JP2020049925A - 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグを用いて、加熱プレス成形によって複雑形状の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造する方法を提供する。【解決手段】ベース部2と、前記ベース部2の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部3と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の製造方法であって、非強化熱可塑性樹脂層5と、前記非強化熱可塑性樹脂層5の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4と、を備える積層体6を準備する工程と、前記積層体6を加熱プレス成形によって、少なくとも前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の一部を突起状に塑性変形させて、前記リブ部3を形成する成形工程と、を含む、製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法に関する。より具体的には、ベース部と、ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法に関する。
近年、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維材料は、各種のマトリックス樹脂と複合化され、得られる繊維強化プラスチックは種々の分野・用途に広く利用されるようになってきた。そして、高度の機械的特性や耐熱性等を要求される航空・宇宙分野や、自動車、家電の筐体等の一般産業分野では、複雑な形状の部品や金属との複合部品に、炭素繊維とポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩ビ等の熱可塑性樹脂との複合材料を用いることが検討されている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂と炭素繊維とからなるチョップドストランドプリプレグ、及びこれを用いた繊維強化熱可塑性樹脂層が、成形板の機械的強度を向上できることが記載されている。
また、航空・宇宙分野や、自動車、家電の筐体等の一般産業分野で使用される成形体では、リブやボス等の突起部を有するものがある。このような成形体は、信頼性の観点から高い強度が望まれる。該成形体は、リブの高さが高いほど強度補強効果が高いものであるが、基材として布状又は板状の複合材を用いた場合には、通常の加熱加圧成形(加熱プレス成形)のみでは賦形性に問題がある。また、圧縮成形と射出成形とのハイブリッド成形によって成形する方法も考案されているが、界面部分の機械強度が十分でない場合もある。
上記問題を解決するために、特許文献2には、連続強化繊維と熱可塑性樹脂とからなるプリプレグを原料として、プリプレグの板材から突状部を備える複雑形状の成形品を得るための圧縮成形方法が記載されている。また、実施例では、連続強化繊維としてガラス繊維を用いたプリプレグから成形品を得るための圧縮成形方法が記載されている。
本発明者等は鋭意検討の結果、特許文献2に記載の圧縮成形方法を炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の成形に用いると、炭素繊維はガラス繊維に比べて繊維間距離が狭く、熱可塑性樹脂の含浸性が低いことから、ガラス繊維のプリプレグを使用する場合と同様に、成形品を得ることができないという問題を見出した。
よって、本発明の目的は、炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグを用いて、加熱プレス成形によって複雑形状の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造する方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題に鑑み、非強化熱可塑性樹脂層と、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を加熱プレス成形することで上記課題を解決できることを見出した。即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]ベース部と、前記ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法であって、
非強化熱可塑性樹脂層と、前記非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備する工程と、
前記積層体を加熱プレス成形によって、少なくとも前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を突起状に塑性変形させて、前記リブ部を形成する成形工程と、
を含む、製造方法。
非強化熱可塑性樹脂層と、前記非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備する工程と、
前記積層体を加熱プレス成形によって、少なくとも前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を突起状に塑性変形させて、前記リブ部を形成する成形工程と、
を含む、製造方法。
[2]前記成型工程において、前記非強化熱可塑性樹脂層及び前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を一体的に突起状に塑性変形させて、前記リブ部を形成する、[1]に記載の製造方法。
[3]前記プリプレグが、繊維軸方向で、5〜100mmの長さである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記非強化熱可塑性樹脂層が、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記リブ部の高さが、10mm以上100mm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記ベース部の厚さが、1mm以上40mm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記加熱プレス成形が、絞り金型を使用する、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記準備工程が、加圧下で予備加熱を行うことを含み、前記加熱プレス成形が、前記予備加熱よりも高い圧力で行われる、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]前記積層体が、前記非強化熱可塑性樹脂層と、前記非強化熱可塑性樹脂層の両面に設けられた前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記積層体が、前記リブ部が形成される面と反対側の面の上に金属層を更に備える、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]前記成形工程後に、前記リブ部が形成された面と反対側の面に金属層を接合する接合工程を更に含む、[1]〜[9]に記載の製造方法。
本発明によれば、炭素繊維と熱可塑性樹脂とを含むプリプレグを用いて、加熱プレス成形によって複雑形状の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を高い生産性で製造することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施する好ましい形態の一例について説明する。ただし、下記の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではない。
<炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法>
