成されたもので、毛羽状や繊
維状の突起を有するものとなっている。従って、このよ
うな表面構造では、表面を微細凹凸面に形成した割には
摩擦係数の格別の向上が達成されず、その上、その表面
に形成された突起が切れやすく、摩擦粉発生の原因とな
る等の問題を含む。さらに、表面には使用した砂が少量
残存し、この砂は洗浄によっても完全に除去するのが難
しい。
樹脂成形品の表面に微細凹凸面を形成する他の方法とし
て、しぼロールを用いるしぼ加工板が知られている。し
かし、この方法では、しぼ加工装置が高価である上、ミ
クロンオーダーの微細な凹凸を形成するのは非常に困難
である。
て、しぼロールを用いるしぼ加工板が知られている。し
かし、この方法では、しぼ加工装置が高価である上、ミ
クロンオーダーの微細な凹凸を形成するのは非常に困難
である。
一方、機械的高強度樹脂として、炭素繊維強化樹脂(以
下、CFRPとも言う)が知られている。このものは、樹脂
を含浸させた炭素繊維からなるプリプレグを成形材料と
して用い、これを加圧下で熱成形することによって製造
される。このCFRPは、軽量で、かつ大きな機械的強度を
有し、特に曲げ弾性率が大きいことから、ゴルフクラブ
シャフトや、釣りざおを含む各種の用途に応用されてい
る。
下、CFRPとも言う)が知られている。このものは、樹脂
を含浸させた炭素繊維からなるプリプレグを成形材料と
して用い、これを加圧下で熱成形することによって製造
される。このCFRPは、軽量で、かつ大きな機械的強度を
有し、特に曲げ弾性率が大きいことから、ゴルフクラブ
シャフトや、釣りざおを含む各種の用途に応用されてい
る。
ところで、このCFRPの新しい用途として、カメラにおけ
るシャッター羽根への応用がある。CFRPシートは、軽量
であるとともに、剛性が大きく、かつ弾力性があり、さ
らに導電性を有することから、シッャター羽根用素材と
して極めて好適のものである。
るシャッター羽根への応用がある。CFRPシートは、軽量
であるとともに、剛性が大きく、かつ弾力性があり、さ
らに導電性を有することから、シッャター羽根用素材と
して極めて好適のものである。
しかしながら、このCFRPシートは、遮光性と摺動性の点
で不十分である上、光反射率が高すぎてそのままではシ
ャッター羽根として使用することができない。CFRPシー
トの遮光性向上のためには、CFRPシートのマトリックス
樹脂中に黒色顔料(例えばカーボンブラック)を分散さ
せることが知られている。また、摺動性を高めるととも
に光反射率を低減化させるために、潤滑性黒色塗装を施
すことも知られている。しかし、このような従来のCFRP
製シャッター羽根においては、これを高速作動(例え
ば、シャッタースピード1/8000秒)させるための摺動
性に劣り、また光反射率の低減化も不充分で未だ満足し
得るものではなかった。
で不十分である上、光反射率が高すぎてそのままではシ
ャッター羽根として使用することができない。CFRPシー
トの遮光性向上のためには、CFRPシートのマトリックス
樹脂中に黒色顔料(例えばカーボンブラック)を分散さ
せることが知られている。また、摺動性を高めるととも
に光反射率を低減化させるために、潤滑性黒色塗装を施
すことも知られている。しかし、このような従来のCFRP
製シャッター羽根においては、これを高速作動(例え
ば、シャッタースピード1/8000秒)させるための摺動
性に劣り、また光反射率の低減化も不充分で未だ満足し
得るものではなかった。
樹脂成形品の表面を微細凹凸面に形成すると、その摺動
性は平滑面に比べて向上し、また光反射率も低下するこ
とは知られている。しかし、従来は、CFRPシートに対し
て前記した如きサンドブラスト加工法や、しぼ加工を施
すことは行われておらず、またこれらの加工法を適用し
ようとしても、それぞれ前記した如き問題点があるた
め、満足すべき結果を得ることができない。
性は平滑面に比べて向上し、また光反射率も低下するこ
とは知られている。しかし、従来は、CFRPシートに対し
て前記した如きサンドブラスト加工法や、しぼ加工を施
すことは行われておらず、またこれらの加工法を適用し
ようとしても、それぞれ前記した如き問題点があるた
め、満足すべき結果を得ることができない。
(発明の課題) 本発明は、CFRP成形品において、その表面に毛羽状や繊
維状の突起を有しない滑らかな良質の微細凹凸を有する
成形品及びその製造方法を提供することをその課題とす
る。
維状の突起を有しない滑らかな良質の微細凹凸を有する
成形品及びその製造方法を提供することをその課題とす
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決するために種々研究を重
ねた結果、本発明を完成するに至った。
ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、樹脂を含浸させた炭素繊維から
なるプリプレグを加圧板を用いて加圧熱成形して得られ
た成形品であって、該成形品の表面の少なくとも一部
は、該加圧板表面にあらかじめ形成された微細凹凸形状
に対応した微細凹凸面に形成され、該成形品の微細凹凸
面の中心線平均粗さが0.3〜5.0μmであることを特徴と
