JPH0658524U - ワイヤハーネス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネス側の係止部を、車体側の係止
ポイントに係止して、車体に配設するワイヤハーネスに
おいて、そのワイヤハーネスの車体への配設作業性と配
設作業能率の向上を図る。 【構成】 電線束５の外周に、弾性質浅形椀状の吸着部
８を外方に臨ませる吸着盤１を設け、その吸着部８を車
体壁面へ押し付けて吸着させることによって、未配設部
分の電線束５を、車体壁面１０に仮係止保持できる構造
が特徴である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車車体や機器に配設するワイヤハーネスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ワイヤハーネスは、電線束の外周に、実開昭５８ー６１９７９号公報に例示さ れるような、係止部を立設したワイヤハーネス用クリップを、適宜の間隔で多数 個取り付け、その係止部を車体・機器の嵌着孔等の係止ポイントに係止して、車 体・機器への配設姿勢を整えて保持するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上の従来のワイヤハーネスは、前記のワイヤハーネス用クリップ側の係止部 を、長い電線束に沿って順次係止して車体壁面等に配設するとき、係止した部位 から後方に伸びる未配設の電線が垂れ下がるので、その未配設の電線を片手で支 えながら、他の片手で次の係止部を順次係止する作業が必要になる。

【０００４】 しかし、例えば、自動車用ワイヤハーネスは長大にして重く、その上、ワイヤ ハーネス側の係止部が車体側の嵌着孔等の係止ポイントと「ぴったり」位置整合 することは殆どなく、若干の位置ずれが存在するので、その位置ずれ直しのため に、係止部をずらしたり、ワイヤハーネスを引っ張ったり、捩ったりする作業を 片手でやらざるを得なく、このワイヤハーネスの配設作業は、極めて煩雑にして やりずらく、非能率であり、この配設作業性の向上が、当該分野で強く求められ ている。本考案は、以上の従来の不具合点を解消し、当該分野の技術要求に応え るワイヤハーネスを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の技術課題を解決する本考案のワイヤハーネスは、「電線束の外周に設け たワイヤハーネス用クリップの係止部を、配設すべき車体・機器の係止ポイント に係止するワイヤハーネスにおいて、前記電線束の外周に、弾性質浅形椀状の吸 着部を外方に臨ませる吸着盤を取り付け、該吸着盤を車体・機器の壁面へ押し付 け吸着させることによって、ワイヤハーネスを仮保持可能にした構造」が特徴で ある。なお、前記の係止ポイントとは、ワイヤハーネス側の係止部を係合してワ イヤハーネスを係止する車体側等の嵌着孔・スタッドボルト等を意味する。

【０００６】

【作用】

以上の構成の本考案のワイヤハーネスは、電線束外周に、前記の吸着盤が存在 するので、ワイヤハーネスの未配設の部分を、概ねの配設姿勢にして、その吸着 盤を車体・機器の壁面に吸着させると、その未配設部分の電線束を、その壁面に 沿わせて仮係止保持することができる。そして、その仮保持姿勢のワイヤハーネ スの係止部を、車体・機器の係止ポイントに、両手で位置合せして係合させ、ワ イヤハーネスを車体等へ簡便迅速に配設することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、自動車用ワイヤハーネスに応用した本考案の一実施例を示す図１を参照 して、詳しく説明する。即ち、電線束５の外周に、一対の羽根状の弾性係止片３ からなる公知形状の係止部２を、車体の嵌着孔９に嵌着係止して、車体に配設保 持するワイヤハーネスにおいて、電線束５の要所には、吸着部８を外方に臨ませ る吸着盤１が取り付けられ、この吸着盤１を車体の壁面１０へ押し付けて吸着さ せると、壁面１０へ係止部２を係止していない自由状態の長い電線束５が、車体 壁面１０に沿って仮係止保持できる構造になっている。

【０００８】 詳しくは、吸着盤１は、図１の（Ｂ）（Ｃ）参照、浅型椀状の弾性質の公知形 状の吸着部８を主部となし、この吸着部８が、取付板６に立設した支柱７の上に 一体に載設されている。そして、テープ巻４によって取付板６が電線束５の外周 に固定されて、吸着部８が外方を臨み、この吸着部８を車体壁面１０に押し付け ると、吸着部８内の負圧によって、応分の吸着力を有して車体壁面１０に吸着さ れると共に、その吸着姿勢の吸着部８の周縁部を軽く引き起すことによって、車 体壁面１０から外せる吸着盤になっている。なお、この実施例の吸着盤１は、吸 着盤１を吸着させる壁面が、嵌着孔９を有する車体壁面１０のため、吸着盤１と 係止部２が平行に配設されており、さらに、吸着盤１が吸着したときの電線束５ と車体壁面１０間の仮保持間隔Ｌは、「その吸着保持姿勢の係止部２Ｂ・２Ｃが 、嵌着すべき嵌着孔９の下に近接して位置する姿勢」となるよう、吸着盤１の高 さＨが採択されている。

【０００９】 以上のワイヤハーネスは、図１の（Ｄ）参照、吸着盤１から離れた位置の係止 部２Ａを嵌着孔９に嵌着した後、吸着盤１を車体壁面１０に吸着させて係止し、 係止部２Ａと吸着盤１間の未配設部分の電線束５を、車体壁面１０に沿わせると 共に、その中間の係止部２Ｂ・２Ｃを相手側の嵌着孔９に近接させて仮保持する 。しかるのち、両手で係止部２Ｂ・２Ｃと嵌着孔９の位置合せをなし、順次「パ チパチ」と嵌着係止して車体に配設する。なお、吸着盤１は、取付板６を電線束 ５に仮止めし、ワイヤハーネスの配設後に、外されるものがある。

【００１０】 以上の実施例のワイヤハーネスは、前記の作用があり、車体へ未配設で垂れ下 がる長大にして重い電線束５を、吸着盤１によって車体へ仮保持できるので、手 で支える必要がなく、両手で係止部２の位置合せと嵌着作業ができる。従って、 ワイヤハーネスの配設作業が極めてし易く、作業が特段に簡易化して迅速化され る。

【００１１】 なお、本考案のワイヤハーネスは、前記実施例の弾性係止片３の係止部２を有 するもののみではなく、車体側に立設したスタッドボルトに、クリップ側の係止 用ボルト孔を嵌着させる車体への配設係止手段を有するワイヤハーネスも対象に なる。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明のとおり、本考案のワイヤハーネスは、車体・機器へワイヤハーネ スを配設するとき、長大にして重い電線束を手で支える必要がないので、従来の 配設作業より、作業性が特段に改良向上して能率が向上し、当該分野の技術要求 に応える効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のワイヤハーネスを示し、図
中の（Ａ）はその正面図、図中の（Ｂ）はその吸着盤の
平面図、図中の（Ｃ）はその吸着盤の正面断面図、図中
の（Ｄ）はその取付け状態の正面図

【符号の説明】

１ 吸着盤 ２ 係止部 ３ 弾性係止片 ５ 電線束 ６ 取付板 ７ 支柱 ８ 吸着部 ９ 嵌着孔 １０ 車体壁面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電線束の外周に設けたワイヤハーネス用
   クリップの係止部を、配設すべき車体・機器の係止ポイ
   ントに係止するワイヤハーネスにおいて、前記電線束の
   外周に、弾性質浅形椀状の吸着部を外方に臨ませる吸着
   盤を取り付け、該吸着盤を車体・機器の壁面へ押し付け
   吸着させることによって、ワイヤハーネスを仮保持可能
   にした構造を特徴とするワイヤハーネス。