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の製造方法の一例の断面図である。図1に示すように、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の製造方法は、非強化熱可塑性樹脂層5と、非強化熱可塑性樹脂層5の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4と、を備える積層体6を準備する工程と、積層体6を加熱プレス成形によって、少なくとも炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の一部を突起状に塑性変形させて、リブ部3を形成する成形工程と、を含む。また、本発明の製造方法は、成形工程後に、リブ部が形成された面と反対側の面に金属層を接合する接合工程を更に含んでもよい。本発明の製造方法により、ベース部と、ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の製造方法の一例の断面図である。図1に示すように、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の製造方法は、非強化熱可塑性樹脂層5と、非強化熱可塑性樹脂層5の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4と、を備える積層体6を準備する工程と、積層体6を加熱プレス成形によって、少なくとも炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の一部を突起状に塑性変形させて、リブ部3を形成する成形工程と、を含む。また、本発明の製造方法は、成形工程後に、リブ部が形成された面と反対側の面に金属層を接合する接合工程を更に含んでもよい。本発明の製造方法により、ベース部と、ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
<準備工程>
本発明の製造方法における準備工程は、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備する工程である。準備工程では、複数のプリプレグをランダムに置いて予め一体化させた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層とを積層して、積層体を準備してもよい。また、準備工程では、複数のプリプレグをランダムな方向に置いて一体化していない積層物を作製し、該積層物と非強化熱可塑性樹脂層とを積層して、積層体を準備してもよい。さらに、これらを予備加熱することで該積層物を一体化して炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を形成して、積層体を準備してもよい。すなわち、準備工程では、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、積層物を一体化して得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備してもよい。準備工程では、上記非強化熱可塑性樹脂層の上に更に炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を積層するか、又は上記非強化熱可塑性樹脂層の上に更に複数のプリプレグをランダムな方向に置いて積層体を準備してもよい。また、これを予備加熱することで上記非強化熱可塑性樹脂層の上下の積層物を一体化して積層体を準備してもよい。さらに、リブ部が形成される面と反対側の面の上に金属層を更に備える、積層体を準備してもよいし、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層間、あるいは、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と非強化熱可塑性樹脂層との間に金属層を更に備える、積層体を準備してもよい。
本発明の製造方法における準備工程は、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備する工程である。準備工程では、複数のプリプレグをランダムに置いて予め一体化させた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層とを積層して、積層体を準備してもよい。また、準備工程では、複数のプリプレグをランダムな方向に置いて一体化していない積層物を作製し、該積層物と非強化熱可塑性樹脂層とを積層して、積層体を準備してもよい。さらに、これらを予備加熱することで該積層物を一体化して炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を形成して、積層体を準備してもよい。すなわち、準備工程では、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、積層物を一体化して得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備してもよい。準備工程では、上記非強化熱可塑性樹脂層の上に更に炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を積層するか、又は上記非強化熱可塑性樹脂層の上に更に複数のプリプレグをランダムな方向に置いて積層体を準備してもよい。また、これを予備加熱することで上記非強化熱可塑性樹脂層の上下の積層物を一体化して積層体を準備してもよい。さらに、リブ部が形成される面と反対側の面の上に金属層を更に備える、積層体を準備してもよいし、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層間、あるいは、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と非強化熱可塑性樹脂層との間に金属層を更に備える、積層体を準備してもよい。
(予備加熱)
本発明の製造方法における準備工程では、予備加熱を行ってもよい。予備加熱を行うことにより、上記した積層物を一体化して炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を得ることができる。また、予備加熱を行うことにより、積層体に含まれる熱可塑性樹脂を予め溶融し、下記で説明する加熱プレス成形で、リブ部を容易に形成することができる。予備加熱は、例えば、下記で説明する金型の上で行うことが好ましい。予備加熱を金型の上で行うことにより、後の成形工程を続けて行うことができる。
本発明の製造方法における準備工程では、予備加熱を行ってもよい。予備加熱を行うことにより、上記した積層物を一体化して炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を得ることができる。また、予備加熱を行うことにより、積層体に含まれる熱可塑性樹脂を予め溶融し、下記で説明する加熱プレス成形で、リブ部を容易に形成することができる。予備加熱は、例えば、下記で説明する金型の上で行うことが好ましい。予備加熱を金型の上で行うことにより、後の成形工程を続けて行うことができる。
予備加熱温度は、積層物に含まれる熱可塑性樹脂、又は積層体に含まれる熱可塑性樹脂が溶融する温度であれば特に限定はされないが、180〜310℃であることが好ましく、より好ましくは185〜305℃であり、更に好ましくは190〜300℃であり、下記で説明する加熱プレス成形における加熱温度と同じ温度であることが特に好ましい。
また、予備加熱の際に、積層物を加圧してもよい。加圧することにより、効率的に積層物を加熱することができる。加圧する場合、圧力は0.1〜10MPaであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5MPaであり、更に好ましくは1〜3MPaである。
予備加熱の時間は、積層物に含まれる熱可塑性樹脂が溶融して炭素繊維強化熱可塑性樹脂層が得られる時間、又は積層体に含まれる熱可塑性樹脂が溶融する時間であれば特に限定されないが、1分以上であることが好ましく、より好ましくは3分以上であり、更に好ましくは5分以上である。
(積層体)