する微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品が提供
される。
なるプリプレグを加圧板を用いて加圧熱成形して得られ
た成形品であって、該成形品の表面の少なくとも一部
は、該加圧板表面にあらかじめ形成された微細凹凸形状
に対応した微細凹凸面に形成され、該成形品の微細凹凸
面の中心線平均粗さが0.3〜5.0μmであることを特徴と
する微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品が提供
される。
また、本発明によれば、樹脂を含浸させた炭素繊維から
なるプリプレグを加圧板を用いて熱成形することからな
り、該加圧板として中心線平均粗さが0.3〜5.0μmの範
囲の微細凹凸面に形成されたものを用い、該加圧板の微
細凹凸面に対応した中心線平均粗さを有する成形品を得
ることを特徴とする微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹
脂成形品の製造方法が提供される。
なるプリプレグを加圧板を用いて熱成形することからな
り、該加圧板として中心線平均粗さが0.3〜5.0μmの範
囲の微細凹凸面に形成されたものを用い、該加圧板の微
細凹凸面に対応した中心線平均粗さを有する成形品を得
ることを特徴とする微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹
脂成形品の製造方法が提供される。
本発明においては、成形材料として、樹脂を含浸させた
炭素繊維からなるプレプレグを用いる。このようなプリ
プレグは従来良く知られているものである。この場合、
プリプレグ用マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂
や、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂及びポリエステル樹脂や、ポリアミド樹脂等の
熱可塑性樹脂が用いられる。このマトリックス樹脂に
は、CFRP成形品の遮光性を向上させるために黒色顔料
を、また摺動性を向上させるために摺動化剤を添加する
ことができる。黒色顔料としては、カーボンブラックや
アニリンブラックの如き慣用のものを用いることがで
き、また、摺動化剤としては、フッ素樹脂(例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン等)、グラファイト、二硫化
モリブデン等を用いることができる。この摺動化剤の平
均粒径は、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmであ
る。黒色顔料の添加量は、樹脂100重量部に対し、1〜1
5重量部、好ましくは2〜10重量部であり、摺動化剤の
添加量は、樹脂100重量部に対し、3〜30重量部、好ま
しくは5〜25重量部である。
炭素繊維からなるプレプレグを用いる。このようなプリ
プレグは従来良く知られているものである。この場合、
プリプレグ用マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂
や、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂及びポリエステル樹脂や、ポリアミド樹脂等の
熱可塑性樹脂が用いられる。このマトリックス樹脂に
は、CFRP成形品の遮光性を向上させるために黒色顔料
を、また摺動性を向上させるために摺動化剤を添加する
ことができる。黒色顔料としては、カーボンブラックや
アニリンブラックの如き慣用のものを用いることがで
き、また、摺動化剤としては、フッ素樹脂(例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン等)、グラファイト、二硫化
モリブデン等を用いることができる。この摺動化剤の平
均粒径は、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmであ
る。黒色顔料の添加量は、樹脂100重量部に対し、1〜1
5重量部、好ましくは2〜10重量部であり、摺動化剤の
添加量は、樹脂100重量部に対し、3〜30重量部、好ま
しくは5〜25重量部である。
本発明のCFRP成形品を製造するに際しては、プリプレグ
と接触する表面を微細凹凸形状に形成した加圧板を用い
る。加圧板としては、ステンレス板、アルミニウム板、
鉄板、銅板等の金属板が一般的に用いられる。加圧板表
面を微細凹凸形状に加工する方法としては、サンドブラ
スト法、ケミカルエッチング法、電触法等の従来公知の
方法を用いることができる。また、加圧板の表面に形成
する凹部の形状は、円形状、方形状、線状等の種々の形
状であることができる。これらの凹部は加圧板の表面に
できるだけ均一に分布するように形成するのが好まし
い。また、線状凹部(溝状)の場合には、これを一定間
隔を置いた多数の平行直線状に形成し得る他、多数の同
心円状に形成することもできる。加圧板の微細凹凸面の
表面粗さは、中心線平均粗さ(JIS B0601)で、0.3〜5.
