JP7472480B2 - 繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化プラスチックの製造方法、および繊維強化プラスチックに関する。
強化繊維と樹脂とからなる繊維強化プラスチックは、比強度、比弾性率が高く、力学特性に優れること、耐候性、耐薬品性などの高機能特性を有することなどから産業用途においても注目され、航空機、宇宙機、自動車、鉄道、船舶、電化製品、スポーツなどの構造用途に展開され、その重要は年々高まりつつある。近年ではその低コスト化と表面品位向上技術により、航空機や自動車等の輸送機器用の外板部材に繊維強化プラスチックを用いる試みがなされている。
外板部材は塗装しない場合は表面が外部に直接露出するため良好な外観品位が、塗装する場合は繊維強化プラスチック表面に凹凸があると塗装によってその凹凸が浮き出し、目立ってしまうという塗装仕上がりへの悪影響があるため表面の平滑性が求められる。そのため、外板部材を繊維強化プラスチックで成形する場合は、繊維強化プラスチック表層の繊維の乱れが、外観品位や表面の平滑性に悪影響を及ぼすことが問題となる。また、繊維が乱れることで、表面品位のみならず力学特性までも低下する可能性がある。従って、複雑な形状を成形しつつも、繊維乱れの小さな成形品を得るための技術が求められている。
外板部材は、例えば航空機の胴体、翼、自動車のフード、ドア等のように曲面形状や、屈曲部を有するなど、3次元形状をとる場合が多い。また、外板部材を繊維強化プラスチックで成形する場合、寸法精度や生産性の観点から、プレス成形が採用されることが多い。従来の連続繊維プリプレグを用いて3次元形状の繊維強化プラスチックをプレス成形する場合、金型の3次元形状に強化繊維が追従せず、繊維乱れが生じる原因となる。そこで、従来の連続繊維プリプレグに対して、強化繊維を分断する切込を挿入し、成形時の流動性を向上させた切込プリプレグを使用する例が見られる(特許文献1)。また、切込プリプレグ基材の流動量を調整し、外観不良を抑制する技術が報告されている(特許文献2)。さらに、連続繊維プリプレグと切込プリプレグとを組み合わせ、成形性と力学特性とを両立しうる積層体が開示されている(特許文献3)。
特許第5272418号公報 特開2017-1371号公報 特許第4779754号公報
複雑な形状の繊維強化プラスチックをプレス成形で得ようとする場合、特許文献1に記載のあるように切込プリプレグを用いることが有効であるが、このような切込プリプレグは、加圧時に材料が大きく流動することで繊維強化プラスチック表面の繊維乱れが生じる可能性がある。
また、特許文献2にあるように、プリプレグの積層体をプレスする際に、流動量を調整することで繊維乱れを低減可能であるが、所望の形状や寸法精度を得ることが困難であった。
さらに、複雑な形状と力学特性を両立する上では、特許文献3にあるように連続繊維プリプレグを切込プリプレグ積層体の表面に配置した積層体を用いることが有効であるが、3次元形状を成形する際には前記特許文献1の場合と同様に、繊維乱れが生じる可能性がある。
従って、本発明の課題は、高い力学特性が得られるプリプレグ材料を用いて、3次元形状であっても繊維乱れが小さく外観品位の良い成形品を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、以下のプリプレグ積層体を用いた繊維強化プラスチックの製造方法、及び繊維強化プラスチックを提供するものである。すなわち、
一方向に引き揃えられた強化繊維と樹脂とからなる連続繊維プリプレグと、連続繊維プリプレグに含まれる強化繊維を分断する切込を全面に有する切込プリプレグとからなるプリプレグ積層体を、上型及び下型を有するプレス金型により、前記上型の成型面および前記下型の成形面により区画される3次元形状にプレス成形する繊維強化プラスチックの製造方法であって、
前記プリプレグ積層体の、少なくとも一方の最表層に連続繊維プリプレグが配置されており、
前記上型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体上面の面積の比率C、または前記下型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率C、の少なくとも一方を99%以下とする、繊維強化プラスチックの製造方法である。
また、本発明の繊維強化プラスチックは、以下の特徴を有する。すなわち、
3次元形状を有する繊維強化プラスチックであって、
前記繊維強化プラスチックの少なくとも一部に層(A)と層(B)とで形成される積層構造を有し、
前記層(A)に含まれる強化繊維の長さは10mm~100mmであり、
前記層(B)に含まれる強化繊維は連続繊維であり、前記積層構造の少なくとも一方の最表層に配置されており、
前記層(A)および前記層(B)に含まれる強化繊維はそれぞれの層で実質的に同じ方向に配向しており、
前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)に含まれる強化繊維の、配向方向に対する面内方向のよれ角度の最大値が15°以下であり、さらに、
前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが10~100mmである強化繊維と樹脂とが充填している、繊維強化プラスチックである。
本発明によれば、プレス成形で3次元形状を有する繊維強化プラスチックを成形しても、生産性及び外観品位が良く、また力学特性の高い成形品を得ることができる。
プリプレグに挿入された切込の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態の一例である。 本発明におけるプリプレグ積層体の一例である。 本発明におけるプリプレグ積層体の一例である。 本発明におけるプリプレグ積層体の一例である。 本発明におけるプリプレグ積層体の一例である。 本発明の実施形態の一例である。 本発明の実施形態の一例である。 本発明の実施形態の一例である。
本発明者らは、上記発明の課題の解決のため、鋭意検討し、
一方向に引き揃えられた強化繊維と樹脂とからなる連続繊維プリプレグと、連続繊維プリプレグに含まれる強化繊維を分断する切込を全面に有する切込プリプレグとからなるプリプレグ積層体を、上型及び下型を有するプレス金型により、前記上型の成型面および前記下型の成形面により区画される3次元形状にプレス成形する繊維強化プラスチック成形体の製造方法であって、
前記プリプレグ積層体の、少なくとも一方の最表層に連続繊維プリプレグが配置されており、
前記上型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体上面の面積の比率C、または前記下型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率C、の少なくとも一方を99%以下とする、繊維強化プラスチックの製造方法とすることで、かかる課題を解決したものである。