積層体は、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える。また、積層体は、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の両面に設けられた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備えてもよい。すなわち、積層体は、3層以上から構成されてもよい。さらに、積層体は、リブ部が形成される面と反対側の面の上に金属層を更に備えてもよいし、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層間、あるいは、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と非強化熱可塑性樹脂層との間に金属層を更に備えてもよい。以下、積層体の構成要素について説明する。
積層体は、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える。また、積層体は、非強化熱可塑性樹脂層と、非強化熱可塑性樹脂層の両面に設けられた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備えてもよい。すなわち、積層体は、3層以上から構成されてもよい。さらに、積層体は、リブ部が形成される面と反対側の面の上に金属層を更に備えてもよいし、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層間、あるいは、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と非強化熱可塑性樹脂層との間に金属層を更に備えてもよい。以下、積層体の構成要素について説明する。
(非強化熱可塑性樹脂層)
非強化熱可塑性樹脂層は、強化繊維を含まない。本発明において「強化繊維」とは、例えば、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ボロン繊維等の金属繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられ、機械的強度の向上を目的とする繊維である。本発明において「強化繊維を含まない」とは、非強化熱可塑性樹脂層に含まれる強化繊維の含有量が0質量%であるという意味ではなく、設備中の残留物等によって、機械強度の向上に寄与しない範囲で、不可避的な強化繊維を含み得るという意味である。
非強化熱可塑性樹脂層は、強化繊維を含まない。本発明において「強化繊維」とは、例えば、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ボロン繊維等の金属繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられ、機械的強度の向上を目的とする繊維である。本発明において「強化繊維を含まない」とは、非強化熱可塑性樹脂層に含まれる強化繊維の含有量が0質量%であるという意味ではなく、設備中の残留物等によって、機械強度の向上に寄与しない範囲で、不可避的な強化繊維を含み得るという意味である。
非強化熱可塑性樹脂層は、1枚のシートのみから構成されても、複数枚のシートから構成されてもよい。非強化熱可塑性樹脂層が複数枚のシートから構成されている場合は、同一の熱可塑性樹脂を含む複数枚のシートを用いても、異なる熱可塑性樹脂を含む複数枚のシートから構成されてもよい。非強化熱可塑性樹脂層の厚さは、後述するリブ部の高さ及びベース部の厚さによって異なるが、0.3〜10mmであることが好ましく、より好ましく0.5〜8mmであり、更に好ましくは1〜5mmである。
本発明の非強化熱可塑性樹脂層は、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。非強化熱可塑性樹脂層が、上記から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことにより、リブ部を容易に形成し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を高い生産性で得ることができる。非強化熱可塑性樹脂層は、ポリアミド、ポリオレフィンから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことがより好ましく、この中でも、ポリオレフィンを含むことが特に好ましい。また、後述の炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と同種の樹脂を用いることが好ましい。
ポリオレフィンとしては、特に限定されず、従来公知のポリオレフィンを用いることができる。ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ブテン単独重合体、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの単独重合体または共重合体などが挙げられる。好ましくは、ポリプロピレンである。より好ましくは、上記ポリプロピレンとして、MFR(JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfの条件で測定)が、0.1〜5g/10分の範囲にあるポリプロピレンが用いられる。その場合には、成形性と、強度とをより一層高いレベルで両立することができる。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、メタキシリレンジアミン骨格を有する芳香族ポリアミドなどが挙げられる。好ましくはナイロン6である。
ポリ塩化ビニルとしては、ポリ塩化ビニルだけでなく、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン塩ビ共重合体、酢酸ビニル塩ビ共重合体、αオレフィン塩ビ共重合体、マレイン酸塩ビ共重合体も用いることができる。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、メタキシリレンジアミン骨格を有する芳香族ポリアミドなどが挙げられる。好ましくはナイロン6である。
ポリ塩化ビニルとしては、ポリ塩化ビニルだけでなく、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン塩ビ共重合体、酢酸ビニル塩ビ共重合体、αオレフィン塩ビ共重合体、マレイン酸塩ビ共重合体も用いることができる。
(炭素繊維強化熱可塑性樹脂層)
炭素繊維強化熱可塑性樹脂層は、複数のプリプレグをランダムに配置することでランダム配向がなされた層である。複数のプリプレグをランダムに配向(配置)させることにより、リブ部を容易に形成し、繊維強化熱可塑性樹脂複合材を高い生産性で得ることができる。炭素繊維強化熱可塑性樹脂層は、複数のプリプレグをランダムな方向に置いて予め一体化したものであってもよい。プリプレグを一体化させる方法としては、加熱・加圧、又は間欠熱プレスし、プリプレグに含まれる熱可塑性樹脂を溶融して一体化する方法があり、例えば、ベルトプレスにより加熱冷却を連続して行う方法、遠赤外線ヒータ方式や電磁誘導方式やジュール加熱方式によって予熱した後、冷却プレスする方法、あるいは加熱冷却プレスを用いる回分式等が挙げられる。但し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層は、複数のプリプレグをランダムな方向に置き、一体化していない積層物を上記した準備工程で一体化したものであってもよい。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂層は、複数のプリプレグをランダムに配置することでランダム配向がなされた層である。複数のプリプレグをランダムに配向(配置)させることにより、リブ部を容易に形成し、繊維強化熱可塑性樹脂複合材を高い生産性で得ることができる。炭素繊維強化熱可塑性樹脂層は、複数のプリプレグをランダムな方向に置いて予め一体化したものであってもよい。プリプレグを一体化させる方法としては、加熱・加圧、又は間欠熱プレスし、プリプレグに含まれる熱可塑性樹脂を溶融して一体化する方法があり、例えば、ベルトプレスにより加熱冷却を連続して行う方法、遠赤外線ヒータ方式や電磁誘導方式やジュール加熱方式によって予熱した後、冷却プレスする方法、あるいは加熱冷却プレスを用いる回分式等が挙げられる。但し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層は、複数のプリプレグをランダムな方向に置き、一体化していない積層物を上記した準備工程で一体化したものであってもよい。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の厚さは、下記で説明するリブ部の高さ及びベース部の厚さによって異なるが、0.5〜10mmであることが好ましく、より好ましくは1〜8mmであり、更に好ましくは2〜6mmである。
