JPH0658447U - ディスク回転クランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスク回転クランプ装置の構造を簡単なも
のとし、ディスクの面振れを少なくすることを目的とす
る。 【構成】 ロータヨーク４周縁部に樹脂５をアウトサー
ト成型してディスク載置部６を形成する。樹脂５上面に
ディスク１３を載置し、クランパ１０に取り付けられた
マグネット１１がロータヨーク４に吸引されて、ディス
ク１３はマグネット１１とディスク載置部６によって挟
持されて固定される。ロータヨーク４と一体となったス
ピンドル１は、２つのボールベアリング１４，１５によ
って回転可能に支持され、２つのボールベアリング１
４，１５の内輪１４ａ，１５ａを反対方向へ押圧するよ
うにスプリング１６が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は情報記録再生用ディスクをディスク載置部とクランパによって、挟持 して回転駆動するディスク回転クランプ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は従来のディスク回転クランプ装置の断面図である。ターンテーブル１９ には、周縁部において僅かに上方に突出する環状のディスク載置部２０が形成さ れ、その内周部の凹部内には磁性板２１が貼り付けられている。ディスク１３を ディスク載置部２０の上面に載置し、ディスク１３の上方に位置し、クランプア ーム１２によって回動可能に支持されたクランパ１０を下降させると、その下面 に固着されて取り付けられているマグネット１１が磁性板２１に吸引されること により、ディスク１３はターンテーブル１９とクランパ１０との間に挟持されて 固定される。

【０００３】 ターンテーブル１９の中央に固定されたスピンドル１は、上下２つのボールベ アリング２２，２２によって回転可能に支持されている。又、ターンテーブル１ ９の下面には、マグネット１１を有するロータヨーク４が固定されている。ボー ルベアリング２２，２２の外輪２２ｂ，２２ｂ側面に当接したホルダー２３には 、ヨーク板８とコイル９がロータヨーク４の真下に位置するように取り付けられ 、コイル９に電流を印加させて、ロータヨーク４を回転させる。この結果、ター ンテーブル１９が回転する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

以上のような従来構成では、ロータヨーク上部にディスクの面振れを少なくす るようなターンテーブルが形成されているが、装置の薄型化には限度があり、磁 性板をターンテーブルに接着するための工程が必要で、又、磁性板のはがれが生 じる可能性があった。又、スピンドルを回転可能に支持する２つのボールベアリ ングは非常に接近したものとなっており、スピンドルの軸振れ防止には十分では なくディスクの面振れが生じていた。 本考案は、これらの課題を解決しようとするもので、簡単な構造で、ディスク の面振れを少なくするディスク回転クランプ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかるディスク回転クランプ装置の１つは、情報記録再生用ディスク をディスク載置部とクランパとによって挟持して回転駆動するディスク回転クラ ンプ装置において、電流を印加することによって、磁界を発生するコイルと、コ イル真上に配設されたマグネットを有するロータヨークと、ロータヨーク周縁上 部に形成されたディスク載置部と、クランパに取り付けられてロータヨークに吸 引されてディスクをディスク載置部との間で挟持するマグネットとを設けたこと を特徴とする。

【０００６】 他の考案は、情報記録再生用ディスクをディスク載置部とクランパとによって 挟持して回転駆動するディスク回転クランプ装置において、電流を印加すること によって、磁界を発生するコイルと、コイル真上に配設されたマグネットを有す るロータヨークと、ロータヨークの回転軸となるスピンドルと、スピンドルを回 転可能に支持する２つの環状のボールベアリングと、２つの環状のボールベアリ ングの内輪、又は外輪に当接して互いに反対方向へ押圧するようにした弾性部材 とを設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案にかかるディスク回転クランプ装置の１つによれば、クランパを下降さ せると、クランパに取り付けられたマグネットがロータヨークに吸引されて、ロ ータヨーク周縁上部に形成されたディスク載置部とマグネットとの間でディスク を挟持して固定する。 他の考案によれば、スピンドルを回転可能に支持する２つのボールベアリング の内輪、又は外輪を弾性部材で反対方向へ押圧するようにして、２つのボールベ アリングの距離を長くとって、スピンドルを上下で支持する。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、上述した従来例 と同様の構成部分又は従来例と対応する構成部分には、同一の符号を用いること とする。 図１は本考案に係るディスク回転クランプ装置の断面図で、図２は一部切欠し て示した平面図である。

【０００９】 スピンドル１上部には、ディスクの芯出し部材２が固定され、芯出し部材２に 、マグネット３を有するロータヨーク４が固定されている。ロータヨーク４周縁 部には、樹脂５がその上面がロータヨーク４上面より高い位置となるようにアウ トサート成型することにより取り付けられ、ディスク載置部６を形成する。 ロータヨーク４の下側のホルダー７上部にはヨーク板８とコイル９が取り付け られている。 クランパ１０にはマグネット１１が固着されており、クランプアーム１２によ り回動可能に支持され、ロータヨーク４の上方から下降させてディスク１３を押 さえるようになっている。

【００１０】 スピンドル１は、その上下において環状のボールベアリング１４，１５によっ て回転可能に支持されている。これらボールベアリング１４，１５は、下側のボ ールベアリング１４の内輪１４ａ上面と上側のボールベアリング１５の内輪１５ ａ下面とに当接配設したスプリング１６によって、互いに反対方向に押圧されて いる。上側のボールベアリング１５は下側のボールベアリング１４よりも直径を 大とし、ボールベアリング１４，１５の外輪１４ｂ，１５ｂの下端のエッジと係 合されるような環状の段部１６，１７がホルダー７内径上下に形成されている。