本発明における連続繊維プリプレグとは、一方向に並んだ強化繊維にマトリックス樹脂が含浸されたシート状の材料である。連続繊維プリプレグは繊維体積含有率を高く設計することができ、高い力学特性を有する繊維強化プラスチックが得られる。
本発明における切込プリプレグとは、一方向に並んだ強化繊維にマトリックス樹脂が含浸されたシート状の材料に対して、図1に示すように強化繊維を分断する方向に複数の切込を全面に挿入したプリプレグである。切込によって強化繊維を不連続繊維とすることで、プレス時に切込プリプレグが流動し、3次元形状に追従することができる。使用する連続繊維プリプレグおよび切込プリプレグは、強化繊維の種類、マトリックス樹脂の種類、組成、繊維含有率といった構成が同一であっても、異なっていてもよい。
図1の前記切込プリプレグ1において、切込2によって分断された強化繊維の長さ5は、10mm~100mmとなることが好ましい。強化繊維の長さを上記範囲とすることで、成形性と力学特性のバランスに優れる。強化繊維の長さが10mm未満となると、得られる成形品の力学特性が大きく低下する場合がある。一方、強化繊維の長さが100mmより大きくなると、3次元形状への追従性が低下する場合がある。より好ましい強化繊維の長さの範囲は、10mm~50mmである。また、前記切込プリプレグに含まれる強化繊維の長さは前記切込によって実質的に全て同じ長さになるように切断されていることが好ましい。
前記切込2の形状は特に限定されず、有限の切込長さ4を有していれば、直線状の切込であっても、切込の一部あるいは全部が非直線形状である形状であってもよい。ここで、切込の長さ4は、切込の端点を結んだ直線の長さである。
前記切込2の、強化繊維の配向方向6に対する角度である切込角度3は特に限定されないが、切込角度が2°~45°であると、前記切込プリプレグが高い流動性を有し、かつ前記切込プリプレグから得られる繊維強化プラスチックが高い力学特性を有するため好ましい。ここで、前記切込角度とは、前記切込プリプレグに設けられた一つの切込に着目したとき、該切込の両端部を直線でつないだ直線と、強化繊維の配向方向とがなす角度のうち、小さい方の角度を指す。より好ましい切込角度は、5°~25°である。
以下では、前記連続繊維プリプレグと前記切込プリプレグをまとめて、「プリプレグ」と呼ぶ。
前記プリプレグに含まれる強化繊維は、特に限定されず、例えば、ガラス繊維、ケブラー繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ボロン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。その中でも特に炭素繊維は、これらの強化繊維の中でも軽量であり、なおかつ比強度及び比弾性率において特に優れた性質を有していることから好ましい。前記連続繊維プリプレグに含まれる強化繊維と前記切込プリプレグに含まれる強化繊維は、同一のものでも良いし、異なるものでも良い。
前記プリプレグに含まれるマトリックス樹脂は、特に限定されず、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であっても、それらの混合物であっても良い。前記連続繊維プリプレグに含まれるマトリックス樹脂と前記切込プリプレグに含まれるマトリックス樹脂は、同一のものでも良いし、異なるものでも良い。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂およびポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の変形および2種以上のブレンドの樹脂を用いることもできる。また、これらの熱硬化性樹脂は熱により自己硬化する樹脂であってもよいし、硬化剤や硬化促進剤等を含むものであってもよい。耐熱性や力学特性を向上させる目的でフィラーなどが混合されているものであってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリスルフォン、ABS、ポリエステル、アクリル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、液晶ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、などが挙げられる。
前記プリプレグに含まれる強化繊維の体積含有率は、45%~65%であることが力学特性の観点から好ましく、50%~60%であることがさらに好ましい。
本発明におけるプリプレグ積層体13は、図3に例を示すように、前記プリプレグを複数枚積層して得られる積層体である。前記プリプレグ積層体13の少なくとも一方の最表層(図3では最上層14)に前記連続繊維プリプレグ17を有することで、成形時に表面(図3では上面18)の繊維乱れが抑制される。また、連続繊維が一方向に引き揃えられているため、外観品位がよく、また繊維体積含有率のバラツキを抑えることができる。さらに、積層体の最表層に前記連続繊維プリプレグが配置されることで、前記プリプレグ積層体を金型に配置した際に、前記プリプレグ積層体に含まれる樹脂が熱によって軟化して垂れ下がり、繊維乱れが生じるのを抑制することができる。前記プリプレグ積層体13に含まれる前記切込プリプレグ16は、前記プリプレグ積層体の3次元形状への追従性を向上させる効果がある。また、加圧時に高い流動性を示し、3次元形状であっても欠けのない成形品が得られる。
従って、前記プリプレグ積層体13が前記連続繊維プリプレグ17と前記切込プリプレグ16を含むことで、3次元形状への追従性と繊維乱れの抑制とを両立することができる。また、前記連続繊維プリプレグと前記切込プリプレグとを積層した積層体とすることで、所望の形状や力学特性を有する繊維強化プラスチックを、生産性よく製造することができる。前記連続繊維プリプレグは、前記プリプレグ積層体の両方の最表面14および15に配置されていても良い。また、前記プリプレグ積層体の最表層以外に前記連続繊維プリプレグが含まれていても良い。
前記プリプレグ積層体の積層構成は特に限定されず、用途に応じて任意に積層されて良い。例えば、[0°/90°]sなどで表されるクロスプライ積層構成であっても良く、 [+45°/0°/-45°/90°]sなどで表される疑似等方積層構成であってもよい。疑似等方積層構成の場合、等方的な力学特性が得られるとともに、成形品の反りが抑制されるため好ましい。
前記プリプレグ積層体13は、前記連続繊維プリプレグ17、前記切込プリプレグ16の他に別の材料を有してもよい。別の材料としては、例えば、樹脂組成物を主成分とする樹脂層や、SMC、金属層などが挙げられる。
前記プリプレグ積層体13を、図2に例を示すように、上型7及び下型8を有するプレス金型により、前記上型の成型面10および前記下型の成形面11により区画される3次元形状9にプレス成形することで繊維強化プラスチック成形体を製造する。前記プリプレグ積層体を金型に配置し、プレス機で上型と下型で挟んで加熱、加圧することで、3次元形状を有しかつ繊維乱れの抑制された繊維強化プラスチックを生産性よく製造することができる。前記プリプレグ積層体を配置する金型はあらかじめ成形温度に予熱されていてもよく、金型をあらかじめ予熱しておくと、成形時間が短縮され、生産性が向上するため好ましい。
