JPH0657657B2 - 抗高脂血症剤 - Google Patents

抗高脂血症剤

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JPH0657657B2
JPH0657657B2 JP62132745A JP13274587A JPH0657657B2 JP H0657657 B2 JPH0657657 B2 JP H0657657B2 JP 62132745 A JP62132745 A JP 62132745A JP 13274587 A JP13274587 A JP 13274587A JP H0657657 B2 JPH0657657 B2 JP H0657657B2
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康雄 河合
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NichiNichi Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は抗高脂血症剤に関するものである。
〔従来の技術〕
近時、成人病として増加の一途をたどりつつある動脈硬
化の最も重要な危険因子と考えられている高脂血症は、
遺伝性、非遺伝性のものも含まれるが、血清コレステロ
ール値もしくは血清トリグリセライド値が上昇する病気
であり、特に低比重リポ蛋白コレステロールは動脈内膜
細胞に取り込まれて沈着し、動脈粥状硬化の主因となる
と考えられている。また超低比重リポ蛋白(以下これを
VLDLと略記する)は、生体内においてリポプロテイ
ンリパーゼの作用により容易に低比重リポ蛋白(以下こ
れをLDLと略記する)に変換される。一方高比重リポ
蛋白(以下これをHDLと略記する)は、組織細胞の表
面膜から遊離コレステロールを除去し、レシチン・コレ
ステロールアシル転移酵素の作用でこれをエステル化し
肝臓に運搬する作用を持つとされている。
そして、高脂血症に対しては、下記の式で表わされる動
脈硬化指数の低下が、その症状の改善に必要であるとさ
れている。
動脈硬化指数=〔(VLDLコレステロール)+(LD
Lコレステロール)〕/(HDLコレステロール) 従来、抗高脂血症剤としては、ニコモールクロフィグレ
ートイオン交換樹脂、蛋白同化ステロイド、ビタミン
類、不飽和脂肪酸、リン脂質、デキストラン硫酸等が治
療薬して使用されて来たが、これらの中には胃腸障害、
発癌性、肝障害などの副作用のあるものがあり、副作用
の少ないものでも動脈硬化指数に変化が見られないもの
があって、いずれも満足できるものではない。
〔発明が解決すべき問題点〕
このように従来の技術においては、副作用が現われず、
しかも動脈硬化指数に変化が起こる抗高脂血症剤は容易
には得られなかったという問題点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するために、この発明は抗高脂血症
作用を有するペデイオコッカス属に属する微生物の生菌
体もしくは死菌体を主要有効成分として含有させた抗高
脂血症剤とする手段を採用したものである。以下その詳
細を述べる。
まず、この発明に用いるペディオコッカス属に属する微
生物は、乳酸発酵に係る食品またはヒト、ラットその他
の哺乳類の腸内細菌叢の中から見出すことのできる公知
の乳酸菌であって、このうち毒性がなく、特に好適な種
としてはペデイオコッカス・セルビシエまたはペディオ
コッカス・ハロフィルスを挙げることができる。
上記したペディオコッカス属に属する乳酸菌は、発酵し
た野菜、フルーツ、ソーセージ等の食品またはヒト、ラ
ットその他の哺乳類の腸内容物から容易に採集され、そ
の菌学的性質および培養条件等は、バージイ著の「Berg
y's Manual of Determinative Bacteriology 」第8
版、第 513頁以下に記載されているとおりであるが、た
とえばつぎのようなものである。
液体培地の組成〔蒸留水1リットル中の成分および重
量〕: ペプトン 5(g) 酵母エキス 3 〃 グルコース 10 〃 モルトエキス 3 〃 ツイーン80 0.8〃 K2HPO4 3 〃 KH2PO4 3 〃 MgSO4・7H2O 0.6〃 FeSO4・2H2O 0.04 〃 MnSO4・2H2O 0.14 〃 この液体培地はpH5.5で、 110℃、10 1b の条件下で
加熱加圧滅菌した後、ペデイオコッカス属の菌株を35
℃、20時間好気的に静置培養し、培養後に培養液を遠心
分離して菌体を集めた。得られた菌体を生理食塩水
(0.85%−NaCl水溶液)によって2回洗浄した後、
生理食塩水または分散媒(1%グルタミン酸ナトリウム
および10%脱脂粉乳を含む水溶液)に懸濁したものを生
菌体試料とした。さらに、生理食塩水に懸濁した生菌体
を、 110℃で10 1b の加熱加圧滅菌を10分間行なったも
の、加熱加圧滅菌を行なった後凍結乾燥したもの、また
