JP5332225B2 - 繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、3次元形状を有する繊維強化複合材料の製造方法に関するものであり、より詳しくは、強化繊維束に未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂を含浸させて得られたプリプレグと、熱可塑性樹脂からなるシート状基材で構成された基材を、熱可塑性樹脂が特定の粘度領域になる温度にてプレス成形する、繊維強化複合材料の製造方法に関するものである。
近年、繊維強化複合材料は飛躍的に発達しており、その適用用途は自動車部材、建築材および内装材などの大型部品や精密機器、電子機器などの小型部品など多岐に渡っている。それに伴い、繊維強化複合材料の形状も単純な平面だけでなく、凹凸形状を有するもの、あるいは絞り形状を有するものなど様々な形状への適用が要求されてきている。
通常、繊維強化複合材料は高い力学特性が必要な用途に対しては、連続した繊維で強化された成形品が使用されることが多い。しかしながら、このような連続した繊維で強化された成形品は、強化繊維による拘束が強いために複雑な形状への絞り込みや凹凸形状成形品に賦形することが困難であることが多い。その結果、凹凸部分や角部分において、繊維乱れや繊維の追従不足によるマトリックス樹脂溜まりなどの不具合が生じる。特に強化繊維の強度・弾性率が高くなるとその傾向は顕著である。複雑な形状への絞り込みや凹凸形状への賦形性を高めるためには、強化繊維を短く切断して、繊維の拘束を抑制する手段がとられている。例えばシートモールディングコンパウンド品(SMC)や射出成形品などがそうである。しかしながら、強化繊維を短く切断すると、力学特性が低下するため、成形品を適用できる範囲が制限されてしまうなどの問題が生じる。
絞り込みや凹凸形状の成形性を高める技術として、特許文献1には、連続した強化繊維束間に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグの積層体の片面に、300μm〜10mmの厚みの熱可塑性樹脂シートを配置し、減圧真空成形をおこなうことで賦形性に優れる効果を発現すると記載されている。しかしながら、熱可塑性樹脂シートを片面に配置するだけでは、より複雑な形状に成形する際や、プリプレグの積層体が厚くなった場合には賦形性に劣るなど、効果は十分なものではない。
特許文献2には、得られる成形品の耐衝撃性改良や層間強化を目的として、熱可塑性樹脂の長繊維からなる基材を連続した強化繊維束間に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグの層間に配置し成形した成形体が記載されている。熱可塑性樹脂の長繊維からなる基材をプリプレグ層間に配置するために、賦形性を高める効果も奏していることが考えられるが、賦形性詳細に関する記載はなく、複雑形状への賦形性についてはさらなる改良が期待されていた。
特開平6−134903号公報 国際公開第94/016003号パンフレット
本発明の目的はかかる従来技術の問題点に鑑み、連続した強化繊維を含む場合においても、良好な賦形状態となる繊維強化複合材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記課題を達成することができる、次の繊維強化複合材料の製造方法を見出した。
(1)未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)を連続した強化繊維束(B)に含浸させて得たプリプレグ(I)と、熱可塑性樹脂(C)からなるシート状基材(II)とを用いる複合材料の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜(c)の工程を含む複合材料の製造方法。
(a)複数のプリプレグ(I)とシート状基材(II)とを、該シート状基材(II)が該プリプレグ(I)の少なくとも1つの層間に存在するように積層して積層基材(III)を作製する工程。
(b)プレス成形用の上下金型の表面を、下式(1)を満足する温度Tに調整して、前記積層基材(III)を該上下金型の内部に配置する工程。
式(1):T1≦T≦T2
T1:直径20mm径パラレルプレートによる発生トルク0.005Jでのシート状基材(II)の溶融粘度η1が1×10Pa・sとなる温度。
T2:直径20mm径パラレルプレートによる発生トルク0.005Jでのシート状基材(II)の溶融粘度η2が1×10Pa・sとなる温度。
(c)前記上下金型を型締めして、所望の形状に成形硬化する工程。
(2)前記シート状基材(II)の厚みが5〜100μmである、(1)に記載の複合材料の製造方法。
(3)前記工程(b)と前記工程(c)の間に、前記シート状基材(II)を軟化させるための予熱工程を含む、(1)または(2)に記載の複合材料の製造方法。
(4)前記予熱工程の時間が10秒以上5分以内である、(3)に記載の複合材料の製造方法。