本発明で用いる金型は、図2に例を示すように、互いに対をなす上型7と下型8とからなり、両者を閉じた時、上型及び下型の成形面10および11によって区画される3次元形状9が形成される。金型に配置された前記プリプレグ積層体13は、加圧によって変形し、前記3次元形状の空間9を充填し、繊維強化プラスチックが得られる。ここで、金型の成形面とは、前記上型7と前記下型8を完全に閉じ、該上下金型により形成される空間9内に材料を完全に充填させた際に、該材料と接触する面を指す。また、本発明における3次元形状とは、平板形状以外の形状を指す。平板形状以外の形状の具体例としては、曲面や立ち壁、屈曲部、面外凹凸形状、厚さ変化などの形状が挙げられ、これらの形状のうち少なくとも一つが、繊維強化プラスチックの少なくとも一部に含まれている形状であれば良い。
本発明において、前記上型の成形面10の、側面12を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体上面の面積の比率C、または前記下型11の成形面の、側面12を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率C、の少なくとも一方が99%以下となるように前記プリプレグ積層体13を金型成形面に配置する。こうすることで、前記プリプレグ積層体が圧力を受けて流動した際に、金型の壁面に突き当たって流動が乱され繊維乱れが生じることを抑制することができる。
前記上型成形面10の、型側面12を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体上面の面積の比率C、または前記下型成形面11の、型側面12を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率Cはそれぞれ、下記の式で表すことができる。
=A(L)/A(M)×100(%)(式中、A(L)はプリプレグ積層体上面18の面積、A(M)は上型成形面10の、型側面12を除く表面積)
=A(L)/A(M)×100(%)(式中、A(L)はプリプレグ積層体下面19の面積、A(M)は下型成形面11の、型側面12を除く表面積)。
、Cのより好ましい範囲は90%以下であり、より好ましくは80%以下である。一方、欠けのない成形品を得るためには、CU、CLは50%以上であることが好ましい。
金型の成形面の側面を除く表面積を計測する方法は限定されないが、例えば、金型の3次元CADデータから、対象となる表面の面積を計測する方法が挙げられる。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の態様として、前記プリプレグ積層体の平面視形状が、前記プレス金型の上型または下型の前記成形面をプレス方向に垂直な面に投影した形状から、端部に沿って全周に渡って1mm~100mmの幅で除去した形状であることが好ましい。本要件を表す模式図を図7に示す。こうすることで、前記プリプレグ積層体の端部に沿ってあらゆる方向に十分な流動領域を設けることができ、流動基材の金型壁面との干渉に起因する繊維乱れを抑制することができる。より好ましい除去幅は、3mm~50mmであり、より好ましくは5mm~30mmである。また、前記除去幅は、前記プリプレグ積層体の全周囲に渡って一定であることが好ましいが、除去幅が全周にわたって上記範囲に含まれてさえいれば、一定でなくても良い。
積層体の平面視形状とは、プリプレグ積層体13を金型に配置した際に、その形状をプレス方向27に垂直な面28に投影した形状を指し、図7(b)の30が相当する。成形面をプレス方向27に垂直な面28に投影した形状は、図7(a)、(b)において29が相当する。図7(b)は両者を重ねて示しているが、図のように、30は、29から全周に渡って除去した形状である。
ここで、前記プレス方向27とは、上型7と下型8とを閉じる際に上型あるいは下型が移動する方向を指す。上型あるいは下型が互いに異なる方向に移動する場合は、どちらか一方の型の移動方向とする。
前記プレス金型の上型7または下型8の成形面をプレス方向27に垂直な面28に投影した投影形状29を取得する方法は特に限定されないが、例えば、金型の3次元CADデータから、成形面の投影形状を取得する方法が挙げられる。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の態様として、前記プリプレグ積層体を前記上型または前記下型に配置する際に、前記プリプレグ積層体と金型成形面の形状を、プレス方向と垂直な面に投影し、それぞれの投影図の外周形状を取得し、前記プリプレグ積層体の投影図の外周形状を形成する線に沿って、該線に沿う間隔が等しくなるような点を4つ設けたとき、それぞれの点から、前記金型成形面の投影図の外周形状を形成する線までの最短距離の、平均値と標準偏差の比(標準偏差/平均値)で表される変動係数が、0.5未満となるように前記プリプレグ積層体を金型に配置することが好ましい。このように、プリプレグ積層体の金型への配置の仕方についても考慮することで、より効果的に繊維乱れを抑制することができる。図8は金型にプリプレグ積層体13を配置する際、金型7または8およびプリプレグ積層体13の形状をプレス方向27に垂直な面28に投影したものである。図8の29は金型成形面の投影形状であり、30はプリプレグ積層体の投影形状である。30を形成する線に沿って設けられた31で示される4つの点から、29を形成する線までの最短距離を32で示している。
前記変動係数が0.5未満となるように配置することで、前記プリプレグ積層体から金型成形面の端までの距離が全周囲に渡って等距離に近くなるように配置されるため、流動した材料が金型壁面に突き当たって繊維乱れが生じることをより効率的に抑制することができる。前記変動係数のより好ましい範囲は、0.3未満である。上記の比が0.5以上となると、前記プリプレグ積層体の端部から金型成形面の端までの距離が部分的に狭くなる箇所が生じるため、そのような場所で繊維乱れが生じやすくなる場合がある。
前記プリプレグ積層体の投影図の外周形状を形成する線に沿った4つの点31の設け方としては、特に限定されないが、例えば、該線の全長を計測した上で、該線上の任意の位置に点を一つ設け、その点を基準に該線に沿って、前記全長を4等分した距離だけ離れた位置に点を順次設ける方法が挙げられる。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の態様として、図4に示すように前記プリプレグ積層体中に、前記切込プリプレグのみからなる一層以上の層群を、前記連続繊維プリプレグで挟んだ構造と、前記連続繊維プリプレグのみからなる一層以上の層群を、前記切込プリプレグで挟んだ構造とを含むことが好ましい。
