JPH0659318B2 - イオントフオレ−ゼによる薬物投与のための装置 - Google Patents

イオントフオレ−ゼによる薬物投与のための装置

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JPH0659318B2
JPH0659318B2 JP62065522A JP6552287A JPH0659318B2 JP H0659318 B2 JPH0659318 B2 JP H0659318B2 JP 62065522 A JP62065522 A JP 62065522A JP 6552287 A JP6552287 A JP 6552287A JP H0659318 B2 JPH0659318 B2 JP H0659318B2
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ユニバ−シテイ・オブ・ユタ・リサ−チ・フアウンデイシヨン
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はイオントフオレーゼ(イオン導入法、イオン浸
透療法)により物質を投与するための方法および装置に
関する。より詳細には本発明は測定可能な量の薬剤など
をイオントフオレーゼによつて安全にかつ効果的に投与
するための方法および装置を開示する。
イオントフオレーゼ法は既に1740年頃に患者の皮膚を通
して局所的に投薬を行う際に使用するためのものとし
て、またのちに1900年頃に薬物を眼および耳にデリバリ
ーする際に使用するものとして報告されている。ごく簡
単に述べると、この方法はイオン性化学物質を駆動させ
る起電力を皮膚に与えるものであり、これによりこれら
の物質は近接する組織および血管に吸収可能となる。イ
オントフオレーゼ法によつて種々の物質(ある種の薬剤
および薬物を含む)を皮下注射の必要なしに、また付随
する問題(たとえば患者に対する痛み、感染の危険性お
よび外傷)なしに患者に投与することができた。
イオントフオレーゼは長年にわたつて継続的に実験が行
われている課題であるが、この方法は開業医によつて広
範に用いられてはいない。イオントフオレーゼは局所麻
酔薬の投与、皮膚疾患の治療のための投薬および局所効
果を得るための他の限られた種類の薬物の投与、などの
処置に際して採用するものとして試験されてきた。
前記のようにイオントフオレーゼは起電力を与えてイオ
ンを駆動させ、皮膚を通すものである。従つて正電荷を
もつイオンは電気系統のアノードにおいて皮膚内へ駆動
され、負電荷をもつイオンは電気系統のカソードにおい
て皮膚内へ駆動される。たとえば正に帯電したイオン、
たとえば亜鉛、銅、アルカロイド、麻酔薬、および特定
の血管拡張薬は正極から皮膚内または粘膜内へ導入され
る。他方、負に帯電した薬物、たとえばサリチレートは
負極を用いて皮膚内へ駆動させることができる。
ある種の薬物はそれらが最初に皮膚を通して導入された
イオントフオレーゼ部位においてそれらの効力を示し
た。皮膚を通したイオントフオレーゼに際して限局性全
身効果を示す薬物の例は局所麻酔薬である。
他の各種薬物がこれらの薬物をイオントフオレーゼによ
り循環系内へ駆動させることにより投与され、全身効果
を示すことができる。この場合、皮膚を通して伝達され
たイオンは血流内へ吸収され、全身の血液循環系に入
る。
イオントフオレーゼによる薬物デリバリー法は他のデリ
バリー法に勝る優れた利点をもつ可能性がある。たとえ
ばある薬物を経口摂取する場合、これは消化管を通して
吸収されなければならないが、消化管を通した薬物取込
みは個体間で大幅に異なる。さらにその薬物は肝臓を通
過しなければならず、その際薬物の70%以上が肝臓を
最初に通過する際に不活化されることもまれではない。
従つてイオントフオレーゼは特定の薬物を投与した際の
この“一次通過作用(first pass effect)”を避ける
ことができる。さらに注射に伴う患者の不快感、ノンコ
ンプライアンス(noncompliance、医師の指示に従わな
いこと)および感染の危険性も、イオントフオレーゼを
採用すると除かれる。
イオントフオレーゼは多種の薬物に適用されたが、この
方法は薬物デリバリーのために広く用いられる方法とし
て確立されてはいない。これは一部は貧弱な装置を用い
ていること、およびイオントフオレーゼの機序が理解さ
れていないこと、およびその安全性に対する潜在的な危
険性によるものであつた。しかしこの歴史的観点は1959
年頃に若干変化し始めた。
この時、イオントフオレーゼを用いてのう胞性線維症を
診断する試験法が考案された。ピロカルピンをイオント
フオレーゼにより皮膚の局部に投与し、これにより発汗
を誘発しうることが見出された。そこでこの汗を採取
し、異常なナトリウムまたはクロリドの水準を調べるこ
とができる。これによりのう胞性線維症が診断される。
この方法がのう胞性線維症財団(Cystic Fibrosis Foun
dation)により承認され、のう胞性線維症の標準的な、
かつ唯一の許容される試験法として最終的に選ばれた。
イオントフオレーゼがのう胞性線維症の診断に広く用い
られるようになつたため、電流を与えるために用いられ
る装置およびイオントフオレーゼに用いられる電極に若
干の注目すべき改良が得られた。このイオントフオレー
ゼの採用により、イオントフオレーゼに伴う機序がさら
にある程度理解された。しかし、のう胞性線維症の診断
の分野以外では、この技術はまだ広く支持されてはいな
い。
イオントフオレーゼの支持が限られているにもかかわら
ずイオントフオレーゼの潜在的用途は上記の考察から容
易に認められる。イオントフオレーゼは明らかに、薬物
その他の物質を注射の必要なしに体内へ導入するために
使用できる。従つてその採用は、頻繁は注射を必要とす
る場合に薬物および薬剤を投与するのにきわめて重要に
なるであろう。
治療の形態として長期間にわたつて頻繁に注射すること
は幾つかの欠点をもつ。多くの個体が毎日多数回の注射
を受ける要求に順応することは困難である。注射は痛み
を伴い、感染の危険性があり、また既に負担を受けてい
る各個体の器管系にさらに負荷を与え、恐らくこれによ
つて薬物の作用が変化するであろう。
既存の薬物投与法に代わるものとしてのイオントフオレ
ーゼは幾つかの利点をもつ。この種の物質を投与するた
めにイオントフオレーゼを採用すると、高い割合の物質
が実際に全身性循環に達する。これは、薬物が不規則な
消化過程を経由し、また全身性循環系に吸収される前に
肝臓によつて不活化される可能性のある経口投与法と全
く対照的である。従つて経口の場合は、目的濃度の薬物
を血流中に得るためには、また目的とする治療効果を得
るためには、かなり多量の薬物を摂取しなければならな
い。各患者の消化系の機能は異なるので目的の治療効果
を達成するために必要な薬物の経口摂取量を予測するの
がしばしば困難であることは認められるであろう。
イオントフオレーゼの潜在的な他の利点は、薬物を身体
に侵襲することなく持続的に投与できることである。定
期的に大量の薬物を注射するのではなく、患者の器官系
内にある一定水準の薬物を維持するのが最も望ましい場
合が多い。しかし現在用いられているイオントフオレー
ゼシステムには限界があるので、患者に対する電気的お
よび化学的熱傷の危険性があるためこの持続性デリバリ
ーは実用化されていない。
イオントフオレーゼがもつと思われる他の利点は、ナト
リウムおよびこれに類するイオンをも導入することなく
薬物を患者にデリバリーしうることである。多くの薬物
はナトリウム塩として存在し、これらの薬物の溶液は比
較的多量のナトリウムを含有する可能性がある。これは
心血管または腎臓に問題のある患者にデリバリーされる
のは望ましくないイオン種である。
このようにイオントフオレーゼの採用は多数の潜在的利
点をもつが、従来のイオントフオレーゼ技術は幾つかの
欠点をもち、このためイオントフオレーゼによる薬物の
投与は一般にきわめて実用的とは言えなかつた。特に従
来のイオントフオレーゼ技術は、安全でなく、予測不可
