JPH0661660U - 後部車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後部車体、特にバックドア開口の上端コーナ
部の剛性を強化することである。 【構成】 バックドア開口１の左右側縁を形成する中空
状のリヤピラー３と、バックドア開口１の上縁を形成す
る中空状のバックドアオープニングフレーム４と、クオ
ータウインド１０の上縁を形成する中空状のルーフサイ
ドレール５が集合する三つ又部２において、三つ又部２
に合流するルーフサイドレール５の端部開口に仕切板７
を設け、リヤピラー３からバックドアオープニングフレ
ーム４にかけて、連続する閉断面を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は後部車体構造、特に車体のバックドア開口の上部コーナ部の構造に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３に示すように、車体のバックドア開口１の上部コーナ部は、バックドア開 口１の左右側縁を形成する中空状のリヤピラー３と、上記開口１の上縁を形成す る中空状のバックドアオープニングフレーム４（以下、単にオープニングフレー ムと言う）と、クォータウインド１０の上縁を形成する中空状のルーフサイドレ ール５とが集合する三つ又部２を形成している。

【０００３】 この三つ又部２の剛性が低いと、車体の捩れ等によりバックドア開口部が変形 して、バックドアの閉まり不良等の問題が生じる。ところが中空部材が集合する 三つ又部２の剛性は充分でない。そこで一般にオープニングフレーム４からリヤ ピラー３にかけて、断面ハット形のリインフォースメント６を取付けて剛性を強 化する対策がとられている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記リインフォースメント６は、長さが可成り長く大型で車両 重量増の問題があり、またコストもかかる。更にリインフォースメント６の取付 けは、図４に示すように、先ずその下半部をリヤピラー３の上部内に溶接し、リ ヤピラー３から突出する上半部にオープニングフレーム４のインナパネル４２を 溶接し、次にインナパネル４２とアウタパネル４１を溶接しなければならず、組 付作業性が悪かった。

【０００５】 そこで本考案は、上記三つ又部の剛性が強化され、かつ組付作業性が改善され た後部車体構造を提供することを課題としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、図１に示すように、中空状のリヤピラー３と、中空状のオープニン グフレーム４と、中空状のサイドレール５とが集合する三つ又部２において、三 つ又部２に接続するサイドレール５の端部開口に仕切板７を設け、これによりリ ヤピラー３からオープニングフレーム４にかけて連続する閉断面を形成したこと を特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記閉断面の形成により三つ又部２の剛性が強化される。また仕切板７は従来 のリインフォースメント５に比べ小型，軽量，低コストである。更に、オープニ ングフレーム４は、アウタパネル４１とインナパネル４２を予め一体化したもの を組付けることができ、組付作業性が改善される。

【０００８】

【実施例】

図１はバックドア開口１の上部コーナ部の一方を示すもので、リヤピラー３と 、オープニングパネル４と、ルーフサイドレール５が集合する中空状の三つ又部 ２となっている。

【０００９】 リヤピラー３のアウタパネル３１とルーフサイドレール５のアウタパネル５１ はＬ字形に連続する１枚のパネルで構成されている。またリヤピラー３のインナ パネル３２とルーフサイドレール５のインナパネル５２も連続する１枚のパネル で構成されている。

【００１０】 ルーフサイドレール５はアウタパネル５１およびインナパネル５２で閉断面を 形成している。リヤピラー３はクオータウインド１０側はアウタパネル３１とイ ンナパネル３２が直接に接合され、バックドア開口１側は、上端が三つ又部２に 延びるサイドプレート３３を介してアウタパネル３１とインナパネル３２が接合 され、閉断面を形成している。そしてリヤピラー３の上端に、アウタパネル４１ とインナパネル４２とで閉断面をなすオープニングフレーム４が接合されている 。

【００１１】 三つ又部２に合流するルーフサイドレール５の端部開口は、仕切板７により閉 鎖してある。図２に示すように仕切板７はリヤピラー３の上端部に沿うように全 体が緩やかに湾曲する形状で、一方の側縁フランジ部７１がルーフサイドレール ５の合流開口のアウタプレート面に沿って溶接され、他方のフランジ部７２が上 記合流開口のインナプレート面に沿って溶接されている。

【００１２】 この仕切板７を設けた三つ又部２のリヤピラー３の上部開口端に、アウタパネ ル４１とインナパネル４２とで閉断面を形成したオープニングフレーム４の開口 端が溶接してある。そして、仕切板７を設けたことで、リヤピラー３とオープニ ングフレーム４は連続した閉断面を構成する。しかして、三つ又部２はその中に 閉断面が形成されたことで捩り剛性が強化される。

【００１３】 図５に、本考案による三つ又部２のＬ軸（車両前後方向）、Ｗ軸（車両幅方向 ）およびＨ軸（車両高さ方向）まわりの捩り剛性（◎印）を、上記従来のリイン フォースメント６で補強した三つ又部の剛性（△印）および補強対策が施されて いない三つ又部の剛性（×印）と比較して示す。従来のリインフォースメント６ は本考案の仕切板７よりも遙かに大型であるにかかわらずＬ軸まわりの剛性が本 考案のものよりもすぐれているのみで、Ｗ軸まわりの剛性は本考案のものとほぼ 同等であり、Ｈ軸まわりの剛性は本考案のものよりも可成り劣っている。図５よ り知られるように、本考案によるときは、各方向について均等に剛性が強化され る。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によるときは、従来の補強部材よりも小型軽量の補強部材により、後部 車体の上端コーナ部を効果的に強化することができる。しかも、補強部材を設け たことで、上記コーナ部の組付作業性が低下することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）は本考案により剛性を強化した後部
車体の要部を示す斜視図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＢ
−Ｂ線断面図である。

【図２】本考案の構造で用いる補強用仕切板の斜視図で
あるる

【図３】従来の剛性強化対策がなされた後部車体の要部
を示す斜視図である。

【図４】図３に示す要部の組付けを説明する図である。

【図５】本考案による構造の剛性と、従来の構造の剛性
との比較を示す図である。

【符号の説明】

１ バックドア開口 １０ クォータウインド ２ 三つ又部 ３ リヤピラー ４ ドアオープニングフレーム ５ ルーフサイドレール ７ 仕切板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体のバックドア開口の左右側縁を形成
   する中空状のリヤピラーと、バックドア開口の上縁を形
   成する中空状のバックドアオープニングフレームと、ク
   ォータウインドの上縁を形成する中空状のルーフサイド
   レールとが集合して三つ又部を形成する後部車体におい
   て、三つ又部に接続するルーフサイドレールの端部開口
   に仕切板を設け、リヤピラーとバックドアオープニング
   フレームを連続する閉断面としたことを特徴とする後部
   車体構造。