JPH0659812B2 - ガス発生器 - Google Patents

ガス発生器

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JPH0659812B2
JPH0659812B2 JP2161464A JP16146490A JPH0659812B2 JP H0659812 B2 JPH0659812 B2 JP H0659812B2 JP 2161464 A JP2161464 A JP 2161464A JP 16146490 A JP16146490 A JP 16146490A JP H0659812 B2 JPH0659812 B2 JP H0659812B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガス発生器又は膨張器に関し、さらに詳細に
は、膨張ガスの迅速発生のための固体ガス発生合成物の
燃焼を利用する、大きな乗客側占有者拘束空気袋又は衝
撃袋を膨張させるための自己保有放射ガス発生器に関す
るものである。
〔従来の技術〕
可燃性の固体ガス発生合成物を利用する自動車用乗客側
空気袋のための、自己保有１段階ガス発生器又は膨張器
は従来技術として知られている。このような発生器の放
射形式は、本発明の譲受人に譲渡された、1981年10月20
日にG.V.Adams他に与えられた米国特許第4,296,084号に
開示されている。この米国特許第4,296,084号の開示は
引用によってここに合体されている。これら発生器の共
通の特徴は、ペレット状にしたアルカリ金属アジドを含
有するガス発生合成物の単一の燃焼室と、ガス発生合成
物と膨張器ハウジングにより区画形成されたガス放出口
又は出口孔との間に配設されたガスを冷却及びろ過する
手段とを含んでいることである。これらのガス発生合成
物は自動車用空気袋の膨張のために用いるのが有利であ
ると考えられているが、その理由は燃焼による生成物が
主として窒素の不活性ガスであるからである。これら合
成物の反応又は燃焼の速度はガスの発生が非常に速い速
度でしかも異常爆発なしで行われるように選択される。
単一段階、すなわち単一の燃焼室の乗客側放射ガス発生
器には１つの問題がある。この従来技術において知られ
ている単一の燃焼室乗客側放射ガス発生器は、膨張器始
動後に０から20（０〜20）ミリ秒の時間に所要の速度よ
り大きな初期の圧力上昇速度で作動する傾向がある。こ
の初期の迅速な圧力上昇は、空気袋の展開中に所定位置
からはずれてる占有者、特に子供に障害を与えるおそれ
のあることが認められた。
1972年５月16日にThomas W.Nortonに与えられた米国特
許第3,663,035号には、２段階のガス発生器からなり第
１の段階部が点火されて第２の段階部の点火より前のあ
る時間に初期展開推力を得るために点火される、衝突袋
膨張器が開示されている。上記の２段階ガス発生器は、
並列に配置され結合棒で一緒に保持された第１の膨張器
と第２の膨張器との対からなっている。各段階部は、２
つの段階部に共通の点火器空洞が設けられている１つの
ブロックに取付けられた一端を有している。固定遅延ラ
インが、第２の段階部を点火器空洞から作動上分離し第
２の段階部の点火を２，３ミリ秒だけ遅延させる。２つ
の段階部は、衝突に応動した花火点火器による初期の10
ミリ秒より少ない範囲で十分に作動するといわれてい
る。
空気袋へのより制御されたガスの分配が空気袋の展開に
不利な遅れを生じることなく得られると記載されている
が、このNortonの２段階ガス発生器の構造は複雑で嵩張
りまたは自動車のダッシュボード上の設備として望まし
い容積よりも大きな空間の容積を必要とする。
したがって、正しい位置からはずれた乗客を保護するの
に特に有用でまた最高にこじんまりとし、自動車の乗客
側に設けるのに最小容積の空間を必要とする、乗客自動
拘束ガス発生器の改良が必要とされまた求められてい
る。本発明は従来技術のこの点に関して存在する技術的
欠陥を満たすために案出された。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、経済的に製造と組立てができ、また乗
客側空気袋を膨張させるためのガスの制御された分配を
