JPH065722Y2 - 農用カッターの送込装置における資料屑脱出防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、牧草や藁や小枝などを切断する農用カッター
の送込装置における資料屑脱出防止装置に関するもので
ある。 一層具体的にいえば、牧草・藁等を切截処理する農用カ
ッターの切截室の入口前面に、機筐状の機枠を設け、そ
の機枠内に、上部送込ロールと下部送込ロールとを、上
下に対向させて軸架収蔵せしめることで構成する農用カ
ッターの送込装置において、上部送込ロールと下部送込
ロールとの対向間隔が拡縮自在となるよう、上部送込ロ
ールの回転軸を上下可動に軸支するために、機枠の側板
に上下方向の長孔状に形設しておく縦長孔から、上下の
送込ロールにより挟持して切截室に向け送込む被切截資
料より脱落した藁切れ等の資料屑が、機枠の外面側に脱
出してくるのを防止する資料屑脱出防止装置についての
改良に関する。

【従来の技術】

農用カッターの送込装置における資料屑脱出防止装置
は、従前のものにあっては、実公昭５６−１０１０９号
公報にあるように、機枠の側板に設けた縦長孔の外面側
に、その縦長孔を塞ぐ大きさの防塵蓋板を金属材で形成
して配位し、その防塵蓋板を、上部送込ロールの回転軸
の軸受支持部を支えて上下に揺動する揺動アームの支軸
に、上下に自在に揺動するよう支架し、その防塵蓋板の
縦長孔と重合する部位には、上部送込ロールの半径に略
対応する短い縦長孔を形設して、その短い縦長孔に、上
部送込ロールの回転軸の軸受支持部を摺動自在に嵌挿せ
しめることで、機枠の側板に開設せる縦長孔を、上部送
込ロールの端面と防塵蓋板とで、常時閉塞する状態とす
るように構成している。

【考案が解決しようとする課題】

上述した従前の資料屑の脱出防止手段は、防塵蓋板と上
部送込ロールの端面とで、縦長孔を塞ぐようにすること
から、上部送込ロールの回転軸の上下の動きに追従して
防塵蓋板が上下に動く作動が、上部送込ロールの軸方向
の端面の半径に略対応する長さとして該防塵蓋板に開設
しておく短い縦長孔の長さ分だけ少なくなって、上部送
込ロールの回転軸が送込まれてくる被切截資料の量の変
化に応じて上下に動く作動を軽快にするが、上部送込ロ
ールの軸方向の端面と機枠の側板の内壁面との間に流れ
込んだ資料屑が、この防塵蓋板に開設した短い縦長孔内
に入り込むようになる。そして、その資料屑が、上部送
込ロールの回転軸の上下の動きに追従する防塵蓋板の上
下の動きで、それと一緒に動く短い縦長孔の上下の口縁
により、機枠の側板に対し上下に動かされるようになっ
て、防塵蓋板の内壁面と機枠の側板の外壁面との間に押
込まれるようにはさまり込んでいき、防塵蓋板の動きを
悪くし、上部送込ロールの回転軸の上下動を阻害するよ
うにする問題がある。また、このように、防塵蓋板と機
壁の側板との間に資料屑が噛み込むようになったとき、
それを除去するためには、上部送込ロールの回転軸を支
える揺動アームを外し、次いで、防塵蓋板を外すという
機体を分解する面倒な操作が必要になる問題がある。 本考案は、従来手段に生じているこれらの問題を解消せ
しめるためになされたものであって、防塵蓋板と機枠の
側板との間に資料屑が噛み込むようになるのを効果的に
防止するとともに、資料屑が噛み込んでも機体の分解を
要さずに簡単に除去できるようにする新たな手段を提供
することを目的とする。

【問題を解決するための手段】

そして、本考案においては、上述の目的を達成するため
の手段として、機枠内に収蔵した上部送込ロールの回転
軸の外端側を、機枠の側板に設けた縦長孔に上下動自在
に嵌合して、その側板の外面側に中間軸中心に回動する
よう軸支した揺動アームに支持せしめ、その揺動アーム
と前記側板との間に、前記縦長孔の外面を塞ぐ略扇形の
防塵蓋板を、柔軟な弾性材により撓曲自在に形成して配
位し、それのかなめとなる部位を、その部位に開設した
円孔を介して前記中間軸に回動自在に嵌合し、弧周側の
上下の中間部位を、その部位に前記上部送込ロールの回
転軸と略同径に形成して開設した円孔を介してその回転
軸に嵌合し、かつ、該防塵蓋板の外形寸法を、前記上部
送込ロールの回転軸の上下の動きに追従する中間軸中心
とした上下回動の全行程において前記縦長孔を常時閉塞
する寸法に形成してなる農用カッターの送込装置におけ
る資料屑脱出防止装置を提起するものである。

【実施例】

本考案の実施例を、図面と共に具体的に説明する。 Ａは農用カッターにおける送込装置で、ａはその機枠、
ｂは側板である。１・２は送込装置Ａを構成する上部お
よび下部の送込ロールで、これらの回転軸３・４が中間
軸５を含む適宜の伝導機構ｃを介して側板ｂに支持され
ている。また、上部送込ロール１は、それの回転軸３が
中間軸５を中心とする側板ｂ上の円弧状の縦長孔６に嵌
合され、かつ、同中間軸５を支点として上下に揺動する
揺動アーム７に支持されて、資料の供給量（送込み量）
に応じて自動的に上下動すべく構成されている。８は上
部送込ロール１を下部送込ロール２側へ付勢しておくた
めの引張バネである。以上は従来公知のものと変わりは
ない。 ９は比較的軟質のゴム板や合成樹脂のような屈曲性のあ
る柔軟で腰のある弾性体からなる略扇形の防塵蓋板で、
それの要となる基端側中央部位には中間軸５と嵌合する
円孔１０が開設してあり、また弧周側中央部には上部送
込ロール１の回転軸３と嵌合する円孔１１が、その回転
軸３と略同径に開設してある。そして、これら円孔１０
・１１をそれぞれ前記中間軸５および回転軸３に嵌合す
ることにより、上部送込ロール１および揺動アーム７と
一体的に、中間軸５を支点として上下動するようになっ
ている。そしてまた、この防塵蓋板９は、上部送込ロー
ル１と一緒に上下動する全行程において前記縦長孔６を
常時閉鎖するような外形寸法に形成してある。また、こ
の防塵蓋板９の円孔１１の径は、回転軸３と略同径であ
って、該軸３との間に殆ど間隙のない状態で嵌合するよ
うにしてある。

【考案の効果】

以上説明したように本考案による農用カッターの送込装
置における資料屑脱出防止装置は、機枠ａの側板ｂに開
設した縦長孔６を塞ぐための略扇形の防塵蓋板９を、ゴ
ムまたは合成樹脂のような屈曲性のある柔軟で腰のある
弾性材で形成して、上部送込ロール１の回転軸３に対
し、その回転軸３と略同径に形成した円孔１１を介し嵌
合することで、上部送込ロール１の回転軸３の上下の動
きと一緒に中間軸５を支点として上下に回動するように
しているのだから、防塵蓋板９から、機枠ａの側板ｂに
形設した縦長孔６より脱出してきた資料屑を受入れて上
下に動く短い縦長孔を消去せしめたことになって、資料
屑を防塵蓋板９と機枠ａの側板ｂとの間に押込むことが
なくなり、それらの間に資料屑が噛み込むのを効果的に
防止するようになる。また、資料屑の噛み込みが生じた
ときは撓曲自在の防塵蓋板９を、手で機枠ａの側板ｂか
らはがすように折り曲げることで、噛み込んだ資料屑の
除去が簡単に行なえるようになる。 従って、防塵蓋板９と機枠ａの側板ｂとの間に資料屑が
噛み込むようになるのを効果的に防止するとともに、資
料屑が噛み込んでも、機体を分解することなく簡単に除
去できるようになる。 しかも、機枠ａの側板ｂに開設した縦長孔６は、柔軟な
資材よりなる防塵蓋板９が外面側に摺接して常時閉塞さ
れることから、気密にシールされたようになって、この
縦長孔６からの塵埃類の吹出しも効果的に防止し得るよ
うになり、また、機枠ａ内部の点検が、防塵蓋板９を折
り曲げることで、縦長孔６を介して簡単に行なえるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示すもので、第１〜２図は作
用状態を併せ示す側面図、第３図は防塵蓋板の全体斜視
図、第４図は防塵蓋板を反り返した状態を示す全体斜視
図である。 図面符号の説明 １……上部送込ロール、３……その回転軸 ６……縦長孔、９……防塵蓋板 １１……その円孔、Ａ……送込装置 ａ……機枠、ｂ……側板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機枠ａ内に収蔵した上部送込ロール１の回
   転軸３の外端側を、機枠ａの側板ｂに設けた縦長孔６に
   上下動自在に嵌合して、その側板ｂの外面側に中間軸５
   中心に回動するよう軸支した揺動アーム７に支持せし
   め、その揺動アーム７と前記側板ｂとの間に、前記縦長
   孔６の外面を塞ぐ略扇形の防塵蓋板９を、柔軟な弾性材
   により撓曲自在に形成して配位し、それのかなめとなる
   部位を、その部位に開設した円孔１０を介して前記中間
   軸５に回動自在に嵌合し、弧周側の上下の中間部位を、
   その部位に前記上部送込ロール１の回転軸３と略同径に
   形成して開設した円孔１１を介してその回転軸３に嵌合
   し、かつ、該防塵蓋板９の外形寸法を、前記上部送込ロ
   ール１の回転軸３の上下の動きに追従する中間軸５中心
   とした上下回動の全行程において前記縦長孔６を常時閉
   塞する寸法に形成してなる農用カッターの送込装置にお
   ける資料屑脱出防止装置。