能であり、便利でなく、または不経済であると考えられ
ていた。イオントフオレーゼが医学の分野で広く支持さ
れていないのはこれらの理由による。さらに投与期間が
短いため、イオントフオレーゼはほとんど専ら局所作用
性薬物の投与に用いられていた。
安全性に関しては、イオントフオレーゼは患者の皮膚に
熱傷を生じる可能性のあることが認められている。これ
らの熱傷は以下の2つの原因で起こる。すなわち(1)電
流自体が熱傷を起こす電流性(galvanic)原因、および
(2)極端なpH(イオントフオレーゼの過程で低下する)
が電流と相互作用して化学的熱傷を起こす化学的原因で
ある。
著しい電流性熱傷その他の電気的危険性を制御するため
の方法および手順が開発された。たとえばイオントフオ
レーゼ処置に用いられる電流を徐々に高めること、およ
び与えられる電流の量に制限を設けることが示唆され
た。
電流性熱傷は皮膚の単位面積当たりの電流密度を熱傷が
開始する閾値未満に保つことによつて最小限に抑え、あ
るいは減少させることもできる。低い電流密度はイオン
トフオレーゼの手法に注意することにより、たとえば電
極と皮膚の間の折れ曲がりまたはしわ(これらは熱傷を
起こす高い局部電流を生じる)を避け、電極と連結して
ゲルで湿らせた電極パツドを使用し、イオントフオレー
ゼの前および途中で皮膚を湿らせることにより達成でき
る。当技術分野における他の示唆は、電極の表面積を広
げて電流を広い領域に拡散させ、これによつて電流密度
を低下させることである。米国特許第4,416,274号(ヤ
コブセンら、“イオン移動度制限型イオントフオレーゼ
用生体電極”)および米国特許第4,477,971号明細書
(ヤコブセンら、“イオントフオレーゼ用電極の構
造”)を参照されたい。
pHを制御し、電流の導通に際しての薬物溶液の極端なア
ルカリ性度または酸性度によつて起こる熱傷を制御する
ことはより困難である。電流が電極接点と薬物を含む媒
質との間を流れるのに伴つて、水素イオン(H)また
は水素イオン(OH-)の生成が増加する。イオントフオ
レーゼ電極が“不活性”である場合、この濃度増大は水
の電解による電荷の交換によつて起こる。
水の電解によつて生じるHおよびOH-イオンはきわめ
て移動性であるため、これらは速やかに電極から離れて
患者の皮膚へ向かつて溶液中を移動する。従つて極端な
pHの領域は最終的に皮膚に隣接した部位に生じる。この
極端なpHの領域は明らかに危険であり、電流によつてこ
れらのイオンが皮膚を通過した場合に著しい熱傷を起こ
すことが認められた。従つてpHの変化を少なくするため
に治療時間が通常は約20〜30分に制限される。
イオントフオレーゼ系においてpHを制御するための試み
がなされた。これまでの試みは満足すべきものではなか
つた。pHを制御するための一方法は、イオントフオレー
ゼ系内に緩衝剤を導入することであつた。しかし緩衝剤
の導入によつてイオントフオレーゼの重要かつ有用な特
色のあるものが失われることが認められた。
緩衝剤の導入によつて、系内の付加的イオン種の濃度が
高まる。イオンの混合物を含有する溶液中では、一定の
起電力によつて移動する特定のイオンの量は(a)そのイ
オンの濃度、(b)そのイオンの移動度(より軽く、嵩が
より小さいイオンの方が一般に移動性が大きい)、およ
び(c)イオンの原子価に比例する。
通常は小型できわめて移動性の緩衝剤イオン(たとえば
ホスフエートイオン、および相補的陽イオン、たとえば
ナトリウム)は、イオントフオレーゼ法により患者の皮
膚を通して輸送されるべき薬物イオンであるより大型の
イオン(たとえば医薬分子)の場合よりも一般にはるか
に大きな速度で溶液中を移動するであろう。その結果、
目的とする薬物イオンの代わりに大きな割合の緩衝剤イ
オンがイオントフオレーゼによつて皮膚内へ駆動される
可能性がある。従つて皮膚を通して駆動される薬物分子
の量が著しく減少し、望ましくないイオンが皮膚を通し
て駆動される量は増加する。
さらに、以上のことから予想されるように、緩衝剤の使
用によつて、特定のイオントフオレーゼ投与においてデ
リバリーされる薬物の定量の問題が大きくなる。緩衝剤
イオンが皮膚を通して駆動されると、皮膚を通過した薬
物の量を測定することが困難であるか、あるいは不可能
であろう。大部分の薬物イオン、特に医薬イオンは比較
的大型であり、イオントフオレーゼの過程で作られる電
場においてより小型の緩衝剤イオンよりも低速であるの
で、特にこのことが言える。
既存の文献に、物質をイオン伝達により投与することは
きわめて不正確な投与法の1つであると長年考えられて
いたと指摘されている。事実、正確な定量法が従来も現
在も無いことが、イオントフオレーゼの幅広い支持を拒
否する主な点の1つである。
イオントフオレーゼを臨床的に採用する際に遭遇する他
の問題は、イオントフオレーゼシステムが特に便利でも
なく経済的でもない点である。一般に他の薬物投与法の
方が費用が安く、使用しやすい。従つて価格および便利
さという点も、イオントフオレーゼの一般的な支持を妨
げていた。
前記の考察から認められるように、イオントフオレーゼ
法は医学領域で採用するための幾つかの主要な潜在的利
点をもつ。イオントフオレーゼは医薬などの薬物を非侵
襲的に体内へ導入できる方法を提供する。すなわち患者
は大量の薬物を注射する必要なしに、また経口投与の
“一次通過作用”に伴う未知事項なしに、必要な投薬を
受けることができる。さらに、イオントフオレーゼは連
続的、持続的な量の薬物を投与しうる方法を提供する可
能性をもつ。
イオントフオレーゼ投与法に対するこのような可能性に
もかかわらず、イオントフオレーゼの現状は電流性熱傷
およびpH誘発性熱傷が一般的であるため特に安全ではな
い。電流性熱傷は当技術分野で既知の適宜な手法により
ある程度は制御できるが、溶液を電流が通過するのに伴
うpH関連熱傷は依然として問題がある。これらの熱傷は
痛みを伴い、治癒し難い。
さらに既存の方法および装置は投与される薬物の適切な
定量法を与えない。これはイオントフオレーゼに際して
生成するHイオンおよびOH-イオンによるところが大
きい。これらの高移動性イオンは患者への導入に対し、
より大型で低移動性の薬物分子と競合し、これによつて
実際に患者に達した薬物の量を測定するのが不可能にな
る。同時にイオントフオレーゼは伝統的に特に経済的で
もなく、便利でもなかつた。
従つて当技術分野で要求されているのは、熱傷そのほか
患者に対する安全上の危険性が避けられる様式の薬物そ
の他の物質を身体にイオントフオレーゼにより投与する
技術である。薬物の投与量をより良く定量でき、制御で
き、かつ長時間にわたつてデリバリーできる(すなわち
数時間、さらには数日間)イオントフオレーゼによる薬
物投与のための改良された方法および装置が提供されれ
ば著しい進歩であろう。
緩衝剤イオンを添加せずに安全に操作できるイオントフ
オレーゼによる薬物投与のための方法および装置を提供
することは、当技術分野においてさらに著しい進歩であ
ろう。また系内のpHを厳密に制御できるイオントフオレ
ーゼによる薬物投与のための方法および装置が提供され
たならば、当技術分野における著しい進歩であろう。さ
らに、経済的で使いやすいイオントフオレーゼによる薬
物投与のための方法および装置を提供することはいつそ
うの進歩であろう。この種の方法および装置を本明細書
および特許請求の範囲に開示する。
本発明は既知量の薬物(医薬、薬剤その他の物質)を患
者にイオントフオレーゼ法により安全に投与するための
方法および装置に関する。前記のようにイオントフオレ
ーゼは本質的に電流を患者の身体の一部に誘導すること
による。この誘導電流がイオン性薬物または他の同様に
帯電した物質種を起電力によつて皮膚を通して伝達す
る。本発明によれば、溶液のpHが安全な水準内に、すな
わち既存の技術において遭遇する種類の熱傷が避けられ
る水準内に維持された状態で、イオントフオレーゼを行
うことができる。さらに本発明のイオントフオレーゼ法
は緩衝イオンを添加せずに安全なpH水準を維持し、皮膚
を通る伝達に対しイオン性薬物と競合してこれにより患
