JPH0657624B2 - 炭化ケイ素質ハニカム構造体及びその製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素質ハニカム構造体及びその製造方法

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JPH0657624B2
JPH0657624B2 JP62299835A JP29983587A JPH0657624B2 JP H0657624 B2 JPH0657624 B2 JP H0657624B2 JP 62299835 A JP62299835 A JP 62299835A JP 29983587 A JP29983587 A JP 29983587A JP H0657624 B2 JPH0657624 B2 JP H0657624B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は炭化ケイ素質ハニカム構造体及びその製造方法
に関し、更に詳しくは、ハニカム構造体の隔壁表面で生
じる熱移動、化学反応、物質移動等を効率よく行なうこ
とができ、さらに再使用時の加熱によるハニカム構造体
の隔壁の溶損あるいは熱衝撃破壊を防ぐことができる炭
化ケイ素質ハニカム構造体及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 例えば第1図、第2図に示すような薄い隔壁1bを介し
て蜂の巣状に連なる無数の貫通孔の一方の端面を例えば
縦横一つおきに封止材2を充填して封止し、この封止し
た貫通孔に隣接している貫通孔の他端面に封止材3を充
填し封止した多孔質隔壁からなるセラミック質のハニカ
ム構造体は、自動車のディーゼルエンジンを初めとして
各種燃焼機器の排ガス中に含まれる微粒炭素を吸着して
浄化する排ガス浄化装置として知られている。
かかるハニカム構造体には、従来、コージェライトや炭
化ケイ素質を主成分とするものが多く用いられている
が、コージェライトを主成分とするものにあっては、押
出し成形される際に隔壁のセラミック粒子が押出し方向
に配向し易いため、流体物が隔壁を通過し難く圧力損失
が大きくなり、また、セラミック粒子が板状で表面が比
較的平滑であるために、粒体物の接触面積が少なく、上
記した熱移動等を効率よく行なうことができないという
問題がある。
一方、炭化ケイ素を主成分とするものは、隔壁中に存在
する気孔の占める割合が30〜40%と比較的少ないた
め、通気抵抗が大きくなり気体や液体の粒体物とを接触
有効面積が少ないので触媒担体がフィルターなどの用途
には適さないものが多いという問題がある。
本発明者は、このような問題を解決するハニカム構造体
として、先に、板状結晶が多方向に複雑な状態で絡み合
い三次元の網目構造が形成され、気孔部の占める割合が
比較的高い炭化ケイ素質多孔質隔壁を有するハニカム構
造体を特願昭59−143235号として提案してい
る。
(発明が解決しようとする問題点) このハニカム構造体は、従来のものに比し、有効比表面
積が大きくハニカムの軸方向の流れから流体を積極的に
多孔質内に取り込み易く、しかも、隔壁表面で生じる流
体の流れが乱流となるため、流れ内における拡散、撹拌
等による均一化が促進され、隔壁表面に生じる熱移動、
化学反応、物質移動等を有効に行なわしめるという効果
がある。また、炭化ケイ素を主成分としているため、コ
ージェライトを主成分とするものよりも融点が高く再使
用時の加熱の際に高温に耐え得るという特性もある。
しかしながら、かかる場合、すなわちハニカム構造体を
再使用する目的で隔壁上に吸着、回収された微粒炭素を
バーナーあるいはヒーターによって加熱した場合、回収
された炭素は、通常、ハニカム構造体隔壁の流体入口側
よりも流体出口側により多く堆積しているため、特にこ
の出口側に回収された炭素自体の燃焼熱がより多く発生
し易く、該部分の貫通孔を形成している薄い隔壁を溶損
あるいは熱衝撃破壊させ、その後の使用を不能にする場
合があるという問題がある。
本発明は、上記した炭化ケイ素質ハニカム構造体の効果
を減少せしめることなく、再使用を目的とする加熱に対
しても、隔壁、特に流体出口側付近の隔壁が溶損あるい
は熱衝撃破壊する虞れのない新規な炭化ケイ素質ハニカ
ム構造体及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の炭化ケイ素質ハニカム構造体は、薄い隔壁を隔
