JP2010076174A - Frp成形品およびその補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続繊維を含む成形品を加工する際に、端部の連続繊維の一部が欠損した場合において、工程数が少なく補修部が目立たないFRP成形品およびその補修方法を提供する。
【解決手段】連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠損した欠陥部を、透過性パテおよび/または透過性塗料で充填補修されてなることを特徴とするFRP成形品。
【選択図】図1
【解決手段】連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠損した欠陥部を、透過性パテおよび/または透過性塗料で充填補修されてなることを特徴とするFRP成形品。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄肉・軽量、高剛性でかつ良外観の要求される用途に適したFRP成形品およびその補修方法に関する。
近年、携帯を目的としたノートパソコン、携帯電話、玩具などは、薄肉・軽量化や、高剛性要求がますます高くなってきている。しかし、強化繊維の添加量を増やして機械特性を高める方法には限界があるため、例えば一方向に連続な強化繊維を含む樹脂シート成形品と熱可塑性樹脂を一体化して、高剛性、軽量化と形状の自由度を合わせ持つ成形品が提案されていた(例えば特許文献1)。このような技術で得られた成形品を加工する際に、端面部の繊維が欠ける不良が発生し、その端面部の繊維が欠けたまま成形品に透過性塗装を行うと、外観の良い成形品が得られない。そのため、成形品に不良が発生すると製品として使用できない問題が生じていた。
また、連続繊維を含む樹脂シート成形品の加工の際に発生した不良に対しては、不良部を切削し、新しい連続繊維のシートを配置して、樹脂を塗布・硬化させる方法が提案されている(例えば特許文献2)。しかし、特許文献2で開示された技術は、大型成形品や広範囲な不良に対しては有効であるが、ノートパソコンの筐体のような小型かつ薄型の成形品で、微小な不良に対しては不良部を切削することが困難であった。また、無理に行おうとしても、工程数が多く生産性が低いという問題があった。
特開2004−140255号公報
特開2005−271247号公報
本発明の目的は、連続繊維を含む成形品を加工する際に、端部の連続繊維の一部が欠損した場合において、工程数が少なく補修部が目立たないFRP成形品およびその補修方法を提供することにある。
上記課題を達成するための本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠損した欠陥部を、透過性パテおよび/または透過性塗料で充填補修されてなることを特徴とするFRP成形品。
(2)連続繊維が炭素繊維を含む(1)に記載のFRP成形品。
(3)欠陥部の大きさが幅1mm以下、深さ0.4mm以下である(1)または(2)のいずれかに記載のFRP成形品。
(4)エポキシ樹脂を主成分とした透過性パテを使用した(1)〜(3)のいずれかに記載のFRP成形品。
(5)連続繊維が一方向にのみ配列している請求項(1)〜(4)のいずれかに記載のFRP成形品。
(6)クリア塗料の膜厚が500μm以下である請求項(1)〜(5)のいずれかに記載のFRP成形品。
(7)連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠落した欠陥部に対して、透過性パテおよび/または透過性塗料を充填補修することを特徴とするFRP成形品の補修方法。
(1)連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠損した欠陥部を、透過性パテおよび/または透過性塗料で充填補修されてなることを特徴とするFRP成形品。
(2)連続繊維が炭素繊維を含む(1)に記載のFRP成形品。
(3)欠陥部の大きさが幅1mm以下、深さ0.4mm以下である(1)または(2)のいずれかに記載のFRP成形品。
(4)エポキシ樹脂を主成分とした透過性パテを使用した(1)〜(3)のいずれかに記載のFRP成形品。
(5)連続繊維が一方向にのみ配列している請求項(1)〜(4)のいずれかに記載のFRP成形品。
(6)クリア塗料の膜厚が500μm以下である請求項(1)〜(5)のいずれかに記載のFRP成形品。
(7)連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠落した欠陥部に対して、透過性パテおよび/または透過性塗料を充填補修することを特徴とするFRP成形品の補修方法。