者に投与される薬物の定量を妨害するイオンの生成を最
小限に抑える。
本発明は生成したHおよびOH-イオンを捕獲または制
御するのではなく、イオントフオレーゼに際してのH
およびOH-イオンの生成を避けることによつて、イオン
トフオレーゼ系内のpHを制御する。本発明によれば電極
と薬物溶液(または薬物を含有する他の媒質)との界面
における電圧を水の電解電圧よりも低く維持することに
より、系内のHおよびOH-の生成を制御することがで
きる。
水の電解反応は正電極において、水溶液と電極との間の
電位が標準水素電極(以下、“SHE”と呼ぶ場合があ
る)に対し約+1.23Vを越えた場合に起こるであろう。
水の電解は負電極においては水溶液と電極の間の電位が
約0.83V(対SHE)を越えた場合に起こる。
正電極における水の電解の直接的結果は、薬物媒質の強
い酸性化である。水素イオンは起電力により皮膚内へ駆
動され、これにより皮膚に酸熱傷を起こす。Hイオン
の生成はもちろん正に分極したアノードに特異的なもの
であるが、同様な反応が負電極においても起こり、この
場合反応生成物は、OH-イオンであり、これは薬物媒質
をアルカリ性化し、さらにいつそう著しい皮膚熱傷を起
こす。
本発明の好ましい形態によれば、イオントフオレーゼに
際して生成する可能性のあるイオンと特定の様式で反応
するイオントフオレーゼ用電極を備えることにより、競
合イオンの生成が最小限に抑えられる。電極が前記の電
解電圧よりも低い電圧で溶液中の電荷を伝達する作用を
し、従つて好ましい反応が起こり、電圧は意図しない電
解反応が起こる可能性のある状態にまで上昇しない。従
つてこの種の反応性電極を用いることにより、電極と薬
物媒質との界面における動作電圧は水の電解が起こる可
能性のある電圧よりも低く維持される(アノードと薬物
媒質との界面において約+1.23V対SHE)。
イオントフオレーゼに際し、溶液中にイオンの形で存在
する薬物は必ず塩、塩基または酸として溶液中に導入さ
れなければならない。薬物溶液に隣接する電極は水の電
解電位よりも低い電位で、有効薬物イオンに対し相補的
なイオンと反応して、不溶性の析出物を生じることが好
ましい。これにより、電極における反応の結果放出され
るこの種のイオンが、イオントフオレーゼに際して皮膚
を通つて伝達されるのに対し薬物イオンと競合するのが
避けられる。(ここで用いる“相補的イオン”という語
は、有効薬物イオンと塩を形成するイオンを意味す
る。)この種の反応性電極を使用し、かつ電極と薬物溶
液との界面の電圧を制御することにより、定量可能な量
の薬物を安全pH水準内イオントフオレーゼによりデリバ
リーすることが可能となる。
本発明の範囲に含まれるイオントフオレーゼ系の一例で
はアノードに銀電極を用い、相補的クロリドイオンを含
む溶液を用い、従つて塩化銀が形成される。この系は、
正の薬物イオンおよび負のクロリドイオン(相補的イオ
ン)に解離する薬物が系に含まれる場合に有用である。
相補的イオンと金属銀電極の反応により形成された塩化
銀は水に実際上不溶性であるため、この系が作動して薬
物イオンを患者の皮膚を通して駆動するのに伴つて付加
的な競合イオン(この場合は銀イオン)が系内へ導入さ
れることはない。
さらにこの銀電極と相補的クロリドイオンの反応は、電
極と薬物媒質との界面で測定して0.223V対SHEの電
位で起こる。これは水の電解に必要な電位(すなわち+
1.23V対SHE)よりも低い。従つてHイオンの生成
は避けられ、薬物媒質中に極端なpHが生じることはな
い。従つて処置時間を著しく延長できるであろう。
従つて本発明の一般的な目的は、安全であり、かつ患者
に導入された薬物の量をより正確に測定できるイオント
フオレーゼのための改良された方法および装置を提供す
ることである。
従つて本発明の目的は、イオントフオレーゼ系のpHを精
確に制御し、患者の皮膚上またはその付近におけるpHの
変化により起こる熱傷を避け、イオントフオレーゼに際
しての処置時間を延長しうるイオントフオレーゼのため
の改良された方法および装置を提供する。
本発明の他の目的は、緩衝剤を用いずに薬物媒質のpHを
制御するイオントフオレーゼ系を提供することである。
さらに本発明の目的は、競合イオンの生成が最小限に抑
えられ、従つて投与された薬物の量が電流に比例する状
態が保たれるイオントフオレーゼ系を提供することであ
る。
また本発明の目的は、経済的であり、かつ簡単で使用し
やすいイオントフオレーゼのための改良された方法およ
び装置を提供することである。
これらおよび他の本発明の目的および利点は以下の記述
および特許請求の範囲の記載からよりいつそう明らかに
なるであろう。
図面について簡単に述べる。
第1図は本発明の範囲に含まれる一般的なイオントフオ
レーゼ系の略図である。
第2図は本発明の範囲に含まれる方法を採用して、分離
したラツト皮膚弁にイオントフオレーゼによりモルフイ
ンを導入した結果得られたデータをグラフで示したもの
である。
第3図は標準的な先行技術を採用して、有志者にイオン
トフオレーゼによりモルフインを導入した結果得られた
データをグラフで示したものである。
第4図は本発明の範囲に含まれる方法を採用して、有志
者にイオントフオレーゼによりモルフインを導入した結
果得られたデータをグラフで示したものである。
A.イオントフオレーゼの機序 前記のようにイオントフオレーゼは薬物、たとえば医薬
その他これに類する物質を患者に導入するための期待さ
れる方法であることが認められている。特にイオントフ
オレーゼは身体に侵襲することなく薬物を効果的にデリ
バリーする。しかしこれまでイオントフオレーゼは、安
全で定量可能でありかつ経済的で便利な系を得ることが
できなかつたため、広く支持されてはいなかつた。
イオントフオレーゼが臨床的に広く用いられるのを妨げ
ているきわめて重大な問題の1つは、ごく短期間のイオ
ントフオレーゼ後に患者の皮膚に痛みを伴う熱傷を生じ
ることである。既存のイオントフオレーゼ系において
は、一般にイオントフオレーゼの最初の5分以内に皮膚
の変化が認められ、処置をさらに30分間以上続けると
しばしば熱傷が起こる。これらの熱傷は治癒し難く、こ
の処置が終了するまでは完全には発現しない場合もあ
る。
より防止し難い種類の熱傷は、電流の導通に際して患者
の皮膚上またはその付近で起こるイオントフオレーゼ溶
液のpHの極端な変化による熱傷である。特に、薬物を患
者にイオントフオレーゼにより導入する際に一般に使用
されると思われる水性の系に電流を導通すると、H
たはOH-イオンの生成を制限しない限りこれらのイオン
が大量に生成する。これらのイオン(HまたはOH-
は電気泳動度が大きいため、イオントフオレーゼ系内に
存在する起電力に応答して速やかに移動する。従つてこ
れらのイオンがイオントフオレーゼ処置に際して生成す
ると、これらは速やかに患者の皮膚内へ駆動され、局部
的に極端なpHを生じる。このような局部的に極端なpHに
よつて患者の皮膚に熱傷が起こる。
定義によればイオントフオレーゼは薬物イオンなどのイ
オンを皮膚などのバリヤーを越えて輸送するものであ
る。基本的なイオントフオレーゼ法は第1図に示すイオ
ントフオレーゼの略図を参照することによつて明瞭に理
解できる。第1図は患者の身体の反対側に配置された正
および負の電極を示す。各電極と患者の間には目的とす
る薬物を含む一定量の媒質がある。この配列により、一
連の界面が提示される。
第1図に示すように、これらの界面にはアノードと隣接
薬物媒質の間の電極−薬物媒質界面(一般に1と表示す
る)、アノード側の薬物媒質と患者の間の媒質−皮膚界
面(一般に2と表示する)、同様なカソード側の媒質−
皮膚界面(一般に3と表示する)、最後に媒質−カソー
ド界面(一般に4と表示する)が含まれる。
各界面は付加的な抵抗を示すであろうから、これらの界
面それぞれには電位差があることは認められるであろ
う。さらに電圧は抵抗に反比例するので、各界面に抵抗
が付加されると2電極間の電位差は大きくなる。しかし
これらの界面における総電圧降下は系の電荷伝達または
患者に伝達される薬物の量に必ずしも正比例していな