行って正しい位置からはずれた乗客を保護することので
きる、その構造が簡単で効率的であることを特徴とす
る、改良された自動拘束ガス発生器を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、最大限にこじんまりとし乗客側で
自動車のダッシュボードに備えつけるのに最小の空間容
積を必要とする、改良されたガス発生器を提供すること
である。
本発明のまた他の目的は、初めの衝突に応動した第１段
階部の作動が遅延本体及びボール弁によって第２段階部
の開始を遅延させるように利用され、ボール弁はこれに
続く作用で第１段階部の再度の圧力増大を停止しそれに
よりこの２つの段階部の作動を分離する、２段階自動拘
束ガス発生器を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、第１段階部の配置構造が迅
速な圧力増大と膨張ガスの空気袋への解放とがもたらさ
れるようになっておりまた第２段階部の配置構造が速く
ない圧力増大と膨張ガスの空気袋への解放とがもたらさ
れそれにより第１段階部の作動と第２段階部の作動との
間の遅延時間を増すようにする、改良された２段階ガス
発生器を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の上記の目的とその他の目的を達成するため、自
動車又は同様の車輛の乗客側に用いるのに特に有用な、
改良された自動拘束ガス発生器が提供される。このガス
発生器は同一ハウジング内に端と端とをつないだ状態で
配設された第１段階部と第２段階部とを有する膨張装置
からなっている。詳細には、各段階部は、アルミニウム
で作られる衝撃押出しされた軽量ハウジングの中に別々
に結合された室の中に組込まれる。ハウジング内の中央
位置に適当にシールされて位置する障壁又は隔壁がこれ
ら２つの室を分離する。隔壁のボール弁は、２つの段階
部の着火の間の点火遅れのためと両段階部の点火後に第
１の段階部が再度圧力増大するのを阻止すべき圧力制御
のためとの機械的タイミングをもたらす。
この改良された発生器はさらに、各段階部が冷却及びろ
過のためと点火時の中立又は推進力のない推圧を保持す
るためとの適当な装置を含んでいることを特徴としてい
る。
本発明を特徴づける新規な種々の特徴は本明細書に添付
されかつその一部を構成する特許請求の範囲の特徴点に
関して強調される。本発明とその作動上の利点及びその
使用により達成される目的をより良く理解するため、本
発明の好適な実施態様が例示される添付図面と記載事項
とが参照される。
〔実施例〕
本発明のこの要約と共に、詳細な記載は、明細書の一部
を構成する添付図面を参照して以下になされる。
本発明の自動車拘束ガス発生器が図面中の第１図に示さ
れている。参照番号10で示されるガス発生器は単一の衝
撃押出し成形された細長いチューブ又は円筒状ハウジン
グ12を含んでいる。ハウジング12が形成される押出し工
程はこの技術に習熟した者にとって知られておりこのハ
ウジングが作られる材料を適当な型を介して圧力のもと
に押出すことにより形成される。この押出し工程自体は
本発明のどの構成部分をも構成するものではなく、した
がってここではこれ以上は記載しない。
ハウジング12は好ましくはアルミニウムで作られ第１及
び第２の細長い円筒状ハウジング室14と16とを含み、こ
れら室14と16はそれぞれ切り取り穴のあけられた隔壁18
によって相互に分離されており、隔壁18の外周は適当な
手段（図示しない）によってハウジング12の壁の内壁に
シールされている。室14と16はその要求される性能にし
たがって、等しい長さとされ又は図に示すように異なっ
た長さのものとする。
第２図及び第３図に拡大してより詳細に示されている隔
壁18は、ボール24をその内部に備えたボール弁室22を有
する遅延本体20からなるボール弁を組込んでいる。第１
及び第２の通路26と28はこのボール弁室22をハウジング
室14と16にそれぞれ連結する。この構造は、室14と室16
との間の圧力差からもたらされる室14から室16へのガス
の流れがボール24を通路28の近接端部28aに向って押し
つけ室16へのガスの流れを制限し、それにより燃焼室チ
ューブ46内の圧力が減少するのを制限するようなってい