図4において、前記連続繊維プリプレグ17のみからなる一層以上の層群を、前記切込プリプレグ16で挟んだ構造21とすることで、前記プリプレグ積層体を成形品とした際に、異なる切込プリプレグ層で発生した損傷が互いに連結し破壊することを防ぐことができ、力学特性の向上につながる。加えて、切込プリプレグの流動が連続繊維プリプレグ層群の流動を補助し、形状追従性の向上にもつながる。
また、前記切込プリプレグ16のみからなる一層以上の層群を、前記連続繊維プリプレグ17で挟んだ構造20とすることで、成形時に切込プリプレグ層が大きく流動することを抑制して、繊維乱れの発生も抑制することができる。
前記連続繊維プリプレグのみからなる一層以上の層群を、前記切込プリプレグで挟んだ構造21と、前記切込プリプレグのみからなる一層以上の層群を、前記連続繊維プリプレグで挟んだ構造20は、前記プリプレグ積層体13中にいくつ有していてもよく、より多く含むことがより好ましい。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の態様として、図5に示すように、前記プリプレグ積層体の上半分と下半分がそれぞれ、前記連続繊維プリプレグと前記切込プリプレグが隣接し、それぞれのプリプレグに含まれる強化繊維の配向方向のなす角が60°以下である構造で形成されていることが好ましい。
図5に示すように、前記連続繊維プリプレグ17と、前記切込プリプレグ16とが互いに隣接する構造をとることで、切込プリプレグが成形時に流動する際に、繊維の乱れが隣接する前記連続繊維プリプレグにより抑制されるため好ましい。また、前記プリプレグ積層体13を成形品とした場合に、切込プリプレグ層で発生した損傷が多層に伝播するのが抑制され、かつ切込プリプレグが連続繊維プリプレグの流動を補助し、高い力学特性と形状追従性を発現するため好ましい。
また、互いに隣接する前記連続繊維プリプレグ17と前記切込プリプレグ16に含まれる強化繊維の配向方向のなす角が60°以下である場合、前記プリプレグ積層体13が金型成形面の3次元形状に追従する際に生じる前記プリプレグ積層体の面内せん断変形が抑制され、前記プリプレグ積層体の表面や内部の繊維乱れを最低限にするのに好適である。互いに隣接する前記連続繊維プリプレグと前記切込プリプレグに含まれる強化繊維の配向方向のなす角のより好ましい範囲は、50°以下である。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の態様として、図6に示すように、前記切込プリプレグまたは前記連続繊維プリプレグで表されるプリプレグの種別が上下対称になるように積層されることが好ましい。
前記切込プリプレグ16と前記連続繊維プリプレグ17で表されるプリプレグの種別が上下対称となるように積層することで、得られる繊維強化プラスチックの反りを低減できるので好ましく、また等方的な力学特性が得られるので好ましい。さらに、前記プリプレグ積層体13の上半分と下半分で同じ流動性を有するため、加圧時に上半分と下半分が同様に流動し、繊維乱れが生じるのを抑制することができるので好ましい。
ここで、前記プリプレグ積層体13が、切込プリプレグ16または連続繊維プリプレグ17で表されるプリプレグの種別が上下対称になるように積層されるとは、前記プリプレグ積層体13を構成するプリプレグのみに着目して、枚数が偶数枚の場合は、図6(a)に示すように、前記プリプレグ積層体を、それぞれ同じプリプレグ枚数を有する上半分と下半分の積層体に二分し、該二分した積層体が互いに接する面を中間面25とし、上半分と下半分、それぞれの最表面から中間面へ向かう積層における層ごとのプリプレグ種別の並びが同一である状態のことをいう。例えば、前記プリプレグ積層体を構成するプリプレグの枚数が8枚の場合、最上層から順に、[連続繊維プリプレグ/切込プリプレグ/切込プリプレグ/連続繊維プリプレグ/連続繊維プリプレグ/切込プリプレグ/切込プリプレグ/連続繊維プリプレグ]である場合が挙げられる。次に、前記プリプレグ積層体13を構成するプリプレグのみに着目して、枚数が奇数枚の場合、図6(b)に示すように、前記プリプレグ積層体の厚さ方向の中間に存在するプリプレグを中間層26として、その中間層を除いた上半分と下半分、それぞれの最表面から中間層へ向かう積層における層ごとのプリプレグ種別の並びが同一である状態のことをいう。例えば、前記プリプレグ積層体を構成するプリプレグが9枚の場合、最上層から順に、[連続繊維プリプレグ/切込プリプレグ/切込プリプレグ/連続繊維プリプレグ/連続繊維プリプレグ/連続繊維プリプレグ/切込プリプレグ/切込プリプレグ/連続繊維プリプレグ]である場合が挙げられる。このとき、中間層に位置するプリプレグは、連続繊維プリプレグであっても、切込プリプレグであってもよい。
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法の態様として、前記プリプレグ積層体において、下記の方法で求められる垂れ変位が40mm以下であることが好ましい。
垂れ変位:前記少なくとも一方の最表層に配置された前記連続繊維プリプレグの繊維方向が長手方向と一致するように積層した、略直方体形状の前記プリプレグ積層体の、長手方向の一方の端部を台の上に固定し、前記台から前記プリプレグ積層体を長手方向に100mm突出させ、プレス成形時の金型成形面温度と同じ温度の雰囲気条件下で前記突出させた部分を変形がとまるまで重力によって垂れさせた時、前記台から突出している方の端部が、前記プリプレグ積層体の厚さ方向に移動する距離。
本発明における前記垂れ変位の計測方法の一例を図9に示す。図9は、台35の上にプリプレグ積層体34を固定し、台から突出させた状態を横から見た図である。前記プリプレグ積層体の前記垂れ変位が40mm以下であることで、前記プリプレグ積層体を金型に配置した際に、前記プリプレグ積層体に含まれる樹脂が軟化して、成形前に垂れ下がって不要な変形を起こし、繊維乱れが生じることを抑制でき、好ましい。より好ましい垂れ変位の範囲は、30mm未満である。
前記プリプレグ積層体の両方の最表層に前記連続繊維プリプレグが配置されており、それぞれ繊維方向が異なる場合は、どちらか一方の前記連続繊維プリプレグの繊維方向が長手方向と一致する略直方体形状のプリプレグ積層体を使用してもよい。前記台の形状は特に制限されないが、前記プリプレグ積層体が垂れ下がるのを妨げる形状であってはならず、また垂れ下がった前記プリプレグ積層体が地面に接触することのないよう、十分な高さを有する必要がある。これらを満足する形状としては、直方体形状、例えば高さが50mm以上の直方体形状が挙げられる。
前記台の素材は特に限定されず、成形温度の雰囲気条件下に配置しても形状が変化しなければ何を使用しても良い。
前記プリプレグ積層体の一方の端部を前記台に固定する方法は特に限定されず、成形温度の雰囲気条件下においても固定状態が変化しなければどのような固定方法であっても良い。例えば、耐熱テープを用いて前記プリプレグ積層体を前記台の上面に固定する方法が挙げられる。
