JPH0514945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車の後部車体構造に関し、特にサ
イドドア開口部の後端側の車体構造に関するもの
である。

〔従来技術〕

自動車の車体のサイドドア開口部の後端側部分
には、サイドドアの後端縁部を受け止める開口縁
部がインナパネルとリヤフエンダとで形成され、
上記リヤフエンダはその開口縁部の後端縁から車
幅方向外方へ所定幅だけ延びドアの後端面に対向
する前壁部とを備えており、上記リヤフエンダの
前壁部の中段位置にはドア固定用のストライカが
設けられている。

一方、サイドドアの後端側中段部内には、上記
ストライカに対応するようにドアロツク機構が組
込まれており、上記開口縁部の開口縁輪郭ライン
はサイドドアに取付けられたウインドガラスの後
端側輪郭ラインに対応するように形成されている
関係上、上記ドアロツク機構に対応する位置で開
口縁部の幅は前後方向にかなり広幅に形成されて
いる。

上記ストライカ取付部を補強するため、リヤフ
エンダの前壁部の内面側には通常ストライカレイ
ンフオースメントが固着され、ストライカはリヤ
フエンダの前壁部とストライカレインフオースメ
ントとに固着される。このような補強構造は例え
ば、実開昭61−117771号公報にも記載されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記サイドドアの後端部を受け止める開口縁部
は、インナパネルの開口縁部とリヤフエンダの開
口縁部とを接近対向させて端部を接合した構造で
あるが、上記のようにストライカに対応する中段
部において、開口縁部の幅は前後方向にかなり大
きく形成されているので、その剛性が充分でな
く、特にこのストライカ取付部はリヤピラーの下
端部に近く、リヤピラーには後輪のサスペンシヨ
ン側から大きな荷重が作用して車体の捩じり変形
なども生じるが、上記広幅の開口縁部の剛性が充
分でないとそれだけリヤピラーの剛性を増強しな
ければならないなどの問題がある。

また、上記開口縁部にはシール部材も装着され
ているが、開口縁部に荷物などをぶつけて変形さ
せたりするとシール性が悪化することにもなる。

また、従来の車体構造においては、ストライカ
レインフオースメントがリヤフエンダの前壁部の
範囲にのみ固着されているので、ストライカ取付
部の補強構造の面でも充分ではない。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る自動車の後部車体構造は、サイド
ドア開口部の後端側の車体構造において、インナ
パネルと、インナパネルの外側に配設されたリヤ
フエンダと、リヤフエンダの内面側に固着された
ストライカレインフオースメントとを備え、上記
インナパネルの前端部にはサイドドア開口部の縁
部を形成する開口縁部が設けられ、上記リヤフエ
ンダには、上記インナパネルの開口縁部に対応す
る開口縁部と、この開口縁部の後端から車幅方向
外方へ延びるストライカ取付壁部とが設けられ、
上記ストライカレインフオースメントには、上記
両開口縁部間に挟持接合されるインナ接合壁部が
設けられ、上記インナパネルの開口縁部とリヤフ
エンダの開口縁部により閉断面部が形成されてい
るものである。

〔作用〕

本考案に係る自動車の後部車体構造において
は、ストライカレインフオースメントのインナ接
合壁部がインナパネルの開口縁部とリヤフエンダ
の開口縁部間に挟持接合されているので、ストラ
イカ取付部の剛性が高くなる。そして、上記イン
ナパネルの開口縁部とリヤフエンダの開口縁部に
より閉断面部が形成されているので、ストライカ
に対応する開口縁部の中段部において開口縁部の
剛性が高まり、サイドドア開口部の後端側中段部
の車体構造の剛性が改善される。

〔考案の効果〕

本考案に係る自動車の後部車体構造によれば、
以上説明したようにインナパネルの開口縁部とリ
ヤフエンダの開口縁部とで閉断面部を構成すると
いう簡単な構成によつて、サイドドア開口部の後
端側中段部の車体構造を有効に補強することが出
来る。

また、ストライカレインフオースメントにイン
ナ接合壁部を設け、そのインナ接合壁部をインナ
パネルの開口縁部とリヤフエンダの開口縁部間に
挟持接合するという簡単な構成によつてストライ
カ取付部の強度を増強することが出来る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は自動車の後部車体を示すもので、車体
の側部にはサイドドア開口部１が設けられ、サイ
ドドア開口部１の後端縁及び上端縁に沿つて車体
側にはサイドドアの縁部を受け止める開口縁部２
が設けられ、上記サイドドア開口部の後端側開口
縁部の中段部はリヤピラー３の下端部の近傍に位
置、その中段部のリヤフエンダ４の前壁部４ｂに
はドア固定用のストライカ５が設けられ、このス
トライカ５に対応するようにドア本体内にはドア
ロツク機構が設けられるが、上記ドアロツク機構
がサイドウインドガラスの後端よりも後方に配置
する関係上、その部分で開口縁部２は前後方向に
かなり広幅に形成されている。

