JPH06608A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JPH06608A
JPH06608A JP19341791A JP19341791A JPH06608A JP H06608 A JPH06608 A JP H06608A JP 19341791 A JP19341791 A JP 19341791A JP 19341791 A JP19341791 A JP 19341791A JP H06608 A JPH06608 A JP H06608A
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static magnetic
solidification
slab
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JP19341791A
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Mikio Suzuki
幹雄 鈴木
Shinobu Miyahara
忍 宮原
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中心偏析が非常に少ない鋳片の製造が可能な
連続鋳造方法。 【構成】 タンディッシュ内の溶鋼の加熱度を25°C
以上にして連続鋳造を行い、鋳型から引き抜かれた凝固
初期の鋳片に静磁界を印加し、最終凝固直前の鋳片に静
磁界を印加すると共にこの鋳片を軽圧下する方法であ
る。この方法によれば、鋳片中の溶鋼の流動が抑制さ
れ、これによって溶鋼の加熱度が長く保たれて鋳片形成
時に充填性よく配置される柱状晶が生成し、更に、最終
凝固段階直前では静磁界を印加及び軽圧下がなされて残
溶鋼の流動の抑制されるので、マクロ的な偏析は発生し
難くなる。 【効果】 鋳片の中心偏析が著しく減少し、例えば、実
施例によって得た鋳片から製造した耐水素誘起割れ鋼の
テストでは、割れの発生率は従来の1/5に減少した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造における
鋳片中心部の偏析、所謂中心偏析を低減する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋳片の厚み中心部にマクロ的の偏析が発
生すると、鋼の均質性が損なわれ、製品が規格外れにな
ったりする。このように、鋳片の中心偏析を低減するこ
とは、例えば、高強度のラインパイプ等のような耐水素
誘起割れ鋼を製造する上で極めて重要な問題である。こ
のため、従来から、中心偏析を防止するための方法が数
多く報告されている。
【0003】従来、連続鋳造操業における中心偏析を防
止するために、凝固末期の鋳片を軽圧下すること(軽圧
下法)、又は鋳片の中心部に等軸晶帯を殖やすことがそ
の手段として採用されてきた。そして、等軸晶帯を殖や
す手段は、更に、低温鋳造法と電磁攪拌法に分類される
(内堀;第126回、第127回、西記念技術講座「高
清浄鋼の現状と将来」、昭和63年11、12月、p.
17〜19、日本鉄鋼協会)。
【0004】これらの方法のうち、軽圧下法は、凝固末
期の凝固に伴う体積収縮分を圧下することによって溶鋼
の流動を抑制する方法である。
【0005】又、低温鋳造法や電磁攪拌法は鋳片中心部
に等軸晶帯を増すことによって、偏析を分散させる方法
である。低温鋳造法においては、溶鋼の過熱度(溶鋼温
度と液相線温度との差)を出来るだけ低くして鋳造し、
凝固初期の段階で等軸晶を生成させるようにする。又、
電磁攪拌法においては、電磁攪拌によって溶鋼に流動を
与えてデンドライトの先端を剪断して凝固核を生成さ
せ、これによって、等軸晶を増やすと共に、この等軸晶
を攪拌して結晶を充填性よく配置(結晶と結晶との間に
できる間隙をできるだけ少なくする配置)して凝固させ
るようにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
には、ぞれぞれ問題点がある。
【0007】軽圧下法においては、最終凝固位置におけ
る凝固組織の結晶形態が、鋳片上面側では柱状晶が中心