い。明らかなように、伝達される薬物の量は電流の量、
ならびに薬物イオンと競合するイオン数および特性の双
方に依存する。
ここでは主として電極−媒質界面に考察を向けよう。先
きに簡単に述べたように、イオントフオレーゼに際して
電極界面で水の電解反応が起こらないようにこれらの界
面における電位差を制御する必要がある。この界面にお
ける電位差を制御することにより水の電解を特に防止す
る機序が以下の考察の主題である。
B.HおよびOH-イオンの生成の制御 イオンの輸送が第1図に示した系によつて生じる電場で
行われることは認められるであろう。従つて患者にデリ
バリーすべき薬物は電荷をもつイオンとして系内に存在
しなければならない。種々の化合物(たとえば塩、塩基
または酸)は溶剤に溶解する際に2成分すなわち正の1
成分および負の1成分に解離するので、イオントフオレ
ーゼに用いられる薬物はこの種の形のものである。
従つてイオントフオレーゼ溶液中の成分のうち一方は薬
物の有効成分であり、他方の成分は相補的イオンであろ
う。次いでこれらの帯電したイオンはイオントフオレー
ゼに際して電場により与えられる起電力を受け、従つて
イオンは電場により系内に推進されるべきであろう。
患者に投与すべき薬物が溶液中にあり、イオン化してい
る場合、外部電場によつて薬物イオンは系内を輸送され
るであろう。イオンは反対の電荷をもつ電極に引きつけ
られるであろう。このイオンの輸送は物質の濃度、なら
びに溶液中のイオンの移動度および電荷(または原子
価)に比例して起こる。特定のイオン種によつて運ばれ
る総電流の割合(これは輸送された薬物の量を決定す
る)は輸率と呼ばれる。イオンKについての輸率は下記
の式(1)で表わされる。
tk=|z|μ/Σ(|z|μ
(1) 式中 zはイオンKの原子価であり、 μはイオンKの移動度であり、 CはイオンKの濃度である。
式(1)から、輸送される薬物(イオンKで表わされる)
の量は溶液中のイオン種が追加される毎に減少すること
が分かる。系にイオン種が追加されるのに応じて、イオ
ンKの濃度は低下する。従つてpHを制御するために緩衝
剤などを使用することは、新たなイオン種が追加され、
これに応じて薬物の濃度が低下するので満足すべきもの
ではないことが分かる。
薬物を系内で移動させるとすれば、駆動力を与える必要
がある。イオントフオレーゼの場合、駆動力は電位差で
ある。薬物溶液に電流が導通するためには、電極(一般
に金属)の接点材料と媒質中の電解質の間に電荷交換の
機構を与える必要がある。
イオントフオレーゼ系に電流を導通するために使用でき
る電極は2種ある。これらの電極は一般に“不活性(in
ert)”または“反応性(reactive)”であると考えられ
る。ここで定義する“不活性”電極は、式(2)に表わさ
れるように電荷が水の電解反応に従つて溶液と交換され
る電極である。
2H2O=O2+4H++4e- (2) V1.23V(正極において)対SHE 式中のeは電子の電荷である。
アノードに隣接する溶液とアノード材料の間の電圧が約
1.23V(対SHE)を越えると、式(2)に従つて水の電
解が起こる。(水の電解についての正確な電圧は溶液の
pHおよび温度ならびに他の特定のパラメーターに依存す
るが、一般的な条件下で生じると思われる一般的な参照
値として+1.23V(対SHE)を用いることが認められ
るであろう)。特に注目すべき点は、Hイオンの生成
を防止するために水の電解電圧よりも低く制御および維
持しなければならないのは電極と薬物媒質との界面にお
ける電圧であるという点である。
式2の反応の結果は、反応生成物から認められるように
媒質の急速な酸性化である。生成した水素イオンは媒質
−電極界面から媒質を通つて媒質−皮膚界面へと速やか
に輸送され、その結果酸性化が生じ、皮膚の熱傷が起こ
る。
上記の反応は正に分極した電極に特異的なものである
が、同様な反応が負の電極においても起こることは認め
られるであろう。この場合の反応生成物は水酸イオンで
ある。この反応は媒質とカソードの間の電圧が約0.83V
(対SHE)である場合に起こる。これはもちろん、正
の電極において酸性化が起こつたのと同じ一般的機序に
より媒質および組織のアルカリ性化を起こす。しかしそ
の結果は同じである。アルカリ性化によつても電流の導
通に際して患者に熱傷が起こるからである。
イオントフオレーゼ電極の構成に当技術分野で一般に用
いられている材料は“不活性”電極として作用し、これ
により式(2)の反応に従う。すなわちこの電極はイオン
トフオレーゼ処置が進行するのに伴つて水の電解を起こ
す。これによつて明らかに、小型の送やかなイオン(た
とえばHおよびOH-)が媒質中に導入される。これら
のイオンは媒質中に不均衡なほど大きな割合の総電流を
運び、従つて目的とする薬物イオン輸送を妨げる傾向を
示す。
さらに輸率の判定によつて明らかなように、イオントフ
オレーゼに際してHイオンまたはOH-イオンが媒質中
に導入されるため、薬物イオンにより運ばれる電流の割
合は必ずしも一定に保たれない。事実、薬物により運ば
れる電流の量はイオントフオレーゼに際して経時的に著
しく変動する場合がある。その結果、患者への実際の薬
物投与速度は経時的に一定には保たれないであろう。適
切な輸率に対して補正した場合ですらそうである。
従つてイオントフオレーゼ媒質中で水の電解が起こつた
場合、増大したHまたはOH-イオンの濃度によつて患
者の皮膚を通して輸送される薬物の量が減少する。その
結果、デリバリーされる薬物の量を正確に定量化するこ
とができなくなる。さらに、これらの要因によつて可能
な処置時間が著しく短縮される。
C.本発明の反応性電極 本発明のイオントフオレーゼ系は原理的には薬物イオン
およびそれらの相補的イオンに関係のない付加的なイオ
ン種(たとえばHイオンもしくはOH-イオンまたは緩
衝イオン)を溶液中に導入または生成することなく作動
する。系へのHまたはOH-イオンの付加は適切に制御
されているので、患者へのpH熱傷は避けられ、この系に
よつて輸送される薬物の量はより一定に保たれ、従つて
投与される薬物の量はより正確に定量化され、制御さ
れ、かつ持続される。
イオントフオレーゼ溶液中に存在する相補的イオンです
ら患者の皮膚を通して輸送される薬物と競合することは
認められるであろう。従つてイオントフオレーゼに際し
て極端なpHを避けるのに適していることが認められた本
発明の好ましい方法には、水の電解の電圧よりも低い電
圧(すなわち正電極においては約1.23V対SHEよりも
低く、負電極においては約0.83V対SHEよりも低い)
において相補的イオンと反応して不溶性の析出物を形成
する電極を用いる。電極と相補的イオンとの反応により
生じる不溶性析出物は媒質に不溶性であり、薬物イオン
と有意の程度に競合することはない。
本発明の範囲に含まれる、現時点で好ましい反応性電極
の例は、クロリド型のイオントフオレーゼされる薬物と
組合わせた銀アノードである。銀電極と相補的イオンと
の反応を式(3)に示す。
Ag+ClAgCl+e (3) V0.223V対SHEにおいて生じる生成物(塩化銀)
は固体であり、溶液から析出する。
式(2)および(3)から明らかなように、銀電極はアノード
における水の電解電圧(1.23V対SHE)よりもはるか
に低い電圧(0.223V対SHE)で負のクロリドイオン
と反応して塩化銀を生成する。従つてイオントフオレー
ゼに際して銀電極はイオントフオレーゼ溶液中にH
オンが生成するのを防ぐのに十分なほど低い電圧でイオ
ントフオレーゼ溶液中のクロリドイオン(イオントフオ
レーゼ溶液中の薬物の解離によつて生成する)と反応す
る。
この系について、アノードと薬物溶液との界面において
は、塩化銀を生成する反応が進行するのに十分な金属銀
およびクロリドイオンがある限り、電圧を比較的一定に
維持できることが見出された。従つて水の電解およびpH
の変化が起こる時点まではイオントフオレーゼに際して
イオントフオレーゼ電圧は上昇しないであろう。
先きに示唆したように、相補的イオンをイオントフオレ
ーゼ溶液から除いて、これが電荷の輸送に対して大型の