0μm、好ましくは0.4〜3.0μmである。加圧板の表面
粗さが前記範囲を逸脱すると、得られるCFRP成形品の摺
動性の向上及び光反射率の低減化の効果を十分に得るこ
とができなくなる。加圧板の形状は、平板状又は曲板状
であることができ、所望する成形品の形状に応じた適当
な形状が選ばれる。
と接触する表面を微細凹凸形状に形成した加圧板を用い
る。加圧板としては、ステンレス板、アルミニウム板、
鉄板、銅板等の金属板が一般的に用いられる。加圧板表
面を微細凹凸形状に加工する方法としては、サンドブラ
スト法、ケミカルエッチング法、電触法等の従来公知の
方法を用いることができる。また、加圧板の表面に形成
する凹部の形状は、円形状、方形状、線状等の種々の形
状であることができる。これらの凹部は加圧板の表面に
できるだけ均一に分布するように形成するのが好まし
い。また、線状凹部(溝状)の場合には、これを一定間
隔を置いた多数の平行直線状に形成し得る他、多数の同
心円状に形成することもできる。加圧板の微細凹凸面の
表面粗さは、中心線平均粗さ(JIS B0601)で、0.3〜5.
0μm、好ましくは0.4〜3.0μmである。加圧板の表面
粗さが前記範囲を逸脱すると、得られるCFRP成形品の摺
動性の向上及び光反射率の低減化の効果を十分に得るこ
とができなくなる。加圧板の形状は、平板状又は曲板状
であることができ、所望する成形品の形状に応じた適当
な形状が選ばれる。
本発明のCFRP成形品を製造するには、プリプレグを加圧
板の間にはさみ、その両側から熱プレスで圧縮すればよ
い。この場合、加圧板の少なくとも一方に前記した微細
凹凸表面を有する加圧板を用いる。これによって表面の
少なくとも一部が、加圧板の微細凹凸形状に対応した微
細凹凸面に形成されたCFRP成形品を得ることができる。
即ち、本発明のCFRP成形品は、その表面の少なくとも一
部が0.3〜5.0μm、好ましくは0.5〜2.0μmの中心線平
均粗さを有するものである。
板の間にはさみ、その両側から熱プレスで圧縮すればよ
い。この場合、加圧板の少なくとも一方に前記した微細
凹凸表面を有する加圧板を用いる。これによって表面の
少なくとも一部が、加圧板の微細凹凸形状に対応した微
細凹凸面に形成されたCFRP成形品を得ることができる。
即ち、本発明のCFRP成形品は、その表面の少なくとも一
部が0.3〜5.0μm、好ましくは0.5〜2.0μmの中心線平
均粗さを有するものである。
成形材料として用いるプリプレグは、シート状又は板状
であることができる。また、このプリプレグはその複数
枚を積層して、一体に成形することもできる。シャッタ
ー羽根用プリプレグとしては、10〜100g/m2の目付量
のプリプレグシートの複数枚を積層して用いるのがよ
い。この場合、プリプレグシートを積層する際の炭素繊
維の配向方向は、例えば、0°/90°/0°のように各
直交させるのが好ましい。
であることができる。また、このプリプレグはその複数
枚を積層して、一体に成形することもできる。シャッタ
ー羽根用プリプレグとしては、10〜100g/m2の目付量
のプリプレグシートの複数枚を積層して用いるのがよ
い。この場合、プリプレグシートを積層する際の炭素繊
維の配向方向は、例えば、0°/90°/0°のように各
直交させるのが好ましい。
前記のようにして得られたCFRP成形品は、通常、0.5以
下の摩擦係数(ASTM D 1894)及び10%以下の表面光反射
率(JIS Z 8741)を有するものである。また、この成形
品の形状はシート状(フィルム状)、平板状、曲板状、
ブロック状等の各種の形状であることができる。
下の摩擦係数(ASTM D 1894)及び10%以下の表面光反射
率(JIS Z 8741)を有するものである。また、この成形
品の形状はシート状(フィルム状)、平板状、曲板状、
ブロック状等の各種の形状であることができる。
(発明の効果) 本発明のCFRP成形品は、その表面の少なくとも一部が微
細凹凸面に形成されたものである。この微細凹凸は、従
来のサンドブラスト法により形成された毛羽状や繊維状
の突起を有するものとは異なり、凹凸部の周面は滑らか
であり、かつ突起先端も滑らかに形成されている。従っ
て、本発明のCFRP成形品は摺動部材として有利な特性を
有し、その使用に際し、摩擦粉の発生を防止することが
できる。また、本発明の成形品は、摺動化剤を含有させ
ることによって、その摺動性をさらに向上させることが
できる。本発明のCFRP成形品は、このような摺動性(低
摩擦性)を利用して、各種の摺動部材、例えば、摺動性
シートや摺動性部品、例えば、トルク調節リミッター等
として応用することができる。
細凹凸面に形成されたものである。この微細凹凸は、従
来のサンドブラスト法により形成された毛羽状や繊維状
の突起を有するものとは異なり、凹凸部の周面は滑らか
