JPH08175989A - 乳房炎の予防のための組成物 - Google Patents

乳房炎の予防のための組成物

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JPH08175989A
JPH08175989A JP6322718A JP32271894A JPH08175989A JP H08175989 A JPH08175989 A JP H08175989A JP 6322718 A JP6322718 A JP 6322718A JP 32271894 A JP32271894 A JP 32271894A JP H08175989 A JPH08175989 A JP H08175989A
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acid monoglyceride
mastitis
dipping
sample
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Kiyotaka Sato
清隆 佐藤
Isayoshi Takahashi
勇好 高橋
Masatsugu Yamashita
政続 山下
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Nissan Gosei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低刺激性で無毒であり、無臭で且つ凝固しにく
い乳房炎の予防のための組成物を提供する。 【構成】本発明の乳房炎の予防のための組成物は、カプ
リル酸モノグリセリド1.0g、カプリン酸モノグリセ
リド1.0gおよびラウリン酸モノグリセリド1.0g
を、プロピレングリコール62gおよびソルビタン15
gを含有する混合物に添加し、60℃で均一な溶液とな
るまで撹拌し、この混合液に50%乳酸12gを添加し
た後、水6gを添加して撹拌して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば乳牛の乳頭を洗
浄、除菌、殺菌および消毒して、乳房炎を予防すること
ができる乳房炎の予防のための組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】乳牛は野外や牛床で横になったり、寝そ
べったりすることが多いため、乳頭に例えば、泥のよう
な異物または微生物が付着して汚染されやすい。最悪の
場合には、乳房炎を起こすことがある。一頭の乳牛が乳
房炎にかかると搾乳作業により他の乳牛も感染するおそ
れがあるため、乳房炎の感染は搾乳者にとって重大な問
題である。
【0003】乳房炎の予防のため、1960年代頃から
英国および米国で総合的な衛生システムの研究が行われ
ている。例えば、個別タオルの使用、搾乳時の手袋の使
用、牛個体間の消毒、デートカップの消毒、水または合
成洗剤による乳頭の洗浄および除菌、搾乳後の乳頭の消
毒液への浸漬等が検討されている。
【0004】これらの乳房炎の感染予防方法のうち、乳
頭を衛生的に維持する手段としては、水または合成洗剤
による乳頭の洗浄および除菌する方法並びに乳頭を消毒
液へ浸漬する方法がある。水による洗浄は、洗浄効率が
悪く、泥等の異物は除去できるが微生物はほとんど除去
することができない。また、合成洗剤は、洗浄効率に優
れ、異物だけでなく微生物もかなり除去することができ
るが、残留した微生物が再び繁殖してしまい、乳房炎の
発生をほとんど予防することができない。また、合成洗
剤は皮膚障害や毒性が問題となる。
【0005】これに対して、乳頭を消毒液へ浸漬する方
法は、最も簡単で、乳房炎の感染を効果的に減少できる
点で好ましい。従来、乳房炎を予防するための、乳頭を
浸漬または塗布して洗浄、除菌、殺菌または消毒する薬
液、すなわちディッピング液が各種開発されている。例
えば、ディッピング液としては、ヨード系殺菌剤や塩化
ベンザルコニウムを有効成分とするものが使用されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ディッピング液は、ヨード系殺菌成分や塩化ベンザルコ
ニウム等の有効成分が皮膚に対して極めて強い刺激性を
有するため、乳頭や乳房で重篤な皮膚障害を引き起こす
ことが多い。このため、従来のディッピング液を数回使
用するだけで乳頭の粘膜上皮の破壊が起こり、乳頭に亀
裂や浸食が認められる。また、上述の有効成分による刺
激により、乳牛は、乳頭へ耐えられないほど痛みを受け