薬物イオンと競合しないようにすることが望ましい。従
つて電極と相補的イオンの反応によつて不溶性の析出物
が生じるか、あるいは薬物イオンに比べてイオントフオ
レーゼ系内で移動性でない種類のものが生成することが
好ましい。
以上からみて、イオントフオレーゼ溶液のpHを制御し続
け、競合イオン種の量を最小限に抑え、かつイオントフ
オレーゼに際して投与された薬物の量をより正確に定量
化するためには本発明の幾つかの特色が重要であること
は認められるであろう。
第1に、薬物イオンはイオントフオレーゼ溶液中で解離
して有効薬物イオンおよび相補的イオンを生成しなけれ
ばならない。
第2に、相補的イオン(たとえばクロリドイオン)は好
ましくは近接する電極(たとえば金属銀電極)と反応し
て不溶性の生成物(たとえば塩化銀)を生成し、これに
より相補的イオンはイオントフオレーゼ系から分離され
るべきである。塩化銀は水に不溶性の析出物であるか
ら、薬物イオンの伝達と競合する可能性のある付加的な
イオンがイオントフオレーゼに際して系内に導入される
ことはない。その結果、イオントフオレーゼ過程は薬物
が患者の皮膚を通して輸送される方を助成し、輸送は電
流に比較的比例する。
種々の型の電極を本発明のイオントフオレーゼ用として
使用できることも認められるであろう。電極に対する最
も重要な要件は、これと薬物でない相補的イオンとが不
溶性の析出物を形成し、従つて付加的な競合イオン種が
イオントフオレーゼ溶液に導入されないことである。
第3に、反応性電極および相補的イオンは水の電解電圧
よりも低い電圧で析出物を形成すべく選ばれなければな
らない。すなわち反応はアノードにおいて約1.23V対S
HEよりも低い電圧で起こらなければならない。反応性
電極はイオントフオレーゼ系の個々の要求に応じてアノ
ードまたはカソードのいずれであつてもよいことは認め
られるであろう。
第4に、電極と隣接する薬物媒質との界面における電圧
を精確に監視することによつて、水の電解が開始してイ
オントフオレーゼ溶液のpHが変化する前にイオントフオ
レーゼを停止することができる。
電極とイオントフオレーゼ溶液との界面の電圧を監視す
ることは有益であるが、実際にはこの界面の電位差を監
視することはめんどうであるのは認められるであろう。
この電圧を監視すると、この電圧が水の電解電圧よりも
低く保たれる限り患者の皮膚に対する化学熱傷をさほど
心配せずにイオントフオレーゼを続けることができる。
あるいは金属電極−薬物溶液界面の電圧を連続的に監視
するのを避けるために、これと共に電圧を臨界水準より
も低く保つ他の因子を制御することにより電圧を制御す
ることも同様に満足すべきものである。これらの因子に
は(a)十分な量の銀を供給すること、(b)すべてのクロリ
ドイオンを消費し得ないほど過剰のクロリドイオンを薬
物溶液中に供給すること、(c)イオントフオレーゼの時
間を制御すること、および(d)動作電流を制御すること
が含まれる。薬物溶液中には実質的な濃度の競合イオン
は存在しないので、患者の皮膚を通して輸送されたモル
フインの最大量は容易に判定できる。従つて電流を監視
することによつて、薬物溶液中のクロリドイオンが除か
れるため溶液のpHが低下しないことが保証される妥当に
安全な限界内で、イオントフオレーゼを続行することが
できる。
以上、説明のために銀電極および相補的クロリドイオン
の系について述べたが、他の電極および相補的イオンの
組合わせも可能である。たとえば鉛電極および相補的サ
ルフエートイオンの系も本発明の範囲内にある。(とこ
ろが鉛が患者の体内に輸送される危険性があるため鉛電
極は多くの状況下で受容できないことが認められてい
る。)このような系において、鉛電極はカソードにおけ
る水の電解電位よりも低い電位で硫酸鉛析出物を生成す
るであろう。その結果、電解液のpHが有意に変化するこ
となく、薬物イオンが患者の皮膚を通して輸送される。
D.好ましい形態によるモルフインのイオントフオレー
ゼ 先行技術のイオントフオレーゼによるモルフインの導入
を本発明の反応性電極を用いるモルフインのイオントフ
オレーゼ導入と比較することによつて、本発明の原理お
よび利点をさらに理解することができる。
第2図は受動拡散により、および反応性電極を用いるイ
オントフオレーゼにより、モルフインが分離されたラツ
ト皮膚弁を通して輸送される程度を判定するために行わ
れた3種の試験の結果を示す。既知の方法で分離された
ラツト皮膚弁を調製した。受動的に皮膚弁を通して拡散
するモルフインの量を測定するために、約6mg/mlの濃
度の放射性標識モルフインの溶液を皮膚弁の一方の面に
乗せた。
皮膚弁を通して拡散した放射性標識モルフインの量を、
ラツト皮膚弁の反対側からドレーンした静脈から採取し
た血液中において壊変毎秒/μ血液(DPM/μ)
の値を測定することにより測定した。第2図に示される
ように、4時間後でも有意量のモルフインは皮膚弁を通
して受能拡散していなかつた。
これに対し本発明の技術によれば、分離されたラツト皮
膚弁を通してイオントフオレーゼされたのち有意量の放
射性標識モルフインが血中へ吸収された。別個の2回の
試験において(それらの結果を第2図にAおよびBとし
てプロツトする)、約6mg/mlの濃度の塩酸モルフイン
が、分離された皮膚弁を通して0.5mAの電流で60分間
に、金属銀電極を用いて導入された。
水溶液中で塩酸モルフインは正に帯電したモルフインイ
オンと負に帯電したクロリドイオンに解離する。0.23V
対SHE(または0.0V対Ag/AgCl電極)の電圧で、クロ
リドイオンは金属銀と反応して塩化銀析出物を生じる。
この反応は下記の化学反応式で表わされる。
この機序により、低い電圧(すなわち水の電解電圧以
下)を維持すると塩酸モルフインが金属銀電極と反応し
て不溶性塩化銀析出物、モルフインイオン、および電子
を形成することが認められるであろう。その結果、モル
フインイオンは水溶液を通り、溶液−皮膚界面を通り、
次いで皮膚を通して輸送され、その際モルフインイオン
の輸送と競合する望ましくない相補的イオン種を水溶液
中に生成することはない。
再び第2図に示した試験の結果について述べると、有意
量の塩酸モルフインがイオントフオレーゼの結果皮膚弁
を通過し、血中に吸収されたことが認められるであろ
う。さらに、塩酸モルフイン溶液のpHが試験AおよびB
の双方においてイオントフオレーゼ処置の開始時には約
6.0であり、60分間のイオントフオレーゼ後にもなお
約6.0であつたことは注目すべきである。従つて、イオ
ントフオレーゼを60分間行つたにもかかわらず、pHを
変化させ、患者に熱傷を起こす水素イオンは生成しなか
つた。後記のように、これはモルフインが一般的手法の
イオントフオレーゼにより導入された場合と著しく対照
的である。
他の一連の試験において、硫酸モルフインを有志者に標
準的なイオントフオレーゼ電極(EL500型、モーシヨン
・コントロール社より入手、ユタ州サルトレークシテイ
ー)を用いて投与した。濃度10mg/mlの硫酸モルフイ
ン3ml量を5人の患者に2mAの電流で20分間イオント
フオレーゼにより導入した。これらの患者から10分毎
に採取した血液中の遊離血漿モルフインの平均濃度(ng
/mlで測定)を第3図に線Aでグラフ表示する。(線A
は遊離血漿モルフインの平均量を表わし、各測定につい
ての標準偏差の範囲は垂直の矢印で表わされる。) イオントフオレーゼ処置の開始時には硫酸モルフイン溶
液のpHは5.5であつた。しかし20分以内にpHは平均2.0
の値にまで低下した。その結果、患者に対する著しい熱
傷を防止するためにわずか20分後にイオントフオレー
ゼを停止しなければならなかつた。その時点ですら患者
の皮膚に著しい炎症および若干の熱傷が生じた。
残念ながらこの試験で皮膚を通して導入されたモルフイ
ンの量は、目的とする鎮痛効果を達成するのには不十分
であつた。より多量のモルフインを患者に投与するため
に、硫酸モルフインを含む2種の電極を用いて第2系列
の試験を行つた。
この第2系列の試験は5人の患者について上記(第3図
に線Aとしてプロツトした結果に関して)と同じ条件下