てて軸方向に多数の貫通孔が隣接している炭化ケイ素質
ハニカム構造体において、該隔壁が、平均アスペクト比
2〜50の範囲内の板状結晶を主体として構成される三
次元の網目構造を有する多孔質体からなり、かつ、該網
目構造の開放気孔の平均気孔径が、該隔壁の流体入口側
から出口側に向かうにしたがい、段階的又は連続的に小
さくなるように形成されていることを特徴とする。
隔壁において、板状結晶が複雑な状態で絡み合い三次元
の網目構造が形成されるのは、焼結を後述する所定の条
件下で進行せしめるためである。
平均アスペクト比を2〜50としたのは、2未満の場合
には、炭化ケイ素結晶によって構成される気孔が、結晶
の占める容積に比べて小さくなり、高い気孔率と大きな
気孔径を有することが困難となるためである。一方、5
0を超えた場合には、板状結晶の接合部の強度が低くな
るため、多孔質体自体の強度が著しく低いものとなり、
その結果、ハニカム構造体の保形をも困難にするからで
ある。より好ましいアスペクト比は3〜30の範囲であ
る。
なお、ここでいう炭化ケイ素質板状結晶のアスペクト比
(R)は焼結体の任意の断面において観察される個々の
板状結晶の最大長さ(X)と平均短軸方向の厚み(Y)
との比であり、すなわち、R=X/Yで表わされる値で
ある。
また、板状結晶の平均短軸方向の厚みは1〜500μm
であることが好ましく、なかでも3〜300μmである
ことがより好ましい。その理由は、1μmより小さいと
前記板状結晶により形成される気孔が小さくなり流量が
小さくなるためであり、500μmよりも大きいと板状
結晶の接合部の数が少なく接合強度が小さくなり、その
結果、保形し難くなるためである。
そして、前記板状結晶は前記多孔質体100重量部に対
し、少なくとも20重量部を占めることが好ましい。2
0重量部未満の場合には結晶によって形成される気孔
が、結晶の占める容量に対して少なくなり、前記熱移
動、化学反応あるいは物質移動の行なわれる有効面積が
少なくなる。また、板状結晶の接合面積が少なくなるた
め、多孔質体自体の機械的強度が著しく低下するからで
ある。なかでも、少なくとも40重量部であることが最
も好ましい。
本発明の炭化ケイ素質ハニカム構造体は、上記した三次
元の網目構造を有する多孔質体から成る隔壁を有し、さ
らに、前記網目構造の開放気孔の平均気孔径が隔壁の流
体入口側から流体出口側に向かうにしたがい、段階的又
は連続的に小さくなるように形成されていることを特徴
とする。
その理由は、ハニカム構造体を構成する多孔質体よりな
る隔壁の平均気孔径が各隔壁ともその全体に亘り均一の
ものにあっては、流体の流量が一定であるため、微粒炭
素は、往々として隔壁の流体出口側付近により多く堆積
し易く、その結果、再使用する際の燃焼熱も流体出口側
に多く発生し易いのに対し、本発明の如く、流体入口側
から流体出口側に向かうにしたがい平均気孔径が小さく
なるように変化させたものは、隔壁を通過する流体の流
量が、流体入口側に近い部分ほど多くなり、逆に流体出
口側に近い部分ほど少なくなるため、微粒炭素が流体出
口側付近に片寄って堆積するようなことがない。したが
って、再使用する際の燃焼熱も流体出口側に片寄って発
生することがなくなり、隔壁全体に亘り均一化させ、隔
壁の溶損あるいは熱衝撃破壊を防ぐことができるからで
ある。
なお、前記網目構造の気孔の平均気孔径は、1〜50μ
mの範囲内であることが好ましい。1μm未満の場合に
は、流体の通過抵抗が小さくなり、一方、50μmを超
える場合には多孔質体自体の強度が低くなるからであ
る。好ましくは2〜30μmの範囲である。なお、前記
平均気孔径の値は、水銀圧入法により得られる値であ
る。
したがって、本発明のハニカム構造体の隔壁を構成して
いる多孔質体の平均気孔径は、上記した範囲内で、第2
図の矢線で示すように、隔壁の流体入口側付近ほど大き
く、流体出口側に向かうにしたがい段階的又は連続的に
小さくなっている。
また、前記網目構造の開放気孔率は20〜95容量%で
あることが好ましい。これは、20容量%よりも小さい
場合には、気孔の一部が独立気孔化し、前記有効表面積
が小さくなるためであり、95容量%よりも大きいと、
有効表面積は大きくなるが、ハニカム構造体の保形性が
保てなくなるためである。なかでも30〜90容量%で
あることがより好ましい。
さらに、前記炭化ケイ素質隔壁の比表面積が小なくとも
0.05m/gであることが好ましく、さらには、
