JPH0659212B2 - 米の製麹方法 - Google Patents
米の製麹方法Info
- Publication number
- JPH0659212B2 JPH0659212B2 JP4885984A JP4885984A JPH0659212B2 JP H0659212 B2 JPH0659212 B2 JP H0659212B2 JP 4885984 A JP4885984 A JP 4885984A JP 4885984 A JP4885984 A JP 4885984A JP H0659212 B2 JPH0659212 B2 JP H0659212B2
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- Japan
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- rice
- koji
- making
- pressure
- gas
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、米(玄米あるいは白米)をガス加圧処理する
ことにより例えば清酒製造における製麹に適した米に改
質して製麹する方法に係り、比較的安価な心白を持たな
い一般米から高品質な麹を製造する方法に関する。
ことにより例えば清酒製造における製麹に適した米に改
質して製麹する方法に係り、比較的安価な心白を持たな
い一般米から高品質な麹を製造する方法に関する。
現在、清酒製造用として年間約55万トンの米が消費さ
れているが、このうち、6.4万トンは、一般の飯用米
より20〜50%も高価な酒造好適米を使用している。
酒造好適米は、心白米とも言われ、兵庫県産の山田錦、
福井県産の五百万石などがその代表的な品種であり、主
に麹用米として使用されている。心白米は、米粒の中心
部に組織のやわらかい、いわゆる心白を持っており、製
麹工程において麹菌の破精が良好であり、容易に酵素力
の強い麹が得られる。また心白米は、それ自体の消化性
も優れており、これらの要因が重なり、心白米を用いて
麹をつくり、仕込を行なうと、もろみの発酵は旺盛とな
り、良質の清酒が得られ、かつ酒化率(歩留り)も良好
となる。以上の理由から、麹用米は、一般米より20〜
50%も高価な心白米が使用されており、しかも搗精に
より精米歩合50〜75%まで高度に精白して使用さ
れ、清酒製造コストを高める大きな原因になっている。
れているが、このうち、6.4万トンは、一般の飯用米
より20〜50%も高価な酒造好適米を使用している。
酒造好適米は、心白米とも言われ、兵庫県産の山田錦、
福井県産の五百万石などがその代表的な品種であり、主
に麹用米として使用されている。心白米は、米粒の中心
部に組織のやわらかい、いわゆる心白を持っており、製
麹工程において麹菌の破精が良好であり、容易に酵素力
の強い麹が得られる。また心白米は、それ自体の消化性
も優れており、これらの要因が重なり、心白米を用いて
麹をつくり、仕込を行なうと、もろみの発酵は旺盛とな
り、良質の清酒が得られ、かつ酒化率(歩留り)も良好
となる。以上の理由から、麹用米は、一般米より20〜
50%も高価な心白米が使用されており、しかも搗精に
より精米歩合50〜75%まで高度に精白して使用さ
れ、清酒製造コストを高める大きな原因になっている。
一方、山田錦や五百万石を代表とする心白米は、生産者
側から見ると栽培適性がきわめて劣る品種である。稲が
倒れやすく病気に弱く冷害にも弱くかつ収量が少ない。
このような原因が重なり、心白米の生産量は、年々減少
しており、酒造家からの需要を全く満たすことができな
い状況にあり一般米との価格の差もますます増大する傾
向にある。本発明者らは、以上のような状況に鑑み、心
白の無い一般米(以後一般米という。)を用いて心白米
と同じような良好な麹を作る方法を開発すべく鋭意研究
の結果、米をガス加圧処理することにより米の性質が改
善され、この処理米を用いれば心白米に劣らない優れた
麹が得られることを見出した。
側から見ると栽培適性がきわめて劣る品種である。稲が
倒れやすく病気に弱く冷害にも弱くかつ収量が少ない。
このような原因が重なり、心白米の生産量は、年々減少
しており、酒造家からの需要を全く満たすことができな
い状況にあり一般米との価格の差もますます増大する傾
向にある。本発明者らは、以上のような状況に鑑み、心
白の無い一般米(以後一般米という。)を用いて心白米
と同じような良好な麹を作る方法を開発すべく鋭意研究
の結果、米をガス加圧処理することにより米の性質が改
善され、この処理米を用いれば心白米に劣らない優れた
麹が得られることを見出した。
本発明はこのような知見にもとづくものであり、精米歩
合50〜75%の白米あるいは精米歩合75〜100%
未満の粗白米あるいは玄米等を圧力2〜300bar、望
ましくは圧力50〜300bar、温度0〜100℃の条
件下でガス加圧する。使用ガスとしては、二酸化炭素、
窒素等が使用され、空気によっても効果のあることが確
認された。
合50〜75%の白米あるいは精米歩合75〜100%
未満の粗白米あるいは玄米等を圧力2〜300bar、望
ましくは圧力50〜300bar、温度0〜100℃の条
件下でガス加圧する。使用ガスとしては、二酸化炭素、
窒素等が使用され、空気によっても効果のあることが確
認された。
また、一般米に、重量で0〜15wt%加湿し、上記処理
後、米中水分量を5〜20%に調湿することにより、さ
らに効果のあることを確認した。このようにして得られ
た米は吸水性、消化性が優れ、この米を用いて製麹を行
なうと麹菌の破精が良好で、容易に酵素力価の高い麹を
