JPH0657168B2

JPH0657168B2 - スポ−ツシユ−ズのソ−ル構造

Info

Publication number: JPH0657168B2
Application number: JP61213684A
Authority: JP
Inventors: アンチ・ユーシ・テイトラ
Original assignee: カ−フ・テイタン・オ−・ワイ
Priority date: 1985-09-10
Filing date: 1986-09-10
Publication date: 1994-08-03
Anticipated expiration: 2009-08-03
Also published as: KR870002786A; JPS6260508A; FI71866B; SU1572399A3; EP0214431A2; EP0214431A3; US4757620A; KR940010004B1; DE3676764D1; ATE59758T1; ES2002306A6; CA1276455C; EP0214431B1; FI853461A0; FI71866C

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、ランニング・シューズ、マラソン・シュー
ズなどのスポーツシューズのソール構造の改良に関する
ものである。

（従来の技術）従来のスポーツシューズのソール構造は、ほぼ大同小異
のものであって、履く人への衝撃を防ぐことに重点がお
かれて、クッション性が重視されている。

（発明が解決しようとする問題点）ソールのクッション性を重視した従来のスポーツシュー
ズでは、例えば、マラソンや長距離を走る場合、ソール
のクッション性が災いし、足の負担が軽減されずに、か
えってエネルギを消耗させる結果となることが実証され
ている。これは、ランニングの場合、クッション性がよ
いソールであると、接地したとき、不必要なまでにソー
ルが変形し、足が空中を蹴っているときには、またソー
ルが復元することが繰り返されるためで、このためにラ
ンナーのエネルギがロスされるもので、この点が従来構
造の問題点となっている。

（問題点を解決するための具体的手段）そこで、この発明は、前記した従来技術の問題点を解決
し、ランナーの負担を軽減し、エネルギの損耗をなくし
て、より速く走れる構造のスポーツシューズのソール構
造を提供することを目的とするもので、その具体的手段
としては、底面部と中底層とを有し、両者の間に介在す
る中間部、踵部、前半部を備えているソール構造であっ
て、前記中間部が土踏まずの部分から踵部の後端の領域
まで延び、踵部と前半部とが前記中間部を挟んで前後に
位置し、踵部に対し、前記中間部がくさび状に接し、こ
の中間部の厚さは、踵部の後端へ行くにしたがい薄く土
踏まずの部分で最も厚くなり、ついで爪先から指の付け
根のふくらみ部分領域に相当する範囲の前半部に接続
し、前記中間部が前記踵部と前半部よりも硬く、フレキ
シブルでない構成を前記目的達成のための具体的手段と
する。この発明の理解のため、つぎに実施例により、こ
の発明を詳細に説明する。

（実施例）この発明に係るスポーツ・シューズのソール（靴底）構
造の一例を第１図に示す。図示のソール構造は、底面部
１、中底層２ならびに両者の間に介在する中間部３、踵
部４、つま先を含めた前半部５を備えている。中間部３
は、硬く強靭な素材からなるもので、靴底の領域Ａ（踵
面から土踏まず面）にわたり設けられている。したがっ
て、中間部３は、踵部端から土踏まずの部分に至る。

中間部３は、前記のように硬い素材からなるものである
から、中間部３の部分は、垂直方向には曲がらない。こ
のような中間部３を備えたスポーツ・シューズを履いて
ランニングすると、中間部３が履いている人の土踏まず
の部分を支え、軽く感じられる。中間部３の構造は、第
１図に示すように、長さ方向断面がほぼ逆三角形であっ
て、踵部４の前端部分が最も厚くなっている。

踵部４は、断面形状がくさび形状であって、後端部が最
も厚く、高くなっている。この踵部は、クッション層と
して機能できるように、軽くスポンジ状の素材などから
選ばれたフレキシブルな素材からなり、ショックを吸収
できるようになっている。踵部の構造には、空気クッシ
ョン構造、スポンジ層の積層による積層クッション構造
その他のクッション構造が採用される。