る。この圧力差が逆であると、得られるガスの流れはボ
ール24を通路26の近接端部26a上の弁座30と係合するよ
う押しつけそれによりこのガスの流れを止めるようにす
る。
ハウジング12は第１の端部32と第２の端部34とを有しま
た円筒状壁36を含み、この壁36に複数の出口オリフィス
又は孔38が形成されている。孔38はハウジング12の各側
にその長さ方向に沿って２列に形成されハウジング室14
と16に対して均等に間隔をおいて配置される。この構造
はハウジング12の一側の各列の孔38が他の側の孔のうち
の一方の列の孔に対し約180゜の間隔で配されるように
なっている。ハウジング壁36の孔38のこのような配置は
輸送及び貯蔵中に発生器10の偶然の点火の場合に中立の
推力を保証し、そのためこのような事態において発生器
10が跳びはねたり突出したりするおそれをなくすように
する。
ハウジング12の端部32と34はシール状に閉じられてい
る。したがって、ハウジング12の第２の端部34は押出し
工程の間これと一体に形成されたキャップ40によってシ
ールされる。アルミニウムで作ることのできる端部キャ
ップ底42は以下に記載される方法でハウジング12の第１
の端部32に慣性溶接される。
第１のハウジング室14の内部にその半径方向内側に同心
に、順次、円筒状外側冷却及びろ過スクリーン44、円筒
状切り取り穴つきスチール燃焼室チューブ46、チューブ
46の内側に係合する破壊可能の箔障壁48、内側円筒状燃
焼室スクリーン50及びその外側周りに巻かれた破壊可能
なテープ54を有する中央に位置する円筒状の切り取り穴
つき点火器チューブ52が配設されている。冷却及びろ過
スクリーン44は燃焼室チューブ46を取巻くように位置し
ている。内側燃焼室スクリーン50と点火器チューブ52と
の間の細長い環状空間に、均一に分配されたペレット56
からなるガス発生詰物又は充填物が配置されている。
箔障壁48と内側ろ過スクリーン50とはガス発生充填物56
と点火器チューブ52に対しこれを取巻いて配置されてい
る。点火器チューブ52内部には点火器顆粒のブースター
充填物60によって取巻かれた細長い急速爆発コード(RD
C)フューズ58が含まれている。このＲＤＣフューズ58
は、3601ユニオンロード、ピー、オー、ボックス６、ホ
リスター、カリフォルニア95024-0006、Teledyne McCorm
ick Selphによって製造される高速点火伝播コードであ
る。ＲＤＣコードを取巻く点火器顆粒のブースター充填
物60は25％の硼素粉末と75％の硝酸カリウムの混合物か
らなるものとすることができる。箔テープ54は製造中切
り取り穴つき点火器チューブの内部に点火器顆粒を収容
する。
さらに以下に説明される理由のため、本発明の１つの実
施態様によれば、燃焼室チューブ46の内壁に係合する箔
障壁48の厚さは0.006インチ(0.015cm)であるように選択
された。
ハウジング室14内部に収容される数個、お列挙された構
成要素はガス発生器10第１の段階部を構成しそして端部
キャップとハウジング12の第１の端部32に位置する切り
取り穴のあけられたチューブ保持器62とにより、さらに
隔壁18の遅延本体20によって、室14内部で半径方向及び
縦の方向に運動しないようにしっかりと保持されてい
る。詳細には、保持器62の一部分64が燃焼室チューブ46
の一方の端部の中に密接又はすべり嵌合するように延出
し、遅延本体20の一部分66が燃焼室チューブ46の他方の
端部の中に密接又はすべり嵌合するように延出してい
る。同様に、点火器チューブ52の一方の端部が保持器62
上にその中心に設けられた受け部68の内部にぴったりと
受け入れられ、他方の端部が遅延本体20の一部分の表面
に当接し破壊可能な遅延用箔70がその間に介在してい
る。遅延用箔70は燃焼室チューブ46と点火器チューブ52
からの通路26を通る熱ガスの流れに対する破裂可能な障
壁をもたらす。
第２のハウジング室16内部にはその半径方向内側に向っ
て同中心に、順次、ハウジング12の壁36の内側の破裂可
能な箔障壁72と、円筒状の外側冷却及びろ過スクリーン
74と、円筒状の切り取り穴つきスチール燃焼室チューブ
76と、内側円筒状燃焼室スクリーン78と、中心に位置す
る細長い円筒状切り取り穴つき点火器チューブ80とが設
