JPH066078Y2 - 昇降式ホツパ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば鋼板スクラップを一時的に貯蔵し、所
要時期に回収バッグへ払い出すようにした昇降式ホッパ
ーに関する。

従来から製鉄所においては、例えば鋼板スクラップを一
時的に貯蔵し、所要時期に、台車上の回収バッグ内に払
い出すようにしたホッパーが使用されている。

この従来のホッパーは、左右一対の開閉扉を有する下端
開口が、ホッパーの直下位置に装入される台車上の回収
バッグの上端開口から相当の距離（高さ）を存して架構
上に固定的に設置されているので、ホッパーの下端開口
における開閉扉を開放して、鋼板スクラップを回収バッ
グ内に払い出す場合、落下衝撃が大きく、しかも開閉扉
を一度に全開にするため、鋼板スクラップが一塊となっ
て一度に落下し、一層落下衝撃が大きくなり、回収バッ
グ、台車を破損させる恐れがある。

本考案は、かかる従来のホッパーの欠点を除去すべくな
したものであって、その実施例を図面に基づき以下に説
明する。

第１図、第２図において、１は門型架構であって、この
門型架構１の左右の支柱１ａの内側には垂直ガイド１ｂ
が設けられている。

前記垂直ガイド１ｂ間には、ガイドローラー２ａを介し
垂直ガイド１ｂに沿って昇降するホッパー２が設けられ
ている。

このホッパー２は、門型架構１の上部梁１ｃに設けられ
ている可逆電動機３により駆動されるワイヤードラム４
からワイヤーシーブ５を介するワイヤーロープ４ａに連
結され、吊り下げられている。

前記ホッパー２の下端開口には、左右一対の開閉扉２
ｂ，２ｃが設けられており、例えば左側の開閉扉２ｂは
大扉であり、右側の開閉扉２ｃは小扉になっている。

前記左側の開閉扉２ｂは、可逆電動機付きワイヤードラ
ム６からワイヤーシーブ７を介するワイヤーロープ６ａ
に連結されており、また前記右側の開閉扉２ｃは、可逆
電動機付きワイヤードラム８からワイヤーシーブ９を介
するワイヤーロープ８ａに連結され、それぞれ開閉され
る。

10は、台車11上に載置されているスクラップ回収バッグ
であって、スクラップの回収時に、ホッパー２の直下位
置に装入され、スクラップの回収後、スクラップ処理場
へ搬送される。

前記ホッパー２は、その下端が第１図のＡなる待機位置
から第１図のＢなる下限位置、下限位置Ｂから第２図の
Ｃなる上限位置、上限位置Ｃから第１図の待機位置Ａと
なるよう、下降、上昇、下降の順に制御される。

すなわち、図示してない例えばコンベヤーにより搬送さ
れてきたスクラップを、ホッパー２の上端開口からホッ
パー２内へ収納し、蓄積するときは、ホッパー２の下端
は待機位置Ａにあり、ホッパー２内のスクラップを前記
回収バッグ10内へ払い出すときは、ホッパー２をその下
端が下限位置Ｂになるように下降制御し、スクラップの
回収バッグ10内への払い出し完了後、前記開閉扉２ｂ，
２ｃを開放したまま、ホッパー２をその下端が上限位置
Ｃになるように上昇制御し、上限位置Ｃにおいて開閉扉
２ｂ，２ｃを閉塞し、ホッパー２をその下端が待機位置
Ａになるように下降制御する。

このようなホッパー２の待機位置Ａ、下限位置Ｂ、上限
位置Ｃの規制は、例えば各位置Ａ，Ｂ，Ｃに設けたリミ
ットスイッチを用いるか、あるいは前記可逆電動機３に
取り付けた回転検出器等を用いて行えばよい。

またホッパー２の下限位置Ｂにおいて、ホッパー２内の
スクラップを回収バッグ10内に払い出す場合は、先ず大
扉である左側の開閉扉２ｂを、低速で回転される可逆電
動機付きワイヤードラム６からワイヤーシーブ７を介し
て繰り出されるワイヤーロープ６ａにより、ゆっくり開
放して、ホッパー２内のスクラップを少しずつ滑り出さ
せ、その後、小扉である右側の開閉扉２ｃを、低速で回
転される可逆電動機付きワイヤードラム８からワイヤー
シーブ９を介して繰り出されるワイヤーロープ８ａによ
り、ゆっくり開放して、ホッパー２内のスクラップを回
収バッグ２内へ極力衝撃がないよう払い出しながら、ホ
ッパー２を上限位置Ｃへ上昇させ、上限位置Ｃにおいて
左右の開閉扉２ｂ，２ｃを閉塞するよう、左右の開閉扉
２ｂ，２ｃは開閉制御されるようになっている。

なお、前記ホッパー２は、その左側の前後および右側の
前後の各上端において、それぞれ各１本、計４本のワイ
ヤーロープ４ａにより吊り下げられているが、第３図に
示す如く、ホッパー２の前側面の左上部位置と右中央部
位置およびそれ等と対称位置なる後側面にそれぞれアイ
ドルシーブ12を設け、前側面の各アイドルシーブ12およ
び後側面の各アイドルシーブ12に、それぞれ架構１の前
後の上部梁１ｃの右側と、前後の下部梁１ｄの左側との
間に固定した各サポートワイヤーロープ13を掛け渡し、
ホッパー２の左側の前後の各上端において、それぞれ各
１本、計２本のワイヤーロープ４ａにより吊り下げるよ
うにしてもよい。

この場合、ホッパー２の水平調整ができるよう、各サポ
ートワイヤーロープ13の上端と、上部梁１ｃとの間にタ
ーンバックル14を設ける。

本考案は上述した如く、門型架構の垂直ガイドに沿って
昇降制御されるホッパーを設け、このホッパーの下端開
口に、所要の時間差をもって開放制御される左右一対の
開閉扉を設けたので、ホッパー内に一時的に貯蔵された
例えば鋼板スクラップを、ホッパーの直下位置に装入さ
れた台車上の回収バッグ内に払い出す場合、ホッパーの
下端を可及的に回収バッグの上端開口まで近付けること
ができると共に、いずれか一方の開閉扉を先に開放し
て、ホッパー内のスクラップを徐々に回収バッグ内へ払
い出し、所要時間の経過後、他方の開閉扉を開放して、
残余のスクラップの払い出しを完了させることができ、
従ってスクラップの払い出し時における落下衝撃を極力
小さくすることができるので、回収バッグおよび台車を
破損させる恐れはない。

なお、本考案は、鋼板スクラップの払い出し用ホッパー
に限定されるものではなく、産業界全般におけるスクラ
ップ等の払い出し用ホッパーに適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の実施例を示す各説明図、第３
図は本考案の他の実施例を示す説明図である。 １…門型架構、１ｂ…垂直ガイド、２…ホッパー、２ａ
…ガイドローラー、２ｂ，２ｃ…開閉扉、３…可逆電動
機、４…ワイヤードラム、４ａ…ワイヤーロープ、６，
８…可逆電動機付きワイヤードラム、６ａ，８ａ…ワイ
ヤーロープ、10…回収バッグ、11…台車、12…アイドル
シーブ、13…サポートワイヤーロープ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】門型架構の垂直ガイドに沿って昇降制御さ
   れるホッパーを設け、このホッパーの下端開口に、所要
   の時間差をもって開放制御される左右一対の開閉扉を設
   けた昇降式ホッパー。