であり、かつ突起先端も滑らかに形成されている。従っ
て、本発明のCFRP成形品は摺動部材として有利な特性を
有し、その使用に際し、摩擦粉の発生を防止することが
できる。また、本発明の成形品は、摺動化剤を含有させ
ることによって、その摺動性をさらに向上させることが
できる。本発明のCFRP成形品は、このような摺動性(低
摩擦性)を利用して、各種の摺動部材、例えば、摺動性
シートや摺動性部品、例えば、トルク調節リミッター等
として応用することができる。
また、本発明のCFRP成形品は、摺動性にすぐれていると
ともに、軽量でかつ剛性及び弾力性にすぐれ、さらに黒
色で遮光性を有することから、カメラにおけるシャッタ
ー羽根、特に高速シャッター羽根の素材として有利に適
用される。
ともに、軽量でかつ剛性及び弾力性にすぐれ、さらに黒
色で遮光性を有することから、カメラにおけるシャッタ
ー羽根、特に高速シャッター羽根の素材として有利に適
用される。
本発明のCFRP成形品の製造方法は、その実施が容易であ
り、微細凹凸を有するCFRP成形品を安価に製造すること
ができる。
り、微細凹凸を有するCFRP成形品を安価に製造すること
ができる。
(実施例) 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、表−1に示した表面特性の測定方法は次の通りで
ある。
ある。
(1)表面粗さ(中心線平均粗さ):JIS B 0601 (2)表面光反射率:JIS Z 8741 (3)摩擦係数:ASTM D 1894 (4)表面抵抗:JIS K 6911 実施例1 一方向配向炭素繊維に、平均粒径0.03μmのカーボンブ
ラックを5重量%含有するエポキシ樹脂系硬化性樹脂を
含浸させ、炭素繊維の目付が27g/m2のプリプレグを作
成した。このプリプレグを面対称になるように0°/90
°/0°に積層し、この積層物を、その積層物の両表面
に接触する部分を化学エッチング法で表面を中心線平均
粗さ2.0μmの粗面にした鉄板で挾み、その鉄板の両側
から130℃に予熱したホットプレスを用いて5kg/m2の
圧力に加圧し、90分硬化させた。その後室温まで徐冷
し、炭素繊維強化樹脂板を得た。この板の性能を表−1
に示す。
ラックを5重量%含有するエポキシ樹脂系硬化性樹脂を
含浸させ、炭素繊維の目付が27g/m2のプリプレグを作
成した。このプリプレグを面対称になるように0°/90
°/0°に積層し、この積層物を、その積層物の両表面
に接触する部分を化学エッチング法で表面を中心線平均
粗さ2.0μmの粗面にした鉄板で挾み、その鉄板の両側
から130℃に予熱したホットプレスを用いて5kg/m2の
圧力に加圧し、90分硬化させた。その後室温まで徐冷
し、炭素繊維強化樹脂板を得た。この板の性能を表−1
に示す。
実施例2 一方向配向炭素繊維に、平均粒径0.03μmのカーボンブ
ラック5重量%と平均粒径0.3μmのポリテトラフルオ
ロエチレン10重量%を充分に分散させたエポキシ樹脂系
硬化性樹脂を含浸させ、炭素繊維目付54g/m2のフリプ
レグを作成した。このプリプレグを0°/90°/90°/
0°に積層し、実施例1と同様にして炭素繊維強化樹脂
板を得た。この板の性能を表−1に示す。
ラック5重量%と平均粒径0.3μmのポリテトラフルオ
ロエチレン10重量%を充分に分散させたエポキシ樹脂系
硬化性樹脂を含浸させ、炭素繊維目付54g/m2のフリプ
レグを作成した。このプリプレグを0°/90°/90°/
0°に積層し、実施例1と同様にして炭素繊維強化樹脂
板を得た。この板の性能を表−1に示す。
比較例 実施例1において積層物の両面に接触する加圧板として
鏡面仕上げしたステンレス板を使用して、実施例1と同
様にして成形を行ない、炭素繊維強化樹脂板を得た。こ
の板の性能を表−1に示す。
鏡面仕上げしたステンレス板を使用して、実施例1と同
様にして成形を行ない、炭素繊維強化樹脂板を得た。こ
の板の性能を表−1に示す。
前記表−1に示された結果からわかるように、本発明品
は、摩擦係数が低く、すぐれた摺動性を有する上、表面
光反射率も低く、さらに、表面抵抗も低く、高速シャッ
ター羽根素材としてすぐれた特性を有するとともに、摺
動部材としてもすぐれた特性を有する。
は、摩擦係数が低く、すぐれた摺動性を有する上、表面
光反射率も低く、さらに、表面抵抗も低く、高速シャッ
ター羽根素材としてすぐれた特性を有するとともに、摺
動部材としてもすぐれた特性を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】樹脂を含浸させた炭素繊維からなるプリプ
レグを加圧板を用いて加圧熱成形して得られた成形品で
あって、該成形品の表面の少なくとも一部は、該加圧板
表面にあらかじめ形成された微細凹凸形状に対応した微
細凹凸面に形成され、該成形品の微細凹凸面の中心線平