(5)前記積層基材(III)において、厚み方向に連続して存在するプリプレグ(I)の厚みが0.05〜0.5mmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(6)前記積層基材(III)を構成するプリプレグ(I)のトータル層厚み(Li)と、熱可塑性樹脂(C)からなるシート状基材(III)のトータル層厚み(Lii)の比Li/Liiが1〜20である、(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(7)前記上下金型が少なくとも1つ以上のR部を有する、(1)〜(6)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(8)前記R部のうちの少なくとも1つが、2つの略平面よりなる折り曲げ部の形状で形成されている、請求項7に記載の複合材料の製造方法。
(9)前記R部のうちの少なくとも1つが、3つの略平面よりなる角部に形成されている、(7)または(8)に記載の複合材料の製造方法。
(10)前記R部のうちの少なくとも1つが、深絞り形状で形成されている、(7)〜(9)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(11)前記深絞り部の深さDと前記深絞り部の開口部の最大長さLとの比D/Lが0.1〜1である、(10)に記載の複合材料の製造方法。
(12)前記深絞り部の深さDが5〜300mmである、(10)または(11)に記載の複合材料の製造方法。
(13)前記R部の曲率半径が0.1〜10mmである、(7)〜(12)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(14)前記積層基材(III)が実質的に凹凸のない平面形状である、(1)〜(13)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(15)前記積層基材(III)の厚みが0.2〜3mmである、(1)〜(14)のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
(16)前記連続した強化繊維が炭素繊維である、(1)〜(15)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法を用いることにより、プレス成形時の賦形性に優れ、連続した強化繊維を用いた繊維強化複合材料においても複雑形状の成形品を成形することが可能となる。さらには、連続した強化繊維を用いているため、力学特性にも優れた成形品が得られる。
以下、本発明の繊維強化複合材料の製造方法について、具体的に説明する。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、次の(a)〜(c)の工程を含むことが重要である。
まず工程(a)では、未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)を連続した強化繊維束(B)に含浸させて得た複数のプリプレグ(I)と、熱可塑性樹脂(C)からなるシート状基材(II)を用いて、シート状基材(II)がプリプレグ(I)の少なくとも1つの層間に存在するように積層して積層基材(III)を作製する。シート状基材(II)をプリプレグ(I)の少なくとも1つの層間に存在させることで、工程(b)〜(c)のプレス成形工程において、シート状基材(II)が軟化して積層したプリプレグ(I)同士が摩擦および内外層格差を抑制するため、金型形状に良好に賦形することが可能となる。
ここでいう内外層格差とは、曲面を有する成形品をプリプレグ積層体でプレス成形する場合の該曲面部分において、内側のプリプレグと外側のプリプレグに生じる屈曲距離差のことである。プリプレグ(I)の少なくとも1つの層間にシート状基材(II)が存在しない場合は、積層したプリプレグ(I)同士が摩擦および内外層格差が大きく生じてしまい、プレス金型形状に良好な賦形状態で成形することが困難となる。
このとき、内外層格差を十分に緩和させ、かつ成形品の厚みを不必要に厚くならないようにする観点からは、前記シート状基材(II)の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。より好ましくは7〜80μm、さらに好ましくは10〜60μmである。
生じる内外層格差を抑制する観点から、好ましくは、厚み方向に連続して存在するプリプレグ(I)、すなわち、厚み方向に熱可塑性樹脂(C)からなるシート状基材(II)が存在しない部分の厚みは0.05〜0.5mmである。より好ましくは0.1〜0.4mm、さらに好ましくは0.12mm〜0.3mmである。
また同様の観点から、前記積層基材(III)を構成するプリプレグ(I)のトータル厚みLIと、シート状基材(II)のトータル厚みLIIの比LI/LIIは1〜20であることが、積層したプリプレグ(I)の内外層格差を緩和し、十分な賦形性を得るために好ましい。より好ましくは2〜15であり、さらに好ましくは3〜10である。この際、プリプレグ(I)およびシート状基材(II)の厚みはノギス等で少なくとも基材の10ヶ所以上を測定した平均値をとることにより決定する。
さらに成形品の軽量性を考慮した場合は、積層基材(III)は薄肉であることが好ましく、具体的には積層基材(III)の厚みが0.2〜3mmであることが好ましい。より好ましくは0.3〜2mm、さらに好ましくは0.4〜1.5mmである。