けられている。箔障壁72と冷却及びろ過スクリーン74と
は燃焼室チューブ76に対し取巻くよう配置される。燃焼
室スクリーン78と点火器チューブ80との間の環状空間
に、均一に分配されたペレット82からなるガス発生充填
又は詰め物が配置されている。箔障壁72と冷却及びろ過
スクリーン74は燃焼室チューブ76に対し取巻くように位
置している。
点火器チューブ80の内部に、25％の硼素と75％の硝酸カ
リウムの混合物からなる細長い成形又は押出しブースタ
ー充填物84が収容されている。
本発明の前記実施態様におけるハウジング12の壁36の内
側の箔障壁72の厚さは0.004インチ(0.010cm)となるよう
選択された。
ハウジング室16内部の数個の列挙された構成要素はガス
発生器10の第２の段階部を構成しそして隔壁18の遅延本
体20によってまた端部キャップとハウジング12の第２の
端部34に位置するチューブ位置決め具86とによって、室
16内部での半径方向及び縦の方向の運動をしないようし
っかりと保持される。詳細には、遅延本体20の一部分88
が燃焼室チューブ76の一方の端部の中に密接して嵌合す
るよう延出し、また端部キャップとチューブ位置決め具
86の一部分90が燃焼室チューブ76の他方の端部の中に密
接して嵌合するように延出している。さらに、点火器チ
ューブ80の一方の端部が端部キャップとチューブ位置決
め具86の一部分90の適当な開口92の内部に受け入れら
れ、他方の端部が遅延本体20の通路の端部に近接して位
置している。
公知の電気花火装置を具備する電気作動可能な点火器組
立体94が端部キャップ底42に、これとシール状にまた点
火器チューブ52の隣接端部においてＲＤＣフューズ58と
整列して取付けられる。
ガス発生ピレット56と82が作られる材料は燃焼速度、無
毒性、及び火炎温度にとっての要求をみたす多数の合成
物のうちの任意のものとすることができ、好ましい材料
は1980年５月20日にFred E.Schneiter他に与えられた米
国特許第4,203,787号に開示されている材料であり、こ
の特許の開示は引用することによりここに合体されてい
る。約65重量パーセントから約70重量パーセントの金属
アジドと、約４重量パーセントまでの硫黄と、約27重量
パーセント及び約33重量パーセントからのモリブデン二
硫化物とを含む合成物、特に約68重量パーセントのナト
リウムアジド、約２重量パーセントの硫黄及び約30重量
パーセントのモリブデン二硫化物を含む合成物が、特に
好ましい。
すでに述べたように、端部キャップの底42はハウジング
12の第１の端部32に慣性溶接することができる。溶接作
用を容易にするために、端部キャップの底42はハウジン
グ12の端部32に合致する円形スタブ42aを有している。
慣性溶接作用において、適当な心押し具（図示しない）
に取付けられた装填ハウジング12と整列した適当な主軸
取付け具（図示しない）に取付けられた端部キャップの
底42と共に、この端部キャップの底42は動力クラッチ手
段（図示しない）により毎分約1930回転となることのあ
る速度に回転される。この回転に達すると、動力クラッ
チ手段が動力源の接続を断つよう作動されそのため自由
に回転する端部キャップの底42がハウジング12の方に動
かされて円形スタブ42aをハウジング端部32と接触する
よう移動させ、約630ポンド(284kg)の力が加えられる。
この結果から生じた摩擦力が端部キャップ底42の回転を
１秒以下で停止させるがハウジング12と端部キャップ底
42の金属をこの位置で一体化させるに十分にこの部分の
温度を上昇させる。圧力は短時間、例えば１秒又は２秒
間保持され溶接が凝固できるようにする。溶接が完了す
ると、円形スタブ42aと重なる円形エプロン42bがハウジ
ング12の隣接外側表面に対してその端部32で回転され溶
接を隠蔽する。
ガス発生器10の作動において、破壊検知器（図示しな
い）からの電気的衝撃が電気的に作動可能な点火器組立
体94を着火する。組立体94の着火は、切り取り穴つき点
火器チューブ52の全長に沿う点火器顆粒のブースター充
填物60を瞬間的に爆発させるＲＤＣフューズ58の点火を
もたらす。点火器チューブ52の周りに巻きつけられた箔
テープ54は製造中に点火器顆粒物を収容するばかりでな