位置まで成長しており、又、下面側では鋳型内や最終凝
固以前に発生した凝固核が沈降し、これが堆積すること
によって生成した分岐柱状晶と言われる形態の結晶が存
在している。このように、上下の結晶形態が異なってい
ると、最終凝固時に凝固殻同士がぶつかり合って一体の
鋳片が形成される際に、結晶が隙間なく配置されないの
で、結晶の充填性が悪い配置部分(隙間がある部分)に
未凝固相(濃化溶鋼)が入り、この部分に島状もしくは
粒状の偏析ができる(この偏析は、偏析粒の面積が大き
い程、その度合が大きい)。
【0008】低温鋳造法は、溶鋼の過熱温度を低くして
鋳造するので、安定した鋳造操業を行う上では問題があ
る。即ち、浸漬ノズルの詰まりが起こったり、鋳型内の
溶鋼表面に皮張りが起こったり、溶鋼内に介在物が巻き
込まれて鋳片品質が著しく低下したりする。
【0009】電磁攪拌法においては、攪拌する流速を上
げれば、等軸晶が増えるが、溶鋼が流動する領域では、
固−液界面の溶質の分配が変わってしまうので、攪拌流
速を上げ過ぎると、ホワイトバンドと言われる負偏析帯
(平均濃度よりも低い濃度域)が発生する。又、この方
法は、攪拌によって偏析粒を小さくして分散させるもの
であるが、偏析粒を細分化できる度合は十分であるとは
言えない。
【0010】本発明は、上記従来技術におけるような問
題が発生せず、中心偏析が非常に少ない鋳片の製造が可
能な連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、タンディッシュ内の溶鋼を加
熱してその加熱度を25°C以上にし、この加熱された
溶鋼を連続鋳造鋳型に鋳込んで溶鋼の凝固を開始させ、
鋳型から引き抜かれた凝固初期の鋳片に静磁界を印加
し、最終凝固直前の鋳片に静磁界を印加すると共にこの
鋳片を軽圧下する。
【0012】上記の連続鋳造において、鋳型から引き抜
かれた凝固初期の鋳片に静磁界を印加する時期は溶鋼の
凝固開始から4分以内であるのがよい。
【0013】又、凝固初期の鋳片に印加する静磁界及び
最終凝固直前の鋳片に印加する静磁界の磁界強度は、い
ずれも0.15テスラ以上であるのがよい。
【0014】
【作用】本発明においては、鋳片中心部の上面及び下面
の双方を同じ結晶形態にして凝固させる。そして、この
場合、鋳片中心部の結晶形態を柱状晶にする。従って、
上記上下面両側の凝固殻(何れも柱状晶)がぶつかり合
った際における結晶間の隙間は、等軸晶を生成させた場
合よりも少ない。このため、中心偏析低減については、
等軸晶を生成させた場合よりもその効果が大きい。
【0015】静磁界を印加しながら凝固させると柱状晶
が発達しやすい。その理由は、鋳型から引き出された鋳
片に静磁界を印加すると、溶鋼の流動が抑制されるの
で、溶鋼が冷却される過程の熱移動が、対流による熱移
動から主として伝導による熱移動に変わる。このため、
鋳片の凝固界面付近では、厚み方向に温度勾配ができる
と同時に熱拡散が小さくなるので、溶鋼の加熱度が長く
保たれる。この結果、鋳型内で生成した凝固核が沈降し
て来ても、上述のように、溶鋼の加熱度が十分に確保さ
れていると、凝固核はその沈降過程で容易に溶解してし
まい、結晶の成長は凝固殻からのみから進行して柱状晶
になる。
【0016】そして、柱状晶が生成する凝固が進行する
過程の最終凝固(完全凝固)段階直前に静磁界を印加し
ながら軽圧下を行うと、残溶鋼の流動を抑制することが
でき、マクロ的な偏析は一層発生し難くなる。
【0017】
【実施例】
(予備試験)先ず、本発明に係る基礎的事項である凝固
組織と凝固途上の溶鋼温度の変化を測定するために、図
2の実験装置を用いて予備試験を行った。図2は実験に
用いた鋳型を示す図である。20は短辺面が断熱で長辺
面が水冷構造の鋳型、21は耐火物製の底板、22は鋳
型長辺面外側の略中央部に配置された静磁界発生装置、
23は鋳型底部の中央部に挿入された熱電対であり、1
0は溶鋼、11は凝固殻を示す。
【0018】そして、溶鋼24を鋳型20に注入し、連
続鋳造の場合と同様に長辺側の両面から冷却して凝固を
進行させ、220mm×300mm×680mmの鋳塊を得
た。この際、静磁界は凝固の進行方向と同じ方向に印加