続いて工程(b)では、プレス成形用の上下金型の表面をT1≦T≦T2となる温度Tに調整し、該上下金型の内部に前記積層基材(III)を配置する。なお、本発明で用いられるプレス成形用の上下金型とは、目的とする成形品を成形するための所望の形状を付与した、上下の対になっている金型のことを意味する。なお、金型の一方はオス型、他方はメス型と呼ばれることもある。そして、積層基材(III)をこの金型内に配置してプレス成形して、所望の形状に成形する。かかる金型の素材には、金型表面の研磨や金型破損交換などの工程の手間を最小限に抑えて金型寿命を長くでき、生産性を高める点から、素材としては鋼材、好ましくは耐摩耗性の高い超高合金が好ましい。さらに耐摩耗性を高める観点から、表面窒化処理などの表面処理が施されているものが好ましい。またかかる金型の形状は、複雑な形状の成形品に対応するために、少なくとも1つ以上のR部を有するものであり、該R部を含む形状が、以下に詳細に説明する、折り曲げ部、角部および深絞り部などの複雑形状でも構わない。
ここでT1とは、あらかじめシート状基材(II)のみを溶融させて、直径20mmで厚み1mmの円柱状の粘度評価用サンプルを作製し、該サンプルの20mm径パラレルプレートによる発生トルク0.005Jにおける溶融粘度η1が1×10Pa・sとなる温度のことである。またT2とは、シート状基材(II)のみを溶融させて、直径20mmで厚み1mmの円柱状の粘度評価溶サンプルを作製し、該サンプルの20mm径パラレルプレートによる発生トルク0.005Jにおける溶融粘度η2が1×10Pa・sとなる温度のことである。
該粘度測定は、具体的には、まず評価用にシート上基材(II)を溶融プレス成形して直径20mmで厚み1mmの円柱状の粘度評価用サンプルを作製し、次いで、該サンプルを動的粘弾性測定装置にて、直径20mmのパラレルプレートを用い、平行平板間の距離1.0mm、測定周波数0.5Hz、発生トルク0.005Jの条件下で、温度を変化させながら複素粘性率ηを測定し、得られた複素粘性率ηを溶融粘度として採用することにより行う。また、T1とT2の測定は、該サンプルの溶融粘度が5×10Pa・sとなる温度まで昇温させてから、次いで5℃/分の速度で降温させていき、溶融粘度がη2となる時点の温度をT2とし、溶融粘度がη1となる時点の温度をT1とすることにより行う。
前記粘度評価には、動的粘弾性測定装置としてティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESを用いることができる。前記上下金型の表面温度をかかる温度領域に調整することで、(c)のプレス成形工程において、シート状基材(II)が流動しすぎない程度かつ適度に軟化した状態となり、積層したプリプレグ(I)同士が大きな摩擦および内外層格差を生じることなく金型形状に良好に賦形することが可能となる。
温度T1に関しては、好ましくは上記で規定される溶融粘度η1が9×10Pa・sとなる温度であり、より好ましくは8×10Pa・sとなる温度である。また温度T2に関しては、好ましくは上記で規定される溶融粘度η2が1.5×10Pa・sとなる温度であり、より好ましくは2×10Pa・sとなる温度である。
前記上下金型の表面温度の測定については、上金型の表面の任意部分を5ヶ所以上の測定結果の平均値をもって上金型の表面温度とする。同様に下金型の表面の任意部分を5ヶ所以上測定し、その5ヶ所以上の測定結果の平均値をもって、下金型の表面温度とする。金型に少なくとも1つ以上のR部を有するものであり、該R部を含む形状が、深絞り部や折り曲げ部などの凹凸形状が付与されているものを用いる場合は、積層基材(III)の賦形に対して、より効果的に金型の表面温度の設定をおこなうことができる観点から、該凹凸形状の部位の温度を評価する。
シート状基材(II)を構成する熱可塑性樹脂(C)として好ましいものは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PENp)、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂およびフェノキシ樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂(C)は、上記の樹脂の共重合体や変性体および/または2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。
続いて工程(c)では、積層基材(III)を配置したプレス成形用の上下金型を型締めして所望の形状に成形する。型締めするタイミングに関しては特に制限はないが、積層基材(III)に含まれるシート状基材(II)に十分に金型の温度が伝わって、適度に軟化しはじめた状態で型締めすることが、賦形性を向上させるうえでは好ましい。より好ましくは、プレス成形用の上下金型の凹凸形状が付与されていて良好な賦形性が必要とされる部位において、金型当たりするシート状基材(II)部位の表面が適度に軟化しはじめた状態で型締めすることである。具体的には、シート状基材(II)表面の温度が金型表面の温度の70%程度まで加熱された状態でプレス成形することが好ましい。シート状基材(II)の表面の温度は、モデル的に熱電対をシート状基材(II)の表面に設置してプレス成形をおこなうことで計測することができる。