くまたその均一な点火をもたらす。詳細には、ブースタ
ー充填物60が点火すると、発生したガスの圧力は、限界
値が箔テープ54の破壊する値に達するまで高められる。
この作用は、破裂する前の点火器顆粒物の均一の点火
と、点火されたブースター充填物60によって生じた熱ガ
スが囲みを破って切り取り穴つき燃焼室チューブ46内部
に収容されたガス発生ペレット56の詰物の中に入るのと
を、促進する。
切り取り穴のあけられた燃焼室チューブ46の中のガス発
生ペレット56の燃焼が開始されると、発生したガスの圧
力はピークに達するまで上昇し始める。上記したように
0.006インチ(0.153mm)の厚さの比較的厚い箔障壁48は急
速の圧力の形成を可能にする。しかし燃焼時間中のピー
ク圧力に達する前に、ガス圧力は箔障壁48が破裂する限
界値に達する。この破裂により、箔障壁48の材料は破裂
して飛ばされ熱い発生ガスは燃焼室チューブ46の壁の複
数の孔96を通って流れることができ、このガスの流れは
きれいにされ、すなわち内側燃焼室スクリーン50によっ
て固体粒子の燃焼物がろ過される。燃焼室チューブ46の
孔96は好ましくはチューブの長さに沿って各側に間隔を
あけて２列に設けられ、この両側の孔の列はハウジング
12の壁36の孔38の列から約90゜だけ偏倚している。
孔96を通って解放された熱い発生ガスは外側冷却及びろ
過スクリーン44の周りを通過しそして直ちにハウジング
12の壁36の孔38を通って、膨らまされるべき空気袋（図
示しない）の中に入る。
これと同時に燃焼室チューブ46内部の圧力下にある熱い
発生ガスは遅延本体20の一部分66の表面上の遅延箔70を
破裂して突破する。この熱ガスはそれから順次、通路2
6、ボール弁室22及び通路28を通過する。隔壁18を通っ
てガス発生器10の第２の段階に入るこの熱ガスの当初の
突進は通路28の隣接開口に対するボール24の動きにより
迅速に弱められる。熱ガスのこの流れは点火器チューブ
80の中のブースター充填物84をその全長に沿って爆発さ
せそれにより切り取り穴のあけられた燃焼室チューブ76
の中のガス発生ペレット82の点火をもたらす。ガス発生
ペレット82が点火すると、発生したガスの圧力が上昇し
始める。しかしこの燃焼作用中のピーク圧力に達する前
に、このガス圧力はハウジング12の壁36の内側の箔障壁
72が破裂する限界値に達する。
この箔障壁72が破裂すると、燃焼室チューブ76の中に生
み出された熱い発生ガスは解放されてチューブ76の壁の
複数の孔98を通って空気袋（図示しない）に分配され、
このガスは、ろ過のため内側燃焼室スクリーン78と、冷
却及び追加のろ過のため外側冷却及びろ過スクリーン74
とを、順次通過しなければならないけれども、何ら他の
障壁に出会うことなく直ちに解放される。
これと同時に、第２段階部におけるガスの高圧保持は遅
延本体とボール弁のボール24を逆方向に動かし、すなわ
ちボール弁室22を通って通路26の端部のボール弁座30に
係合するよう動かす。これはガスが第２の段階部から第
１の段階部に流れるのを遮断し、２つの別のガス発生器
をその間に一実施態様によれば約15ミリ秒の遅れ時間を
ともなって作動させる。第１段階部における箔障壁48の
厚さよりも少ない0.004インチ(0.102mm)の厚さを有する
箔障壁72は、この２つの段階部における圧力がほぼ等し
くなった時に空気袋へのガスの解放を行うための破裂が
生じ、この２つの段階部の圧力を平衡させるように選択
される。
第４図に典型的な１段階乗客ガス発生器と本発明の２段
階ガス発生器との比較がグラフで示されている。第４図
のカーブ100は典型的な１段階乗客ガス発生器の性能、
すなわち発生器出力の圧力が上昇する速度を示してい
る。カーブ102は本発明の２段階発生器10の物理的な実
施態様の圧力上昇速度を示す。
第４図のカーブ100で示されるように、１段階で圧力が
上昇し始める前にガス発生器の始動の瞬間（グラフの水
平軸と垂直軸の交点で表わされる）から約９ミリ秒の遅
れがある。次の11ミリ秒で圧力上昇速度は非常に急勾配
となるように見られ、20ミリ秒後約11ポンド／平方イン
チ(0.77kg/cm2)ゲージ圧力の100リットルタンク内の
“タンク”又は空気袋圧力をもたらす。この圧力上昇速