前記プリプレグ積層体を成形温度の雰囲気条件下にさらす方法は特に限定されないが、例えば予熱した恒温槽内部に前記プリプレグ積層体を配置する方法が挙げられる。
前記台35に固定された前記プリプレグ積層体を成形温度の雰囲気条件下に置くと、前記プリプレグ積層体の温度が上がり、樹脂が軟化した結果、重力を受けて前記台から突出した部分が垂れ下がる(図9中の33から34の状態に変化する)。さらに時間が経つと、重力と積層体内部の応力が釣り合い、垂れ下がりは止まる。樹脂が熱硬化性の場合、成形温度の雰囲気下にそのまま置けば硬化が進み、前記プリプレグ積層体の形状が固定される。樹脂が熱可塑性の場合、雰囲気温度を下げることで樹脂が固化し、前記プリプレグ積層体の形状が固定される。このように垂れ下がり形状が固定された状態で、前記垂れ変位36を計測することが好ましい。
本発明の繊維強化プラスチックは、表面の繊維乱れが小さく、外観品位に優れる成形品である。すなわち、
3次元形状を有する繊維強化プラスチックであって、
前記繊維強化プラスチックの少なくとも一部に層(A)と層(B)とで形成される積層構造を有し、
前記層(A)に含まれる強化繊維の長さは10mm~100mmであり、
前記層(B)に含まれる強化繊維は連続繊維であり、前記積層構造の少なくとも一方の最表層に配置されており、
前記層(A)および前記層(B)に含まれる強化繊維はそれぞれの層で実質的に同じ方向に配向しており、
前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)に含まれる強化繊維の、配向方向に対する面内方向のよれ角度の最大値が15°以下であり、さらに、
前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが10~100mmである強化繊維と樹脂とが充填されている、繊維強化プラスチックである。
本発明における3次元形状とは、前述の通りである。
本発明の繊維強化プラスチックは、少なくとも一部に層(A)と層(B)とで形成される積層構造を有する。
本発明における層(A)は、強化繊維と硬化した樹脂とを含む層である。前記層(A)に含まれる強化繊維の長さは、10mm~100mmである。本発明において、前記切込プリプレグで構成される層に当たる。
本発明における層(B)は、強化繊維と硬化した樹脂とを含む層である。前記層(B)に含まれる強化繊維は連続繊維であり、前記積層構造の少なくとも一方の最表層に配置される。本発明において、前記連続繊維プリプレグで構成される層に当たる。
前記層(A)および前記層(B)に含まれる強化繊維は、各層内で強化繊維が実質的に同一方向に配向する。ここで、各層内で強化繊維が実質的に同一方向に配向するとは、各層に含まれる全ての強化繊維の配向方向が、±5°の範囲内に含まれる状態を指す。
前記層(A)および前記層(B)に含まれる強化繊維、マトリックス樹脂および強化繊維の繊維体積含有率に関する記載は、樹脂が熱硬化性樹脂の場合はその硬化物を意味する点を除き、繊維強化プラスチックの製造方法に関する記載と同じである。
本発明における最表層に配置された前記層(B)に含まれる強化繊維の、配向方向に対する面内方向のよれ角度とは、前記層(B)の表面に存在する、繊維乱れのない部分と繊維乱れのある部分が互いに近接して存在する箇所において、前記繊維乱れのない部分の強化繊維の繊維配向方向を基準方向とし、該基準方向と、前記繊維乱れのある部分に含まれる強化繊維の配向方向とが前記繊維強化プラスチックの面内で交差して形成される鋭角の最大値を指す。ここで、繊維乱れのない部分とは強化繊維の長手方向に沿って10mmの長さに渡って繊維配向方向を計測したとき、該強化繊維の配向角の変化が±5°未満である強化繊維のみで形成される部分を指す。また繊維乱れのある部分とは、強化繊維の長手方向に沿って10mmの長さに渡って繊維配向方向を計測したとき、該強化繊維の配向角の変化が±5°以上である強化繊維を含む部分を指す。
前記よれ角度の最大値が15°以下であることで、繊維強化プラスチック表層の繊維乱れを目立たなくすることができる。また、強化繊維の乱れに起因する力学特性の低下を抑えることができる。前記よれ角度の最大値のより好ましい範囲は12°以下であり、より好ましい範囲は10°以下である。
前記よれ角度の最大値の計測方法としては、特に限定されないが、例えば、カメラや顕微鏡などの装置を使って繊維強化プラスチックの表面の画像データを取得し、画像処理ソフトを用いて計測する方法が挙げられる。
具体的な方法の一例は以下の通りであるが、この手法に限定されない。まず、繊維強化プラスチック表面を観察して、前記繊維乱れのある部分と、前記繊維乱れのない部分とがともに含まれる部分を撮影して画像データを取得する。このとき、画像データを取得する表面に対して垂直な方向から撮影する。次に、画像データ上で繊維乱れのない部分の強化繊維を5本ランダムに選択し、その5本の強化繊維の配向角を取得して、それらの角度の平均値を前記基準方向とする。次に、前記繊維乱れが生じている部分から、最もうねりの大きな強化繊維を目視で選択し、該強化繊維の、前記基準方向に対する配向角を、強化繊維の長手方向に沿って順次計測していき、得られた計測値の最大値を前記よれ角度の最大値とすることができる。繊維強化プラスチック表面に前記繊維乱れのある部分が複数存在する場合は、それら全てについてよれ角度を計測し、その中の最大値を、本発明におけるよれ角度の最大値とすることができる。
本発明において、前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが10~100mmである強化繊維と樹脂とが充填していることで、該層(B)の強化繊維が不連続繊維に埋没した形態となり、強化繊維の移動が抑制され、繊維乱れの小さい成形品となるため好ましい。また、前記層(B)の周囲に長さが10~100mmの強化繊維と樹脂が充填していることで、3次元形状であっても端部まで強化繊維と樹脂が充填し、欠けのない繊維強化プラスチックとなるため好ましい。ここで、前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)の周囲とは、前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)の端部に沿った周囲を取り巻くように面内方向に隣接する部分を指し、面外方向に隣接する部分は含まない。
前記繊維強化プラスチックの最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが10~100mmである強化繊維と樹脂とが充填されていることの確認方法は特に制限されないが、例えば樹脂の焼き飛ばし法を用いることができる。具体的には、繊維強化プラスチックから前記層(B)の周囲に位置する繊維強化プラスチック片を切り出し、そこに含まれる樹脂がエポキシ樹脂である場合は500℃の熱風で樹脂を焼き飛ばし、強化繊維集合体を得る。該強化繊維集合体からランダムに十本の強化繊維を抽出し、それらの長さを計測した際に、平均値が10~100mmの範囲内であった場合、本要件を満たすものとする。