このようにプレス用の上下金型の内部に積層基材(III)を配置した時点から該上下金型を型締めし始めるまでの加熱工程を予熱工程というが、予熱工程の時間は上記のようにシート状基材(II)が適度に軟化するまで時間をとるのが好ましいが、プリプレグ(I)の硬化が進行しすぎてしまうと、逆に賦形性が悪くなってしまう可能性があること、および成形サイクルの長時間化による生産効率の低下を引き起こす可能性があるため、予熱工程の時間は5分以内とすることが好ましい。より好ましくは3分以内で、さらに好ましくは1分以内である。予熱工程の時間は、積層基材(III)に含まれるシート状基材(II)への熱の伝達を十分におこなうという観点から、10秒以上確保することが好ましい。より好ましくは20秒以上である。また予熱工程の温度は、成形工程の煩雑さを低減するために工程(b)で規定の金型の表面温度Tを採用することが好ましい。
プレス成形時の成形圧力に関しては、特に制限はないが、成形時の強化繊維の配向乱れなどを抑制し、成形品外観を良好に保つ観点からは10MPa以下であることが好ましい。より好ましくは6MPa以下であり、さらに好ましくは3MPa以下である。プレス成形圧力の下限についても特に制限はないが、積層基材(III)を金型形状に良好に賦形すること、および成形品内部にボイドを残さない観点から0.01MPa以上であることが好ましい。より好ましくは0.1MPa以上、さらに好ましくは0.5MPa以上である。
型締めしてプレス成形をおこなう工程(c)の時間に関しては、良好な賦形状態で成形品が脱型できる状態になっているのであれば特に制限はないが、生産性の観点からは30分以内が好ましく、より好ましくは15分以内、さらに好ましくは10分以内である。プリプレグ(I)に用いられる熱硬化性マトリックス樹脂(A)の硬化特性にも依存するため、添加剤などで硬化性能を高めた熱硬化性マトリックス樹脂をプリプレグ(I)に用いることが好ましい。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、成形品に凹凸形状が存在する場合に優れた賦形性を発揮することができるため、プレス成形用の上下金型が、上述のような少なくとも1つ以上のR部を有することが好ましい。
該R部を含む形状としては、折り曲げ部、角部、および深絞り部を挙げることができる。折り曲げ部とは、2つの略平面よりなる折り曲げ部のことであり、2つの略平面がある角度をなして連続している形状をいう。例えば、図4に示すようなU字型成形品用の金型における底面部分と立ち壁部分とからなる屈曲部位6や、図5に示すような波形状の金型の屈曲部位7が該当する。角部とは、3つの略平面よりなる角部のことであり、3つの略平面がある角度をなして連続している角部分形状をいう。例えば、図6に示すような3面立ち壁の角部分8を有する金型形状である。深絞り部とは、略平面および/または曲面よりなる容器状の形状のことをいう。例えば、図1に示すような箱型の成形品を作製するための金型形状や、図10に示すような円筒形状の成形品を作製するための金型形状、ヘルメットのような半球状容器用の上下金型である。また、ここでいう略平面とは、表面に凹凸形状のない平面部分、または表面に凹凸形状が形成されている場合においては該凹凸形状の高さが該部位における上下金型間のクリアランス、つまり得られる成形品厚みに対して1/10以下のレベルである面部分のことをいう。
なお、上下金型には少なくとも1つ以上のR部が有することが好ましいことは上述のとおりであるが、当該上下金型は、2つ以上のR部を有していても良い。この場合、用いられる上下金型が有する2つ以上のR部が同一の形状である必要はなく、所望の複合材料の形状に合わせて、例えば、前記した折り曲げ部、角部、または深絞り部のいずれかを組合せた形状であっても良い。
連続した繊維で強化された複合材料の成形において、上記折り曲げ部、角部、深絞り部の3つの形状はそれぞれ成形の難易度が異なり、一般的には折り曲げ部が最も容易であり、次いで角部、最も難易度が高いのが深絞り部となる。これは成形時に金型形状により拘束される強化繊維の拘束度合いがそれぞれの形状によって異なるためである。
前記深絞り部は、プレス成形時の強化繊維の拘束度合いや突っ張り状態を緩和させ、優れた賦形性を効果的に発揮するためには、深絞り部の深さDと、深絞り部の開口部の最大長さLとの比D/Lが0.1〜1であることが好ましい。より好ましくは0.2〜0.8であり、さらに好ましくは0.3〜0.7である。ここで、深絞り部の深さDとは、図7に示すように金型表面の深絞り部が存在する開口部において落ち込みが開始する部位と、該開口部内において最も深い位置との距離のことである。また深絞り部の開口部の最大長さLとは、図7に示すように金型表面の深絞り部の開口部において最も長い開口部長さのことである。
また同様に、プレス成形時の強化繊維の拘束度合いや突っ張り状態を緩和させ、優れた賦形性を効果的に発揮するためには、前記深絞り部の深さは5〜300mmであることが好ましい。より好ましくは10〜250mm、さらに好ましくは20〜200mmである。
さらに、前記R部では強化繊維を成形時にR部に沿って屈曲させる必要があるが、優れた賦形性を発揮し、さらには成形時の強化繊維の乱れの少ない良好な成形品外観を保つためには、前記R部の曲率半径は0.1〜10mmであることが好ましい。より好ましくは1〜6mm、さらに好ましくは2〜5mmである。