前記したように、中間部３は、長さ方向の断面形状がほ
ぼ逆三角形をしており、厚さも踵部の後端から踵部の前
端にかけて徐々に厚くなり、土踏まずの中央部分が最も
厚く、前半部５の後端から爪先へ徐々に薄くなっている
もので、図示の例では、厚さが直線的に変化している
が、曲線的に変化してもよく、中間部３と踵部４の接合
線は、カーブしていてもよい。

また、中間部３と踵部４との接合面は、前者が凹面であ
れば、後者が凸面となり、また、その逆の関係にもで
き、いずれにせよ、凹面、凸面の曲率は大きいので、接
合線は直線的となる。

中間部３の前側にある前半部５は、踵部４と同じく、弾
性のある素材から作られていることが好ましい。前半部
５は、爪先から土踏まずの部分、即ち、跳躍の踏切り力
の領域にわたり延びている。前記したように、前半部５
は、フレキシブルなものであるから、底面部１の地面に
対するグリップ力または摩擦力が増大する。したがっ
て、ランナーは、地面をしっかり蹴ることができ、ラン
ニング速度は、より早くなる。中間部５に適度な弾性を
もたせるため、踵部４と同様に中間部を弾性複合材料で
作ることもできる。

第１図の実施例では、中間部３は、前半部５へ向けくさ
び状になっている。このくさび状の形状は、この発明に
とり必須の構成ではないが、このようなくさび形状であ
ると、靴底の屈曲点をコントロールし易くなる。中間部
３と前半部５との接合線も前記踵部４におけると同様な
直線的または曲線的なものとすることができる。しか
し、この発明において重要なことは、中間部３と前半部
５との接合形状ではなく、踵部４に対する中間部３のく
さび形状の点である。中間部３を踵部４に対しくさび形
状、換言すれば、踵部４を中間部３に対しくさび形状に
することによって、踵部において衝撃吸収性が最大とな
る。また、第１図に示すように、中間部３の厚さは、土
踏まずの部分において最大となっている。さらに、第１
図に示すように、中間部３は、中底層２に対し全面が密
着し、シューズを履いている人の土踏まずをぴったり支
えている。

前記したように、中間部３は、フレキシブルなものでは
なく、硬い弾力のない素材からなるものであるが、踵部
４と前半部５とは、フレキシブルな素材からなる。この
中間部３が踵部４と前半部５よりも硬く、垂直方向には
変形しない点は、極めて重要なことであって、実測デー
タとしては、中間部が50ショアーＡ、踵部４と前半部５
とが35ショアーＡの硬度を有している。

第2A図から第2C図は、前記構成のソール構造のシューズ
を履いてランニングした実際におけるソール構造の作用
を示すものであって、第2A図は、着地したときの態様を
示す。特に長距離ランナー、例えば、マラソン走者の場
合、ランニング・ステップを足の中半または後寄りの部
分から始め、該部分を地面につける。ごく例外ではある
が、足の指の付け根のふくらみ部分に当る所からステッ
プを開始する走者もいる。着地点が遠くなれば、衝撃力
を吸収するためのフレキシビリティは、そほど必要な
く、衝撃のほとんどは、走者自身の筋肉で受ける。した
がって、この発明によるソール構造によれば、踵部４は
後方へ行くにしたがい厚くなるくさび形状になってい
る。第１の衝撃点が後になれば、クッション性が増大す
る。

第2B図は、足のローリングの態様を示す。この態様にお
いては、走者の重心の下方へ移動は、停止し、斜め上前
方へ蹴り出す態勢にある。この時点では、土踏まずの部
分に最大の力が集中し、これがため、この発明のソール
構造においては、土踏まずの部分が弓なりに曲ってい
て、フラットにはなっていない。したがって、走者のエ
ネルギは、このような構造により損失されない。この発
明によるソール構造における重要な点は、蹴り出しの動
作を助ける機能をほぼベタ足状態のローリング態勢に付
与した点である。この発明のソール構造における中間部
３は、中足骨部分を支えているから、足の曲げが容易
で、スムーズに蹴り出し態勢に入れる。