度は非常に急勾配に継続し、始動から40ミリ秒で若干和
らげられるが、始動から60ミリ秒でほとんど40ポンド／
平方インチ(2.8kg/cm2)ゲージ圧力の最高圧力が得られ
る。
本発明の２段階ガス発生器10では、圧力が上昇し始める
前の始動の瞬間からの遅れはカーブ102により約４ミリ
秒であるよう示されている。始動から20ミリ秒の終り
に、タンク圧力はカーブ102で示されるように、カーブ1
00で示される典型的ガス発生器に対する11ポンド／平方
インチ(0.77kg/cm2)ゲージ圧力に比べて、7.54ポンド／
平方インチ(0.53kg/cm2)ゲージ圧力である。ガス発生器
10にとってのこの当初の比較的低い圧力上昇は、最初の
20ミリ秒間の出力圧力が少なくとも主として第１段階の
作用だけによるために、生じる。
最初の20ミリ秒間の終期での発生器10の第２段階部の作
動の開始はより急勾配の速度でタンク圧力を上昇させ40
ミリ秒の終りには27.75ポンド／平方インチ(1.95kg/c
m2)ゲージ圧力の圧力を発生する。その後圧力上昇の速
度は60ミリ秒の終りに圧力が36.5ポンド(2.56kg/cm2)に
なるまで徐々に減少し始動から92.90ミリ秒で39.85ポン
ド／平方インチ(2.79kg/cm2)ゲージ圧力の最高圧力が生
じる。
したがって、本発明によれば、第１段階部の作動が迅速
な高圧保持と膨張ガスの空気袋への解放とを得るのに効
果的でまた第２段階部の作動が低い速度の圧力増大と膨
張ガスの空気袋への解放を得るのに効果的であり、その
ためこの２つの段階部の作動の間の遅延の時間を増大す
ることができる、２段階ガス発生器が提供される。
本発明の特徴は、初めの衝突に応動しての第１段階部の
開始と作動の後に第２段階部の開始と作動に遅延を生じ
させるため２つの方法を２段階ガス発生器10に結合しこ
れら２つの方法によってつくり出された遅延が蓄積され
るようにしたものである。
２段階の発生器10の作動の間の遅延を生じさせる第２の
方法は、その中のガス発生ペレット82の詰物の点火の後
の第２段階部からの熱ガスの発生を遅らせるためハウジ
ング12の壁36の内側と係合する箔障壁72の使用を必要と
する。すでに述べたように、第１段階部のハウジング12
の壁36の内側には箔の障壁は何も設けられていない。そ
の結果、燃焼室チューブ46の壁の内側と係合している箔
障壁48が破裂したとき第１の段階部から壁36の孔38を通
って熱ガスが迅速に発生する。したがって第１の段階部
が、壁36の内側に箔障壁が設けられた場合よりも早い時
間でガスを空気袋に分配し始めるよう作動される。ボー
ル弁通路26と28を通過するガスの流れがその始動の後に
続く第２段階部のその後の圧力増大は、ボール24を逆方
向に押してボール弁座30に位置させる。これが第１段階
部の再度の圧力増大を停止させ２つの段階部の間の約15
ミリ秒の遅延時間をもった２つのガス発生器の２段階の
作動を行う。
本発明の他の特徴は、 （ａ）製造が経済的で組立てが容易となる構成要素の組
合せと共に軽量のアルミニウムハウジングを用いるこ
と、 （ｂ）隔壁／ボール弁構造が、ガス発生器の第１段階部
と第２段階部との間の点火遅延のための機械的タイミン
グと、第１段階部の再度の圧力増大を阻止するための第
２段階部の点火後の圧力制御とをもたらすこと、 （ｃ）冷却及びろ過作用と中立推力ユニットの保守のた
めにガスの方向をそらせるようにすること、 （ｄ）発生器10の第２段階部のための点火器内の成形又
は押出しの硝酸硼素のブースター充填物が点火器顆粒物
と点火器フューズの必要をなくすこと。さらに点火器顆
粒物を保持するためのアルミニウム箔の必要がないこ
と、 からなるものである。
本発明の詳細な記載により、この技術に習熟した者は本
発明の精神から逸脱することなしに、変更が本発明にな
されることが理解できるであろう。したがって、本発明
の範囲はここに図示され記載された特定の実施態様に限
定されることが意図されるものではない。むしろ、本発
明の範囲は添付の特許請求の範囲とその均等物によって
決定されることが意図されるものである。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の２室式乗客自動拘束ガス発生器の一部