本発明の繊維強化プラスチックの態様として、前記積層構造において、厚さ方向の中間を基準に、前記層(A)と前記層(B)が上下対称に配置されていることが好ましい。前記層(A)と前記層(B)が上下対称となる積層構造を有することで、反りが小さく、等方的な力学特性を発現するため好ましい。ここで、厚さ方向の中間とは、前記層(A)と前記層(B)で形成される積層構造に含まれる層の数が偶数の場合には、前記積層構造をそれぞれ同じ層の数を有する上半分と下半分の積層構造に二分し、前記上半分の積層構造と前記下半分の積層構造が互いに接触している面を指す。また、前記層(A)と前記層(B)で形成される積層構造に含まれる層の数が奇数の場合には、積層構造の厚さ方向に中間の位置に配置されている層により形成される面を指す。上記厚さ方向において、上半分と下半分、それぞれの最表面から中間へ向かう積層における層(A)と層(B)の並びが同一であるとき、本要件を満たすものとする。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に記載の発明に限定されるものではない。
実施例で使用したプリプレグの作製方法を以下に示す。
<エポキシ樹脂組成物>
・エポキシ樹脂
“jER(登録商標)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
“jER(登録商標)”1007FS(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
“EPICLON(登録商標)”N740(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、DIC(株)製)
・硬化剤
DYCY7(ジシアンジアミド、三菱ケミカル(株)製)
・硬化促進剤
“Omicure(登録商標)”24(2,4’-トルエンビス(3,3-ジメチルウレア)、ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
・熱可塑性樹脂
“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、JNC(株)製)。
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
エポキシ樹脂組成物の主材とし、ビーカー内に上記エポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂を投入し、150℃の温度まで昇温させ30分加熱混練を行い、60℃の温度まで降温させたあと、硬化剤及び硬化促進剤を投入し、10分間混練して、エポキシ樹脂組成物を得た。
<炭素繊維>
“トレカ(登録商標)”T700S(東レ(株)製)。
<プリプレグの作製方法>
前記エポキシ樹脂組成物の調製方法に準じて得られたエポキシ樹脂組成物を、リバースロールコーターを用いて離型紙上に塗布し、目付が39g/mである樹脂フィルムを2枚作製した。次に、目付が170g/mとなるようにシート状に整列させた前記炭素繊維に得られた樹脂フィルム2枚を、炭素繊維のシートの両面から重ね、温度110℃、圧力2MPaの条件で加圧加熱してエポキシ樹脂組成物を含浸させ、連続繊維プリプレグを得た。
<切込プリプレグの作製方法>
所定の位置に複数の刃が配置された回転刃を押し当てることで、得られた連続繊維プリプレグにプリプレグを貫通する切込を挿入し、切込プリプレグを得た。回転刃は、回転方向の進行方向となす角度が+14°と-14°の刃とが交互に配置されており、刃は連続繊維プリプレグの全ての強化繊維が20mmに切断されるように配置されているものを用いた。
<繊維強化プラスチックの製造方法>
前記連続繊維プリプレグおよび前記切込プリプレグを積層し、プリプレグ積層体を得た。次に、成形温度まで昇温した下型に前記プリプレグ積層体を配置し、所定の時間予熱した。その後、成形温度まで昇温した上型を閉じ、前記プリプレグ積層体を加熱、加圧し、加圧状態を10分間保持して樹脂を硬化させ、繊維強化プラスチックを得た。各実施例の成形条件を表1に示す。なお、使用した金型は、金型1が長手方向に湾曲し、幅方向にL字に屈曲した形状であり、長手方向の長さが370mm、幅方向がL字の片側が50mm、もう片側が70mmである。また、金型2が幅方向の両端に平板部、その間に湾曲部を有する形状であり、上面から見ると長手方向が350mm、幅方向が両端の平板部の端点間の長さが200mmとなる長方形である。また、本実施例において、プレス方向は上下方向であった。
<CLの計測方法>
金型1、金型2の下型の成形面において、側面部を除く成形面の表面積を、金型の3次元CADデータを用いて計測した。また、実施例で使用したプリプレグ積層体の、下面の画像をカメラで取得し、その面積を、画像処理ソフトを用いて計測した。そして、上述の式よりCを計算した。各実施例のCLを、表1に示す。
<変動係数の測定方法>
本実施例において、プレス方向は上下方向であるため、本発明におけるプレス方向と垂直な面は水平面と平行な面となる。従って、前記プリプレグ積層体や金型成形面の投影形状は、水平面に配置した金型の成形面やプリプレグ積層体を、真上から見下ろした形状とほぼ一致する。そこで、実施例で使用したプリプレグ積層体の端部に沿った全周囲の長さを、メジャーを用いて計測し、基材端部に沿った各点間の距離が全周囲の長さの4分の1となるように、プリプレグ積層体の端部に沿って4つの点を設けた。次に、プリプレグ積層体を下型に配置し、点から下型成形面の端部までの最短距離を、最小目盛りが0.5mmであるメジャーを用いてそれぞれの点について求め、前記変動係数を算出した。各実施例の変動係数を表1に示す。なお、実施例1~3、及び比較例1~3では、プリプレグ積層体の投影図と金型成形面の投影図が重なったため、算出しなかった。
<垂れ変位の測定方法>
実施例で使用するプリプレグ積層体を、幅20mm、長さ120mmの矩形に裁断し、積層、真空引きによる加圧で一体化させて試験片を作製した。次に、台となる幅50mm、長さ50mm、厚さ100mmの鉄製のブロックの上面に、前記試験片を長手方向に20mmの長さだけ重ね、耐熱テープで固定した。このとき、試験片の台から突出した長手方向の長さは100mmであった。その後、上記台に固定された試験片を、雰囲気温度が150℃となるように予熱された恒温槽内に配置し、試験片が完全に硬化するまで放置した。硬化後、前記台から突出した側の試験片端部が下方向に垂れた距離を計測し、垂れ変位とした。各実施例の垂れ変位を表1に示す。
<外観評価方法>
本発明の繊維強化プラスチックの製造方法により得られた繊維強化プラスチックの外観品位を目視で観察し、評価の良いほうから順に◎、○、△、×の4段階で外観を評価した。
◎:成形品のいずれの部分にも繊維乱れがみられないもの
○:成形品の端部付近にのみ小さな繊維乱れがみられるもの
△:成形品全体的に小さな繊維乱れがみられるもの
×:成形品の少なくとも一部に目立つ繊維乱れがみられるもの