で行われた。ただし別個の2組の電極を同時に患者の皮
膚の異なる部位に、別個の2個の電源と共に用い、これ
により投与量を高めた。患者から10分毎に採取した血
液試料中の遊離血漿モルフインの平均量を第3図に線B
としてグラフ表示する。(各測定についての標準偏差の
範値は垂直の矢印で示される。) 第3図の線Bから、14ng/ml以上の遊離血漿モルフイ
ンが20分間のイオントフオレーゼ後の血中に測定され
たことが認められる。硫酸モルフインのpHはこのイオン
トフオレーゼ期間中に同様に約5.5から約2.0に低下し、
このためイオントフオレーゼ処置を停止しなければなら
なかつた。
第3図のデータと対比して、第4図の曲線Aは本発明に
よる塩酸モルフインのイオントフオレーゼ導入結果を表
わす。銀電極を用いて、濃度2mg/mlの水溶液状の塩酸
モルフインを投与した。この溶液を銀電極と有志者の皮
膚の表面との間に入れた。イオントフオレーゼを2mAの
電流で60分間行つた。一定の時間毎に有志者の血中に
測定された遊離血漿モルフイン量を第4図に線Aによつ
て示す。
これから明らかなように、著しい量のモルフインがイオ
ントフオレーゼに際し皮膚を通して患者の血流に輸送さ
れ、血中の残留濃度のモルフインはイオントフオレーゼ
停止後も著しい期間持続した。著しい量のモルフインが
この方法で伝達されたという事実はAUCの著しい上昇
によつて示される。(一定の条件下では、“曲線下の面
積(Area Under the Curve.AUC)”はデリバリーさ
れた薬物の量に比例する。)同様に重要な点は、塩酸モ
ルフインの初期pHは約6.1であり、60分間のイオント
フオレーゼ後もpHはなお約5.5であつた点である。このp
H変化は明らかに許容範囲内であり、熱傷を起こすほど
には、またイオントフオレーゼの停止を必要とするほど
には著しくない。
実質的には上記と同じ条件下で有志者につき第2の試験
を行つた。ただし水溶液中の塩酸モルフインの濃度は約
10mg/mlであり、イオントフオレーゼ時間は90分間
であつた。有志者からの血液の検査結果を第4図に線B
によりグラフ表示する。
90分間のイオントフオレーゼ後にpHはイオントフオレ
ーゼ前の初期pH約6.1に比べて約6.0であつた。本質的に
pHの変化がなかつたので、熱傷は起こらず、イオントフ
オレーゼ処置を90分間続行しても何ら不都合な結果は
生じなかつた。さらに、著しい量のモルフインがイオン
トフオレーゼ処置により皮膚を通して輸送され、患者の
血流中に吸収された。AUC(第4図、線Bの)は35
88ng−分/mlである。
有志者についての第3のイオントフオレーゼ試験は10
mg/mlの濃度の塩酸モルフインを用いて120分間行わ
れた。血液検査の結果を第4図に線Cで表わす。AUC
は5632ng−分/mlであり、120分間のイオントフ
オレーゼ後にpHは約5.5に低下したにすぎない。この有
意でないpH低下は、反応に使われる銀が枯渇したことに
より説明できる。それにもかかわらずこの低下はイオン
トフオレーゼ部位に熱傷を起こすには不十分であつた。
塩酸モルフインの例について以上に詳述したが、各種薬
物を本発明によるイオントフオレーゼ技術によつて投与
できることは認められるであろう。本発明は特に塩酸塩
の形の薬物に適用でき、これには多数の治療上有用な薬
物が含まれる。
本発明は薬物デリバリー量を制御するための改良法を提
供することは容易に認められるであろう。電流の量、イ
オントフオレーゼ時間、およびイオントフオレーゼ溶液
中の薬物の濃度を変えることにより、患者に投与する薬
物の量を制御し、定量することができる。
薬物を投与するための大部分の系は水性であるが、これ
は薬物の媒質が液状でなければならないことを意味する
ものではない。イオントフオレーゼ処置を好都合なもの
にするために、薬物をゲル(たとえばゼラチン)、ヒド
ロゲル、ガム(ローカストガム:locust gnm)、泡状
物、または非イオン性クリーム(たとえば非イオン界面
活性剤を含む水中油型エマルジヨンクリーム)中に含有
させることもできる。さらに麻薬の場合、薬物をクリー
ムまたはゲル中に含有させることによつて、その薬物が
不正に電極から取出され、不正に使用される可能性が最
小限に抑えられる。さらに、この系は局所麻酔薬および
これに類する物質、たとえば塩酸リドカインを用いる用
途にも容易に適用できる。
E.実施例 以下の例は本発明の一般的な範囲を説明するために示さ
れたものであり、これらの例が本発明の範囲を限定する
ものと解すべきではない。
実施例1 モルフインを患者(ヒト)に投与するために、本発明の
範囲に含まれるイオントフオレーゼ処置を行つた。モル
フインは濃度約10mg/mlの水溶液状の塩酸モルフイン
の形であつた。この薬物を正の銀電極と患者の腕の皮膚
の垂直面との間に入れ、負電極をこの患者の腕の反対側
に設置した。イオントフオレーゼを2mAの電流で30分
間行つた。
イオントフオレーゼに際して銀電極と塩酸モルフイン溶
液との界面の電圧を監視し、1V対Ag/AgCl電極よりも
低く、すなわち1.23V対SHEよりも低く維持した。イオ
ントフオレーゼ処置に際して、認められるほどの塩化銀
析出物が生じた。
30分間のイオントフオレーゼ後にイオントフオレーゼ
溶液のpHはその最初の値約6.1から認められるほどには
変化していなかつた。
モルフインの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらはモルフインが皮
膚を通して輸送されたことを示す。しかし皮膚の熱傷は
認められなかつた。ラジオイムノアツセイ法により測定
した血清中の遊離モルフイン水準はモルフイン濃度の上
昇を示し、これはイオントフオレーゼ時間と相関性があ
つた。
実施例2 実施例1の条件に従つて本発明の範囲に含まれるイオン
トフオレーゼ処置を行つた。ただし塩酸モルフインを2
mAで60分間、イオントフオレーゼにより導入した。イ
オントフオレーゼ溶液の初期pHは約6.1であり、イオン
トフオレーゼ後にpHは約5.5であつた。
モルフインの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらはモルフインが皮
膚を通して輸送されたことを示す。しかし皮膚の熱傷は
認められなかつた。ラジオイムノアツセイ法により測定
した血清中の遊離モルフイン水準はモルフイン濃度の上
昇を示し、これはイオントフオレーゼ時間と相関性があ
つた。
実施例3 実施例1の本発明の範囲に含まれるイオントフオレーゼ
処置を行つた。ただし塩酸モルフインを2mAで90分
間、イオンフオレーゼにより導入した。イオントフオレ
ーゼ溶液の初期pHは約6.1であり、イオントフオレーゼ
後にはpHは約6.0であつた。
モルフインの投与に際して一般に認められる生理学的反
応が直ちに示された。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらはモルフインが皮
膚を通して輸送されたことを示す。しかし皮膚の熱傷は
認められなかつた。ラシオイムノアツセイ法により測定
した血清中の遊離モルフイン水準はモルフイン濃度の上
昇を示し、これはイオントフオレーゼ時間と相関性があ
つた。
実施例4 本発明の範囲に含まれるイオントフオレーゼ処置を実施
例1の条件およびパラメーターに従つて行つた。ただし
塩酸モルフインを2mAで2時間、イオントフオレーゼに
より導入した。イオントフオレーゼ溶液の初期pHは約
6:1であり、イオントフオレーゼ後にはpHは約5.5で
あつた。
モルフインの投与に際して一般に認められる生理学的反
応が直ちに示された。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらはモルフインが皮
膚を通して輸送されたことを示す。しかし皮膚の熱傷は
認められなかつた。ラシオイムノアツセイ法により測定
した血清中の遊離モルフイン水準はモルフイン濃度の上
昇を示し、これはイオントフオレーゼ時間と相関性があ
つた。
実施例5 この実施例のイオントフオレーゼ法によれば、ジラウジ