る。さらに最悪の場合には、逆に乳腺内感染を引き起こ
し、重度の乳房炎が発生する原因となることもある。従
って、重度の刺激が認められた場合には、ディッピング
液の使用を即刻中止せざるを得ない。
【0007】乳頭への刺激軽減、乳頭皮膚の乾燥防止お
よび亀裂防止を目的として、上述のディッピング液に、
緩衝剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ソル
ビトール等の多価アルコール、ラノリン、鉱油、動植物
油脂が配合されていることがある。しかし、これらの添
加剤はヨード系殺菌成分や塩化ベンザルコニウムの殺菌
力を低下させるため好ましくない。
【0008】近年、低刺激性の無毒なディッピング液と
して、例えば、Journal of Food protection, vol.51,
No.10, p.799-801(Octorber, 1988)に開示されているよ
うに、ラウリシジン(Lauricidin;ラウリン酸のグリセ
リンエステル)、カプリル酸、カプリン酸および乳酸か
らなるものが提案されている。しかしながら、カプリル
酸およびカプリン酸は特有の臭気および刺激性を有する
ため、牛舎内で使用すると周囲に強烈な臭気が漂い、作
業者はマスク等を着用せざるを得ない。また、冬季や寒
冷地で使用する場合には、カプリル酸およびカプリン酸
が凝固してディッピング液が濁ったり、ディッピング液
全体が凝固するために、用時加熱溶解させる必要が生じ
る。また、使用時に水で希釈した場合に、希釈液が白濁
して不透明になり、製剤の安定性に欠ける問題もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、低刺
激性で無毒であり、無臭で、且つ、凝固しにくい乳房炎
の予防のための組成物を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、カ
プリル酸モノグリセリドおよび/またはカプリン酸モノ
グリセリドを有効成分として含有することを特徴とする
乳房炎の予防のための組成物を提供する。
【0010】本発明の乳房炎の予防のための組成物(以
下、ディッピング液組成物という)は、さらにラウリン
酸モノグリセリドを含有していても良い。以下、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0011】本発明のディッピング液組成物において、
有効成分としてカプリル酸モノグリセリドおよび/また
はカプリン酸モノグリセリドを含有する。さらに、ラウ
リン酸モノグリセリドを配合することもできる。カプリ
ル酸モノグリセリド、カプリン酸モノグリセリドおよび
ラウリン酸モノグリセリド(以下、単にグリセリドとも
いう)は、いずれも食品添加物;グリセリン脂肪酸エス
テルに指定され、その安全性が確認されており、食して
も何ら問題のない食品用乳化剤である。
【0012】これらのグリセリドは、カプリル酸、カプ
リン酸およびラウリン酸(以下、単に遊離脂肪酸ともい
う)と同様に抗菌力を有しているが、上述の脂肪酸のよ
うな強烈な臭気および刺激性は有していない。
【0013】上述のグリセリドは、遊離脂肪酸およびグ
リセリンの反応モノグリセリドであっても、さらに分子
蒸留等により精製した高純度モノグリセリドであっても
良い。このうち、高純度モノグリセリドは無色無臭であ
るため特に好ましい。
【0014】本発明のディッピング液組成物は、そのま
まディッピング液として使用されるもの、および、用時
希釈してディッピング液として使用されるものを包含す
る。本発明のディッピング液組成物は、例えば、上述の
グリセリドを水などの媒質に溶解または分散させて調製
される。本発明のディッピング液組成物は、使用時のグ
リセリドの濃度は、ディッピング液全体に対して0.7
5重量%以上になるように調製することが好ましい。
【0015】上述のグリセリドを用いて調製される本発
明の組成物は、−20℃においても凍結しない。従っ
て、従来のディッピング液組成物のように、凍結した組
成物を用時加温して溶解させる必要がなく、冬季または
寒冷地での使用に適している。
【0016】本発明のディッピング液組成物は、例え
ば、2〜200倍の水で希釈して用いられる。この場
合、全組成物中のグリセリドの配合量は、1.5〜30
重量%であることが好ましい。配合量が1.5重量%よ
りも少ない場合には希釈する必要ない。一方、配合量が
30重量%よりも多くなると、冬季や寒冷地で使用する
場合に粘度が高くなり、希釈時に取り扱いにくくなる不
都合がある。このように用時希釈して使用するディッピ