切断正面図、 第２図は第１図のガス発生器の隔壁／ボール弁を示す拡
大断面図、 第３図は第２図の隔壁／ボール弁の左側から見た図、 第４図は典型的な１段階ガス発生器と本発明の２段階ガ
ス発生器との圧力上昇速度の比較を示すグラフである。 10……ガス発生器、12……ハウジング、 14,16……室、18……隔壁、 20……遅延本体、24……ボール、 32,34……ハウジング端部、３６……壁、 40……キャップ、42……キャップ底、 44……ろ過スクリーン、46……燃焼チューブ、 48……箔障壁、50……燃焼室スクリーン、 52……点火器チューブ、56……ペレット、 58……フューズ、62……チューブ保持具、 68……受け部、70……遅延用箔、 74……スクリーン、76……燃焼室チューブ、 80……点火器チューブ、84……ブースター充填物。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】第１の端部と第２の端部とを有する、単一
    の衝撃押出しの切り取り穴のあけられた細長いハウジン
    グと、 前記ハウジングの前記第１の端部を覆う端部キャップの
    底と、 前記ハウジングの前記第２の端部を覆う端部キャップ
    と、 前記ハウジング内部の中央位置に配設された切り取り穴
    のあけられた隔壁であって、前記ハウジング内部に第１
    及び第２の細長い室を形成しまたそこに形成されたボー
    ル弁を有し、該ボール弁はボール弁室と該ボール弁を前
    記第１及び第２の細長い室にそれぞれ連結する第１及び
    第２の通路とを含み、前記ボール弁室は、前記第１及び
    第２の細長い室内部のガス圧力の差から生じる前記隔壁
    を通る全てのガスの流れを制御するため前記第１及び第
    ２の通路に対し作動するよう移動可能なボールを有して
    いる、隔壁と、 前記第１及び第２の細長い室内にそれぞれ収容された、
    固体花火材料の第１及び第２の細長いガス発生充填物
    と、 前記第１及び第２の細長いガス発生充填物にそれぞれ作
    動するよう設けられ、第１の端部と第２の端部とを有す
    る、第１及び第２の細長い切り取り穴のあけられた点火
    器チューブと、 前記切り取り穴のあけられた点火器チューブの一方のみ
    に作動するよう設けられた点火器、 とを具備してなるガス発生器。
  2. 【請求項２】前記ボール弁の前記ボールが、前記第２の
    通路に対して作動するよう移動した時、前記隔壁を通る
    ガスの流れを制限するよう作動され、また前記第１の通
    路に対して作動するよう移動した時、前記隔壁を通るガ
    スの流れを停止するよう作動され、 前記点火器が前記第１のガス発生充填物に対して作動す
    るよう設けられている、 請求項１に記載のガス発生器。
  3. 【請求項３】前記切り取り穴のあけられた細長いハウジ
    ングが、その長さに沿って対向側面の各々に少なくとも
    ２列に形成された複数の出口孔を備えている円筒状壁を
    有し、さらに、 その各々が第１の端部と第２の端部と内壁とを有する第
    １及び第２の細長い切り取り穴のあけられた燃焼室と、 第１及び第２の細長いフィルタスクリーンと、 第１及び第２の細長い破裂可能な箔障壁と、 その各々が第１の端部と第２の端部とを有する第１及び
    第２の細長い冷却及びろ過スクリーン、とを含み、 前記第１及び第２の細長いガス発生充填物が前記第１及
    び第２の燃焼室チューブ内にそれぞれ収容され、 前記第１及び第２のろ過スクリーンが、それぞれ関連の
    切り取り穴のあけられた燃焼室チューブ内部に、前記第
    １及び第２のガス発生充填物に対しそれぞれ取巻くよう
    に設けられ、 前記第１の箔障壁が前記第１の切り取り穴のあけられた
    燃焼室チューブの中の前記ろ過スクリーンとガス発生充
    填物とを取巻くように設けられ、 前記第１及び第２の細長い冷却及びろ過スクリーンが前
    記第１及び第２の燃焼室チューブをそれぞれ取巻くよう
    に設けられ、 前記第２の箔障壁が前記第２の冷却及びろ過スクリーン
    を取巻くように設けられている、 請求項２に記載のガス発生器。
  4. 【請求項４】前記第１の箔障壁の厚さが0.006インチ(0.