第2C図は、足の蹴り出し態勢を示すものである。この態
勢において、走者の筋肉に蓄えられた屈伸性のあるエネ
ルギと足のスラストは、シューズを介して走行地面へ伝
達される。この態勢において重要なことは、可能な限り
の摩擦力がシューズと地面との間に形成されることであ
り、その結果、走者は前へ進む。この発明によるソール
構造によれば、前記摩擦力は、足指骨と指の付け根のふ
くらみの下側にある前半部５のフレキシブルな素材、該
部分における厚さ、底面部１の品質などにより左右され
る。また、構造的にみれば、前記蹴り出し態勢の間にお
ける底面部１と地面との接触面は、可能なかぎり広いこ
とが重要である。実際に、摩擦力は、接触面に比例して
増大する。したがって、この発明によるソール構造によ
れば、底面部１は、少なくとも蹴り出しが行なわれる前
半部５に対応する面がフラットで、空隙のないものなっ
ている。テストの結果、この発明による空隙がなく、フ
ラットな面の底面部１と弾性のある前半部５とによっ
て、従来構造のシューズと比較し、蹴り出しにおける方
向性がよく、蹴り出し力が格段にすぐれた結果が得られ
ている。

（発明の効果）前記したように、この発明によれば、ランニングの場
合、接地の時における衝撃をクッション性のある踵部で
吸収し、ついでローリング（ベタ足の状態で蹴り出しに
移る前の段階）の態勢の時点では、硬度のある変形しな
い中間部が土踏まずを支えて足の負担を軽減し、さら
に、蹴り出しのときは、前半部が底面部と共に接地摩擦
力を発揮して足の滑りを防ぎ、確実にロードグリップし
てランニング速度を速めることができるもので、スポー
ツシューズ、特にランニング、マラソンなどに好適なシ
ューズが得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の一実施例を示すもので、第１図は、
ソールの長さ方向断面図、第2A図から第2C図は、それぞ
れソールの機能を説明する断面図である。１……底面部、２……中底層３……中間部、４……踵部５……前半部Ａ……土踏まずの部分から踵部の後端の領域

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】底面部１と中底層２とを有し、両者の間に
介在する中間部３、踵部４、前半部５を備えているソー
ル構造であって、前記中間部３が土踏まずの部分から踵
部４の後端の領域Ａまで延び、踵部４と前半部５とが前
記中間部３を挟んで前後に位置し、踵部４に対し、前記
中間部３がくさび状に接し、この中間部３の厚さは、踵
部４の後端へ行くにしたがい薄く土踏まずの部分で最も
厚くなり、ついで爪先から指の付け根のふくらみ部分領
域に相当する範囲の前半部５に接続し、前記中間部３が
前記踵部４と前半部５よりも硬く、フレキシブルでない
構成を特徴とするスポーツシューズのソール構造。
【請求項２】前記中底層２と底面部１とに介在する前記
中間部３は、その上面が中底層２に当接、密着し、下面
が踵部４と前半部５とに当接、密着している特許請求の
範囲第１項記載のスポーツ・シューズのソール構造。
【請求項３】中間部３の下面が踵部４と直線的に、フラ
ットな状態で当接、密着している特許請求の範囲第１項
記載のスポーツ・シューズのソール構造。
【請求項４】中間部３の下面が踵部４と曲線的に当接、
密着している特許請求の範囲第１項記載のスポーツ・シ
ューズのソール構造。
【請求項５】前記中間部３が長さ方向断面の形状におい
て、踵部４に対しくさび状に形成されている特許請求の
範囲第１項記載のスポーツ・シューズのソール構造。
【請求項６】中間部３の上面が前半部５と直線的に、フ
ラットな状態で当接、密着している特許請求の範囲第１
項記載のスポーツ・シューズのソール構造。
【請求項７】中間部３の下面が前半部５と曲線的に当
接、密着している特許請求の範囲第１項記載のスポーツ
・シューズのソール構造。
【請求項８】中間部３の硬度が５０ショアーＡ、踵部４
と前半部５との硬度がそれぞれ３５ショアーＡである特
許請求の範囲第１項記載のスポーツ・シューズのソール
構造。