した。なお、比較のために、静磁界を印加せずに、上記
と同じ操作によって鋳塊を得た試験も実施した。
【0019】得られた鋳塊の高さ方向の1/2位置(静
磁界印加位置に相当)の中心部における顕微鏡写真によ
る凝固組織を図3の写真に示す。図3(a)は静磁界を
印加した場合の凝固組織を示し、図3(b)は静磁界を
印加しなかった場合の凝固組織を示す。図3(a)及び
図3(b)の写真を比較すれば明らかなように、静磁界
を印加した場合(図3(a))においては、柱状晶が極
めてよく成長している。
【0020】又、鋳塊内の温度変化の測定結果を図4及
び図5に示す。図4は静磁界を印加した場合、図5は静
磁界を印加しなかった場合である。この両図を比較すれ
ば分かるように、静磁界を印加した図4においては、鋳
塊内の溶鋼温度はゆっくり低下し、その温度が液相線温
度(TL )に達するまでの時間(texh )は非常に長く
なっている。この理由は、前述のように、静磁界の印加
によって溶鋼の流動が抑制されて熱移動の機構が対流か
ら伝熱に変わり、溶鋼の過熱度が長時間にわたって保持
されるので、凝固殻と溶鋼の界面(固液界面)には、長
時間にわたって温度勾配が存在する。そして、この過熱
度の長時間保持によって、柱状晶が発達したのである。
なお、図中、ΔTmax は、注入時の溶鋼温度と液相線温
度(TL)との差である。
【0021】次に、取鍋内の溶鋼温度の過熱度及び静磁
界強度を変化させて、最大過熱度(ΔTmax )と印加磁
界強度(テスラ)との関係を調べた。この結果を図6に
示す。図中、、、の各曲線は、取鍋内の溶鋼過熱
度を、それぞれ70°C、50°C、30°Cにした場
合における溶鋼過熱度(△Tmax )と印加磁界強度との
関係を示している。上記各曲線において、▲や◆のマー
クが位置する条件では柱状晶が生成し、◇や○のマーク
が位置する条件では等軸晶や分岐柱状晶が生成してい
た。この図によれば、印加磁界強度を0.15T以上に
すれば、溶鋼過熱度(△Tmax )の必要値が確保でき、
又、取鍋内の溶鋼過熱度を或る温度以上にすれば、凝固
組織を柱状晶にすることができる。
【0022】又.図7には、溶鋼の過熱度が消失する時
間までの時間(texh )と磁界強度との関係を示した。
この場合には、取鍋内の溶鋼過熱度を50°Cにした。
この図によれば、磁界を印加すると、溶鋼過熱度が消失
する時間(texh )が長くなる。
【0023】上記予備試験の結果を基に、以下の実施例
に係る実験を行った。
【0024】(実施例1)図1は本発明を実施するため
の連続鋳造装置の一実施例を示す図である。この図は垂
直曲げ型連鋳機の概略図であり、1はタンディッシュ、
2は浸漬ノズル、3は連続鋳造用鋳型、4は上部静磁界
発生装置、5はサポートロール、6はサイドロール、7
は下部静磁界発生装置、8は軽圧下ロール、13はピン
チロールである。そして、10は溶鋼、11は凝固殻、
12は鋳片を示す。
【0025】本実施例の実施に際しては、上記構成によ
る装置を使用し、凝固組織の柱状晶成長度合、中心偏析
の度合について調査した。使用した連続鋳造装置の垂直
部長さは2.5mで、上部静磁界発生装置4は鋳型3の
下端から1.5mの位置に設置した。従って、上部静磁
界発生装置4の配置位置は、溶鋼10の凝固開始位置
(メニスカス位置)から2.37m(メニスカスから鋳
型3の下端のまでは0.87m)下ににしたことにな
る。又、この上部静磁界発生装置4より8mから10m
下方向の軽圧下ロール8の間に下部静磁界発生装置7を
設置した。これらの静磁界発生装置から印加する磁界方
向は鋳片厚み方向になるようにした。これは、溶鋼凝固
の進行方向と静磁界方向とが一致している場合に柱状晶
が著しく成長するためである。
【0026】上記の装置による鋳造では、0.13〜
0.15%C鋼種の溶鋼を注入し、断面寸法が1950
mm×220mmのスラブを得た。この際の鋳造条件と
して、上部磁界の強さを0.35T、タンディッシュ内
溶鋼の過熱度を30°C(タンディッシュ内溶鋼温度1
550°C)とした。鋳造に際し、まず、静磁界をどの
時点で印加するのがよいかを確認するために、鋳片の引
抜速度(Vc)を0.50〜1.0m/minの範囲で