製造することができ、麹用米としてきわめて優れた適性
を有する。もちろん、麹用以外の掛米用、四段用として
も好適である。また、精米歩合75〜100%未満の粗
白米、あるいは玄米等にも適用することができ、さらに
米以外の穀物例えば大豆、麦、トウモロコシ等を用いて
麹をつくる場合にも同様な効果が期待できる。
後、米中水分量を5〜20%に調湿することにより、さ
らに効果のあることを確認した。このようにして得られ
た米は吸水性、消化性が優れ、この米を用いて製麹を行
なうと麹菌の破精が良好で、容易に酵素力価の高い麹を
製造することができ、麹用米としてきわめて優れた適性
を有する。もちろん、麹用以外の掛米用、四段用として
も好適である。また、精米歩合75〜100%未満の粗
白米、あるいは玄米等にも適用することができ、さらに
米以外の穀物例えば大豆、麦、トウモロコシ等を用いて
麹をつくる場合にも同様な効果が期待できる。
以下に佐賀県産レイホウ(精米歩合75%)を試料とし
た本発明の実施例を説明する。
た本発明の実施例を説明する。
(1)処理方法 (イ)試料白米(水分11.7wt%)を130gとり、
これを予備加湿し、加湿量を測定した。これを内容積2
50mlのオートクレーブ中に入れ、二酸化炭素容器より
二酸化炭素を導入し、ポンプで昇圧し、圧力250ba
r,温度60℃に30分間保持した。其の後、二酸化炭
素を放出し、圧力を低下させ、試料を取り出した。米粒
を温風で乾燥させ白米水分を調整した。
これを予備加湿し、加湿量を測定した。これを内容積2
50mlのオートクレーブ中に入れ、二酸化炭素容器より
二酸化炭素を導入し、ポンプで昇圧し、圧力250ba
r,温度60℃に30分間保持した。其の後、二酸化炭
素を放出し、圧力を低下させ、試料を取り出した。米粒
を温風で乾燥させ白米水分を調整した。
(ロ)試料白米(水分11.7wt%)を130gとり、
上記オートクレーブ中に入れ、二酸化炭素を導入し、ポ
ンプで昇圧し、圧力250bar,温度60℃に30分間
保持した。其の後、二酸化炭素を急激に放出せしめ、試
料を取り出した。
上記オートクレーブ中に入れ、二酸化炭素を導入し、ポ
ンプで昇圧し、圧力250bar,温度60℃に30分間
保持した。其の後、二酸化炭素を急激に放出せしめ、試
料を取り出した。
又、処理条件を変え、圧力100bar,温度20℃,保
持時間30分の条件についても同様に処理を行なった。
持時間30分の条件についても同様に処理を行なった。
(ハ)試料白米(水分11.7wt%)を130gとり、
上記オートクレーブ中に入れ、高圧窒素容器より窒素ガ
スをオートクレーブ中に導入し、圧力140bar,温度
30℃に30分間保持した。其の後、窒素ガスを急激に
放出せしめ試料を取り出した。
上記オートクレーブ中に入れ、高圧窒素容器より窒素ガ
スをオートクレーブ中に導入し、圧力140bar,温度
30℃に30分間保持した。其の後、窒素ガスを急激に
放出せしめ試料を取り出した。
(ニ)(ハ)と同様に高圧空気容器を用い、圧力140
bar,温度30℃にて30分間保持し、試料を作成し
た。
bar,温度30℃にて30分間保持し、試料を作成し
た。
以上(イ)〜(ニ)の処理結果は第1表の通りである。
又、得られた試料のうち(イ)は表面に微細な亀裂を生
じ、米粒は白濁色を呈し、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、
処理前と何ら外観は変らなかった。
又、得られた試料のうち(イ)は表面に微細な亀裂を生
じ、米粒は白濁色を呈し、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、
処理前と何ら外観は変らなかった。
(2)製麹方法 1)原料処理 前記(1)処理方法によって得られた各試料を洗米した
後、水中に15℃で20時間浸漬し、2時間水切り後6
0分蒸きょうした。得られた蒸米を31℃まで放冷する
と同時に、蒸米水分35%に調整した。
後、水中に15℃で20時間浸漬し、2時間水切り後6
0分蒸きょうした。得られた蒸米を31℃まで放冷する
と同時に、蒸米水分35%に調整した。
以後の操作は、岡崎による標準製麹試験法(醸協,7
4,738(1979))を通常の製麹条件に近くなる
ように一部改良した方法で行なった。
4,738(1979))を通常の製麹条件に近くなる
ように一部改良した方法で行なった。
2)引込み 前記原料処理された蒸米(白米20g相当)を直径10
cmのシャーレに取り、種麹を胞子量106/g白米相当
量接種した。蒸米を攪拌後、シャーレの蓋をし、以後1
2時間31℃に保ち、さらに其の後、12時間33℃に
保った。
cmのシャーレに取り、種麹を胞子量106/g白米相当
量接種した。蒸米を攪拌後、シャーレの蓋をし、以後1
2時間31℃に保ち、さらに其の後、12時間33℃に
保った。
3)切返し 引込みから24時間後蓋を除き、蒸米を軽く攪拌した
後、蒸米がシャーレに入ったままの状態でさらに直径1
2cmのシャーレに2重に入れた。この時、内側のシャー
レと外径のシャーレの間に苛性ソーダ溶液を入れ、湿度
の調節を行なった。外側のシャーレのみに蓋をし、その
後10時間35℃に保った。
後、蒸米がシャーレに入ったままの状態でさらに直径1
2cmのシャーレに2重に入れた。この時、内側のシャー
レと外径のシャーレの間に苛性ソーダ溶液を入れ、湿度
の調節を行なった。外側のシャーレのみに蓋をし、その
後10時間35℃に保った。
4)手入れ 切返し後、10時間経過した時蒸米を軽く攪拌し、以後
40℃で12時間保った。
40℃で12時間保った。
5)出麹 以上の操作で製成した麹を常温にまで冷却し、酵素力の
