JPH0657157A - 重合体粒子及びその製法並びに義歯床用組成物 - Google Patents

重合体粒子及びその製法並びに義歯床用組成物

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JPH0657157A
JPH0657157A JP5052429A JP5242993A JPH0657157A JP H0657157 A JPH0657157 A JP H0657157A JP 5052429 A JP5052429 A JP 5052429A JP 5242993 A JP5242993 A JP 5242993A JP H0657157 A JPH0657157 A JP H0657157A
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polymer
graft copolymer
methyl methacrylate
mixture
spherical particles
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JP5052429A
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Naoki Yamamoto
直己 山本
Nobuhiro Mukai
信博 向
Hitoshi Ishita
仁 位下
Takayuki Makino
隆之 槙野
Hiroko Yamazaki
宏子 山崎
Suehiro Tayama
末広 田山
Akihiro Toritani
明弘 鳥谷
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 義歯床用組成物並びにその原料等に使用可能
な球状粒子及びその製法を提供する。 【構成】 架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分がグ
ラフト重合されてなるグラフト共重合体を内部に含むメ
チルメタクリレ−ト系(共)重合体の球状粒子(A)。
グラフト共重合体とメチルメタクリレートもしくはメチ
ルメタクリレートを含む単量体混合物またはそれらの部
分重合体との混合物を水中に懸濁分散させ、単量体成分
を重合させる前記球状粒子(A)の製法。メチルメタク
リレート系(共)重合体、その溶媒、及びグラフト共重
合体との混合物を水相中または気相中に分散させ次いで
溶媒を除去する前記球状粒子(A)の製法。及び、球状
粒子(A)、一種以上の単官能性メタクリル酸エステル
または一種以上の単官能性メタクリル酸エステルと一種
以上の多官能性メタクリル酸エステルの混合物(B)及
び重合開始剤(C)からなる義歯床用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は義歯床用組成物並びにそ
の原料等に使用可能な球状粒子及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】メチルメタクリレート単量体とその重合
体等とを混合し、熱重合して得られるアクリル系樹脂製
義歯床用材料は、透明性、表面光沢及び成形加工性が優
れていることから広く用いられている。しかし、このよ
うな義歯床用材料は耐衝撃性などの機械的強度が不充分
であり、咬合力によって薄い部分が破損する点が問題で
あった。
【0003】この問題を解決するものとして、ウレタン
ゴム、シリコ−ンゴム等のエラストマー粉末、不飽和ウ
レタン系モノマ−及び重合開始剤からなる歯科用組成物
や更にPMMA粉末等を含む歯科用組成物が提案されて
いる(特開平1ー275509号公報)。またゴムグラ
フト重合体、(メタ)アクリル酸エステル系化合物及び
重合開始剤からなる歯科用組成物や更にPMMA粉末等
を含む歯科用組成物が提案されている(特開平3−63
205号公報)。更に、ポリエーテルサルホン、ポリサ
ルホン、ポリカーボネート、芳香族ポリエステル共重合
体などからなる熱可塑性樹脂製義歯床も提案されている
(特開昭62ー49849号公報及び特開昭62ー34
1号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし特開昭62ー4
9849号公報や特開昭62ー341号公報に記載され
た熱可塑性樹脂は高温で成形する必要があり成形加工性
に乏しい点、特に熱収縮による成形物の寸法変化が大き
い点が問題である。
【0005】特開平1ー275509号公報に記載され
ている方法で得られるものは、樹脂成分とゴム成分との
単純ブレンド物であるために、得られる重合組成物中に
おけるゴムの分散性は不均一であって歯科用組成物は耐
衝撃性が充分でない。また、使用されるエラストマー粉
末は粉砕物であって形状が不定形であるために、粉液混
合時の濡れ性が悪く、操作性に劣る点も問題である。
【0006】特開平3−63205号公報の歯科用組成
物においてゴムグラフト重合体は(メタ)アクリル酸エ
