JPH066049B2 - 食品保存剤 - Google Patents

食品保存剤

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JPH066049B2
JPH066049B2 JP61197326A JP19732686A JPH066049B2 JP H066049 B2 JPH066049 B2 JP H066049B2 JP 61197326 A JP61197326 A JP 61197326A JP 19732686 A JP19732686 A JP 19732686A JP H066049 B2 JPH066049 B2 JP H066049B2
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は新規な液状の食品保存剤に関する。
<背景技術> 従来から各種食品を長期間保存するために、その食品に
存在する大腸菌,乳酸菌等各種の菌に対し静菌作用のあ
る、即ちそれらの菌の発育を停止する作用を有する食品
保存剤が種々提供され、使用されている。例えば、エタ
ノール,有機酸またはその塩,低級脂肪酸モノグリセラ
イド,リゾチーム等が挙げられ、これらは単独で使用さ
れるか、または数種併用して用いられているが、それぞ
れに利点とともに難点が有り、十分満足すべきものは見
出されていない。
エタノールはその殺菌・菌抑制作用が利用されて種々の
分野で使用されているが、一般に殺菌効果が認められて
いる75%の高濃度では食品に添加した際にエタノール
臭を発生するなどの問題を有している。
一方、リゾチームは卵白リゾチームとして容易に入手で
きるもので従来より天然の保存剤として使用されている
が、静菌しうる菌が限られるとともに静菌作用が鈍いと
いう欠点を有しているため、単独では汎用性のある食品
保存剤とはならない。また、リゾチーム300〜500
ppm(重量)を含有するエタノール50〜75%(重
量)水溶液を主体としたもの(特公昭60−35104
号公報)が提案されているがこの場合にもバチルス・ズ
ブチリス(Batillus subtilis)に対して著効を示すだ
けで、やはり応用分野が狭いという欠点を有している。
周知のように食品には種々雑多の細菌が付着し、繁殖し
ている。そして食品の種類,製造条件,保存条件などに
より繁殖する細菌が異なる。しかしながら上述したよう
な従来の保存剤はそれぞれ特定の菌に対してのみ静菌効
果を有するものであり、食品に付着、繁殖する可能性の
あるすべての菌に対して効果を示すものではない。ま
た、強い殺菌作用を示す高濃度エタノールも臭いに問題
があり、その使用が制限されてしまう。
そこで、本発明者らは先に、食品に付着する可能性のあ
る種々の菌に対して静菌効果を示す食品保存剤として、
リゾチーム,低級脂肪酸モノグリセライド及びフィチン
酸を有効成分とするものなど(特開昭60−37965号
公報)を提案した。しかし、この食品保存剤は粉末タイ
プであるので表面殺菌等への使用が難しいとともに食品
への練り込み時の浸透性が液状タイプに比べて劣るとい
う問題がある。また、原料の一つである低級脂肪酸エス
テルはロウ状のものが多く、水に溶けにくいため、粉末
化に手間を要するという問題もある。
<発明の目的> 本発明は、上述した事情に鑑み、食品に付着する可能性
のある種々の菌に対して静菌効果を示し、且つ液状タイ
プで使い易く、臭いの点でも問題のない食品保存剤を提
供することを目的とする。
<目的を達成するための手段> 本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討を重
ねた結果、エタノール濃度が約25〜60%(重量%、
以下特に記載のない場合には%は重量%を示す)の水溶
液にリゾチームを添加したところグラム陽性菌の他、乳
酸菌や一部のグラム陰性菌に対しても効果が認められ、
さらにこの「エタノールとリゾチーム」にカプリン酸モ
ノグリセライド等の低級脂肪酸エステルを添加すること
により、高濃度エタノール溶液を超える静菌作用を示す
保存剤となることを知見した。かかる知見に基づく本発
明の構成は、リゾチーム及び低級脂肪酸モノグリセライ
ドをエタノール水溶液に溶解してなり、全重量に対し