第２図・第３図に示すように、上記サイドドア
開口部１の後端側中段部の車体構造において、上
記リヤピラーのインナパネル６の外面側にはリヤ
フエンダ４が設けられ、上記インナパネル６の開
口縁部６ａとリヤフエンダ４の開口縁部４ａとが
内外に配置され、上記リヤフエンダ４にはその開
口縁部４ａの後端から車幅方向外方へ所定幅に亙
つて延び、サイドドアの後端面に対面する前壁部
４ｂが形成され、上記前壁部４ｂの外端部には後
方へ段落する段落部４ｃが形成され、段落部４ｃ
の外端縁からリヤフエンダ４の外壁部４ｄが後方
へ延びている。

上記インナパネル６の開口縁部６ａとリヤフエ
ンダ４の開口縁部４ａとは、車幅方向に僅かの隙
間をあけて対向され、これら両開口縁部４ａ，６
ａの前端部は取付フランジで相互に溶接接合され
ている。

上記ストライカ５をリヤフエンダ４の前壁部４
ｂに取付けるストライカ取付部を補強するため、
リヤフエンダ４の前壁部４ｂと開口縁部４ａの内
面側には上下方向に所定幅を有するストライカレ
インフオースメント７が固着され、上記ストライ
カレインフオースメント７のうちの開口縁部４ａ
の内面側に配設されるインナ接合壁部７ａは開口
縁部４ａの前部近くまで延び、ストライカ５は前
壁部４ｂの外面側に配設されるとともに、その両
脚部を前壁部４ｂとストライカレインフオースメ
ント７とに貫通させてナツトで締結されている。

上記ストライカレインフオースメント７のイン
ナ接合壁部７ａをインナパネル６の開口縁部６ａ
とリヤフエンダ４の開口縁部４ａ間に挟持接合す
るとともに、前後方向に広幅の開口縁部４ａと開
口縁部６ａとの剛性を高めるため、上記インナパ
ネル６の開口縁部６ａをリヤフエンダ４の開口縁
部４ａに当接するように外方へ膨らませた接合部
８が形成される。

上記接合部８は開口縁部６ａのうちの上記イン
ナ接合壁部７ａに対応する部分とその上方の部分
とその下方の部分とに亙つて所定の幅を有するよ
うに側面視略く字状となるように形成され、その
接合部８がリヤフエンダ４の開口縁部４ａに溶接
にて接合されている。但し、インナ接合壁部７ａ
が介在する部分では接合部８とインナ接合壁部７
ａと開口縁部４ａとが一体的に溶接接合されてい
る。

上記のように上下方向に所定の長さを有する接
合部８を介して開口縁部４ａと開口縁部６ａとが
一体的に接合されるので、上記接合部８よりも前
側の部分には開口縁部４ａと開口縁部６ａとで閉
断面部９が形成され、この閉断面部９によつて開
口縁部４ａと開口縁部６ａの中段部における剛性
が著しく高められることになる。尚、図中符号１
０はサイドドア、符号１１はサイドドア１０側の
ストライカ係合部、符号１２はシール部材であ
る。

尚、上記の構成においてはインナパネル６の開
口縁部６ａに接合部８を形成したが、第４図に示
すようにリヤフエンダ４の開口縁部４ａに内方へ
膨らんだ接合部８Ａを形成し、この接合部８Ａを
介して開口縁部４ａと開口縁部６ａとを一体的に
接合してもよい。また、上記の構造では接合部
８，８Ａを上下方向に所定の範囲に亙つて形成し
たけれども、リヤフエンダ４の前壁部４ｂの内端
部に沿つて接合部を連続的に形成してもよい。

以上説明した後部車体構造においては、ストラ
イカレインフオースメント７のインナ接合壁部７
ａが開口縁部６ａの接合部８と開口縁部４ａとの
間に挟持接合されているので、ストライカ取付構
造の強度が格段に向上する。また、上記接合部８
よりも前方において開口縁部４ａと開口縁部６ａ
とで閉断面部が形成されているので、前後方向に
広幅の開口縁部２（第１図）の剛性が著しく向上
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は車体後部の側面図、第２図はサイドド
ア開口部の後端側中段部の開口縁部及びストライ
カ取付部を示す要部斜視図、第３図は第２図−
線断面図、第４図は変形例に係る第３図相当図
である。 １……サイドドア開口部、４……リヤフエン
ダ、４ａ……開口縁部、４ｂ……前壁部、６……
インナパネル、６ａ……開口縁部、７……ストラ
イカレインフオースメント、７ａ……インナ接合
壁部、９……閉断面部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サイドドア開口部の後端側の車体構造におい
   て、 インナパネルと、インナパネルの外側に配設さ
   れたリヤフエンダと、リヤフエンダの内面側に固
   着されたストライカレインフオースメントとを備
   え、 上記インナパネルの前端部にはサイドドア開口
   部の縁部を形成する開口縁部が設けられ、 上記リヤフエンダには、上記インナパネルの開
   口縁部に対応する開口縁部と、この開口縁部の後
   端から車幅方向外方へ延びるストライカ取付壁部
   とが設けられ、 上記ストライカレインフオースメントには、上
   記両開口縁部間に挟持接合されるインナ接合壁部
   が設けられ、 上記インナパネルの開口縁部とリヤフエンダの
   開口縁部により閉断面部が形成されていることを
   特徴とする自動車の後部車体構造。