は凍結乾燥後菌体を分散媒に懸濁させたものを死菌体試
料とした。
以上の培養条件に従った二三の実験例を示す。
実験1〔抗高脂血症効果〕: 1) 通常ラットの腸内容物から採取され前記の培養法に
従って調整したペデイオコッカス属に属する微生物の生
理食塩水懸濁の生菌体試料(3×1010個/ml)を0.5
ml/日ずつ、無菌および通常ラット(8週齢)の雄に4
週間継続して経口投与した後、下大動脈から採血し、血
清コレステロール値および血清トリグリセライド値を測
定した。結果(微生物を投与しないときの値に対する百
分率%)を第1表にまとめたが、血清コレステロールお
よび血清トリグリセライドを顕著に低下させる効果のあ
ることが判明した。特に有効と考えられる菌株はペデイ
オコッカス・セルビシエK−16株およびペデイオコッカ
ス・ハロフイルスK−23株であった。
2) 前記1)と同じ条件で培養し、生理食塩水に懸濁させ
た死菌体試料(3×1010個/ml)を0.5ml/日ずつ、
無菌および通常ラット(8週齢)の雄に4週間継続して
経口投与した後下大動脈から採血し血清コレステロール
値および血清トリグリセライド値を測定した。結果(微
生物を投与しないときの値に対する百分率%)を第2表
にまとめたが、第1表の結果と比較すると生菌体よりも
死菌体の方が血清コレステロールおよび血清トリグリセ
ライドを低下させる効果が著しく、血清トリグリセライ
ドに対しては約30〜40%も低下させる効果のあることが
判明した。この低下率は驚嘆すべき値であって、この発
明の抗高脂血症剤の優秀さを示すものといえる。特に血
清コレステロール値および血清トリグリセライド値の低
下に効果のあった菌株はペデイオコッカス・セルビシエ
K−16、ペディオコッカス・ハロフィルスK−23(A
TCC33315)、ペデイオコッカス・ペントサシウ
スK−31およびペデイオコッカス・アシデイラクチシE
−48であった。
実験2〔ペデイオコッカス属微生物の安全性〕: 実験1の1)と同じ生理食塩水懸濁生菌体を1群10頭の雄
マウス(平均体重約30g)に対し腹腔内投与し、LD50
(生菌体数/kg)を算出した。結果は第3表にまとめた
が、ペデイオコッカス属の微生物はきわめて毒性が少な
く安全であることが確認された。一方経口投与による安
全性を調べたが、最大投与量3.5×1013個/kg(体
重)でも死亡例は全く見られず、安全であることがわか
った。さらにラットを使用した急性毒性試験では最大投
与量5.6g/kg(体重)で投与しても死亡例は全くな
く、きわめて高き安全性であることが確認された。
実験3〔ペデイオコッカス・セルビシエK−16の抗高脂
血症効果〕: 1) 実験1と同じ条件で培養したペデイオコッカス・セ
ルビシエK−16を加熱加圧滅菌した後凍結乾燥を行なっ
て、凍結乾燥死菌体ペデイオコッカス・セルビシエK−
16を調製した。この死菌体粉末を2×1010個/15g飼料
となるように通常飼料に混合し、1日の投与量を2×10
10個/頭として通常雄ラット(8週齢)を各群5頭ずつ
に分け連日経口投与を行なった。死菌体配合飼料を、群
毎に、1週間、2週間、3週間および4週間として、そ
れぞれの投与を終えた後下大動脈から採血し、血清コレ
ステロール値および血清トリグリセライド値を測定し
た。得られた結果は第4表にまとめたが、血清コレステ
ロール値は、1週間後で約26%も低下し、2週間後では
低下率は最高の約35%に達し、3週間後には約27%、4
週間後には約29%に達した。一方血清トリグリセライド
値は、1週間後約28%、2週間後約32%、3週間後約37
%、4週間後約45%に達する低下率を示し、このペデイ
オコッカス・セルビシエK−16による血清コレステロー
ル値および血清トリグリセライド値の低下率は著しいも
のであることがわかった。
2) 前記の実験3、1)と同じ実験を行ない、1、2週間
投与後の血清リポ蛋白コレステロール値を測定し、動脈
硬化指数を算出した。その結果は第5表のようにペデイ
オコッカス・セルビシエK−16の凍結死菌体粉末投与群
では動脈硬化指数が対照群に比し半分以下に低下し、動
脈硬化の原因と言われているVLDLおよびLDLを低
下させていることがわかった。
3) ラットの通常試料中に1.5%のコレステロールお
よび0.5%のコール酸ナトリウムを添加した配合試料
を雄ラット(8週齢)に2週間連続経口投与して、高コ
レステロール血症ラットを作った。一方飼料中の糖質60
%をすべて果糖に置き換えた配合飼料を8週齢の雄ラッ
トに2週間連続経口投与して高トリグリセライド血症ラ
ットを作った。これら高コレステロール血症ラットおよ
び高トリグリセライド血症ラットに実験2および実験3
と同じペデイオコッカス・セルビシエK−16の生菌体お
よび死菌体を通常飼料に配合して、4週間連続経口投与
後血清コレステロール値と血清トリグリセライド値を測
定し、得られた結果を第6表にまとめた。第6表から、
生菌体投与群では血清コレステロール値が38%、死菌体
投与群では46%も低下し、動脈硬化指数はそれぞれ0.