変化させ、中心部における柱状晶の成長の仕方を調べ
た。
【0027】上部静磁界発生装置4の設置位置は、上記
のように、凝固開始位置(メニスカス位置)から2.3
7m下方であるので、凝固開始位置から静磁界が印加さ
れている位置(上部静磁界発生装置4の位置)まで鋳片
が降下してくる時間tは次式で求められる。 t=2.37/Vc …(1)
【0028】この結果を図8に示す。この図は、鋳片の
降下時間と鋳片中心部における柱状晶傾角のバラツキ
(標準偏差σ)との関係を示す。なお、柱状晶の傾角と
は、凝固の進行方向(鋳片の厚み方向)をゼロとし、鋳
片の厚み方向に対する傾きを測定した値である。図8に
おいて、鋳片の降下時間が4分以上になると柱状晶傾角
のバラツキが非常に大きくなり、上部磁界を印加する効
果が無くなってくる。従って、柱状晶の成長方向がよく
揃い、且つ発達した結晶を生成させるためには、溶鋼の
凝固が開始してから4分以内に上部磁界を印加する必要
がある。図中、●が位置する条件は柱状晶、○が位置す
る条件は分岐柱状晶が生成したことを示す。
【0029】(実施例2)実施例1と同じ装置を使用
し、タンディッシュ内の溶鋼過熱度を変化させて鋳片中
心部の凝固組織を調べた。鋳造鋼種、鋳片寸法は実施例
1の場合と同じにした。他の鋳造鋳片としては、鋳片の
引抜き速度を0.75m/min、軽圧下量を1.2m
m/m、上部磁界及び下部磁界の強度を0.35Tにし
た。この結果を図9に示す。
【0030】図9はタンディッシュ内の溶鋼過熱度に対
する鋳片中心部の柱状晶傾角のバラツキ(標準偏差σ)
との関係を示す。図中、●が位置する条件は柱状晶、○
が位置する条件は分岐柱状晶が生成したことを示す。図
8で明らかなように、タンディッシュ内の溶鋼過熱度が
25°C以上になると柱状晶傾角のバラツキが非常に小
さくなり、が非常に整合性のよい結晶が生成した。
【0031】(実施例3)実施例1と同じ装置を使用
し、上部磁界を一定しておき、下部磁界の強度を変化さ
せた鋳造実験を行った。他の鋳造条件は、タンディッシ
ュ内の溶鋼過熱度を35°Cにしたこと以外は実施例2
と同じにした。
【0032】なお、この実験においては、軽圧下有無の
比較として、軽圧下あり(1.2mm/m)の鋳造と、
軽圧下なしの鋳造を行った。又、別の比較のために、二
次冷却帯で電磁攪拌した鋳造も実施した。
【0033】この実施例では、中心部の凝固組織の良否
と中心偏析の有無について調べた。中心偏析の結果は図
10に示す。図10における中心偏析の評価は中心部に
存在する直径1mm以上の粒状偏析の個数で判定した。
中心偏析の評価データは、凝固組織写真における偏析粒
の個数を数え、それぞれの偏析粒径の面積を求めてこれ
を円形に換算し、その直径の大きさを偏析粒径の大きさ
とした。図中、●マークは軽圧下を行った場合の値、○
マークはは軽圧下を行った場合の値、×のマークは二次
冷却帯で電磁攪拌した場合の値を示す。
【0034】図10で明らかなように、軽圧下の有無に
ついて中心偏析の度合を比較すると、軽圧下有の場合に
は、軽圧下無の場合よりも偏析粒の個数が非常に多い。
又、静磁界の印加による効果も非常に小さい。これに対
し、軽圧下を実施した場合には、軽圧下と静磁界の印加
とが相乗的に作用して中心偏析の度合が低下し、特に、
0.15T以上の磁界強度の静磁界を印加しながら鋳造
した場合には、直径1mm以上の偏析粒個数は極端に少
なくなっている。
【0035】又、二次冷却帯で電磁攪拌した場合の偏析
粒個数は、軽圧下無で静磁界を印加した場合よりもよい
値が得られたが、凝固初期に静磁界を印加した場合には
及ばなかった。
【0036】又、0.15T以上の磁界強度を印加した
場合には中心部の鋳片の下半分側には等軸晶や分岐柱状
晶の生成は見られず柱状晶となっていた。
【0037】(実施例4)実施例1と同じ装置を使用
し、上部磁界の強度のみを変化させ、上部磁界の強度と
鋳片中心部の偏析度合との関係を調べた。他の鋳造条件
は、下部磁界の強度を0.35T一定にしたこと以外は
実施例3と同じにした。そして、得られた鋳片の中心部
の凝固組織における柱状晶の傾きの測定と、鋳片中心部
の偏析粒の数を調べた。これらの結果を図11及び図1
2に示す。