    015cm)であり前記第２の箔障壁の厚さが0.004インチ(0.
    010cm)である請求項３に記載のガス発生器。
  5. 【請求項５】前記細長いハウジングがアルミニウムで作
    られ、前記第１及び第２の切り取り穴のあけられたチュ
    ーブの各々がスチールで作られている請求項４に記載の
    ガス発生器。
  6. 【請求項６】前記細長いハウジングの第１の端部に配置
    された端部キャップとチューブ保持具と、 破裂可能の細長い第３の箔障壁、 とをさらに含み、 前記端部キャップとチューブ保持具とが前記第１の切り
    取り穴のあけられた燃焼室チューブの前記第１の端部の
    中に延出する突出部分を有し、 前記隔壁が前記第１の切り取り穴のあけられた燃焼室チ
    ューブの前記第２の端部にすべり嵌めするよう延出する
    第１の部分を有し、 前記第３の箔障壁が、前記第１の通路を通るガスの流れ
    を通常時は妨げるため前記隔壁の前記第１の部分に作動
    するよう配置され、 前記端部キャップとチューブ保持具とが前記第１の切り
    取り穴のあけられた点火器チューブの第１の端部を受け
    入れかつ位置決めする受け部を有し、 前記第１の切り取り穴のあけられた点火器チューブの前
    記第２の端部が前記隔壁の前記第２の部分に接合しその
    間に前記第３の箔障壁が介在するよう配置され、 前記端部キャップとチューブ位置決め具とが前記第２の
    切り取り穴のあけられた燃焼室チューブの前記第２の端
    部にすべり嵌めするよう延出する突出部分を有し、 前記隔壁が前記第２の切り取り穴のあけられた燃焼室チ
    ューブの前記第１の端部にすべり嵌めするよう延出する
    第２の部分を有し、 前記端部キャップとチューブ位置決め具とが前記第２の
    切り取り穴のあけられた点火器チューブの前記第２の端
    部を受け入れかつ位置決めするよう前記突出部分に受け
    部を有している、 請求項３に記載のガス発生器。
  7. 【請求項７】前記端部キャップとチューブ保持具とが、
    前記第１の冷却及びろ過スクリーンの第１の端部を、前
    記隔壁に接合するよう配置された前記第１の冷却及びろ
    過スクリーンの第２の端部と共に保持する、他の部分を
    含み、 前記端部キャップとチューブ位置決め具とが、前記第２
    の冷却及びろ過スクリーンの第２の端部を、前記隔壁に
    接合するよう配置された前記第２の冷却及びろ過スクリ
    ーンの第１の端部と共に保持する、他の部分を含んでい
    る、 請求項６に記載のガス発生器。
  8. 【請求項８】前記ハウジングの第１の端部にシールされ
    るよう設けられ前記点火器をこれとシールされるよう収
    容する端部キャップの底をさらに含んでいる請求項７に
    記載のガス発生器。
  9. 【請求項９】前記点火器が前記端部キャップ底と前記ハ
    ウジングとの外部に接続する電気的連結部を有する電気
    導火線を含んでいる請求項８に記載のガス発生器。
  10. 【請求項１０】前記端部キャップ底が前記ハウジングの
    前記第１の端部に慣性溶接される請求項９に記載のガス
    発生器。
  11. 【請求項１１】前記第１及び第２の燃焼室チューブの各
    々の切り取り穴が、これら燃焼室チューブの対向側面の
    各々に少なくとも２列にその長さに沿って形成された複
    数の孔からなり、これら孔の列が前記ハウジングに形成
    された出口孔の列に対しほぼ直角に配置されている請求
    項９に記載のガス発生器。
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