て、リゾチームが0.1〜0.5%,低級脂肪酸モノグリセ
ライドが0.1〜3%,エタノールが25〜60%である
ことを特徴とする。
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
まず本発明において有効成分として用いられる各化合物
について云えば、リゾチームは卵白やイチジク乳液中等
から常法により抽出してえられる酵素であり、等電点リ
ゾチームのみでなく塩化リゾチーム等のリゾチーム塩類
も含む。通常卵白中のリゾチームを抽出し、結晶化して
えられる結晶状のリゾチームの他、結晶状の卵白リゾチ
ームを微粉末化した粉末状リゾチーム等卵白起源のリゾ
チームが用いられる。
つぎに本発明における低級脂肪酸モノグリセライドは炭
素数4〜12の範囲の低級脂肪酸とグリセリンのモノエ
ステルであり、このうちカプロン酸,カプリル酸,カプ
リン酸(夫々順に炭素数6,8,10)のモノグリセラ
イドが好ましい。この低級脂肪酸モノグリセライドは分
子蒸留法等によりえられた純度80%以上のものを用い
るのが好ましいが、純度50%程度のものを用いること
もできる。風味の面からみると純度の高いのが好まし
い。種類によって常温で液状,結晶状,ろう状等をなし
ており、ろう状の場合は加熱して溶かして用いる。
また、未発明で用いるエタノールは、従来より食品保存
剤として使用されているものであり、工業的に発酵法あ
るいは合成法で製造されている。
本発明の食品保存剤は、これらの有効成分を用いてアル
コール水溶液製剤とするものであるが、この場合の配合
割合は全容量に対して、リゾチーム0.1〜0.5%,低級
脂肪酸モノグリセライド0.1〜3%,エタノールが25
〜60%である。なお、エタノールの配合割合とは製剤
中にエタノールが無水エタノールに換算して何%含まれ
ているかをいう。ここで、リゾチームが上記範囲より低
濃度であると食品に添加した際の菌抑制効果が弱くなっ
てしまい、高濃度のいなるとエタノールとの反応で変性
を起こしてしまうとともに静菌効果の上昇がほとんどな
く無駄となってしまい、ともに好ましくない。また、低
級脂肪酸モノグリセライドが上記範囲より低濃度である
と有効な静菌効果が得られず、上記範囲より高濃度とし
ても静菌効果に差が出ないので、好ましくない。また、
エタノールが上記範囲より低濃度であると低級脂肪酸モ
ノグリセライドが析出してしまい、上記範囲より高濃度
であると食品へ添加した際にエタノール臭が強く出てし
まうとともにリゾチームが変形を起こしてしまい、とも
に好ましくない。
また、本発明の食品保存剤を製造する場合には、リゾチ
ームを水に溶解させるとともに低級脂肪酸モノグリセラ
イドをエタノールに溶解させ、両者を混合して製剤とす
るのがよい。
このようにして得られる本発明の食品保存剤は、エタノ
ールを主成分とする液状であるがエタノール臭はほとん
どなく、使用法も容易である。この食品保存剤は、3成
分の相乗効果により、グラム陽性菌の他、グラム陰性
菌,乳酸菌など幅拾い菌に対して静菌効果を有する。
次に試験例を示し本発明をさらに説明する。
<試験例> 試験例1 まず、次に示すサンプルを用意した。
対照区1:減菌蒸留水 対照区2:エタノール25%,リゾチーム0.1%を溶解
させた水溶液 対照区3:エタノール50%,リゾチーム0.1%を溶解
させた水溶液 対照区4:エタノール50%,リゾチーム0.1%,酢酸
ナトリウム1%を溶解させた水溶液 対照区5:エタノール50%,リゾチーム0.1%,ポリ
リン酸ナトリウム1%を溶解させた水溶液 テスト区1:エタノール25%,リゾチーム0.1%,カ
プリン酸モノグリセライド1%を溶解させた水溶液 テスト区2:エタノール50%,リゾチーム0.1%,カ
プリン酸モノグリセライド1%を溶解させた水溶液 また、次のaに示す菌株を用いてbに示す方法で菌液
を調整した。
a.使用菌株 ・Sac.rosei (AHU-3975)−酵 母 ・L.plantarum (I-14914) −乳酸菌 b.菌液の調製 ・L.plantarumはMRS培地に画線し、培養した(嫌気
30℃,72 hr)、それ以外はSPC培地に画線し、
培養した(30℃,48hr)。
・培養後、約1白金耳量をとり、生理食塩水に加えた
(菌数106/g程度)。
テスト 菌増殖用として、あらかじめ調製しておいたグルコース