【００１１】 次に、以上の構成から成るディスク回転クランパ装置の作用を説明する。ディ スク載置部６にディスク１３を載置すると、クランパ１０が上方からディスク１ ３を押さえる。この時、クランパ１０に取り付けられたマグネット１１が、ロー タヨーク４に吸引され、ロータヨーク４上面より高い位置にあるアウトサート成 型された樹脂５から成るディスク載置部６とマグネット１１によりディスク１３ は挟持されて固定される。

【００１２】 次に、コイル９に電流が印加されると、この電流とマグネット３の周囲に生じ ている磁界との作用でロータヨーク４に駆動力が発生し、ロータヨーク４が回転 するとともに、コイル９がマグネット３及びロータヨーク４を下方に吸引する。 ロータヨーク４と固定されている芯出し部材２の下端部が上側のボールベアリン グ１５の内輪１５ａを下方に押圧し、ボールベアリング１５の外輪１５ｂがホル ダー７の内周に設けられた段部１８に係合されて支持される。ボールベアリング １５の内輪１５ａに当接して設けられたスプリング１６により、下側のボールベ アリング１４の内輪１４ａを押圧する。よって、ロータヨーク４、スピンドル１ 、スプリング１６、２つのボールベアリング１４，１５の内輪１４ａ，１５ａは 一体となって回転する。

【００１３】 以上のように本実施例によれば、ロータヨークに精度良くアウトサート成型さ れた樹脂上面にディスクを載置するので、少ない部品と組立工数でディスクの面 振れが少ない装置を提供できる。又、回転部分の軽量化、装置の薄型化が図れる 。スピンドルを回転可能に支持する２つのボールベアリングの内輪をスプリング によって互いに反対方向に押圧することで、２つのボールベアリング間の距離を 長くとることができ、スピンドルをその上下において支持することができ、スピ ンドルの軸振れが少なくなり、ディスクの面振れを少なくすることができる。

【００１４】 なお、更にディスクの面振れを少なくするために、樹脂をアウトサート成型し たのち、スピンドルを中心に回転し、切削加工等で、仕上げればよい。又、ディ スクを挟持して回転させた時のディスクの滑りをなくすには、樹脂上面に凹凸の 加工をするとよい。又、本実施例では、２つのボールベアリングの外輪下面をホ ルダーに係合させて支持し、内輪間にスプリングを設けて押圧するようにしたが 、内輪下面を支持し、外輪間にスプリングを設けて押圧するようにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によるディスク回転クランプ装置によれば、次の ような効果がある。 （１）ディスク載置部がロータヨーク周縁上部に形成されており、従来のような ターンテーブルを形成する必要がなく、ロータヨーク上部がクランパに取り付け られたマグネットを吸引するので、このマグネットを吸引するための磁性板を必 要としない。又、ディスクの面振れは、ディスク載置部上面の精度のみによるの で、ディスクの面振れを少なくすることも簡単である。又、同時に回転部分の軽 量化、装置の薄型化が図れる。

【００１６】 （２）スピンドルを回転可能に支持する２つのボールベアリングの内輪、又は外 輪を弾性部材によって互いに反対方向に押圧するようにしたので、２つのボール ベアリング間の距離を長くとることができ、スピンドルをその上下において支持 することができるので、スピンドルの軸振れが少なくなり、ディスクの面振れを 少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るディスク回転クランプ装置の断面
図である。

【図２】一部切欠して示した平面図である。

【図３】従来のディスク回転クランプ装置の断面図であ
る。

【符号の説明】

１…スピンドル、２…芯出し部材、３…マグネット、４
…ロータヨーク、５…樹脂、６，２０…ディスク載置
部、７，２３…ホルダー、８…ヨーク板、９…コイル、
１０…クランパ、１１…マグネット、１２…クランプア
ーム、１３…ディスク、１４，１５，２２…ボールベア
リング、１４ａ，１５ａ…ボールベアリングの内輪、１
４ｂ，１５ｂ，２１ｂ…ボールベアリングの外輪、１６
…スプリング、１７，１８…段部、１９…ターンテーブ
ル、２１…磁性板。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 情報記録再生用ディスクをディスク載置
   部とクランパとによって挟持して回転駆動するディスク
   回転クランプ装置において、電流を印加することによっ
   て、磁界を発生するコイルと、コイル真上に配設された
   マグネットを有するロータヨークと、ロータヨーク周縁
   上部に形成されたディスク載置部と、クランパに取り付
   けられてロータヨークに吸引されてディスクをディスク
   載置部との間で挟持するマグネットとを設けたことを特
   徴とするディスク回転クランプ装置。
2. 【請求項２】 情報記録再生用ディスクをディスク載置
   部とクランパとによって挟持して回転駆動するディスク
   回転クランプ装置において、電流を印加することによっ
   て、磁界を発生するコイルと、コイル真上に配設された
   マグネットを有するロータヨークと、ロータヨークの回
   転軸となるスピンドルと、スピンドルを回転可能に支持
   する２つの環状のボールベアリングと、２つの環状のボ
   ールベアリングの内輪、又は外輪に当接して互いに反対
   方向へ押圧するようにした弾性部材とを設けたことを特
   徴とするディスク回転クランプ装置。