本発明の複合材料の製造方法で用いる積層基材(III)は、プリプレグ(I)およびシート状基材(II)のカットや積層のしやすさ、また、積層後の取り扱い性の面から、実質的に凹凸のない平面形状であることが好ましい。ここで実質的に凹凸のない平面形状とは、積層基材(III)に折り目や曲げ部分がない状態であり、積層基材(III)の厚みについて、好ましくは、積層基材(III)の最も薄い部位Tminと最も厚い部位の厚みTmaxの比Tmin/Tmaxが0.8〜1、より好ましくは0.9〜1、さらに好ましくは0.95〜1であることを意味する。さらに、金型への積層基材(III)の配置の際にも、金型の凹凸形状などを考慮して予め積層基材(III)に凹凸部を形成したり、配置場所を厳密に指定することなく配置できることからも好ましい。
本発明における前記連続した強化繊維束(B)の形態は特に制限されず、例えば、多数本の強化繊維からなる強化繊維束、その繊維束から構成されたクロス、多数本の強化繊維が一方向に配列された強化繊維束(一方向性繊維束)、その一方向性繊維束から構成された一方向性クロスなど、それらを組み合わせたもの、複数層配置したものなどが挙げられる。中でも、強化繊維基材としての生産性の観点から、クロスと一方向性繊維束が好ましく用いられる。強化繊維は、同一の形態の複数本の繊維束から構成されていても、あるいは、異なる形態の複数本の繊維束から構成されていても良い。一つの強化繊維束を構成する強化繊維数は、通常、300〜48,000であるが、基材の製造を考慮すると、好ましくは、300〜24,000であり、より好ましくは、1,000〜12,000である。
ここで、連続した強化繊維束(B)とは、少なくとも一方向に、10mm以上の長さにわたり連続した多数本の強化繊維から構成されている。強化繊維(B)は、成形する繊維強化複合材料の長さ方向の全長さにわたり、あるいは、成形する繊維強化複合材料の幅方向の全幅にわたり、連続している必要はなく、途中で分断されていても良い。
また、強化繊維束(B)の繊維素材としては、例えば、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維や黒鉛繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、PBO繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維、および、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維などがある。なかでも比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が好ましく使用される。これらは、単独または2種以上併用して用いられる。これらの繊維素材は、表面処理が施されているものであっても良い。表面処理としては、金属の被着処理、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などが挙げられる。
また、本発明に用いられる未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド、ビスマレイミドおよびシアネートエステル等が挙げられ、これらの共重合体、変性体およびこれらの少なくとも2種をブレンドした樹脂も使用することができる。未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)には、衝撃性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分が添加されていても良い。
本発明では、未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)として、特に、成形品の力学特性の観点から、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。さらにエポキシ樹脂は、その優れた力学特性を発現するために、未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)の主成分として含まれることが好ましく、具体的には60重量%以上含まれることが好ましい。なお、ここで言う未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂とは、一般的に熱硬化性樹脂プリプレグなどに使用される程度の硬化度で、プレス成形時に軟化して金型形状に柔軟に沿うレベルの硬化度の熱硬化性マトリックス樹脂を意味し、硬化度が10%以下であれば差し支えなく、5%以下であることが望ましい。硬化度が評価困難な場合は、熱硬化性マトリックス樹脂の50℃における溶融粘度を指標としてもよく、50℃における溶融粘度が3000Pa・s以下のものを、本発明で用いられる未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)として差し支えない。望ましくは前記溶融粘度が1000Pa・s以下のものである。未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)の溶融粘度の評価法としては、例えば、動的粘弾性測定装置としてティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESにより、直径20mm径のパラレルプレートを用いて厚み1mmのサンプルを発生トルク0.005Jの条件での溶融粘度を50℃において測定することで確認できる。