ステル系化合物とある程度相溶性はあるものの、両成分
の混合方法が単純ブレンドであるために、ゴムグラフト
共重合体粒子は凝集状態のままで(メタ)アクリル酸エ
ステル系化合物中に不均一分散される。このため、得ら
れる重合組成物中におけるゴムの分散性は不均一であっ
て歯科用組成物は耐衝撃性が充分でない。また、混合の
際にゴムグラフト共重合体粒子が(メタ)アクリル酸エ
ステル系化合物を吸収するために混合液比を上げざるを
えず、その結果得られる重合物の収縮率が大きい点も問
題である。
【0007】このため、アクリル系樹脂の特性を保持し
かつ耐衝撃性が付与された義歯床用材料が強く要望され
ていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、架橋ゴ
ム状(共)重合体に硬質樹脂成分がグラフト重合されて
なるグラフト共重合体を内部に含むメチルメタクリレ−
ト系(共)重合体の球状粒子(A)にある。また本発明
の要旨は、架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分がグ
ラフト重合されてなるグラフト共重合体とメチルメタク
リレートもしくはメチルメタクリレートを含む単量体混
合物またはそれらの部分重合体との混合物を水中に懸濁
分散させ、単量体成分を重合させる前記球状粒子(A)
の製法にあり、メチルメタクリレート系(共)重合体、
その溶媒、及び架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分
がグラフト重合されてなるグラフト共重合体との混合物
を水相中または気相中に分散させ次いで溶媒を除去する
前記球状粒子(A)の製法にある。更に本発明の要旨
は、球状粒子(A)、一種以上の単官能性メタクリル酸
エステルまたは一種以上の単官能性メタクリル酸エステ
ルと一種以上の多官能性メタクリル酸エステルの混合物
(B)及び重合開始剤(C)からなる義歯床用組成物に
ある。
【0009】本発明の球状粒子(A)は、メチルメタク
リレ−ト系(共)重合体をマトリックス層とし、架橋ゴ
ム状(共)重合体に硬質樹脂成分がグラフト重合されて
なるグラフト共重合体の粒子が分散層としてそのマトリ
ックス中に存在する構造のものである。分散成分である
グラフト共重合体の粒子はその一部が凝集した凝集粒子
であってもよい。
【0010】球状粒子(A)の大きさは特に限定されな
いが、平均粒径として1〜500μm程度であることが
好ましく、操作性の点から1〜200μm程度であるこ
とがが特に好ましい。また球状粒子(A)は基本的には
一個一個が独立した形態で存在するが、その複数個が集
合した形態をとることもできる。
【0011】球状粒子(A)を構成するメチルメタクリ
レート系(共)重合体としてはメチルメタクリレート単
独重合体または共重合体が挙げられる。共重合体の場合
はメチルメタクリレート50重量%以上とこれと共重合
可能な少なくとも一種の単量体50重量%以下との共重
合体であることが好ましく、前者が90重量%以上で後
者が10重量%以下の共重合体であることがより好まし
い。
【0012】前記の共重合成分となる単量体としては、
エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、2ーエチルヘキシルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
トなどのメタクリル酸エステル類、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2ーエ
チルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル
類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸などの酸無水物、N−フェニルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド
などのマレイミド誘導体、2ーヒドロキシエチルアクリ
レート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピ
ルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有単量体、アク
リルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなどの窒素含有単量体、
アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有単量
体、スチレン、αーメチルスチレンなどのスチレン系単
量体、エチレングリコールジアクリレート、アリルアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリ
ルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロール
プロパントリアクリレートなどの架橋剤などが挙げられ
る。特に、共重合可能な単量体としてフェニルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレートなどを10重量%以下の割合で使用した場合
は、メタクリル系樹脂とゴム層との屈折率の微妙なずれ
を補正することができるので透明性に優れた義歯床用樹
脂を得ることができる。
【0013】本発明の球状粒子(A)を構成するグラフ
ト共重合体の主要成分となる架橋ゴム状(共)重合体と
しては、ブタジエン系(共)重合体、ポリアルキルアク
リレートゴム系共重合体、及びブタジエン系重合体存在
下でポリアルキルアクリレートゴム系共重合体を重合し
てなる複合ゴムなどを挙げることができる。
【0014】ブタジエン系(共)重合体としては1、3
ーブタジエン5重量%以上と、これと共重合可能な1種
以上の単量体95重量%以下とからなる重合体を挙げる
ことができる。1、3ーブタジエンと共重合可能な単量
体としてはスチレン、アクリロニトリル、アルキル基の
炭素数2〜8のアルキルアクリレート等を挙げることが
でき、ブタジエン系共重合体としては必要に応じてさら
にジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート等の多官能性単量体を併用するこ
ともできる。ブタジエンと共重合可能な単量体としては
ブチルアクリレートが好ましい。
【0015】ポリアルキルアクリレートゴム系共重合体
としてはアルキル基の炭素数が2〜8のアルキルアクリ
レート1種以上と多官能性単量体1種以上を必須成分と
して含むものを挙げることができる。その他必要に応じ
てスチレン、αーメチルスチレン、ビニルトルエン等の
スチレン誘導体、アクリロニトリル、メチルメタクリレ
ート等、好ましくはスチレンまたはスチレンとスチレン
誘導体の混合物等のこれらと共重合可能な単量体を含む
混合物を共重合したものでもよい。アルキル基の炭素数
が2〜8のアルキルアクリレートとしてはエチルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、2ーエチルヘキシル
アクリエート等を例示でき、これらの中ではブチルアク
リレートがより好ましい。多官能性単量体としてはエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1、3ーブチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、アリル(メタ)アクリレート等
を例示できる。
【0016】ポリアルキルアクリレートゴム系共重合体
を構成する成分の量は特に限定されないが、アルキルア
クリレート69.9〜99.9重量%、多官能性単量体
0.1〜10重量%及びこれらと共重合可能な単量体0
〜30重量%から構成されるものが好ましく、アルキル
アクリレート69.9〜89.9重量%、多官能性単量
体0.1〜10重量%及びこれらと共重合可能な単量体
10〜30重量%から構成されるものがより好ましい。
【0017】架橋ゴム状(共)重合体の粒径(数平均粒
径)としては0.1〜1μm程度であるものが好まし
く、このような粒径の架橋ゴム共重合体は乳化重合法で
製造することができる。粒径が上記下限未満であると義
歯床組成物の耐衝撃性改良効果が低下する傾向にあり、
上記上限を超えると表面外観が低下する傾向にある。
【0018】乳化重合法で0.1μm以上のゴムを製造
する場合は、先ず0.1μm未満の架橋ゴム状(共)重
合体のラテックスを製造し、次いでこの(共)重合体粒
子を平均粒径が0.1〜1μmとなるように肥大化する
方法も採用できる。
【0019】架橋ゴム状(共)重合体にグラフトされる
硬質樹脂成分用単量体としてはスチレン、メチルメタク
リレート、この両者の混合物、あるいはこれらの単量体
とこれらと共重合可能な単量体との混合物を用いること
ができる。この共重合可能な単量体としてはメチルアク
リレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート等のメタクリル酸エス
テル、アクリロニトリル等が挙げられ、これらの二種以
上の組み合わせも可能である。これらの中ではメチルメ
タクリレート単独物、またはメチルメタクリレート90
重量%以上とスチレンもしくは前記の共重合可能な単量
体10重量%以下との混合物が好ましい。
【0020】本発明のグラフト共重合体は、架橋ゴム状
(共)重合体ラテックス100重量部に硬質樹脂成分用
単量体10〜1000重量部、より好ましくは10〜4
00重量部を添加、含浸させ、通常の重合開始剤を用い
てグラフト重合することによって製造することができ
る。
【0021】このグラフト共重合体は(部分)凝集物で
あってもよい。グラフト共重合体の(部分)凝集物はこ
のグラフト共重合体ラテックスに対して凝集剤を添加す
ることによって得ることができる。凝集剤としては、酸
または水溶性無機塩が使用可能であり、酸としては硫
酸、塩酸類の鉱酸、酢酸などの解離定数10ー6mol/リッ
トル以上の有機酸(安息香酸、サリチル酸、ギ酸、酒石
酸を含む)が挙げられる。また無機塩としては硫酸マグ
ネシウム、硫酸ナトリウムなど硫酸塩あるいは塩化物や
酢酸塩が挙げられる。
【0022】以下本発明の球状粒子(A)の製造方法例
を説明する。球状粒子(A)は架橋ゴム状(共)重合体
に硬質樹脂成分がグラフト重合されてなるグラフト共重
合体とメチルメタクリレートもしくはメチルメタクリレ
ートを含む単量体混合物またはそれらの部分重合体との
混合物を懸濁分散安定剤を溶解させた水中に分散させ、
単量体成分を重合させる方法で製造できる。混合液を調
製する際にはグラフト共重合体の分散性を高めるために
ホモミキサーによる攪拌等が採用される。
【0023】懸濁分散安定剤としては通常の無機系分散
剤や有機系分散剤が使用できる。無機系分散剤としては
炭酸マグネシウム、第三リン酸カルシウムなどが挙げら
れる。
【0024】また有機系分散剤としてはデンプン、ゼラ
チン、アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸及びその塩、セルロール、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルイミダゾール、などが挙げられる。ま
た、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩な
どの通常乳化剤として使用されているものも低分子分散
剤として使用できる。
【0025】懸濁重合における重合開始剤としては有機
過酸化物またはアゾ化合物等が使用可能であるが、具体
的にはベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリルなどが使用可能で
ある。
【0026】また球状粒子(A)は、乳化重合法で得ら
れた架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分がグラフト
重合されてなるグラフト共重合体のラテックスに対し
て、メチルメタクリレートもしくはメチルメタクリレー
トを含む単量体混合物またはそれらの部分重合体及び懸
濁分散安定剤を添加して、グラフト共重合体と単量体成
分を水中に懸濁分散させ、単量体成分を重合させる方法
で製造できる。この方法の場合は微小の球状粒子(A)
が集合した状態の粒子集合体が得られる。
【0027】更に球状粒子(A)は、メチルメタクリレ
ート系(共)重合体、その溶媒、及び架橋ゴム状(共)
重合体に硬質樹脂成分がグラフト重合されてなるグラフ
ト共重合体との混合物を水相中または気相中に分散させ
次いで溶媒を除去することによっても製造できる。この
混合物を調製する際の各成分の混合方法は特に限定され
ないが、いずれにしても、グラフト共重合体の分散性を
高める手法を用いることが好ましい。メチルメタクリレ
ート系(共)重合体とグラフト共重合体はそれぞれを単
純に混合して用いても良いし、予めメチルメタクリレー
ト系(共)重合体とグラフト共重合体とを溶融混練した
もの、メチルメタクリレートを含む単量体混合物にグラ
フト共重合体を分散させた状態で重合硬化させたもの、
またはそれらの粉砕物を用いても良い。
【0028】溶媒としてはメチルメタクリレート系
(共)重合体を溶解させることができる溶媒であればい
ずれも使用可能であるが、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、トルエン、酢酸エチル、メチルメタクリレート等が
好ましい。
【0029】溶媒との混合物を水相中に分散させる方法
は特に限定されないが、ポリビニルアルコールなど、通
常、懸濁重合する際に用いられる懸濁分散安定剤を使用
して水相に分散させる方法が挙げられる。水相中に分散
させた混合物から溶媒を除去する方法は特に限定されな
いが、攪拌下、30〜90℃に加温する方法あるいは減
圧にする方法等が例示できる。
【0030】また、混合物を気相中に分散させる方法と
してはスプレードライ法が例示できる。スプレードライ
法の温度、流速などの条件は、溶媒の種類や濃度に応じ
て適宜設定することができ、これにより所望の粒子径の
球状粒子(A)を得ることができる。
【0031】本発明の義歯床用組成物は、前記の球状粒
子(A)、一種以上の単官能性メタクリル酸エステルま
たは一種以上の単官能性メタクリル酸エステルと一種以
上の多官能性メタクリル酸エステルの混合物(B)及び
重合開始剤(C)からなるものである。
【0032】(B)成分の単官能性メタクリル酸エステ
ルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、メトキシエチルメタクリレート、グリシジル
メタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、トリメリット酸とヒドロキシエチルメタクリレート
とのモノエステル等を例示でき、中でもメチルメタクリ