(プリプレグ)
プリプレグは、熱可塑性樹脂と炭素繊維とを含む。プリプレグとは、一方向配列の炭素繊維の束に熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として含浸させ、例えば、5〜100mm程度の繊維軸方向の長さに切断した小片を意味する。
プリプレグは、熱可塑性樹脂と炭素繊維とを含む。プリプレグとは、一方向配列の炭素繊維の束に熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として含浸させ、例えば、5〜100mm程度の繊維軸方向の長さに切断した小片を意味する。
プリプレグに含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン及びポリプロピレン酸変性物、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン塩ビ共重合体、酢酸ビニル塩ビ共重合体、αオレフィン塩ビ共重合体、マレイン酸塩ビ共重合体、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族又は脂肪族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフェニレンサルファイド樹脂なる群から選択される樹脂が挙げられ、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
プリプレグは、炭素繊維体積含有率(Vf)が10%〜60%であってもよい。炭素繊維体積含有率(Vf)を10%〜60%にすることにより、樹脂の含浸を十分にすることができ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を高い生産性で得ることができる。炭素繊維体積含有率(Vf)の上限値は、好ましくは55%以下であり、より好ましくは50%以下である。一方、炭素繊維体積含有率(Vf)の下限値は、好ましくは15%以上であり、より好ましくは20%以上である。
プリプレグは、繊維方向で、5〜100mmの長さであってもよい。プリプレグの長さを5〜100mmにすることで、リブ部を容易に形成し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を高い生産性で得ることができる。プリプレグの長さの上限値は、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは45mm以下であり、更に好ましくは40mm以下であり、特に好ましくは35mm以下である。一方、プリプレグの長さの下限値は、好ましくは10mm以上であり、より好ましくは15mm以上であり、更に好ましくは20mm以上であり、特に好ましくは25mm以上である。
プリプレグの厚さは、下記で説明するリブ部の高さ及びベース部の厚さによって異なるが、0.03〜0.40mmであることが好ましい。プリプレグの厚さの上限値は、好ましくは0.35mm以下であり、より好ましくは0.30mm以下である。一方、プリプレグの厚さの下限値は、好ましくは0.04mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上である。
プリプレグの幅は、ベース部及びリブ部の大きさや形状によって異なるが、繊維軸方向と略直行で、2.0mm〜30.0mmであることが好ましい。プリプレグの幅の上限値は、好ましくは25.0mm以下であり、より好ましくは20.0mm以下である。一方で、プリプレグの幅の下限値は、好ましくは5.0mm以上である。
プリプレグに含まれる炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維等が挙げられる。
炭素繊維の繊維径は、6μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましい。炭素繊維の繊維径は、30μm以下が好ましく、27μm以下がより好ましい。なお、本発明において、繊維径とは、繊維の長さ方向に直交する方向に沿った断面において、この断面を包囲し得る最小径の真円の直径をいう。
プリプレグは、炭素繊維束から製造することができる。炭素繊維束は、複数の炭素繊維(単繊維)が集まって束となっている。炭素繊維束を構成している炭素繊維の本数は、1000〜50000本が好ましい。
炭素繊維がシート状である場合、炭素繊維の目付は、100〜400g/m2が好ましい。炭素繊維の目付が100g/m2以上であると、炭素繊維束を用いて得られたプリプレグの機械的強度が向上する。炭素繊維の目付が400g/m2以下であると、炭素繊維間に熱可塑性樹脂を均一に含浸させることができ、炭素繊維束を用いて得られたプリプレグの機械的強度が向上する。
(金属層)
金属層は、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びこれらの合金、並びに高張力鋼材等が挙げられる。この中でも、質量、機械的強度及び熱可塑性樹脂との接合性の観点から、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金であることが好ましい。中でもアルミニウム合金を用いる際には、樹脂との接着力を上げるために、表面に微細な凹凸をつけるアルマイト処理などの化成処理や、接着力を上げるために接着剤によるプライマー処理を行ってもよい。
高張力鋼材はハイテンと呼ばれる鋼材で、密度は鋼材同等であるが、機械的強度に優れるため鋼材厚みを低減できる特徴がある。また、接着力を向上させる処理は必要でなく、表面の脱脂処理だけで接着力が担保できる。
金属層は、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びこれらの合金、並びに高張力鋼材等が挙げられる。この中でも、質量、機械的強度及び熱可塑性樹脂との接合性の観点から、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金であることが好ましい。中でもアルミニウム合金を用いる際には、樹脂との接着力を上げるために、表面に微細な凹凸をつけるアルマイト処理などの化成処理や、接着力を上げるために接着剤によるプライマー処理を行ってもよい。
高張力鋼材はハイテンと呼ばれる鋼材で、密度は鋼材同等であるが、機械的強度に優れるため鋼材厚みを低減できる特徴がある。また、接着力を向上させる処理は必要でなく、表面の脱脂処理だけで接着力が担保できる。
金属層の厚さは、質量及び機械的強度の観点から、0.01〜20mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜5mmであり、更に好ましくは0.2〜4mmであり、特に好ましくは0.5〜2mmである。
<成形工程>
本発明の製造方法における成形工程は、積層体を加熱プレス成形によって、少なくとも炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を突起状に塑性変形させて、リブ部を形成する工程である。成形工程によって、積層体から、ベース部と、ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得ることができる。また、成形工程においては、金型の凹部内に、事前に成形した金属層を配置し、リブ部の成形と同時に金属層との接合を行う、所謂、インサート成形より金属層を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得ることができる。成形工程は、加熱プレス成形後に冷却プレス成形を含んでもよい。