本発明によれば、連続繊維を含む成形品を加工する際に、端部の連続繊維の一部が欠損した場合において、工程数が少なく補修部が目立たないFRP成形品およびその補修方法を提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態の例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかるFRP成形品の一態様を示す図である。積層板2は、強化繊維を含んでなるシート2aと、配向方向が異なる強化繊維を含んだシート2bとを組み合わせて成形されている。図1では、両端部に同じ配向を有する強化繊維シートが来るように配設されているが、本発明に用いる積層板2はこれに限定されることはない。
積層板2としては、強化繊維を含んだシート2a、2bが好ましく用いられる。強化繊維としては、例えばアルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系等の炭素繊維や黒鉛繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維等が使用できる。これらの強化繊維は単独で用いても、また、2種以上併用しても良い。なかでも、比強度、比剛性、軽量性のバランスの観点から炭素繊維が好ましく、比強度・比弾性率に優れる点でポリアクリロニトリル系炭素繊維を少なくとも含むことが好ましい。また、積層板2に用いられる強化繊維を含んだシートは、強化繊維を含む複数の層から構成されるものであっても良い。また、強化繊維が、連続強化繊維であれば、より高い強度・剛性を得られることから好ましい。
連続強化繊維を含んだシートとは、10mm以上の長さの連続した強化繊維がシート内(またはシートを構成する強化繊維を含む層内)に配列されているシートであって、必ずしもシート(または、シートを構成する強化繊維を含む層)全体にわたって連続している必要はなく、途中で分断されていても特に問題はない。具体的な連続強化繊維の形態としては、フィラメント、織物(クロス)、一方向引き揃え(UD)、組み物(ブレイド)等が例示できるが、プロセス面の観点から、クロス、UDが好適に使用される。また、これらの形態は単独で使用しても、2種以上の形態を併用してもよい。なかでも、マルチフィラメントが一方向に引きそろえられたものが、より効率良く強度・剛性を得られることから好ましい。
積層板2に含まれるシートのマトリックス層には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または金属などを用いることができる。
熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、EVA樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアニルエーテエルニトリル樹脂、ポリベンゾイミダール樹脂などがある。これら熱可塑性樹脂は、単独で使用しても良く、あるいは混合物でも、また共重合体であっても良い。混合物の場合には、相溶化剤が併用されていても良い。さらに、特定の機能を付加することを目的に、例えば、難燃剤として、臭素系難燃剤、シリコン系難燃剤あるいは赤燐、リン酸エステルなどを配合しても良い。
熱硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド等や、これらの共重合体、変性体、および、これらの少なくとも2種をブレンドした樹脂があげられる。さらに、特定の機能を付加することを目的に、例えば、難燃剤として、臭素系難燃剤、シリコン系難燃剤あるいは赤燐、リン酸エステルなどを配合しても良い。
これらのなかでも、積層板2の剛性、強度に優れることから、マトリックス層には熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、とりわけエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂が成形品の力学特性の観点からより好ましい。更に耐衝撃性向上等のために、熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂および/またはその他のエラストマーもしくはゴム成分等を添加した樹脂を用いてもよい。
また、マトリックス層の別の好ましい態様として、チタン、マグネシウム、アルミ等の金属を用いることも可能である。
積層板2として、強化繊維を含んだシートを用いる場合、強化繊維の割合は、成形性、力学特性の観点から20〜90体積%が好ましく、30〜80体積%がより好ましい。なお、体積%の測定はマトリックスが樹脂の場合はJIS K 7075(1991)に記載されている方法で測定する。マトリックス層が金属の場合、アルミ等の比較的融点が低い金属は金属部分を溶融濾過し、繊維量を測定して算出するが、融点が高い金属は断面写真観察により繊維量を測定して算出する。