分析、菌体量の測定等に供した。以上の方法によって製
成した麹の酵素力および菌体量を測定した結果を、無処
理の一般米および酒造好適米を同様に製麹したものの測
定結果とを第2表に示した。酵素力の測定は、国税庁所
定分析法に従い、菌体量の測定は、岡崎らの方法(日本
農芸化学会、昭和57年度大会、講演要旨集545ペー
ジ)に従った。
分析、菌体量の測定等に供した。以上の方法によって製
成した麹の酵素力および菌体量を測定した結果を、無処
理の一般米および酒造好適米を同様に製麹したものの測
定結果とを第2表に示した。酵素力の測定は、国税庁所
定分析法に従い、菌体量の測定は、岡崎らの方法(日本
農芸化学会、昭和57年度大会、講演要旨集545ペー
ジ)に従った。
以上の測定結果が示すように、一般米に本発明法を適用
することにより無処理の対照米はもとより、酒造好適米
よりも麹菌の破精が良好となり、また、酵素力の高い麹
が得られた。
することにより無処理の対照米はもとより、酒造好適米
よりも麹菌の破精が良好となり、また、酵素力の高い麹
が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 家村 芳次 兵庫県神戸市東灘区魚崎西町1丁目8―6 菊正宗酒造株式会社嘉宝蔵内 (72)発明者 古川 彰久 兵庫県神戸市東灘区魚崎西町1丁目8―6 菊正宗酒造株式会社嘉宝蔵内 (72)発明者 渡辺 和夫 兵庫県神戸市東灘区魚崎西町1丁目8―6 菊正宗酒造株式会社嘉宝蔵内 (56)参考文献 特開 昭52−34988(JP,A) 特開 昭55−141190(JP,A) 特開 昭54−95797(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】米を、圧力2〜300bar、温度0〜10
0℃でガス加圧処理した後、常法により製麹することを
特徴とする米の製麹方法。 - 【請求項2】前記ガス加圧処理が空気、炭酸ガス、窒素
等で行われることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の米の製麹方法。 - 【請求項3】米に、対米重量で15%以下となるように
加湿した後、圧力2〜300bar、温度0〜100℃で
ガス加圧処理し、ついで常法により製麹することを特徴
とする米の製麹方法。 - 【請求項4】前記ガス加圧処理が空気、炭酸ガス、窒素
等で行われることを特徴とする特許請求の範囲第3項記
載の米の製麹方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4885984A JPH0659212B2 (ja) | 1984-03-14 | 1984-03-14 | 米の製麹方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4885984A JPH0659212B2 (ja) | 1984-03-14 | 1984-03-14 | 米の製麹方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60192585A JPS60192585A (ja) | 1985-10-01 |
JPH0659212B2 true JPH0659212B2 (ja) | 1994-08-10 |
Family
ID=12814996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4885984A Expired - Fee Related JPH0659212B2 (ja) | 1984-03-14 | 1984-03-14 | 米の製麹方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0659212B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5596297B2 (ja) * | 2009-03-24 | 2014-09-24 | サントリーホールディングス株式会社 | グリセロールを高生産する製麹方法 |
CN104845795B (zh) * | 2015-04-03 | 2017-07-21 | 苏州葛家坞生物科技有限公司 | 一种灵芝黄酒的制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5234988A (en) * | 1975-09-09 | 1977-03-17 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | Method of producing processed cereal flour for malting |
JPS6016224B2 (ja) * | 1978-01-06 | 1985-04-24 | 日清製粉株式会社 | 製麹用加工原料の製造法 |
JPS55141190A (en) * | 1979-04-19 | 1980-11-04 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | Preparation of dried koji (malted rice) for brewing |
-
1984
- 1984-03-14 JP JP4885984A patent/JPH0659212B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60192585A (ja) | 1985-10-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |