JPH0657670B2 - 粗イブプロフエンの精製方法 - Google Patents

粗イブプロフエンの精製方法

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JPH0657670B2
JPH0657670B2 JP61138697A JP13869786A JPH0657670B2 JP H0657670 B2 JPH0657670 B2 JP H0657670B2 JP 61138697 A JP61138697 A JP 61138697A JP 13869786 A JP13869786 A JP 13869786A JP H0657670 B2 JPH0657670 B2 JP H0657670B2
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五十雄 清水
泰男 松村
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日本石油化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、解熱剤や鎮痛剤などの医薬品として使用され
る粗イブプロフェンの精製方法に関するものである。更
に詳しくは、合成過程から得られる粗イブプロフェン中
に含まれる不純物を除去し、使用目的に合った純度まで
効率よく精製する方法を提供するものである。
[従来の技術およびその問題点] 従来から、イブプロフェンの合成については、種々の方
法が提案されている。
例えば、イソブチルベンゼンを塩化アルミニウム触媒の
存在下で塩化アセチルによってアセチル化したイソブチ
ルアセトフェノンを出発原料とする方法としては、クロ
ロ酢酸と反応させるダルツェン反応を組合わせた特公昭
47-24550号、特公昭53-35069号およびフランス特許第 1
549758号公報等に記載された方法がある。また、最終製
品であるイブプロフェンにするための酸化方法として
は、銀化合物を用いる特開昭49-95938号、特開昭58-351
40号およびフランス特許第 1545270号公報、過マンガン
酸塩を用いる特開昭51−100042号、特開昭51−101949号
および特開昭52-97930号公報、ならびにクロム酸などの
酸化剤を用いる特開昭51-10042号、特開昭53−7643号お
よび特開昭54-39043号公報、およびヒドロキシアミンを
用いる特開昭52−131553号公報等が例として挙げられ
る。
医薬品として使用されるイブプロフェンは、高い純度と
高い安全性とが要求されており、このために、日本薬局
方、米国薬局方などには薄層クロマトグラフィによる純
度試験が厳密に規定されている。従って、医薬品として
使用できる品質にするためには、微量不純物の除去が重
要なこととなる。
前記のイブプロフェンの合成に関する従来技術は、いず
れも化学的な意味でイブプロフェンを与えるものであ
り、医薬品としての精製にまで完成された技術とは言え
ない。
通常は、精製操作として再結晶が行なわれているが、し
かし再結晶による精製では、濾別された結晶に不純物の
濃縮された濾液が付着残留することは避けられない。従
って、結晶純度を上げるたに回収率を犠牲にしても、再
結晶操作を繰り返すか、改めて結晶を洗浄するなどの手
段が採用されている。
従って、高純度イブプロフェンを効率よく得るための方
法が望まれている。本発明者らは、合成工程で得られた
粗イブプロフェンの効率的な精製法について検討した結
果、効率のよい方法を見出し本発明を完成したものであ
る。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は2−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオンアルデヒドの酸化により製造した粗イブプロフ
ェンを、比表面積50m2/g以上のSi、AlおよびMgの酸化
物からなる群の少なくとも一種の固体酸活性を有する無
機酸化物と接触させることを特徴とする粗イブプロフェ
ンの精製方法を提供するものである。
本発明で使用する酸化物は、シリカ、アルミナまたはマ
グネシウムからなる無機酸化物である。これらの無機酸
化物は合成無機鉱物あるいは天然無機鉱物である。合成
無機鉱物として、例えば、シリカゲル、アルミナ、マグ
ネシアおよびシリカアルミナ、シリカマグネシア、合成
ゼオライト等が挙げられる。また、天然無機鉱物の例と
しては、活性白土、酸性白土、天然ゼオライトのような
粘土鉱物が挙げられる。これらの無機酸化物の中では酸
性活性のあるいわゆる固体酸が好ましい。
上記無機酸化物のうち、固体酸活性を有するものは、シ
リカアルミナ、シリカマグネシア、合成ゼオライト、活
性白土、酸性白土、天然ゼオライトである。
本発明の無機酸化物としては、比表面積が50m2/g以上
のものを使用する。比表面積が50m2/gの未満のもので
は、精製の効果が著しく低下するので好ましくない。
精製のための接触はイブプロフェンを溶媒に溶解した状
態で行う。これらの溶媒としては、イブプロフェンを溶
解するものであれば適宜に選択できるが、脂肪族炭化水
素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化
水素などのような非極性溶媒中で接触させることが好ま
しい。このような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、
デカリンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロルメタン、トリクレンなどのハロゲン化炭
化水素が例示される。これらの中でも精製物からの分離
の容易さの点から低沸点の溶媒がより好ましい。
接触させる時間および無機酸化物の添加量は、反応工程
で得られた粗イブプロフェンに含まれる不純物の量によ
り適宜選択できる。
しかしながら、無機酸化物の添加量は、粗イブプロフェ
ンに対して、通常1〜50重量%であり接触時間は10
分以上であればよい。また接触温度は常温から150℃
であるが、加熱することが好ましく、溶媒を還流させつ
つ無機酸化物と接触させることが適当である。接触圧力