積層板2の製造方法としては、プレス成形、ハンドレイアップ成形法、スプレーアップ成形法、真空バック成形法、加圧成形法、オートクレーブ成形法、トランスファー成形法などの熱硬化樹脂を使用した方法、およびプレス成形、スタンピング成形法などの熱可塑性樹脂を使用した方法などが挙げられる。とりわけ、プロセス性、力学特性の観点から真空バック成形法、プレス成形法、トランスファー成形法などが好適に用いられる。
本発明が適用できるのは、連続した強化繊維が繊維長手方向に欠損した繊維抜けと呼ばれる不良に対してであり、強化繊維のばらつきに起因する凹みなどには有効でない。これは積層板2がマトリクス内に強化繊維が均質に配置されているわけではないため、FRP成形品1には強化繊維が相対的に多い箇所とマトリクスが相対的に多い箇所が繊維長手方向に沿って発生しているからである。
強化繊維が表面近傍に相対的に多く集まっている箇所を加工した場合、被加工側の精度によっては、強化繊維の端部がささくれになったり、毛羽立ったりする不具合が生じる。このようなささくれや毛羽立ちが、加工中に引き剥がされたり、作業員が引き抜いたりすることによって、いわゆる繊維抜けが発生するのである。このような繊維抜けは、1〜数千本程度の強化繊維の単糸であるため、このような量の単糸を、繊維抜けが発生した欠陥部に再度埋め込むことは非常に困難な作業となる。
しかし、欠陥部をそのままにしておくと、外観上も好ましくなく、また使用方法によっては使用者に切創等を負わせる可能性もありうる。また、このような積層板2を使用した電子機器等を落下させた場合、欠陥部を起点として亀裂等が発生することも予想されることから、欠陥部を補修することなく使用することは好ましくない。
したがって、このような欠陥部に対して、強化繊維が存在した場合の強度等に近づけることができ、しかも簡単な作業で補修でき、安全性も確保できる補修方法を検討した結果、積層板2に生じた欠損部5に透過性パテ3を塗布し、透過性パテ3の乾燥後、研磨することにより形状を復元し、その後透過性塗料を塗布し乾燥させる補修方法、およびこの補修方法により得られるFRP成形品であることを見出した。
透過性パテ3を用いると、透過性パテ3の修正個所が、マトリクス層が相対的に多い箇所と同じような様態になるため、修正個所が目立たなくすることができる。
透過性パテ3としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が用いられる。
熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、EVA樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアニルエーテエルニトリル樹脂、ポリベンゾイミダール樹脂などがある。これら熱可塑性樹脂は、単独で使用しても良く、あるいは混合物でも、また共重合体であっても良い。混合物の場合には、相溶化剤が併用されていても良い。さらに、特定の機能を付加することを目的に、例えば、難燃剤として、臭素系難燃剤、シリコン系難燃剤あるいは赤燐、リン酸エステルなどを配合しても良い。
熱硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド等や、これらの共重合体、変性体、および、これらの少なくとも2種をブレンドした樹脂があげられる。さらに、特定の機能を付加することを目的に、例えば、難燃剤として、臭素系難燃剤、シリコン系難燃剤あるいは赤燐、リン酸エステルなどを配合しても良い。
これらのなかでも、積層板2との接着性に優れることから、透過性パテ3には積層板2のマトリックス層と主成分が同じ樹脂を用いることが好ましい。
透過性パテ3を塗布した状態では表面に傷がつきやすい、耐薬品性が悪いなど透過性パテに使用する樹脂によっては物性が低いため、表面を保護する層を形成する必要がある。そのため硬度等の物性に優れた層を形成するために透過性塗料4の塗布を行う必要がある。
透過性塗料4の主成分としては、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂などがある。これらの透過性塗料用樹脂は、単独で使用しても良く、あるいは混合物でも、また共重合体であっても良い。混合物の場合には、相溶化剤が併用されていても良い。さらに、特定の機能を付加することを目的に、例えば密着性を向上させるために、シランカップリング剤を併用してもよい。