本発明の製造方法における成形工程は、積層体を加熱プレス成形によって、少なくとも炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を突起状に塑性変形させて、リブ部を形成する工程である。成形工程によって、積層体から、ベース部と、ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得ることができる。また、成形工程においては、金型の凹部内に、事前に成形した金属層を配置し、リブ部の成形と同時に金属層との接合を行う、所謂、インサート成形より金属層を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得ることができる。成形工程は、加熱プレス成形後に冷却プレス成形を含んでもよい。
(加熱プレス成形)
加熱プレス成形では、図1に示すように、積層体6を、凸部8及び凹部9を備える第1の金型7と、第2の金型10とを用いて加熱プレス成形し、少なくとも炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の一部を塑性変形させて、突起状のリブ部3を成形することができる。すなわち、積層体6を、第1の金型7と第2の金型10とで加熱プレスすると、第1の金型7の凸部8によって積層体6の一部が強く加圧され、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の炭素繊維及び熱可塑性樹脂、又は炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の炭素繊維及び熱可塑性樹脂並びに非強化熱可塑性樹脂層5の熱可塑性樹脂が凹部9側(凹部9内)に流動することにより、突起上のリブ部3を形成することができる。また、加熱プレス成形では、突起状のリブ部を容易に形成することができることから、絞り金型を使用することが好ましい。
加熱プレス成形では、図1に示すように、積層体6を、凸部8及び凹部9を備える第1の金型7と、第2の金型10とを用いて加熱プレス成形し、少なくとも炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の一部を塑性変形させて、突起状のリブ部3を成形することができる。すなわち、積層体6を、第1の金型7と第2の金型10とで加熱プレスすると、第1の金型7の凸部8によって積層体6の一部が強く加圧され、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の炭素繊維及び熱可塑性樹脂、又は炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の炭素繊維及び熱可塑性樹脂並びに非強化熱可塑性樹脂層5の熱可塑性樹脂が凹部9側(凹部9内)に流動することにより、突起上のリブ部3を形成することができる。また、加熱プレス成形では、突起状のリブ部を容易に形成することができることから、絞り金型を使用することが好ましい。
通常、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層のみを加熱プレス成形した場合には、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の炭素繊維間に含浸した熱可塑性樹脂の流動性が低いため、複雑形状の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得ることができない。本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法では、ランダム配向した様々な長さの複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、流動性に優れる非強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を加熱プレス成形することで、加熱プレス成形中の積層体に含まれる熱可塑性樹脂の流動性が向上し、加熱プレス成形のみであっても複雑形状を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を得ることができたと考えられる。
加熱プレス成形における加熱温度は、積層体に含まれる熱可塑性樹脂が溶融する温度であれば特に限定はされないが、180〜310℃であることが好ましく、より好ましくは185〜305℃であり、更に好ましくは190〜300℃である。本発明において、「加熱温度」とは、金型の温度を意味する。
加熱プレス成形の圧力は、0.5〜20MPaであることが好ましく、より好ましくは1〜15MPaであり、更に好ましくは2〜10MPaである。また、加熱プレス成形時の圧力は、上記圧力範囲内で段階的に変えてもよい。更に、加熱プレス成形は、予備加熱よりも高い圧力で行われることが好ましい。
加熱プレス成形の保持時間は、積層体に含まれる熱可塑性樹脂が溶融し、リブ部を形成することができる時間であれば特に限定はされないが、好ましい保持時間は、1分以上であり、より好ましくは3分以上であり、更に好ましくは5分以上である。
(冷却プレス成形)
本発明の製造方法における成形工程は、加熱プレス成形後に、冷却プレス成形を行ってもよい。冷却プレスを行うことにより、加熱プレス成形によって形成されたリブ部の形状を安定化させることができる。冷却プレス成形の圧力は、0.5〜20MPaであることが好ましく、より好ましくは1〜15MPaであり、更に好ましくは2〜10MPaである。
本発明の製造方法における成形工程は、加熱プレス成形後に、冷却プレス成形を行ってもよい。冷却プレスを行うことにより、加熱プレス成形によって形成されたリブ部の形状を安定化させることができる。冷却プレス成形の圧力は、0.5〜20MPaであることが好ましく、より好ましくは1〜15MPaであり、更に好ましくは2〜10MPaである。
冷却プレス成形における冷却方法は特に限定されないが、例えばプレス板内に流水を流し、そのプレス板で加熱プレス成形後の積層体を加圧する水冷方法が挙げられる。この場合、冷却温度の上限値はリブ部の形状を安定化させることができるという観点から、120℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下である。冷却温度の下限値は成形後の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を脱型しやすくする観点から、50℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上である。なお、冷却プレスの保持時間は、上記温度範囲に冷却するまでである。
(金型)
加熱プレス成形で使用される金型は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材のリブ部の形状に応じて変更が可能である。金型は、突起状のリブ部の成形を容易に成形することができることから、絞り金型であることが好ましい。例えば、図1に示されるように、断面が長方形の凹部9及び断面が平らな凸部8を有する第1の金型7と、断面が平らな第2の金型10との組み合わせ等が挙げられる。金型は、リブ部の数に応じて、凹部及び凸部を複数有するものであってもよい。また、金型の凹部の側面は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の脱型を容易にするために、1°〜2°の抜き勾配が設けられてもよい。傾き勾配とは、凸部の平らな面に垂直な方向を基準として、凹部の側面が、凹部の最深部から開放部に向かってどの程度外側に広がっているかを意味する。例えば、傾き勾配が凹部の4つの側面に設けられた場合には、凹部の最深部から開放部に向かって、凹部の断面積は徐々に大きくなる。
加熱プレス成形で使用される金型は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材のリブ部の形状に応じて変更が可能である。金型は、突起状のリブ部の成形を容易に成形することができることから、絞り金型であることが好ましい。例えば、図1に示されるように、断面が長方形の凹部9及び断面が平らな凸部8を有する第1の金型7と、断面が平らな第2の金型10との組み合わせ等が挙げられる。金型は、リブ部の数に応じて、凹部及び凸部を複数有するものであってもよい。また、金型の凹部の側面は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の脱型を容易にするために、1°〜2°の抜き勾配が設けられてもよい。傾き勾配とは、凸部の平らな面に垂直な方向を基準として、凹部の側面が、凹部の最深部から開放部に向かってどの程度外側に広がっているかを意味する。例えば、傾き勾配が凹部の4つの側面に設けられた場合には、凹部の最深部から開放部に向かって、凹部の断面積は徐々に大きくなる。