ング液は、容積が小さくできるため、製品の保管場所を
小さくでき、輸送費および包装費を低減できるので、経
済的に好ましい。
【0017】本発明のディッピング液組成物は、そのま
までまたは希釈した後、乳頭をこれに例えば1〜5秒浸
漬するか、または、スプレー等で乳頭に塗布して使用さ
れる。この処理は、例えば、1日2回の搾乳の後に実施
される。本発明のディッピング組成物は乳頭に付着する
と、乳頭および乳頭孔内粘膜を洗浄および殺菌すると共
に、乳頭の皮膚および乳頭孔内粘膜の上に被膜を形成
し、これらを保護し細菌の増殖を抑制する。
【0018】上述のように本発明のディッピング液組成
物において、有効成分として用いているカプリル酸モノ
グリセリドおよびカプリン酸モノグリセリドは、十分な
抗菌力を有するが、臭気が少なく且つ刺激性もない。こ
のため、皮膚への影響が少ない。また、カプリル酸モノ
グリセリドおよびカプリン酸モノグリセリドは、融点が
比較的低く、冬季や寒冷地でも粘度が増加したり凝固し
たりしない。このため、いかなる条件下でも取り扱いが
容易である。
【0019】本発明のディッピング液組成物は、上述の
グリセリドからなる有効成分の他に種々の添加物を含有
しても良い。例えば、本発明のディッピング液組成物の
有効成分であるグリセリドは、水に不溶性であるため、
水に分散させるために乳化剤を添加する必要がある。例
えば、乳化剤としては、HLBが10以上のポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレイン酸エステル等のポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル若しくはポリグ
リセリン脂肪酸エステルのようなノニオン系界面活性
剤、または、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界
面活性剤を用いることができる。このようにグリセリド
を水に乳化させたディッピング液組成物は、透明な液体
となり、さらに水で希釈した場合にも透明な液体であ
り、長期間保存しても白濁することなく、保存安定性に
優れている。また、上述の界面活性剤は、本発明のディ
ッピング液組成物の抗菌力および殺菌力を増強する点で
も好ましい。
【0020】また、例えば、プロピレングリコール、グ
リセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール
等の多価アルコールは、皮膚の保湿および刺激を緩和す
るために添加される。また、本発明のディッピング液組
成物またはその希釈液を保存する目的で、エタノールの
ような防腐剤を添加することができる。また、クエン
酸、フマル酸、コハク酸、乳酸等の有機酸のようなpH
調節剤を添加し、pHを4以下に調整することもでき
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。し
かし、本発明は、これらの実施例により限定されるもの
ではない。 試験例1 まず、有効成分として、純度85%以上のカプリル酸モ
ノグリセリド(太陽化学(株)製:サンソフト#700
P−2)(以下、C8 MGという)、純度85%以上の
カプリン酸モノグリセリド(太陽化学(株)製:サンソ
フト#750)(以下、C10MGという)、または、純
度85%以上のラウリン酸モノグリセリド(太陽化学
(株)製:サンソフト#760)(以下、C12MGとい
う)を、プロピレングリコール64.0gおよびソルビ
タン15.0gを含有する混合物に添加し、60℃で均
一な溶液となるまで撹拌した。この混合液に50%乳酸
122.0gを添加した後、水6.0gを添加して撹拌
して、夫々の有効成分について配合割合が0.3,6,
12,24および30重量%になるように試料を調製し
た。
【0022】また、有効成分として、C8 MG、C10
GおよびC12MGを用いた以外は、上述と同様の手順に
従って、有効成分を夫々0.25重量%、合計で0.7
5重量%含有する試料を調製した。
【0023】これらの試料について、次のような抗菌試
験を行った。供試菌株としては、Escherichia coli お
よび Klebsiella pneunoniaeを用いた。これらの菌株
は、乳房炎起因菌の野外株から採取したものである。菌
液は、継代培養された上述の菌株から、増殖用培地に1
白金耳釣菌し、18〜24時間培養して得た。この菌液
2mlを加熱溶融した寒天培地98mlに加え、これを
10mlずつシャーレに分注して冷却し、平板培地を作
製した。