0.2m/gであることが最も好ましい。ここで比表
面積は窒素吸収によるBET法によって求められる値で
ある。
次に本発明の炭化ケイ素質ハニカム構造体の製造方法に
ついて説明する。
本発明の炭化ケイ素質ハニカム構造体の製造方法は、炭
化ケイ素粉末を出発原料とし必要により結晶成長助剤を
添加し混合物を得る第一工程;該混合物に成形用結合剤
を添加しハニカム状に成形した成形体を得る第二工程;
該成形体を耐熱性の容器内に挿入して外気の侵入を遮断
しつつ2000〜2500℃の温度範囲内で焼成する第
三工程;とからなる隔壁に三次元網目構造の開放気孔を
有する炭化ケイ素質ハニカム構造体の製造方法におい
て、前記第二工程における成形体を得るに際し、アルミ
ニウム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、ランタン、
リチウム、イットリウム、珪素、窒素、酸素、炭素の中
から選ばれる少なくとも一種の元素又はそれらの化合物
(以下、場合により単に「遷移層形成助剤」と称す。)
を成形体内に濃度勾配が生じるように存在せしめ、該網
目構造の開放気孔の平均気孔径が該隔壁の流体入口側か
ら出口側に向かうにしたがい、段階的又は連続的に小さ
くなるように形成することを特徴とする。
まず、第一工程において、炭化ケイ素粉末を出発原料と
することが好ましい理由は、β型の炭化ケイ素結晶は比
較的低温で合成される低温安定型結晶であり、焼結に際
し、その一部が4H,6Hあるいは15R型等の高温安
定型のα型結晶に相転移して板状結晶を形成し易く、し
かも結晶の成長性にも優れているからである。特に60
重量%以上がβ型炭化ケイ素からなる出発原料を用いる
ことにより本発明の目的とする多孔質体を好適に製造す
ることができる。なかでも、70重量%以上のβ型炭化
ケイ素を含有する出発原料を使用することが有利であ
る。
結晶成長助剤としては、例えば、アルミニウム、ホウ
素、鉄、炭素等が挙げられる。
次に、第二工程において、第一工程において得られた混
合物にメチルセルロース、ポリビニルアルコール、水ガ
ラス等の成形用結合剤を添加し、押出し成形、シート成
形、プレス成形等の方法によりハニカム状の成形体を得
る。そして、アルミニウム、ホウ素、カルシウム、クロ
ム、鉄、ランタン、リチウム、イットリウム、珪素、窒
素、酸素、炭素の中から選ばれる少なくとも一種の元素
又はそれらの化合物を成形体内に濃度勾配が生じるよう
に存在させる。その方法は、前記成形体に直接前記化合
物を含有した溶液を塗布したり、前記成形体の成形用結
合剤を除去し多孔質とした後、同様に含浸したりする方
法で行なう。
濃度勾配が生じるのは、上記した物質のうち、アルミニ
ウム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、ランタン、リ
チウム、イットリウムは、炭化ケイ素の結晶粒成長の速
度を速くする働きを有しており、これらの物質の存在す
る箇所では極めて多くの板状結晶の核が生成され、各々
の部分で板状結晶の発達が起こる結果、形成される板状
結晶の大きさが制限され、これらの物質が多く存在する
箇所ほど細かい組織の三次元網目構造となすことができ
るからである。
これに対し、珪素、窒素、酸素、炭素は上記物質とは逆
に炭化ケイ素の結晶粒成長の速度を遅くする働きを有し
ており、これらの物質の存在する箇所では板状結晶の核
生成が抑制され、形成される板状結晶の数が相対的に少
なくなる結果、それぞれの板状結晶が比較的大きく成長
するため、これらの物質が多く存在する箇所ほど大きな
組織の三次元網目構造となすことができるからである。
したがって、網目構造の開放気孔の平均気孔径が隔壁の
流体入口側から流体出口側に向かうにしたがい、段階的
又は連続的に小さくなるように形成された炭化ケイ素質
ハニカム構造体を得るためには、上記遷移層形成助剤の
うち、アルミニウム、ホウ素、カルシウム、クロム、
鉄、ランタン、リチウム、イットリウムを隔壁の流体出
口側付近ほど多く含有させて後述する方法により焼結す
る方法、、珪素、窒素、酸素、炭素の隔壁の流体入口側
付近ほど多く含有させて後述する方法により焼結する方
法、あるいは、隔壁の流体入口側を耐熱性容器に挿入す
る方法、さらには、上記した方法を適宜組合わせて行な
う方法が挙げられる。
なお、前記遷移層形成助剤は、焼結体中に多量に残存す
ると炭化ケイ素本来の特性が失われるため、なるべく少
ないことが望ましく焼結体中におけるその残存量は炭化