<接合工程>
接合工程は、成形工程後に、リブ部が形成された面と反対側の面に金属層を更に接合する工程であってもよい。接合工程は、例えば、ベース部と金属層と重ねて加熱し、プレスすることで、ベース部に金属層を接合することができる。接合工程の金属層は、上記した積層体の金属層と同様の金属層を用いることができる。
接合工程は、成形工程後に、リブ部が形成された面と反対側の面に金属層を更に接合する工程であってもよい。接合工程は、例えば、ベース部と金属層と重ねて加熱し、プレスすることで、ベース部に金属層を接合することができる。接合工程の金属層は、上記した積層体の金属層と同様の金属層を用いることができる。
接合工程における温度は、非強化熱可塑性樹脂層及び炭素繊維強化熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂が溶融する温度であれば特に限定はされないが、180〜310℃であることが好ましく、より好ましくは185〜305℃であり、更に好ましくは190〜300℃である。
接合工程におけるプレスの圧力は、0.5〜20MPaであることが好ましく、より好ましくは1〜15MPaであり、更に好ましくは2〜10MPaである。
接合工程には、ベース部と金属層を重ねて超音波発信コーンを押し当てて溶融加工する、超音波溶融法も適用できる。
<炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材>
本発明の製造方法により得られる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の一例について、図面を参照しながら説明する。図2は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の一例を示す概略斜視図である。図2に示すように、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1は、ベース部2と、ベース部2の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つのリブ部3と、を有する。
本発明の製造方法により得られる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の一例について、図面を参照しながら説明する。図2は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の一例を示す概略斜視図である。図2に示すように、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1は、ベース部2と、ベース部2の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つのリブ部3と、を有する。
図2に示すように、ベース部2上に設けられたリブ部3の形状は、第1方向d1に直交してベース部2に沿った第2方向d2に直線状に延在した形状であってもよいが、加熱プレス成形が可能であれば特に限定されず、例えば、直方体形状、立方体形状、円柱形状、円錐形状、三角柱形状、三角錐形状、四角錘形状及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。この中でも、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の強度補強効果の観点から、直方体形状であることが好ましい。しかし、目的とする成形品の強度を最適化する観点からリブ形状は選定され、限定されることはない。炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、複数のリブ部を備えてもよい。炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材が複数のリブ部を備える場合、リブ部は、ベース部の同一面上又は異なる面上に設けられてもよい。すなわち、リブ部は、ベース部の片面又は両面に設けられてもよい。また、金型の凹部の側面に上記した抜き勾配が設けられている場合には、これらのリブ部の側面には金型の抜き勾配に応じて、勾配が設けられる。すなわち、金型の抜き勾配が1°〜2°の際には、リブ部の側面には1°〜2°の勾配が設けられる。
図3は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の一例の断面図である。図3に示すように、ベース部2は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4と非強化熱可塑性樹脂層5とから構成されてもよい。リブ部3は、加熱プレス成形によって突起状に変形した炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4の一部から構成されてもよい。また、図3に示すように、ベース部2は、少なくとも1つの非強化熱可塑性樹脂層5と少なくとも2つの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4とから構成されてもよく、例えば、非強化熱可塑性樹脂層5の両面に、2つの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を備えるように構成させてもよい。炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、リブ部側の面、リブ部の設けられた面と反対側の面、又はベース部の内部に金属層を更に含んでもよい。
図4は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1の別の例の断面図である。図4に示すように、ベース部2は、図3に示すベース部2と同様の構成であってもよい。リブ部3は、突起状に変形した炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4と非強化熱可塑性樹脂層5の一部とから構成されてもよい。すなわち、加熱プレス成形によって炭素繊維強化熱可塑性樹脂層4だけではなく非強化熱可塑性樹脂層5も突起し、リブ部3を構成してもよい。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1において、リブ部の高さ11は、10mm以上100mm以下であることが好ましい。リブ部の高さ11を上記範囲にすることにより、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1を高い生産性で得ることができる。リブ部の高さ11は、より好ましくは2mm以上100mm以下、更に好ましくは25mm以上80mm以下であり、特に好ましくは30mm以上50mm以下である。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1において、ベース部の厚さ12は、1mm以上40mm以下であることが好ましい。リブ部の高さ11と同様に、ベース部の厚さ12を上記範囲にすることにより、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材1を高い生産性で得ることができる。ベース部の厚さ12は、より好ましくは2mm以上40mm以下であり、更に好ましくは2.5mm以上30mm以下であり、特に好ましくは3mm以上20mm以下である。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1−1]
炭素繊維にポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製 商品名「J108M」)を含浸したプリプレグ(繊維体積含有率(Vf)=35%)を繊維方向で30mm程度の長さに切断し、切断したプリプレグを、一体化した際にベース部にて高さが1.0mmになるように、後述する凹部を有する第1の金型内にランダムに置いて、一体化していない積層物を作製した。得られた積層物の上に厚さ2.0mmのポリプロピレン樹脂層(積水成型工業株式会社製 商品名「ポリセーム」)を置き、このポリプロピレン樹脂層の上に上記と同様にして、切断したプリプレグを、一体化した際にベース部の高さが1.0mmになるようにランダムに積層し、3層の積層体を作製した。