均粗さが0.3〜5.0μmであることを特徴とする微細凹凸
面を有する炭素繊維強化樹脂成形品。 - 【請求項2】黒色顔料及び/又は摺動化剤を含有する請
求項1の成形品。 - 【請求項3】樹脂を含浸させた炭素繊維からなるプリプ
レグを加圧板を用いて熱成形することからなり、該加圧
板として中心線平均粗さが0.3〜5.0μmの範囲の微細凹
凸面に形成されたものを用い、該加圧板の微細凹凸面に
対応した中心線平均粗さを有する成形品を得ることを特
徴とする微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品の
製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2244282A JPH0661883B2 (ja) | 1990-09-14 | 1990-09-14 | 微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法 |
DE4113810A DE4113810C2 (de) | 1990-09-14 | 1991-04-28 | Ausgeformter Gegenstand aus kohlenstoffaserverstärktem Harz und Verfahren zu seiner Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2244282A JPH0661883B2 (ja) | 1990-09-14 | 1990-09-14 | 微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04125135A JPH04125135A (ja) | 1992-04-24 |
JPH0661883B2 true JPH0661883B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=17116427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2244282A Expired - Fee Related JPH0661883B2 (ja) | 1990-09-14 | 1990-09-14 | 微細凹凸面を有する炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0661883B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI382925B (zh) * | 2009-07-27 | 2013-01-21 | Advanced Int Multitech Co Ltd | Fabrication method of composite material with pattern appearance |
JP5875842B2 (ja) * | 2011-11-25 | 2016-03-02 | 学校法人千葉工業大学 | 無人走行用移動体 |
KR20180071269A (ko) | 2015-10-26 | 2018-06-27 | 코베스트로 도이칠란트 아게 | 다층 섬유 복합재 물질 |
WO2017199886A1 (ja) | 2016-05-16 | 2017-11-23 | キヤノン電子株式会社 | 繊維強化積層体、シャッタ装置および光学機器 |
CN116731511B (zh) * | 2023-08-02 | 2023-10-31 | 巴斯夫新材料有限公司 | 热塑性聚酰胺组合物及其制备方法、注塑成型制件和用途 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4984232A (ja) * | 1972-12-16 | 1974-08-13 | ||
JPS6013572U (ja) * | 1983-07-07 | 1985-01-29 | 株式会社 モプカユニツト | 掲示具 |
JPH0668594B2 (ja) * | 1986-07-09 | 1994-08-31 | 東邦レーヨン株式会社 | 炭素繊維強化熱硬化性樹脂製カメラ用シヤツタ羽根 |
JP2703025B2 (ja) * | 1989-01-19 | 1998-01-26 | エヌティエヌ株式会社 | 水栓用弁装置 |
-
1990
- 1990-09-14 JP JP2244282A patent/JPH0661883B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04125135A (ja) | 1992-04-24 |
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