【0038】図11は上部磁界の強度と鋳片中心部の柱
状晶傾角のバラツキ(標準偏差σ)との関係を示した図
である。この図によれば、柱状晶の成長方向を揃え、整
合性のよい結晶配置にするには、上部磁界の強度は約
0.15T以上にする必要がある。
【0039】図12は上部磁界の強度と鋳片中心部の偏
析粒の数との関係を示した図である。この図において、
上部磁界の強度を約0.15T以上にすれば、直径1m
m以上の偏析粒の個数は非常に少なくなり、鋳片中心部
の偏析が低減して良好な鋳片が得られることが分かる。
【0040】なお、この実施例において得られた鋳片の
うち、上部磁界強度を0.35Tにした場合の鋳片から
製造した鋼板を耐サワーガス用高級ラインパイブに加工
し、この試料についてHICテストを行ったところ、割
れの発生率は従来の製品の1/5に減少した。
【0041】
【発明の効果】本発明は、タンディッシュ内の溶鋼の加
熱度を25°C以上にして連続鋳造を行い、鋳型から引
き抜かれた凝固初期の鋳片に静磁界を印加し、最終凝固
直前の鋳片に静磁界を印加すると共にこの鋳片を軽圧下
することによって、鋳片中心部の上面及び下面の双方に
柱状晶を生成させると共に、最終凝固時の溶鋼の流動を
抑制する方法である。
【0042】このため、鋳片の中心偏析は著しく減少
し、例えば、実施例によって得た鋳片から製造した鋼板
を加工した耐サワーガス用高級ラインパイブのHICテ
ストにおいては、割れの発生率は従来の製品の1/5に
減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための連続鋳造装置の一実施
例を示す図である。
【図2】予備試験用底付き鋳型を示す図である。
【図3】鋳塊中心部における凝固組織の顕微鏡写真を示
す図である。
【図4】静磁界を印加した場合における鋳塊内の温度変
化の測定結果を示す図である。
【図5】静磁界を印加しなかった場合における鋳塊内の
温度変化の測定結果を示す図である。
【図6】印加磁界強度と溶鋼の最大過熱度との関係を示
す図である。
【図7】磁界強度と溶鋼の過熱度が消失する時間までの
時間との関係を示す図である。
【図8】鋳片の降下時間と鋳片中心部における柱状晶傾
角のバラツキとの関係を示す図である。
【図9】タンディッシュ内の溶鋼過熱度に対する鋳片中
心部の柱状晶傾角のバラツキとの関係を示す図である。
【図10】下部磁界の強度と鋳片中心部の偏析粒の数と
の関係を示す図である。
【図11】上部磁界の強度と鋳片中心部の柱状晶傾角の
バラツキとの関係を示す図である。
【図12】上部磁界の強度と鋳片中心部の偏析粒の数と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ 3 連続鋳造用鋳型 4 上部静磁界発生装置 5 サポートロール 6 サイドロール 7 下部静磁界発生装置 8 軽圧下ロール 10 溶鋼 11 凝固殻 12 鋳片 13 ピンチロール
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】鋳塊中心部における金属組織の顕微鏡写真を示
す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュ内の溶鋼を加熱してその
    加熱度を25°C以上にし、この加熱された溶鋼を連続
    鋳造鋳型に鋳込んで溶鋼の凝固を開始させ、前記鋳型か
    ら引き抜かれた凝固初期の鋳片に静磁界を印加し、最終
    凝固直前の鋳片に静磁界を印加すると共にこの鋳片を軽
    圧下する鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 鋳型から引き抜かれた凝固初期の鋳片に
    静磁界を印加する時期が溶鋼の凝固開始から4分以内で
    ある請求項1記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 印加する静磁界の磁界強度が0.15テ
    スラ以上である請求項1又は請求項2記載の鋼の連続鋳
    造方法。
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