ケイ素100重量部に対し10重量部以下であることが
好ましく、なかでも5重量部以下であることがより好ま
しい。
次に、第三工程として、得られた成形体を耐熱性の容器
内に封入し、外気の侵入を遮断しつつ2000〜250
0℃の温度範囲内で焼成する。
耐熱性の容器内に封入し、外気の侵入を遮断しつつ焼成
を行なう理由は、隣接する炭化ケイ素結晶同士を融合さ
せ、かつ、板状結晶の成長を促進させることができ、板
状結晶が複雑な状態で絡み合い三次元の網目構造が形成
されるからである。
なお、板状結晶の成長を促進させることができるのは、
炭化ケイ素粒子間における炭化ケイ素の蒸発−再凝縮お
よび/または表面拡散による移動を促進することができ
るためと考えられる。
これに対し、従来知られている常圧焼結、雰囲気加圧焼
結あるいは減圧下における焼結法を試みたところ、板状
結晶の成長が困難であるばかりか炭化ケイ素粒子の接合
部がネック状にくびれた形状となり、焼結体の強度が低
くなった。
前記耐熱性の容器としては、黒鉛、炭化ケイ素、炭化タ
ングステン、モリブデン、炭化モリブデンのうち少なく
とも1種以上の材質からなる耐熱性容器を使用すること
が好ましい。
また、焼成温度を2000〜2500℃とするのは、2
000℃より低い場合には粒子の成長が不十分で、隔壁
を高い強度を有する多孔質体とすることが困難なためで
あり、2500℃よりも高い場合には炭化ケイ素の昇華
が盛んになり、発達した板状結晶が逆にやせ細ってしま
い、その結果高い強度を有する多孔質体を得ることが困
難となるためである。より好ましくは2100〜230
0℃の範囲内である。
[実施例] 実施例1 出発原料として使用した炭化ケイ素微粉末は、80重量
%がβ型結晶からなるものを用いた。この出発原料には
不純物としてBが0.01、Cが0.4、Alが0.0
1、Nが0.2、Feが0.07原子量部、その他の元
素は痕跡量含まれており、これらの不純物総量は0.7
0原子量部であった。また、この出発原料の平均粒径は
0.3μm,比表面積は18.5m/gであった。
この出発原料に成形用結合剤としてメチルセルロースを
10重量部、水分を20重量部部添加した。これを混練
して、押出し成形法により直径130mm、長さ120m
m、貫通孔の隔壁の厚さ0.3mm、1平方インチ当りの
貫通孔数約200の炭化ケイ素質ハニカム形成体を得
た。
この成形体を1℃/分の昇温速度で500℃まで酸化雰
囲気中で加熱して、前記有機結合剤を酸化除去した。次
いで成形体の流体入口側となすべき端面から50mm出口
寄りの部分に40%のフェノールレジン,アルコール溶
液を含浸させ、その後乾燥させた。この結果、流体入口
部から50mmの部分では遊離炭素は1.2%含まれ流体
出口側に向かうにつれて連続的に徐々に減少し流体出口
側となすべき端面から30mm入口寄りの部分では遊離炭
素は0.2%含まれていた。
その後、この成形体を気孔率20%の黒鉛ルツボに入
れ、1気圧のArガス雰囲気中で焼成した。
焼成は、2℃/分で2200℃まで昇温し、最高温度で
6時間保持した。
実施例2〜5,比較例1〜4 実施例1と同様であるが、フェノールレジンの添加に加
えて、出口部から30mm入口寄りの間にアルミナゾル
(0.05μm粒子)水溶液を添加し、Alの含有量を
0.2重量%とした場合(実施例2)、フェノールレジ
ンの添加を行なわずにBN微粉末(粒径0.2μm)を
出口部から30mm入口寄りの間に塗布し、Bの含有量を
0.2重量%とした場合(実施例3)、実施例1と同様
であるがフェノールレジンの添加を行なわなかった場合
(比較例1)、全体にBを0.5重量%添加した場合
(比較例2)、実施例1と同様であるが焼成温度を23
00℃の最高温度での保持時間を12時間とした場合
(実施例4)、焼成温度を2050℃の最高温度での保
持時間を2時間とし、気孔率5%のSiCルツボに入れ
1気圧のArガス雰囲気中で焼成した場合(実施例
5)、焼成温度を180℃とした場合(比較例3)、焼
成温度を2550℃とした場合(比較例4)のハニカム
構造体の隔壁構造、性能等の結果を次表に示す。なお、
表中aはハニカム構造体の入口部付近に位置する隔壁
の、bは構造体の長さ方向中央部付近に位置する隔壁
の、cは出口部付近に位置する隔壁を示す。
表より明らかなように本発明のハニカム構造体は、隔壁
の流体入口側から流体出口側に向かうにしたがい次第に
平均気孔径が小さくなっており、しかも、この構造体を