各実施例の、外観評価結果を表2に示す。
<最大よれ角度の計測方法>
実施例で得られた繊維強化プラスチックの表面を観察し、前記繊維乱れのある部分を全て抽出した。次に、各繊維乱れのある部分について、近接する前記繊維乱れのない部分を含むようにカメラを用いて画像データを取得した。次に、各画像データ内において、前記繊維乱れのない部分から強化繊維をランダムに5本選び、それぞれ強化繊維の配向角を計測し、それらの平均値を基準方向とした。次に、前記繊維乱れのある部分から、目視で最も蛇行が大きい強化繊維を選択し、該最も蛇行が大きい強化繊維の配向方向と、前記基準方向とが面内方向になす角を順次計測し、各画像データにおけるよれ角度の最大値を計測した。全ての画像データについてよれ角度の最大値を計測し、その中の最大のものを実施例の最大よれ角度とした。各実施例の最大よれ角度を表2に示す。
(実施例1)
前記連続繊維プリプレグと、前記切込プリプレグを、下型成形面をプレス方向に対して垂直な面に投影して得られる形状と同じ形状に裁断し、積層構成が[+45°/0°/-45°/90°]sとなるように積層し、プリプレグ積層体を得た。最上層と最下層のみ前記連続繊維プリプレグを用い、それ以外は前記切込プリプレグを用いた。このとき、CLは88%であった。次に、本発明の繊維強化プラスチックの製造方法に準じて、金型1と金型2を用いて繊維強化プラスチックを成形した。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品表面全体にわたって繊維乱れが観察されたが、乱れ具合は非常に小さかった。また、成形品の一部には前記層(A)と前記層(B)とからなる積層構造を有しており、該積層構造の両方の最表面に前記層(B)が配置されていた。前記層(A)に含まれる強化繊維の長さは20mmであり、前記層(B)に含まれる強化繊維は連続繊維であり、それぞれの層に含まれる強化繊維は実質的に全て同じ方向に配向していた。金型1を用いて得られた成形品のよれ角度の最大値は8.9°であり、最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが20mmである強化繊維と樹脂とが充填しており、全体にわたって欠けのない成形品であった。
(実施例2)
実施例1で用いたプリプレグ積層体において、表層から2、4、5、7層目を前記切込プリプレグとし、1、3、6、8層目を前記連続繊維プリプレグとしたこと以外は、実施例1と同様に繊維強化プラスチックを製造した。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品全体にわたって繊維乱れが非常に小さく、実施例1で得られた繊維強化プラスチックより外観品位のよい成形品が得られた。また、成形品の一部には前記層(A)と前記層(B)とからなる積層構造を有しており、該積層構造の両方の最表面に前記層(B)が配置されていた。前記層(A)に含まれる強化繊維の長さは20mmであり、前記層(B)に含まれる強化繊維は連続繊維であり、それぞれの層に含まれる強化繊維は実質的に全て同じ方向に配向していた。金型1を用いて得られた成形品のよれ角度の最大値は8.1°であり、実施例1で得られた繊維強化プラスチックより小さい値であった。また、最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが20mmである強化繊維と樹脂とが充填しており、全体にわたって欠けのない成形品であった。
(実施例3)
実施例2で用いたプリプレグ積層体において、積層構成を[0°/90°]2Sとしたこと以外は、実施例2と同様に繊維強化プラスチックを製造した。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品の端部付近にのみ小さな繊維乱れが観察され、実施例2に比べわずかに外観品位が悪くなった。また、成形品の一部には前記層(A)と前記層(B)とからなる積層構造を有しており、該積層構造の両方の最表面に前記層(B)が配置されていた。前記層(A)に含まれる強化繊維の長さは20mmであり、前記層(B)に含まれる強化繊維は連続繊維であり、それぞれの層に含まれる強化繊維は実質的に全て同じ方向に配向していた。金型1を用いて得られた成形品のよれ角度の最大値は8.5°であり、実施例2に比べて大きな値となった。また、最表層に配置された前記層(B)の周囲の少なくとも一部に、長さが20mmである強化繊維と樹脂とが充填しており、全体にわたって欠けのない成形品であった。
(実施例4)
金型に配置するプリプレグ積層体に関して、実施例1で使用したプリプレグ積層体の形状と相似な形状となるように端部に沿って基材を除去し、CLを低下させたこと以外は、実施例1と同様に繊維強化プラスチックを製造した。なお、プリプレグ積層体を下型に配置する際、前記変動係数は金型1の時は0.6、金型2の時は0.56であった。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品の端部にのみ小さな繊維乱れが観察され、実施例1で得られた繊維強化プラスチックよりも外観品位は優れていた。また、小さな繊維乱れが観察された部分は、プリプレグ積層体を下型に配置した際に、基材端部から金型成形面端部までの距離が比較的短い位置と対応していた。
(実施例5)
金型に配置するプリプレグ積層体に関して、実施例1で用いたプリプレグ積層体の端部全周囲に沿って一定の幅で基材を除去し、CLを低下させたこと以外は、実施例4と同様に繊維強化プラスチックを製造した。なお、プリプレグ積層体を下型に配置する際、前記変動係数は金型1の時は0.07、金型2の時は0.18であった。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品の全体にわたって繊維乱れは観察されず、実施例4で得られた繊維強化プラスチックに比べ表面品位に優れていた。
(比較例1)
プリプレグ積層体に含まれるプリプレグを、全て前記切込プリプレグとしたこと以外は、実施例1と同様に繊維強化プラスチックを製造した。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品の全体にわたって大きな繊維乱れが観察され、外板部材として好適な外観品位を達成することはできなかった。
(比較例2)
プリプレグ積層体に含まれるプリプレグを、全て前記連続繊維プリプレグとしたこと以外は、実施例1と同様に繊維強化プラスチックを製造した。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品の全体にわたって大きな繊維乱れが観察され、外板部材として好適な外観品位を達成することはできなかった。金型1で得られた繊維強化プラスチックのよれ角度の最大値は16.2°であり、実施例1~3で得られた繊維強化プラスチックに比べて非常に大きな数値となった。また、最表層に配置された前記層(B)の周囲には、長さが10~100mmである強化繊維と樹脂とが充填しておらず、端部に欠けのある成形品であった。