ド(Dilaudid)をイオントフオレーゼにより患者に導入
するために反応性金属銀電池を用いた。この患物、塩酸
ハイドロモルフオンは濃度約2mg/mlの水溶液状であつ
た。この薬物溶液を正の銀電極と患者の腕の皮膚の一表
面の間に入れ、負電極を患者の腕の反対側に配置した。
イオントフオレーゼを約0.5mAの電流で30分間行つ
た。
イオントフオレーゼに際して、銀電極と薬物溶液との界
面の電圧を監視し、1V(対Ag/AgCl電極)よりも低く
維持した。これはこの電極における水の電界電圧よりも
低い。イオントフオレーゼに際し、塩化銀析出物の生成
が認められた。
30分間のイオントフオレーゼ後も、薬物溶液のpHは認
めうるほどには変化していなかつた。
ジラウジドの投与に際して一般に認められる生学的反応
を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむけ、
瞳孔水法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時間の
遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹(約1
〜3mmの隆起を伴う)および赤色フレアが認められた。
これらは塩酸ハイドロモルフオンが皮膚を通して輸送さ
れたことを示す。しかし皮膚の熱傷は認められなかつ
た。
実施例6 実施例5の条件およびパラメーターに従つて、本発明の
範囲に含まれるイオントフオレーゼ処置を行つた。ただ
し塩酸ハイドロモルフオンをクリーム中に泡埋し、患者
の皮膚および銀電極と接触させた。
ジラウジドの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらは塩酸ハイドロモ
ルフオンが皮膚を通して輸送されたことを示す。しかし
皮膚の熱傷は認められなかつた。
実施例7 実施例5の条件およびパラメーターに従つて本発明の範
囲に含まれるイオントフオレーゼ処置を行つた。ただし
塩酸ハイドロモルフオンを2mAで90分間、イオントフ
オレーゼにより導入した。
ジラウジドの投与に際して一般に認められる生理学的反
応が直ちに示された。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらはハイドロモルフ
オンが皮膚を通して輸送されたことを示す。しかし皮膚
の熱傷は認められなかつた。
実施例8 実施例5の条件およびパラメーターに従つて本発明の範
囲に含まれるイオントフオレーゼ処置を行つた。ただし
塩酸ハイドロモルフオンを2mAで2時間、イオントフオ
レーゼにより導入した。
ジラウジドの投与に際して一般に認められる生理学的反
応が直ちに示された。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。電極の下部にはヒスタミン膨疹お
よび赤色フレアが認められた。これらはハイドロモルフ
オンが皮膚を通して輸送されたことを示す。しかし皮膚
の熱傷は認められなかつた。
実施例9 実施例5の条件およびパラメーターに従つて本発明の範
囲に含まれるイオントフオレーゼ処置を行つた。ただ
し、正の銀電極に隣接する媒質中の塩酸ハイドロモルフ
オンは非イオン性クリーム中に約5mg/mlの濃度に分散
された。このクリームはコールドクリーム型の水中油型
非イオン性エマルジヨンであつた。イオントフオレーゼ
を正極からの1mAの電流により25分間行つた。
ジラウジドの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。イオントフオレーゼに際して薬物
媒質の実質的なpH変化は認められず、患者の皮膚に熱傷
は認められなかつた。
実施例10 実施例9の方法に従つて、本発明の範囲に含まれるイオ
ントフオレーゼ処置を行つた。ただしイオントフオレー
ゼを2時間、1mAの電流で25分間行つた。
ジラウジドの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。イオントフオレーゼに際して薬物
媒質に実質的なpH変化は認められず、患者の皮膚に熱傷
は認められなかつた。
実施例11 患者にモルフインを投与するために本発明の範囲に含ま
れるイオントフオレーゼ処置を行つた。薬物はゼラチン
中の濃度10mg/mlの水溶液状塩酸モルフインであつ
た。塩酸モルフインを、蒸留水に溶解したゼラチンと混
和し、この溶液を円筒形の型内で“硬化”させた。
実施例1の条件およびパラメーターに従つて、反応性の
正の銀電極を用いてイオントフオレーゼを行つた。ただ
し処置を60分間続けた。
モルフインの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の逐延が含まれる。イオントフオレーゼに際して薬物
媒質の実質的なpH変化は認められず、患者の皮膚に熱傷
は認められなかつた。
実施例12 モルフインを患者に投与するために本発明の範囲に含ま
れるイオントフオレーゼ処理を採用した。その際モルフ
インは濃度10mg/mlの水溶液状硫酸モルフインの形で
あつた。正の鉛電極を用い、2mAの電流を正の電極から
30分間導通した。イオントフオレーゼに際して負の硫
酸イオン(相補的イオン)が鉛電極と反応して、硫酸鉛
の不溶性析出物を生成した。正のモルフインイオンは薬
物媒質を通り、そして患者の皮膚を通つて輸送された。
モルフインの投与に際して一般に認められる生理学的反
応を患者が示した。これらの反応には、めまい、ねむ
け、瞳孔寸法の縮小、瞳孔反応の緩徐化、および反応時
間の遅延が含まれる。イオントフオレーゼに際して薬物
媒質には実質的なpH変化は認められず、患者の皮膚に熱
傷は認められなかつた。
実施例13 特定の心血冠状態の治療のために患者にマグネシウムを
投与する目的で、銀電極を用いて本発明の範囲に含まれ
るイオントフオレーゼ処置を行つた。マグネシウムは胃
腸管からの吸収が困難であるためイオントフオレーゼ処
置を採用した。
薬物は濃度200mg/mlの水溶液状の塩化マグネシウム
であつた。正の電極から2mAの電流において60分間、
イオントフオレーゼを施した。
イオントフオレーゼに際してクロリドイオン(塩化マグ
ネシウムの解離により生じた)は金属銀電極と反応して
正の銀電極の表面に塩化銀の析出物を生じた。マグネシ
ウムイオンは媒質を通り、患者の皮膚を通つて輸送され
た。
E.要 約 要約すると本発明によればイオントフオレーゼ処置に際
してpHを安全な水準に維持することができる。さらに反
応性電極は潜在的競合イオン(イオントフオレーゼ溶液
中で薬物の解離により生成したもの)をイオントフオレ
ーゼの進行に伴つて相補的イオンと反応して不溶性析出
物を生じることにより溶液から除去する。
金属電極と薬物媒質との界面における電圧は本発明によ
れば、必要な反応体が得られる限り、すなわち輸送され
る薬物があり、かつ反応する相補的イオンおよび電極が
ある限り、ほぼ一定に保たれ、その水準が高まるのは緩
徐である。反応性電極により得られる直接的な結果は、
電極と薬物媒質との界面の電圧を、水の電解反応を生じ
るのに要する電圧よりも低く維持できることである。従
つてHまたはOH-イオンが生成しないので極端なpHが
生じることなく、患者にpH誘発性熱傷が起こることがな
い。さらに、HおよびOH-イオンが生成せず、競合イ
オンの生成が最小限に抑えられるので、皮膚を通して輸
送される薬物の量はイオントフオレーゼ中の電流により
厳密に比例し、より正確に定量できる。
本発明はその精神および本質的特性から逸脱することな
く他の特定の形態で実施することができる。上記の形態
はあらゆる点で例示にすぎず、限定的なものでないと解
すべきである。従つて本発明の範囲は以上の記述によつ
てではなく、特許請求の範囲によつて示される。特許請
求の範囲と均等な意味および範囲に含まれる変更はすべ
て本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の範囲に含まれる一般的なイオントフオ
レーゼ系の略図である。 第2図は本発明の範囲に含まれる方法を採用して、分離