1〜3μmの粒子径を有するディーゼルエンジンのパテ
ィキュレートトラップフィルターとして使用し排ガス中
の微粒子を5時間捕集したところ積層した微粒子の厚み
は、例えば実施例1では、入口部(a)で0.6mm、出口
部(c)では0.3mmといったように、各実施例とも入口
部から出口部に向かうにつれてその厚みは連続的に変化
した状態となった。
したがって、本発明に係るハニカム構造体に過剰のO
を加え、800℃で着火させたところ、例えば、実施例
1では出口部の昇温時の温度は1050℃、入口部の昇
温時の温度は990℃といったように、各実施例とも極
めて温度差が小さく、溶損もなく耐熱衝撃にも全く問題
はなかった。
[発明の効果] 本発明の炭化ケイ素質ハニカム構造体によれば、板状結
晶が複雑に絡み合った三次元網目構造を有しているの
で、隔壁表面に生じる熱移動、化学反応、物質移動等が
有効に行なわれるほか、隔壁の流体入口側から流体出口
側に向かうに従い平均気孔径が小さくなっているため、
回収された微粒炭素が出口側付近に片寄って堆積するよ
うなことがない。したがって、再使用する目的で加熱し
た場合であっても、燃焼熱が隔壁全体に亘り均一に発生
するために隔壁の溶損や熱衝撃破壊を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のハニカム構造体の平面図であり、第
2図は、その縦断面模式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/56 101 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄い隔壁を隔てて軸方向に多数の貫通孔が
    隣接している炭化ケイ素質ハニカム構造体において、該
    隔壁が、平均アスペクト比2〜50の範囲内の板状結晶
    を主体として構成される三次元の網目構造を有する多孔
    質体からなり、かつ、該網目構造の開放気孔の平均気孔
    径が、該隔壁の流体入口側から出口側に向かうにしたが
    い、段階的又は連続的に小さくなるように形成されてい
    ることを特徴とする炭化ケイ素質ハニカム構造体。
  2. 【請求項2】前記板状結晶の平均短軸方向の厚みが1〜
    500μmである特許請求の範囲第1項記載の炭化ケイ
    素質ハニカム構造体。
  3. 【請求項3】前記板状結晶が前記多孔質体100重量部
    に対し、少なくとも20重量部含まれている特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の炭化ケイ素質ハニカム構
    造体。
  4. 【請求項4】前記三次元網目構造の開放気孔の平均気孔
    径が1〜50μmの範囲である特許請求の範囲第1項〜
    第3項いずれか1項に記載の炭化ケイ素質ハニカム構造
    体。
  5. 【請求項5】前記三次元の網目構造開放気孔率が20〜
    95容量%である特許請求の範囲第1項〜第4項いずれ
    か1項に記載の炭化ケイ素質ハニカム構造体。
  6. 【請求項6】前記炭化ケイ素質多孔質体の比表面積が少
    なくとも0.05m/gである特許請求の範囲第1項
    〜第5項いずれか1項に記載の炭化ケイ素質ハニカム構
    造体。
  7. 【請求項7】炭化ケイ素粉末を出発原料とし必要により
    結晶成長助剤を添加し混合物を得る第一工程; 該混合物に成形用結合剤を添加しハニカム状に成形した
    成形体を得る第二工程; 該成形体を耐熱性の容器内に挿入して外気の侵入を遮断
    しつつ2000〜2500℃の温度範囲内で焼成する第
    三工程; とからなる隔壁に三次元網目構造の開放気孔を有する炭
    化ケイ素質ハニカム構造体の製造方法において、 前記第二工程における成形体を得るに際し、アルミニウ
    ム、ホウ素、カルシウム、クロム、鉄、ランタン、リチ
    ウム、イットリウム、珪素、窒素、酸素、炭素の中から
    選ばれる少なくとも一種の元素又はそれらの化合物を成
    形体内に濃度勾配が生じるように存在せしめ、該網目構
    造の開放気孔の平均気孔径が該隔壁の流体入口側から出
    口側に向かうにしたがい、段階的又は連続的に小さくな
    るように形成することを特徴とする炭化ケイ素質ハニカ
    ム構造体の製造方法。
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