(比較例3)
CLを100%として繊維強化プラスチックを製造したこと以外は、実施例1と同様に繊維強化プラスチックを製造した。
得られた成形品の外観品位を上記外観評価方法に準じて評価したところ、成形品の全体にわたって繊維乱れが観察され、特に繊維強化プラスチックの端部付近の繊維乱れが大きかった。
Figure 0007472480000001
Figure 0007472480000002
1:プリプレグ
2:切込
3:切込角度
4:切込長さ
5:繊維長
6:強化繊維の配向方向
7:上型
8:下型
9:成形面により区画される3次元形状
10:上型成形面
11:下型成形面
12:型側面
13:プリプレグ積層体
14:最上層
15:最下層
16:切込プリプレグ
17:連続繊維プリプレグ
18:上面
19:下面
20:切込プリプレグのみからなる層群を、連続繊維プリプレグで挟んだ構造
21:連続繊維プリプレグのみからなる層群を、切込プリプレグで挟んだ構造
22:プリプレグ積層体の上半分
23:プリプレグ積層体の下半分
24:連続繊維プリプレグと切込プリプレグが隣接し、それぞれのプリプレグに含まれる強化繊維の配向方向のなす角が60°以下である構造の繰り返し
25:中間面
26:中間層
27:プレス方向
28:プレス方向に垂直な面
29:金型成形面の投影図
30:プリプレグ積層体の投影図
31:点
32:プリプレグ積層体の投影図上の点から金型成形面の投影図までの最短距離
33:垂れ変位の計測において垂れる前のプリプレグ積層体
34:垂れ変位の計測において垂れた後のプリプレグ積層体
35:台
36:垂れ変位

Claims (6)

  1. 一方向に引き揃えられた強化繊維と樹脂とからなる連続繊維プリプレグと、連続繊維プリプレグに含まれる強化繊維を分断する切込を全面に有する切込プリプレグとからなるプリプレグ積層体を、
    上型及び下型を有するプレス金型により、前記上型の成型面および前記下型の成形面により区画される3次元形状にプレス成形する繊維強化プラスチック成形体の製造方法であって、
    前記プリプレグ積層体の、少なくとも一方の最表層に連続繊維プリプレグが配置されており、
    前記上型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の上面の面積の比率CU、または
    前記下型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率CL、の少なくとも一方を99%以下であり、
    前記プリプレグ積層体を前記上型または前記下型に配置する際に、
    前記プリプレグ積層体と金型成形面の形状を、プレス方向と垂直な面に投影し、それぞれの投影図の外周形状を取得し、前記プリプレグ積層体の投影図の外周形状を形成する線に沿って、該線に沿う間隔が等しくなるような点を4つ設けたとき、
    それぞれの点から、前記金型成形面の投影図の外周形状を形成する線までの最短距離の、平均値と標準偏差の比(標準偏差/平均値)で表される変動係数が、0.5未満となるように前記プリプレグ積層体を金型に配置する、繊維強化プラスチックの製造方法。
  2. 一方向に引き揃えられた強化繊維と樹脂とからなる連続繊維プリプレグと、連続繊維プリプレグに含まれる強化繊維を分断する切込を全面に有する切込プリプレグとからなるプリプレグ積層体を、
    上型及び下型を有するプレス金型により、前記上型の成型面および前記下型の成形面により区画される3次元形状にプレス成形する繊維強化プラスチック成形体の製造方法であって、
    前記プリプレグ積層体の、少なくとも一方の最表層に連続繊維プリプレグが配置されており、
    前記上型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の上面の面積の比率C U 、または
    前記下型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率C L 、の少なくとも一方を99%以下であり、
    前記プリプレグ積層体中に、
    前記切込プリプレグのみからなる一層以上の層群を、前記連続繊維プリプレグで挟んだ構造と、
    前記連続繊維プリプレグのみからなる一層以上の層群を、前記切込プリプレグで挟んだ構造とを含む、繊維強化プラスチックの製造方法。
  3. 一方向に引き揃えられた強化繊維と樹脂とからなる連続繊維プリプレグと、連続繊維プリプレグに含まれる強化繊維を分断する切込を全面に有する切込プリプレグとからなるプリプレグ積層体を、
    上型及び下型を有するプレス金型により、前記上型の成型面および前記下型の成形面により区画される3次元形状にプレス成形する繊維強化プラスチック成形体の製造方法であって、
    前記プリプレグ積層体の、少なくとも一方の最表層に連続繊維プリプレグが配置されており、
    前記上型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の上面の面積の比率C U 、または
    前記下型の成形面の、側面を除く表面積に対する前記プリプレグ積層体の下面の面積の比率C L 、の少なくとも一方を99%以下であり、
    前記プリプレグ積層体の上半分と下半分がそれぞれ、前記連続繊維プリプレグと前記切込プリプレグが隣接し、それぞれのプリプレグに含まれる強化繊維の配向方向のなす角が60°以下である構造で形成されている、繊維強化プラスチックの製造方法。
  4. 前記プリプレグ積層体の平面視形状が、前記プレス金型の上型または下型の成形面をプレス方向に垂直な面に投影した形状から、端部に沿って全周に渡って1mm~100mmの幅で除去した形状である、請求項1~3のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  5. 前記切込プリプレグまたは前記連続繊維プリプレグで表されるプリプレグの種別が上下対称になるように積層される、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
  6. 前記プリプレグ積層体において、下記の方法で求められる垂れ変位が40mm以下である、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
    垂れ変位:前記少なくとも一方の最表層に配置された前記連続繊維プリプレグの繊維方向が長手方向と一致するように積層した、略直方体形状の前記プリプレグ積層体の、
    長手方向の一方の端部を台の上に固定し、
    前記台から前記プリプレグ積層体を長手方向に100mm突出させ、プレス成形時の金型成形面温度と同じ温度の雰囲気条件下で前記突出させた部分を変形がとまるまで重力によって垂れさせた時、
    前記台から突出している方の端部が、前記プリプレグ積層体の厚さ方向に移動する距離。
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