添加NB培地(肉エキス,バクトペクトン,食塩)を、
試験管に10mlずつ分注し、減菌した。次いで、これに
上記各サンプル(上述のように調製した製剤)及び菌液
を、それぞれ0.1mlずつ添加した(これは1%添加とな
る)。30℃で24時間培養後の660nmでの吸光度を
測定したところ、表−1の結果が得られた。なお吸光度
が高い程、増殖率が高いことを示し、その下段に効果判
定を○,△,×で示した。また、総合評価としての合計
点も合せて示した。
表−1に示すように、本発明にかかるテスト区1,2で
は、種々の菌に対する静菌作用が認められ、総合評価で
も対照区1〜5と比較して極めて優れている。
試験例2 次のA〜Dのサンプルを作成し、これらを種々の食品に
添加して保存テストを行った。
A:エタノール50%,リゾチーム0.1%,カプリン酸
モノグリセライド1%を溶解させた水溶液 B:エタノール50%,リゾチーム0.1%,カプリン酸
モノグリセライド3%を溶解させた水溶液 C:エタノール60%,リゾチーム0.1%,カプリン酸
モノグリセライド1%を溶解させた水溶液 D:エタノール60%,リゾチーム0.1%,カプリン酸
モノグリセライド3%を溶解させた水溶液 カスタードクリームへの添加テスト 次に示す原料を用いて常法によりカスタードクリームを
試作した。
牛 乳 250g 砂 糖 75g 小麦粉 10g コーンスターチ 9g卵 黄 25g 合 計 369g この試作に当り、原料を混合したペースト状の原料混合
物に、上記A,B,C,Dのサンプル0.1%,0.5%,
1.0%を各別に添加し、この混合物を85℃で5分間加
熱した後、冷却してカスタードクリームとした。なお、
同様にして保存剤無添加のものを対照品として試作し
た。
これらのカスタードクリームを15℃の温度で1日〜6
日間保存し、各日毎に菌数を測定したところ、表−2の
結果を得た。
表−2に示すように、本発明にかかる上記サンプル製剤
A〜Dは優れた静菌作用を示している。
ポテトサラダへの添加テスト 市販のポテトサラダに、上記A〜Dのサンプルを0.1
%,0.5%,1.0%各別に添加して15℃の温度で1日
〜3日間保存し、と同様のテストをしたところ、表−
3の結果が得られた。
表−3に示すようにこの場合にも各サンプルA〜Dにお
いて優れた静菌効果が得られている。
かまぼこへの添加テスト まず次の原料を用意する。
す り 身 500g 馬鈴薯澱粉 30g 食 塩 15g グルタミン酸ナトリウム 5g 上 白 糖 4g み り ん 10g清 水 300g 合 計 864g 各原料を常法により混合し、これを9等分し、1つは無
添加の対照品とし、他のものに上記A〜Dのサンプルを
1%,2%,各別に添加し、その後ケーシングにつめて
90℃で40分間加熱し、しかる後、冷却した。
各試料を15℃の温度で1日〜3日間保存し、と同じ
テストを行ったところ、表−4の結果が得られた。
表−4に示すように、この場合にもサンプルA〜Dにお
いて優れた静菌効果が認められた。
<発明の効果> 以上、試験例とともに具体的に説明したように、本発明
にかかる食品保存剤は、エタノール,リゾチーム及び低
級脂肪酸モノグリセライドの3成分を一定の配合割合と
しているのでそれらの相乗効果により、グラム陽性菌,
グラム陰性菌,乳酸菌など種々の菌に対して静菌作用を
示し、また液状で且つエタノール臭などの異臭もないの
で種々の食品に対して使用することができる。したがっ
て本発明の食品保存剤はカスタードプリン,サラダ,練
製品などに用いて好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リゾチーム及び低級脂肪酸モノグリセライ
    ドをエタノール水溶液に溶解してなり、全重量に対し
    て、リゾチームが0.1〜0.5%,低級脂肪酸モノグリセ
    ライドが0.1〜3%,エタノールが25〜60%である
    ことを特徴とする食品保存剤。
JP61197326A 1986-08-25 1986-08-25 食品保存剤 Expired - Fee Related JPH066049B2 (ja)

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