以下、実施例に基づき、本発明の繊維強化複合材料の製造方法について、さらに具体的に説明する。まず、本発明で行った評価方法について説明する。
(1)熱硬化性プリプレグ(I)、シート状基材(II)および積層基材(III)の厚み評価
200mm角の各基材において、無作為に10ヶ所の基材厚みをノギスで測定し、その平均値を各基材の厚みとした。
(2)温度T1および温度T2の評価
評価用にシート上基材(II)を溶融プレス成形して直径20mmで厚み1mmの円柱状の粘度評価用サンプルを作製した。該サンプルを動的粘弾性測定装置としてティー・エイ・インスツルメント社製動的粘弾性測定装置ARESを用いて、直径20mmのパラレルプレートを用い、平行平板間の距離1.0mm、測定周波数0.5Hz、発生トルク0.005Jの条件下で、温度を変化させながら複素粘性率ηを測定し、得られた複素粘性率ηを溶融粘度として採用した。測定は、該サンプルの溶融粘度が5×10Pa・sとなる温度まで昇温させてから、次いで5℃/分の速度で降温させていき、溶融粘度がη2となる温度T2を、次いで溶融粘度がη1となる温度T1を測定した。
(3)厚み方向に連続したプリプレグ層厚み評価
各実施例の積層基材(III)の積層構成および、使用したプリプレグ厚みをもとに連続したプリプレグ層厚みを算出した。
(4)成形品の形状追従性評価
図1および図2に、実施例1〜6および比較例1〜3において繊維強化複合材料を成形した箱型の成形品の模式図を示す。図8に実施例7、10、11において成形した波板状の成形品の模式図を示す。図9に実施例8において成形した3面角形状の成形品の模式図を示す。図10に実施例9、12、13において成形した円筒深絞り形状の成形品の模式図を示す。箱形状、波板状、3面角形状および円筒深絞り形状の角R部分を切断する状態(図2、図8、図9、図10中の網掛2部分)で成形品を切り出し、成形品断面を湿式研磨して観察用サンプルを作製した。光学顕微鏡を用いて400倍の倍率で角R部における樹脂溜まりの状態を成形品10個に対して観察した。図3に成形品断面の模式図を示す。各成形品の観察個所において最も厚い熱硬化性マトリックス樹脂溜まり厚み(図3中の5部分)を測定し、その平均を樹脂溜まりの厚みとした。該樹脂溜まりの厚みが10μm未満であるものを二重丸、10μm以上20μm未満を○、20μm以上のものを×とした。
(5)上下金型の表面温度評価
上金型における、箱型の成形品の角部分に相当する4ヶ所、および箱形の成形品の底部分に相当する平面の中央部分の温度を、熱電対を用いて測定し、得られた5ヶ所の測定結果の平均値を上金型の表面温度とした。同様に下金型における、箱型の成形品の角部分に相当する4ヶ所、および箱形の成形品の底部分に相当する平面の中央部分の温度を、熱電対を用いて測定し、得られた5ヶ所の測定結果の平均値を下金型の表面温度とした。波形状の金型については3ヶ所ある折り曲げR部の長さ方向の中央部分と、4面存在する平面の中央部分の温度を測定した。3面角形状の金型については、R部の角部分1ヶ所と、3面存在する平面の中央部分の温度を測定した。円筒深絞り形状の金型については円筒側面部分の深さ方向中央部分を円周方向90°毎に4ヶ所測定し、円筒底面と円筒側面とで形成されるR部についても円周方向90°毎に4ヶ所測定した。
評価結果を表1および表2に示す。
(実施例1)
東レ(株)製“トレカ”(登録商標)を用いた一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12(特性は、下記のとおりである。)と、あらかじめ三井化学(株)製“QE510”(登録商標)(無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂)を200℃にてプレス成形して作製した厚み40μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムを、所定の大きさ(200×200mm)にカットし、それらを上から順にプリプレグ(繊維方向0°)、フィルム、プリプレグ(繊維方向90°)、フィルム、プリプレグ(繊維方向90°)、フィルム、プリプレグ(繊維方向0°)となるように4枚の一方向炭素繊維プリプレグと3枚の変性ポリオレフィン樹脂フィルムを積層した。次に、145℃に温調された箱型成形品用のプレス成形金型にそのプリプレグ積層基材をセットし、予熱を0.5分間おこなった。その後1MPaの圧力をかけながら145℃の温度で30分間加熱硬化させて、箱型の成形品を得た。
<一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12の特性>
・炭素繊維:東レ(株)製“トレカ”(登録商標)T700S
(弾性率:230GPa、強度:4900MPa)
・炭素繊維目付:125(g/m
・樹脂:エポキシ樹脂
・繊維重量含有率(Wf):67%。
(実施例2)
予熱を3分間おこなった以外は実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