は、処理温度で液相を保つ圧力であれば十分である。
無機酸化物と粗イブプロフェンを接触させる方法として
は、バッチ式または固定床流通式のいずれの方法による
こともできる。
なお、本発明の方法においては、従来公知の方法による
粗イブプロフェンの再結晶の方法を適宜組合せることも
可能である。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、反応工程から得られた粗イブプ
ロフェンから、簡単な操作によって純度の高いイブプロ
フェンを得ることができる。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。
〔粗イブプロフェンの製造例〕
(1)2−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアル
デヒド(以下IPNという)の合成: (a)特公昭47-24550号公報に記載された方法に準じて
行なった。
ナトリウムを乾燥雰囲気中でイソプロパノールに溶解
し、これを冷却する。その溶液に4−イソブチルアセト
フェノンとクロル酢酸エチルの混合物を滴下する。次に
温度を高め、これを還流する。イソプロパノールの一部
を蒸発除去した後、トルエンと水を加え、撹拌冷却し静
置した後トルエン層を分離する。これを水洗し、トルエ
ンを蒸発分離する。残留物に対してエタノールおよびNa
OHを加え還流する。エタノールの一部を蒸発除去して冷
却し、3−(4−イソブチルフェニル)-2,3−エポキシ
酪酸ナトリウムの結晶を得た。
特開昭57-31639号公報に記載された方法に準じて、前記
結晶を希塩酸と共に炭酸ガスの発生が停止するまで還流
させた。冷却後、有機層をジクロロメタンおよび水で洗
浄し、乾燥後減圧蒸留によってIPNを得た。
(b)特開昭52-51338号および特開昭52-97930号公報に
記載された方法に準じて行なった。
2−(4−イソブチルフェニル)エチルアルコールにジ
メチルスルホキシドと重合禁止剤としてm−ジニトロベ
ンゼンを加えて加熱撹拌した。反応液を冷却し、水で希
釈した後ベンゼンで抽出し、減圧で蒸留し、4−イソブ
チルスチレンを得た。4−イソブチルスチレン、キシレ
ン、ヒドリドカルボニルトリストリフェニルフォスフィ
ンロジウムを耐圧容器に入れ、CO/H2(1:1モル比)
でカルボニル化しIPNを得た。
(2)IPNの酸化 (イ)特開昭53-18534号公報に記載された方法に準じて
行なった。
製造例(1)の(a)で得られたIPNをアセトンに溶
解し、酢酸を加え、冷却しながらNaOClの12%水溶液
を滴下した。反応終了後アセトンを蒸発除去し、NaOH水
溶液でpH=10にし、ヘキサンで洗浄した後、pH=3に
なるように硫酸を加え分離したイブプロフェンをヘキサ
ンで抽出し、水洗した。ヘキサンを蒸発除去して粗イブ
プロフェンの結晶を得た。
(ロ)特開昭52−131553号公報に記載された方法に準じ
て行なった。
製造例(1)の(b)で得られたIPNをエタノールに
溶解し、撹拌しつつNH2OH・HCl を常温で添加した。添加
終了後、NaOH水溶液を加えて中和し油層を分離した。こ
の油層を予め調製したKOH 水溶液に加え、加熱して分解
させた。アンモニアの発生が終った時点で、水およびト
ルエンを加え水層を分離した。水層をトルエンで洗浄
し、pH=2になるように硫酸を加えて分離したイブプロ
フェンをヘキサンで抽出し、水洗後ヘキサンを除去して
粗イブプロフェンの結晶を得た。
(ハ)特開昭52-97930号公報に記載された方法に準じて
行なった。
製造例(1)の(b)で得られたIPNを希硫酸に入れ
冷却し、激しく撹拌しながらKMnO粉末を加えた。反応
終了後ベンゼンを加え、油分を水洗した。K2CO水溶液
で酸性部を抽出し、酸性にした後、更にベンゼンで抽出
した。その後ベンゼンを蒸発除去し粗イブプロフェンを
得た。
〔比較例〕
比較例1〜3においては、ヘキサン50mlに、製造例
(2)の(イ)、(ロ)および(ハ)で得られた粗イブ
プロフェン5gを溶解させた後、0℃に放置して結晶を
析出させた。結晶を濾別し減圧で乾燥した。続いてこの
操作を繰り返し、精製イブプロフェンの結晶について、
日本薬局方のイブプロフェンの項に規定されている方法
で薄層クロマト試験を行なった。
比較例4〜6の場合には、ヘキサン100mlに、製造
例(2)の(イ)で得られた粗イブプロフェン5gと、
本願発明で使用するものとは異なる無機酸化物0.5g
とを加えて3時間還流した。冷却後、無機酸化物を濾別
し、ヘキサンを50〜55ml蒸発分離し、残ったヘキ
サン溶液を0℃に放置した結晶を析出させた。結晶を濾
別し、減圧で乾燥した後、同様に日本薬局方に従って薄
層クロマト試験を行なった。クロマトの結果を第1表に
示す。
〔実施例〕
ヘキサン100mlに、製造例(2)の(イ)、(ロ)
および(ハ)で得られた粗イブプロフェン5gと第2表
に示す無機酸化物0.25gとを加えて3時間還流し
た。冷却後、無機酸化物を濾別し、ヘキサンを50〜5
5ml蒸発分離し、残ったヘキサン溶液を0℃に放置して
結晶を析出させた。結晶を濾別し、減圧で乾燥した。
結晶の収率については、上記各比較例および本実施例に
おいてほぼ同一であった。
得られた結晶について同様に日本薬局方に従って薄層ク
ロマト試験を行なった。その結果を第2表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−(4−イソブチルフェニル)プロピオ
    ンアルデヒドの酸化により製造した粗イブプロフェン
    を、比表面積50m2/g以上のSi、AlおよびMgの酸
    化物からなる群の少なくとも一種の固体酸活性を有する
    無機酸化物と接触させることを特徴とする粗イブプロフ
    ェンの精製方法。
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CN102701948B (zh) * 2012-06-14 2013-12-11 山东新华制药股份有限公司 布洛芬生产的精制方法

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