【0024】上記試料を標準ディスクに浸漬させ、これ
を平板培地の表面上に置き、37℃で一晩培養した。そ
の後、平板培地の表面上に形成された阻止帯の直径D
(mm)を測定した。この結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】 表1から明らかなように、C8 MG、C10MGおよびC
12MGは、いずれも0.75〜30重量%の配合割合の
範囲内で全て抗菌性を有することがわかった。また、
0.75〜30重量%の配合割合の範囲内では抗菌性は
ほぼ一定であった。また、いずれの試料も2種の菌株に
どちらに対しても同等の抗菌性を有することが確認され
た。
【0027】また、C8 MG、C10MGおよびC12MG
を併用した試料は、いずれの菌株に対しても良好な抗菌
性を有することが確認された。さらに、同濃度(0.7
5重量%)で個々のグリセリドを単独で使用した試料と
抗菌力を比較すると、単独使用の場合には何れも“+”
であるのに対して、3種のグリセリドを併用した場合に
は“++”であった。
【0028】上述のように、C8 MG、C10MGまたは
12MGを夫々使用したディッピング液組成物は、上述
の菌株に対して抗菌性を有するため、乳頭の殺菌および
消毒に有用であることが確認された。また、3種のグリ
セリドを併用した場合には相乗効果を奏することが確認
された。
【0029】試験例2 有効成分として、C8 MG1.0g、C10MG1.0g
およびC12MG1.0gを、プロピレングリコール64
gおよびソルビタン15gを含有する混合物に添加し、
60℃で均一な溶液となるまで撹拌した。この混合液に
50%乳酸12gを添加した後、水6gを添加して撹拌
して、均一で淡黄色の透明液体である試料2−1を得
た。
【0030】また、有効成分として、C8 MG3.0
g、C10MG1.0gおよびC12MG1.0gを、プロ
ピレングリコール62gおよびソルビタン15gを含有
する混合物に添加し、60℃で均一な溶液となるまで撹
拌した。この混合液に50%乳酸12gを添加した後、
水6gを添加して撹拌して、均一で淡黄色の透明液体で
ある試料2−2を得た。
【0031】また、比較例としてカプリル酸3.0gお
よびカプリン酸2.0gをプロピレングリコール65g
およびソルビタン15gを含有する混合物に添加し、6
0℃で均一な溶液となるまで撹拌した。この混合液に5
0%乳酸12gを添加した後、水6gを添加して撹拌し
て、均一で淡黄色の透明液体である試料2−3を得た。
【0032】これらの試料2−1〜2−3について、5
℃、−20℃で7日間の耐凍結性および臭気の度合いを
試験した。また、これらの試料2−1〜2−3を水で4
倍に希釈したときのpH、透明性、希釈直後、5時間後
および30日経過後の外観の変化、臭気の度合いを試験
した。この結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2から明らかなように、試料2−1およ
び2−2は、5℃でも粘度が増加せず、取り扱いやすい
液体を呈した。また、−20℃でも凝固せず、流動性が
ある液体であった。また、臭気もほとんど感じられなか
った。また、水で4倍希釈したときにも透明な液体にな
り、30日間保存した後にも透明液体のままであり、臭
気もほとんど感じられなかった。
【0035】これに対して、試料2−3は、5℃で粘度
が増加し、−20℃ではさらに粘度が増加し、取り扱い
が困難であった。また、強い刺激臭が認められた。ま
た、水で4倍に希釈した場合には、希釈直後は透明液体
であったが、希釈後5時間で白濁してしまった。また、
強い刺激臭が認められた。
【0036】試験例3 試験例2で調製した試料2−1、2−3およびヨウ素含
量2%の従来のヨード系殺菌剤を4倍稀釈した試料3−
1について、次のような抗菌性試験を行った。
【0037】供試菌株としては、Escherichia coli, St
aphylococus aureus および Klebsiella Pneunoniae
を用いた。これらの菌株は、乳房炎起因菌の野外株から
採取したものである。菌液は、継代培養された上述の菌
株から、増殖用培地に1白金耳釣菌し、18〜24時間
培養して得た。この菌液2mlを加熱溶融した寒天培地
98mlに加え、これを10mlずつシャーレに分注し
て冷却し、平板培地を作製した。その後、抗菌性物質検
定用ステンレスカップ(直径8mm)を平板培地の表面
上に置き、試料2−1、2−3および試料3−1を水で
4倍に希釈したものをこのカップに充填した後、37℃