(実施例3)
厚み40μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムの代わりに、厚み120μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
(実施例4)
一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12の代わりに、一方向炭素繊維プリプレグP3052S−17(特性は下記の通りである)を用いて、厚み40μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムの代わりに、厚み10μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
<一方向炭素繊維プリプレグP3052S−17の特性>
・炭素繊維:東レ(株)製“トレカ”(登録商標)T700S
(弾性率:230GPa、強度:4900MPa)
・炭素繊維目付:175(g/m
・樹脂:エポキシ樹脂
・繊維重量含有率(Wf):67%。
(実施例5)
厚み40μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムの代わりに、三井化学(株)製“QE510”(登録商標)(無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂)を押出機で加熱溶融した状態でエアーブローにて吹き出して作製した、平均の単繊維直径10μm、目付40g/m、厚み40μmの変性ポリオレフィン樹脂不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
(実施例6)
厚み40μmの変性ポリオレフィン樹脂フィルムの代わりに、東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM4000(共重合ナイロン樹脂)を200℃にてプレス成形して作製した厚み40μmの共重合ナイロン樹脂フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
(実施例7)
波板状の金型を用いた以外は実施例1と同様にして波板状の成形品を得た。
(実施例8)
3面角形状の金型を用いた以外は実施例1と同様にして3面角形状の成形品を得た。
(実施例9)
円筒深絞り形状の金型を用いた以外は実施例1と同様にして円筒深絞り形状の成形品を得た。
(実施例10)
R部の曲率半径が0.01mmの波板状の金型を用いた以外は実施例7と同様にして波板状の成形品を得た。
(実施例11)
使用するプリプレグ(I)およびシート状基材(II)を予め金型の波形状に沿うように1枚ずつ折り曲げてから積層し、金型の波形状に沿った波形状の積層基材(III)を作製する工程をおこなった以外は実施例7と同様にして波板状の成形品を得た。
(実施例12)
深絞り部の深さDが40mm、開口部の最大長さLが30mmの円筒深絞り形状の金型を用いた以外は実施例9と同様にして円筒深絞り形状の成形品を得た。
(実施例13)
プリプレグ(I)およびシート状基材(II)を1500×1500mmの大きさで積層して積層基材(III)を作製し、金型に深絞り部の深さDが350mm、開口部の最大長さLが400mmの円筒深絞り形状の金型を用いた以外は実施例12と同様にして円筒深絞り形状の成形品を得た。
(比較例1)
東レ(株)製“トレカ”(登録商標)を用いた一方向炭素繊維プリプレグP3052S−12(特性は、上記のとおりである。)を、所定の大きさ(200×200mm)にカットし、それらを上から順にプリプレグ(繊維方向0°)、プリプレグ(繊維方向90°)、プリプレグ(繊維方向0°)、プリプレグ(繊維方向90°)、プリプレグ(繊維方向0°)となるように5枚の一方向炭素繊維プリプレグを積層した。次に、145℃に温調された箱型成形品用のプレス成形金型にそのプリプレグ積層基材をセットし、予熱を0.5分間おこなった。その後1MPaの圧力をかけながら145℃の温度で30分間加熱硬化させて、箱型の成形品を得た。
(比較例2)
箱型成形品用のプレス成形金型を120℃に温調したこと以外は、実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
(比較例3)
箱型成形品用のプレス成形金型を180℃に温調したこと以外は、実施例1と同様にして箱型の成形品を得た。
Figure 0005332225
Figure 0005332225
上記のように、実施例1〜6では箱型成形品の角R部における賦形性(形状追従性)が良好であった。また実施例7〜10、12、13においても金型のR部における賦形性(形状追従性)は良好であった。実施例11では予め積層基材(III)を金型に賦形する工程を用いたが、金型のR部における賦形性(形状追従性)は良好であった。一方、比較例1では熱可塑性樹脂からなるシート状基材がないために内外層格差を緩和できず、また比較例2、3ではプレス成形用の上下金型の表面温度Tが熱可塑性樹脂からなるシート状基材の流動性を適切に調整できなかったために、箱型成形品の角R部における賦形性(形状追従性)が不良であった。