積層板を構成するシートは単糸を数千本まとめた繊維束を並べ、開繊し、シート状にする。そのため、必ずしも均一にならず、繊維束間で樹脂リッチになっている場所が等間隔に生じている。通常、開繊繊維束の幅が1mm、深さ0.4mm程度であり、これ以上の大きさのサイズになると、欠陥が複数繊維束間をまたぐこととなり、相対的に樹脂リッチ部大きくなりなりすぎるため、修正部が目立ち、良好な外観のFRP成形品が得られない。そのため、本発明が適用できる欠陥部のサイズは、幅が1mm以下、深さが0.4mm以下である。
なお、透過性パテ3および透過性塗料4を両方用いて補修したFRP成形品1について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、透過性パテ3あるいは透過性塗料4を単独で使用することもできる。いずれか一方のみ使用することになれば、補修に要する工程をさらに減少させることができる。
本発明のFRP成形品1の用途としては、例えば、パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの電気、電子機器の筐体及びトレイやシャーシなどの内部部材やそのケース、機構部品、自動車や航空機の電装部材、内部部品などが挙げられる。
とりわけ、本発明のFRP成形品1はその優れた成形性、高剛性、良外観を活かして、電気、電子機器用筐体や外部部材用に好適であり、さらには広い投影面積を必要とするノート型パソコンや携帯情報端末などの筐体として好適である。
以下に実施例によって、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
積層板2として炭素繊維一方向プリプレグ(UD PP)P3052S(東レ(株)製 炭素繊維T700S(弾性率230GPa、炭素繊維含有率67重量%、ベースレジン:エポキシ樹脂))を6層繊維配列方向がほぼ直交するように積層したものをプレス成形(金型温度160℃、圧力1MPa、硬化時間120分)して厚み0.87mmの積層板2を製造した。この積層板2を260mm×160mmのサイズに加工し、その際に端部に繊維長手方向に長さ3.0mm、幅0.5mm、深さ0.1mmのサイズの欠損が発生した積層板2を10枚用意した。
(実施例1)
積層板2として炭素繊維一方向プリプレグ(UD PP)P3052S(東レ(株)製 炭素繊維T700S(弾性率230GPa、炭素繊維含有率67重量%、ベースレジン:エポキシ樹脂))を6層繊維配列方向がほぼ直交するように積層したものをプレス成形(金型温度160℃、圧力1MPa、硬化時間120分)して厚み0.87mmの積層板2を製造した。この積層板2を260mm×160mmのサイズに加工し、その際に端部に繊維長手方向に長さ3.0mm、幅0.5mm、深さ0.1mmのサイズの欠損が発生した積層板2を10枚用意した。
欠損の生じた積層板2の欠損部に透過性パテ3(武蔵ホルト(株)“エポックス”MH821)を塗布し、24時間自然乾燥させ、サンドペーパーを用いて透過性パテ部研磨し、形状を復元した。その後、透過性塗料(オリジン電気(株)オリジンプレートZ−NY)を膜厚が15μmなるよう塗布し、80℃で30分乾燥させた。
次に、外観を1000lx以上かつ均斉度0.8以上の照度の下で、略平面部から40cm〜50cm離れ、略平面部法線方向から照明し、45度方向から観察した結果、いずれの成形品も修正部が目立たず、良好な外観のFRP成形品が得られた。
(実施例2,3)
欠陥部のサイズが異なる以外同条件の積層板2を各々10枚用意し、実施例1と同様に修正、塗装、評価を行った。欠陥部のサイズは表1の通りである。その結果、実施例1同様に良好な外観のFRP成形品を得られた。
(比較例1)
実施例1と同条件でプレス成形、加工し、表1記載のサイズの欠陥部を有する積層板2を10枚用意し、透過性パテによる修正を行わず、実施例1と同様の方法で塗装、外観観察を行った。その結果、修正部の凹みが認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例2)
実施例1と同条件でプレス成形、加工し、表1記載のサイズの欠陥部を有する積層板2を10枚用意し、透過性パテではなく、非透過性パテ((株)テロソンコーポレーション ハイヒートパテ)を用いて実施例1と同様の方法で修正、外観観察を行った。その結果、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例3)
欠陥部のサイズが表1の通りである以外、実施例1と同様の方法で積層板2を製造し、修正、塗装、外観検査を行った。その結果、若干、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例4)