で一晩培養した。その後、平板培地の表面上に形成され
た阻止帯の直径D(mm)を測定した。この結果を表3
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】 表3から明らかなように、試料2−1〜2−3および試
料3−1は、全ていずれの菌株に対しても良好な抗菌性
を有することが確認された。従って、本発明の試料2−
1は、従来のディッピング液組成物である試料2−3お
よび試料3−1と同等の乳房炎を防止する効果を発揮し
得ることがわかった。
【0040】試験4 試験例2で調製した試料2−1、2−3および3−1に
ついて、次のような抗菌性試験を行った。
【0041】試料2−1、2−3および3−1を蒸留水
で4倍に希釈してパッチテストを行い、各試料の皮膚に
対する刺激性を観察した。4倍に希釈して各試料0.5
mlを健常な成人男性3人の前腕に塗布し、パッチテス
ト用絆創膏で閉塞した。24時間後にこの絆創膏を取
り、皮膚の状態を観察した。その結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4から明らかなように、試料2−1は皮
膚に対する刺激がない。これに対して、カプリル酸およ
びカプリン酸を有効成分として含有する試料2−3およ
びヨード系殺菌剤である試料3−1は皮膚刺激性が認め
られた。
【0044】試験5 以下、上述の表2に示す試料2−1を4倍に稀釈した試
料5−1を使用して、長期間にわたって乳牛に適用して
乳房炎の予防効果を試験した。
【0045】牛群から乳房炎に罹患していない乳牛40
頭を選定して試験に供した。これらの乳牛のうち20頭
について、1日2回の搾乳の後に上記試料5−1を水で
4倍に希釈した希釈液に乳頭を数秒間浸漬した。残りの
20頭については処理を行わず対照区とした。
【0046】試験開始直後および15〜90日経過後
に、間接的診断法の指標として用いられる(1)NAG
ase活性値、(2)体細胞数および(3)PLテスト
の3種、並びに、乳牛の症状を観察した。ここで、
(1)NAGase活性値、(2)体細胞数および
(3)PLテストは夫々次のようにして行った。
【0047】(1)NAGase活性値 乳牛から採取した試料は、測定時まで−20℃で凍結保
存し、その活性値を日産合成工業(株)製のNAGas
e活性測定キットを用いて測定した。 (2)体細胞数 乳牛から採取した試料は、アジ化ナトリウム0.057
gを添加した後冷蔵保存した。測定は、フォソマチック
(蛍光光学式体細胞数測定機)を用いて行なった。
【0048】(3)PLテスト 乳牛から採取した試料はPLテスター(日本全薬製)を
用いて測定した。これらの指標に基づいて、次の条件が
満たされる場合に陽性と判断し、この結果を参考に担当
獣医師による所見から乳房炎と診断された乳牛の頭数を
調べた。この結果を表5に示す。
【0049】 (1)NAGase活性値 10nmol/分/ml以上 (2)体細胞数 50万個/ml以上 (3)PLテスト 凝集+,色調+ 以上
【0050】
【表5】
【0051】表5から明らかなように、試料5−1で処
理した試験区の乳牛は、乳房炎に罹患した乳牛は、試験
開始後45、75および90日目に夫々1頭ずつ認めら
れただけであった。これに対して、対照区では試験開始
後30日目から乳房炎に罹患した乳牛が認められ、しか
も何れも試験区よりも多くの乳牛が乳房炎を患ってい
た。この結果から本発明のディッピング液組成物が実際
に乳牛の乳房炎の予防効果を有することが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の乳房炎の予
防のための組成物において有効成分であるカプリル酸モ
ノグリセリドまたはカプリン酸モノグリセリドは、十分
な抗菌力を有するが強烈な臭気および刺激性が無い。従
って、使用時に作業者が臭気に悩まされることがなく、
被処理動物に皮膚障害を引き起こすおそれがない。ま
た、低温でも粘度が増加し難く凝固しないため、冬季お
よび寒冷地でも取り扱いが容易である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプリル酸モノグリセリドおよび/また
    はカプリン酸モノグリセリドを有効成分として含有する
    ことを特徴とするディッピング液組成物。
  2. 【請求項2】 さらにラウリン酸モノグリセリドを有効
    成分として含有する請求項1記載の乳房炎の予防のため
    の組成物。
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