したラツト皮膚弁にイオントフオレーゼによりモルフイ
ンを導入した結果得られたデータをグラフで示したもの
である。 第3図は標準的な先行技術を採用して、有志者にイオン
トフオレーゼによりモルフインを導入した結果得られた
データをグラフで示したものである。 第4図は本発明の範囲に含まれる方法を採用して、有志
者にイオントフオレーゼによりモルフインを導入した結
果得られたデータをグラフで示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジリ・ジャナタ アメリカ合衆国ユタ州84108,ソールト・ レイク・シティ,ローガン・アベニュー 2231 (72)発明者 ロバート・エル・スティーヴン アメリカ合衆国ユタ州84108,ソールト・ レイク・シティ,ケンジントン・アベニュ ー 2501 (72)発明者 スティーヴン・シー・ジャコブソン アメリカ合衆国ユタ州84102,ソールト・ レイク・シティ,サウス 1200 イースト 274

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相補的イオンと反応して薬物溶液に不溶性
    の生成物を形成しうる材料から構成された第1電極; 第2電極; 第1電極を薬物溶液と連絡させるための手段; 薬物溶液が第1電極と患者の間に配置された状態で該溶
    液を患者と連絡させるための手段; 第2電極を患者において第1電極から遠位の地点で患者
    と連絡させるための手段; 第1電極と第2電極の間に電位差を与え、この電位差が
    患者の皮膚を通して薬物イオンを輸送するために、また
    相補的イオンと第1電極の反応により不溶性析出物を生
    成し、これによって電荷輸送に対し薬物イオンと競合し
    て患者に投与される薬物の量を減少させるイオンを薬物
    媒質から除くために十分なものである手段;および 第1電極と溶液との界面における電圧を媒質の電解電圧
    よりも低く維持するための手段; からなる、媒質に溶解されて有効薬物イオンおよび相補
    的イオンを生成する薬物を患者にデリバリーするための
    イオントフォレーゼ装置。
  2. 【請求項2】さらに第1電極と薬物溶液との界面におけ
    る電圧を監視しうる検出電極を含む、特許請求の範囲第
    1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするためのイオ
    ントフォレーゼ装置。
  3. 【請求項3】第1電極と薬物媒質の界面における電圧
    を、該界面における電圧が媒質の電解の起こりうる電圧
    に近づくと第1電極における電流を停止することにより
    制御する、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者
    にデリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  4. 【請求項4】薬物溶液が水溶液である、特許請求の範囲
    第1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするためのイ
    オントフォレーゼ装置。
  5. 【請求項5】第1電極がアノードであり、第1電極と薬
    物媒質との界面における電圧が約1.23V対標準水素
    電極よりも低く維持される、特許請求の範囲第4項に記
    載の、薬物を患者にデリバリーするためのイオントフォ
    レーゼ装置。
  6. 【請求項6】第1電極がカソードであり、第1電極と薬
    物媒質との界面における電圧が約0.83V対標準水素
    電極よりも低く維持される、特許請求の範囲第4項に記
    載の、薬物を患者にデリバリーするためのイオントフォ
    レーゼ装置。
  7. 【請求項7】第1電極が水の電解電圧よりも低い電圧で
    相補的イオンと反応する、特許請求の範囲第4項に記載
    の、薬物を患者にデリバリーするためのイオントフォレ
    ーゼ装置。
  8. 【請求項8】第1電極が銀で構成されている、特許請求
    の範囲第1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするた
    めのイオントフォレーゼ装置。
  9. 【請求項9】第1電極が鉛で構成されている、特許請求
    の範囲第1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするた
    めのイオントフォレーゼ装置。
  10. 【請求項10】相補的イオンがクロリドイオンである、
    特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者にデリバリ
    ーするためのイオントフォレーゼ装置。
  11. 【請求項11】相補的イオンがサルフェートイオンであ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者にデリ
    バリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  12. 【請求項12】薬物イオンが麻薬である、特許請求の範
    囲第1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするための
    イオントフォレーゼ装置。
  13. 【請求項13】薬物がモルフィン、ハイドロモルフォ
    ン、オキシモルフォンおよびメタドンよりなる群から選
    ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者に
    デリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  14. 【請求項14】薬物が麻酔薬である、特許請求の範囲第
    1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするためのイオ
    ントフォレーゼ装置。
  15. 【請求項15】薬物が塩酸リドカインである、特許請求
    の範囲第1項に記載の、薬物を患者にデリバリーするた
    めのイオントフォレーゼ装置。
  16. 【請求項16】薬物溶液が薬物イオンを含有するゲルか
    らなる、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者に
    デリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  17. 【請求項17】薬物溶液が薬物イオンを含有するヒドロ
    ゲルからなる、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を
    患者にデリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  18. 【請求項18】薬物溶液が薬物イオンを含有するクリー
    ムからなる、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患
    者にデリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  19. 【請求項19】薬物溶液が薬物イオンを含有するガムか
    らなる、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者に
    デリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
  20. 【請求項20】薬物溶液が薬物イオンを含有する泡状物
    からなる、特許請求の範囲第1項に記載の、薬物を患者
    にデリバリーするためのイオントフォレーゼ装置。
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