欠陥部のサイズが表1の通りである以外、実施例1と同様の方法で積層板2を製造し、修正、塗装、外観検査を行った。その結果、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例5)
透過性塗料の塗布を行わない以外、実施例1と同様の方法で積層板2を製造し、修正、塗装、外観検査を行った。その結果、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(実施例2,3)
欠陥部のサイズが異なる以外同条件の積層板2を各々10枚用意し、実施例1と同様に修正、塗装、評価を行った。欠陥部のサイズは表1の通りである。その結果、実施例1同様に良好な外観のFRP成形品を得られた。
(比較例1)
実施例1と同条件でプレス成形、加工し、表1記載のサイズの欠陥部を有する積層板2を10枚用意し、透過性パテによる修正を行わず、実施例1と同様の方法で塗装、外観観察を行った。その結果、修正部の凹みが認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例2)
実施例1と同条件でプレス成形、加工し、表1記載のサイズの欠陥部を有する積層板2を10枚用意し、透過性パテではなく、非透過性パテ((株)テロソンコーポレーション ハイヒートパテ)を用いて実施例1と同様の方法で修正、外観観察を行った。その結果、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例3)
欠陥部のサイズが表1の通りである以外、実施例1と同様の方法で積層板2を製造し、修正、塗装、外観検査を行った。その結果、若干、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例4)
欠陥部のサイズが表1の通りである以外、実施例1と同様の方法で積層板2を製造し、修正、塗装、外観検査を行った。その結果、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
(比較例5)
透過性塗料の塗布を行わない以外、実施例1と同様の方法で積層板2を製造し、修正、塗装、外観検査を行った。その結果、修正部が認識でき、良好な外観のFRP成形品を得ることができなかった。
各々の評価結果を併せて表1に示した。表1の通り、本発明によれば、良好な外観のFRP成形品1を得ることができた。一方、比較例1〜5では、良好な外観のFRP成形品1を得ることができなかった。
本発明によるFRP成形品は、ノート型パソコンや携帯端末などの電気・電子機器筐体用途に限らず、その優れた良外観性、剛性、生産性を活かして、自動車部品用途等にも応用することができる。
1 FRP成形品
2 積層板
2a、2b シート
3 パテ
4 透過性塗料
5 欠陥部
2 積層板
2a、2b シート
3 パテ
4 透過性塗料
5 欠陥部
Claims (7)
- 連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠損した欠陥部を、透過性パテおよび/または透過性塗料で充填補修されてなることを特徴とするFRP成形品。
- 強化繊維が炭素繊維を含む請求項1に記載のFRP成形品。
- 欠陥部の大きさが幅1mm以下、深さ0.4mm以下である請求項1または2のいずれかに記載のFRP成形品。
- エポキシ樹脂を主成分とした透過性パテを使用した請求項1〜3のいずれかに記載のFRP成形品。
- 強化繊維が一方向にのみ配列している請求項1〜4のいずれかに記載の透過性塗装FRP成形品。
- 透過性のある塗料の膜厚が500μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の透過性塗装FRP成形品。
- 連続繊維で強化された略平面部を有するFRP成形品であって、前記略平面部の端部において強化繊維長手方向に強化繊維の一部が欠落した欠陥部に対して、透過性パテおよび/または透過性塗料を充填補修することを特徴とするFRP成形品の補修方法。
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JP2015068096A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 繊維強化プラスチック成型物表面の劣化層の補修方法及び補修された繊維強化プラスチック成型物 |
JP2016002689A (ja) * | 2014-06-16 | 2016-01-12 | ヒエン電工株式会社 | 樹脂成形品の補修方法及びその補修用樹脂材料 |
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2008
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