24および0.23と正常になっていた。また血清トリ
グリセライド値は生菌体投与群で38%低下し、死菌体投
与群では50%低下した。生菌体および死菌体はいずれも
きわめて効果的であった。
〔実施例〕 実施例1: ペデイオコッカス・セルビシエK−16株を前記した液体
培地5リットルに菌数が5×107 個/mlになるように接
種し、35℃、18時間静置培養した後、菌体を冷凍遠心機
で分離し、生理食塩水にて2度洗浄し、得られた菌体を
121℃、10 1b 、10分間加熱加圧滅菌後、凍結乾燥し、
乾燥死菌体約40gを得た。この菌末を5℃に3ヶ月間保
った後、雄ラット(8週齢)の飼料に50mg菌末/15g 飼
料の割合で配合し、2週間連続経口投与して血清コレス
テロール値と血清トリグリセライド値を測定したとこ
ろ、血清コレステロール値は約35%低下し、血清トリグ
リセライド値は約45%低下した。動脈硬化指数も約50%
低下した。
実施例2: 前記実施例1と同様の条件で接種、培養、集菌、洗浄後
生菌体2×1013個を得た。この菌体を1%グルタミン酸
ソーダを含む10%脱脂粉乳分散媒に懸濁し、生菌数3×
1010個/mlとし10ml容量のアンプルに1mlずつ分注し、
凍結乾燥後アンプルを密封し、5℃で保存した。3ヶ月
後にこの分散媒を含む凍結乾燥生菌末を蒸留水に懸濁溶
解し、雄ラット(8週齢)に1日1頭当り、0.5ml
(1.5×1010個)ずつ2週間連続経口投与した後、血
清コレステロール値、血清トリグリセライド値を測定し
たところ、それぞれ約21%、約35低下した。
〔効果〕
上記の実験例および実施例に準じて、人間に対する投与
も同じように行なうことが出来る。その際の投与量は前
記した安全性から考慮して、1日60mg〜6gが適当であ
り、投与形態としては死菌体の場合は脱脂粉乳等の生理
学的に許容し得る経口投与可能な分散媒を、また生菌体
の場合は牛乳、豆乳、果汁等による経口投与可能な懸濁
液を推奨することが出来、この発明の抗高脂血症剤は医
薬品として、きわめて有用であるばかりでなく、上記の
ような実施形態を使用して、高脂血症を予防する新しい
予防医学的食品としても提供することが出来る。高脂血
症は、サイレントディジーズと言われ、気が付いたとき
には手遅れの場合が多いので、予防医学的食品としてこ
の発明の抗高脂血症剤を提供出来ることはきわめて意義
深いことであるといえる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗高脂血症作用を有するペデイオコッカス
    属に属する微生物の生菌体もしくは死菌体を主要有効成
    分として含有していることを特徴とする抗高脂血症剤。
  2. 【請求項2】ペデイオコッカス属に属する微生物が、ペ
    デイオコッカス・セルビシエまたはペデイオコッカス・
    ハロフィルスである特許請求の範囲第1項記載の抗高脂
    血症剤。
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