繊維強化複合材料を成形した箱型の成形品の模式図 繊維強化複合材料を成形した箱型の成形品のR部断面観察部位を示す模式図 繊維強化複合材料を成形した箱型の成形品のR部断面の模式図 U字型成形品用の金型の模式図 波形状成形品用の金型の模式図 3面立ち壁の角部を有する金型の模式図 深絞り部が存在する金型の模式図 波形状成形品の模式図 3面角形状成形品の模式図 円筒深絞り形状成形品の模式図
符号の説明
1:繊維強化複合材料を成形した箱型の成形品
2:繊維強化複合材料を成形した箱型の成形品のR部断面観察部位
3:炭素繊維
4:熱硬化性マトリックス樹脂溜まり
5:最も厚い熱硬化性マトリックス樹脂溜まり厚み
6:U字型成形品用の金型の屈曲部位
7:波形状成形品用の金型の屈曲部位
8:3面角形状成形品用の金型の角部分
9:金型表面の深絞り部の開口部
D:深絞り部の深さ
L:深絞り部の開口部の最大長さ

Claims (16)

  1. 未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂(A)を連続した強化繊維束(B)に含浸させて得たプリプレグ(I)と、熱可塑性樹脂(C)からなるシート状基材(II)とを用いる複合材料の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜(c)の工程を含む複合材料の製造方法。
    (a)複数のプリプレグ(I)とシート状基材(II)とを、該シート状基材(II)が該プリプレグ(I)の少なくとも1つの層間に存在するように積層して積層基材(III)を作製する工程。
    (b)プレス成形用の上下金型の表面を、下式(1)を満足する温度Tに調整して、前記積層基材(III)を該上下金型の内部に配置する工程。
    式(1):T1≦T≦T2
    T1:直径20mm径パラレルプレートによる発生トルク0.005Jでのシート状基材(II)の溶融粘度η1が1×10Pa・sとなる温度。
    T2:直径20mm径パラレルプレートによる発生トルク0.005Jでのシート状基材(II)の溶融粘度η2が1×10Pa・sとなる温度。
    (c)前記上下金型を型締めして、所望の形状に成形硬化する工程。
  2. 前記シート状基材(II)の厚みが5〜100μmである、請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  3. 前記工程(b)と前記工程(c)の間に、前記シート状基材(II)を軟化させるための予熱工程を含む、請求項1または2に記載の複合材料の製造方法。
  4. 前記予熱工程の時間が10秒以上5分以内である、請求項3に記載の複合材料の製造方法。
  5. 前記積層基材(III)において、厚み方向に連続して存在するプリプレグ(I)の厚みが0.05〜0.5mmである、請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  6. 前記積層基材(III)を構成するプリプレグ(I)のトータル層厚み(LI)と、熱可塑性樹脂(C)からなるシート状基材(III)のトータル層厚み(LII)の比LI/LIIが1〜20である、請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  7. 前記上下金型が、少なくとも1つ以上のR部を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  8. 前記R部のうちの少なくとも1つが、2つの略平面よりなる折り曲げ部の形状で形成されている、請求項7に記載の複合材料の製造方法。
  9. 前記R部のうちの少なくとも1つが、3つの略平面よりなる角部の形状に形成されている、請求項7または8に記載の複合材料の製造方法。
  10. 前記R部のうちの少なくとも1つが、深絞り形状で形成されている、請求項7〜9のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  11. 前記深絞り部の深さDと前記深絞り部の開口部の最大長さLとの比D/Lが0.1〜1である、請求項10に記載の複合材料の製造方法。
  12. 前記深絞り部の深さDが5〜300mmである、請求項10または11に記載の複合材料の製造方法。
  13. 前記R部の曲率半径が0.1〜10mmである、請求項7〜12のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  14. 前記積層基材(III)が実質的に凹凸のない平面形状である、請求項1〜13のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  15. 前記積層基材(III)の厚みが0.2〜3mmである、請求項1〜14のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  16. 前記連続した強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜15のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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