炭素繊維にポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製 商品名「J108M」)を含浸したプリプレグ(繊維体積含有率(Vf)=35%)を繊維方向で30mm程度の長さに切断し、切断したプリプレグを、一体化した際にベース部にて高さが1.0mmになるように、後述する凹部を有する第1の金型内にランダムに置いて、一体化していない積層物を作製した。得られた積層物の上に厚さ2.0mmのポリプロピレン樹脂層(積水成型工業株式会社製 商品名「ポリセーム」)を置き、このポリプロピレン樹脂層の上に上記と同様にして、切断したプリプレグを、一体化した際にベース部の高さが1.0mmになるようにランダムに積層し、3層の積層体を作製した。
得られた積層体を、8つの凹部(1.縦=65mm、横=4mm、深さ=30mm、2.縦=65mm、横=6mm、深さ=30mm、3.縦=65mm、横=8mm、深さ=30mm、4.縦=65mm、横=10mm、深さ=30mm、5.縦=65mm、横=4mm、深さ=50mm、6.縦=65mm、横=6mm、深さ=50mm、7.縦=65mm、横=8mm、深さ=50mm、8.縦=65mm、横=10mm、深さ=50mm)を有する第1の金型と、第2の金型とを用いて、加熱プレス成形した。第1の金型の温度は214℃であり、第2の金型の温度は213℃である。
まず、積層体を2MPaの圧力で10分間、次いで10MPaの圧力で10分間加熱プレス成形した。ベース部と、ベース部の一方の面に8つのリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材が得られた。各リブ部の高さは、第1の金型の凹部の深さとそれぞれ同じであり、ベース部の厚さは4mmであった。
まず、積層体を2MPaの圧力で10分間、次いで10MPaの圧力で10分間加熱プレス成形した。ベース部と、ベース部の一方の面に8つのリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材が得られた。各リブ部の高さは、第1の金型の凹部の深さとそれぞれ同じであり、ベース部の厚さは4mmであった。
[実施例1−2]
ポリプロプレン樹脂層を1.0mmにした以外は実施例1−1と同様に行った。得られた炭素繊維強化熱可塑樹脂複合材は、各リブ部の高さが、第1の金型の凹部の深さとそれぞれ同じであり、ベース部の厚さが3mmであった。
ポリプロプレン樹脂層を1.0mmにした以外は実施例1−1と同様に行った。得られた炭素繊維強化熱可塑樹脂複合材は、各リブ部の高さが、第1の金型の凹部の深さとそれぞれ同じであり、ベース部の厚さが3mmであった。
[実施例1−3]
炭素繊維にポリアミド(ナイロン6、三菱樹脂株式会社製 商品名「ダイアミロン」)を含浸したプリプレグ(繊維体積含有率(Vf)=55%)を繊維方向で30mm程度の長さに切断し、切断したプリプレグをランダムに配置して一体化した厚さ1.5mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を作製した。得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の上に厚さ1.0mmの前記ポリアミドの樹脂層を積層した。上記と同様に作製した厚さ1.5mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層をポリアミド樹脂層の上に更に積層し、268℃の平らな第2の金型の上で5分間予備加熱して積層体を準備した。
炭素繊維にポリアミド(ナイロン6、三菱樹脂株式会社製 商品名「ダイアミロン」)を含浸したプリプレグ(繊維体積含有率(Vf)=55%)を繊維方向で30mm程度の長さに切断し、切断したプリプレグをランダムに配置して一体化した厚さ1.5mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を作製した。得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の上に厚さ1.0mmの前記ポリアミドの樹脂層を積層した。上記と同様に作製した厚さ1.5mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層をポリアミド樹脂層の上に更に積層し、268℃の平らな第2の金型の上で5分間予備加熱して積層体を準備した。
第1の金型の温度を262℃、第2の金型の温度を268℃にしたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、得られた積層体を加熱プレス成形した。ベース部と、ベース部の一方の面に8つのリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材が得られた。各リブ部の高さは、第1の金型の凹部の深さとそれぞれ同じであり、ベース部の厚さは3.6mmであった。
[比較例1−1]
ポリプロピレン樹脂層を、実施例1−1で使用したプリプレグに置き換えたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。しかしながら、第1の金型の凹部への、ポリプロピレン樹脂及び炭素繊維の充填が完全にされておらず、得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材のリブ部の高さは、実施例1−1〜実施例1−3の70〜80%であった。
ポリプロピレン樹脂層を、実施例1−1で使用したプリプレグに置き換えたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。しかしながら、第1の金型の凹部への、ポリプロピレン樹脂及び炭素繊維の充填が完全にされておらず、得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材のリブ部の高さは、実施例1−1〜実施例1−3の70〜80%であった。
[実施例2−1]
本実施例では、底面250mm角、深さ20mmの凹部を有する第3の金型と、それに対応する凸部を有する第4の金型を用いた。炭素繊維にポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製 商品名「J108M」)を含浸したプリプレグ(繊維体積含有率(Vf)=35%)を、幅5mm、繊維方向で30mm程度の長さに切断し、切断したプリプレグを、一体化した際に厚さ1.0mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層となるように量を調節し、前記凹部を有する第3の金型内に、ランダムに配置した。得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の上に厚さ1.0mmのポリプロピレンの樹脂層(積水成型工業株式会社製 商品名「ポリセーム」)を積層した。ポリプロピレン樹脂層の上に、上記と同様に厚さ1.0mmになるよう炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を更にランダムに積層し、積層体を準備した。
本実施例では、底面250mm角、深さ20mmの凹部を有する第3の金型と、それに対応する凸部を有する第4の金型を用いた。炭素繊維にポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製 商品名「J108M」)を含浸したプリプレグ(繊維体積含有率(Vf)=35%)を、幅5mm、繊維方向で30mm程度の長さに切断し、切断したプリプレグを、一体化した際に厚さ1.0mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂層となるように量を調節し、前記凹部を有する第3の金型内に、ランダムに配置した。得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の上に厚さ1.0mmのポリプロピレンの樹脂層(積水成型工業株式会社製 商品名「ポリセーム」)を積層した。ポリプロピレン樹脂層の上に、上記と同様に厚さ1.0mmになるよう炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を更にランダムに積層し、積層体を準備した。
得られた積層体を、第3の金型と、第4の金型とを用いて、加熱プレス成形した。第3の金型および第4の金型の温度は、共に210℃である。
まず、積層体を2MPaの圧力で5分間、次いで10MPaの圧力で10分間加熱プレス成形した。その後、10MPaの圧力で、第3の金型と第4の金型の温度が80℃になるまで冷却プレス成形した。得られた成形体は3mm厚のプレートであった。
まず、積層体を2MPaの圧力で5分間、次いで10MPaの圧力で10分間加熱プレス成形した。その後、10MPaの圧力で、第3の金型と第4の金型の温度が80℃になるまで冷却プレス成形した。得られた成形体は3mm厚のプレートであった。
得られた成形体に対し、ISO 6603−2に準拠し、高速衝撃試験機(株式会社島津製作所製 HITS−PX)を用い、得られたプレートのパンクチャ衝撃試験を実施した。ストライカ径φ20mm、受け・押さえ径φ40mm、試験速度4.4m/secで実施した。試験片寸法は60mm角であった。試験片の最大衝撃力に到達するまでに吸収したエネルギーを測定し、5回平均値を取得した。結果を表1に示す。
また、JIS K 7171及びJIS K 7017に準拠し、精密万能試験機(株式会社島津製作所製 AG-IS 100kN)を用い、3点曲げ試験を行った。5kNのロードセルを使用した。試験片寸法については、大たわみ時の試験片の曲げ治具からのずり落ちを考慮し全長を100mmとし、また、CFRTPチョップのカット長30mmを考慮し、試験片の幅を30mmとした。支点間距離は規格通り板厚の16倍とした。上記方法によって、5試験体の評価を行い、その平均値表1に示す。
[比較例2−1]
ポリプロピレン樹脂層を、実施例2−1で使用した炭素繊維強化熱可塑性樹脂層にしたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で、厚さが3.0mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材のプレートを作製した。実施例2−1と同様に、パンクチャ衝撃試験及び3点曲げ試験を実施した。測定結果の平均値を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂層を、実施例2−1で使用した炭素繊維強化熱可塑性樹脂層にしたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で、厚さが3.0mmの炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材のプレートを作製した。実施例2−1と同様に、パンクチャ衝撃試験及び3点曲げ試験を実施した。測定結果の平均値を表1に示す。
[比較例2−2]
炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を、実施例2−1で使用したポリプロピレン樹脂層にしたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で、厚さが3.0mmのポリプロピレン樹脂のプレートを作製した。実施例2−1と同様に、3点曲げ試験を実施した。また、厚さが4.0mmのポリプロピレン樹脂のプレートを用いて、実施例2−1と同様にパンクチャ衝撃試験を行った。試験結果の平均値を表1に示す。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂層を、実施例2−1で使用したポリプロピレン樹脂層にしたこと以外は、実施例2−1と同様の方法で、厚さが3.0mmのポリプロピレン樹脂のプレートを作製した。実施例2−1と同様に、3点曲げ試験を実施した。また、厚さが4.0mmのポリプロピレン樹脂のプレートを用いて、実施例2−1と同様にパンクチャ衝撃試験を行った。試験結果の平均値を表1に示す。
最大衝撃力に到達するまでに吸収したエネルギー(最大衝撃力点吸収エネルギー)に関しては、比較例2−1よりも、実施例2−1の方が36%(1.4倍)、多くのエネルギーを吸収できることが明らかとなった。また、3点曲げ試験結果からは、比較例2−1よりも、実施例2−1の方が炭素繊維量が2/3程度であるにも関わらず、曲げ強度、曲げ弾性率ともに69%以上保持していることが確認された。
1 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材
2 ベース部
3 リブ部
4 炭素繊維強化熱可塑性樹脂層
5 非強化熱可塑性樹脂層
6 積層体
7 第1の金型
8 凸部
9 凹部
10 第2の金型
11 リブ部の高さ
12 ベース部の厚さ
d1 第1方向
d2 第2方向
2 ベース部
3 リブ部
4 炭素繊維強化熱可塑性樹脂層
5 非強化熱可塑性樹脂層
6 積層体
7 第1の金型
8 凸部
9 凹部
10 第2の金型
11 リブ部の高さ
12 ベース部の厚さ
d1 第1方向
d2 第2方向
Claims (11)
- ベース部と、前記ベース部の少なくとも一方の面に設けられた少なくとも1つの突起状のリブ部と、を備える炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法であって、
非強化熱可塑性樹脂層と、前記非強化熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の面に設けられ、ランダム配向した複数のプリプレグを含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える積層体を準備する工程と、
前記積層体を加熱プレス成形によって、少なくとも前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を突起状に塑性変形させて、前記リブ部を形成する成形工程と、
を含む、製造方法。 - 前記成型工程において、前記非強化熱可塑性樹脂層及び前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層の一部を一体的に突起状に塑性変形させて、前記リブ部を形成する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記プリプレグが、繊維軸方向で、5〜100mmの長さである、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記非強化熱可塑性樹脂層が、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記リブ部の高さが、10mm以上100mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ベース部の厚さが、1mm以上40mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記加熱プレス成形が、絞り金型を使用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記準備工程が、加圧下で予備加熱を行うことを含み、前記加熱プレス成形が、前記予備加熱よりも高い圧力で行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記積層体が、前記非強化熱可塑性樹脂層と、前記非強化熱可塑性樹脂層の両面に設けられた前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂層と、を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記積層体が、前記リブ部が形成される面と反対側の面の上に金属層を更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記成形工程後に、前記リブ部が形成された面と反対側の面に金属層を接合する接合工程を更に含む、請求項1〜9に記載の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018177886 | 2018-09-21 | ||
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