レートが好適である。
【0033】また(B)成分の多官能性メタクリル酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、1、3ーブタンジオ
ールジメタクリレート、1、4ーブタンジオールジメタ
クリレート、1、6ーヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメ
タクリレート等を挙げることができる。また、単官能性
および多官能性メタクリル酸エステルの混合物の場合
は、メチルメタクリレートを90重量%以上含む混合物
であることが好ましい。
【0034】(C)成分の重合開始剤としては、有機過
酸化物、アゾ化合物、光重合開始剤等、一般に用いられ
る重合開始剤であればいずれも使用可能であるが、特に
有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、ベン
ゾイルパーオキサイド、4、4ージクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等を例示で
き、これらの中ではベンゾイルパーオキサイドが特に好
ましい。
【0035】義歯床用組成物において(A)、(B)及
び(C)の各成分の組成比は特に限定されないが、
(A)成分100gに対して(B)成分が30〜150
mlであることが好ましい。(B)成分が前記範囲より
少ないと義歯床の成形が難しくなり、前記範囲より多い
と成形物の重合収縮が大きくなって実用性が乏しくなる
傾向にある。また(C)成分の配合量は(B)成分の
0.1〜5重量%であることが好ましい。全組成物中の
グラフト共重合体の配合量は義歯床に充分な耐衝撃性を
発現させる観点から0.5〜50重量%であることが好
ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。
【0036】また義歯床用組成物において(A)、
(B)及び(C)の各成分はそれぞれ単独で保管しても
よく、(C)成分を(A)成分または(B)成分中に混
合した状態で保管してもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。 参考例1 ゴムラテックスの製造: n−ブチルアクリレート4.0kg、ジイソプロピルベ
ンゼンヒドロパーオキサイド20g、牛脂脂肪酸カリウ
ム100g、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム5
0g、ピロ燐酸ナトリウム50g、硫酸第一鉄0.5
g、デキストローズ30g、脱イオン水20kgからな
る溶液を窒素置換し、40リットルのオートクレーブに
仕込み、更にブタジエン6.0kgを仕込んで50℃で
9時間重合して粒径0.07μmの架橋ゴム状共重合体
のラテックスを得た。
【0038】参考例2 肥大化用ラテックスの製造: 攪拌器付き5リットル丸底フラスコにn−ブチルアクリ
レート250g、オレイン酸カリウム20g、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム10g、クメンハイドロパ
ーオキサイド1.0g、ナトリウムホルムアルデヒドス
ルホキシレート3g及び脱イオン水2000gからなる
溶液を仕込み、窒素置換後、70℃で1.5時間重合し
た後、n−ブチルアクリレート600g、メタクリル酸
150g及びクメンハイドロパーオキサイド3gからな
る溶液を70℃で1時間かけて滴下し、更に同温度で1
時間攪拌を続けて肥大化用ラテックスを得た。
【0039】参考例3 グラフト共重合体G−1の製
造: 容量60リットルのオートクレーブに参考例1で得たゴ
ムラテックス(ポリマー固形分10kg)を入れこれを
攪拌しながら10%硫酸ナトリウム水溶液1.5kgを
加えて内温50℃で15分間保持した。次いで参考例2
で得た肥大化用ラテックス152gを加えて30分間保
持することにより参考例1のゴムの肥大化を行った後、
ポリマー1部あたり水10部、硫酸ナトリウム0.5
部、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム0.5部も
混合液を添加し、15分保持して肥大化を停止さた。肥
大化後のゴムの平均粒径は0.148μmであった。
【0040】肥大化後のゴムラテックス(ポリマー固形
分10kg)に脱イオン水9kg、ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート20g、N−ラウロイルザル
コシン酸ナトリウム50gを加え、75℃に昇温した
後、メチルメタクリレート4320g,エチルアクリレ
ート180g、n−オクチルメルカプタン6.75g及
びクメンハイドロパーオキサイド16gのグラフト用単
量体混合液を90分かけて滴下し、滴下終了後更に60
分その温度に維持してグラフト重合を完結させ、グラフ
ト共重合体ラテックスL−1を得た。
【0041】このグラフト共重合体ラテックスL−1に
対してスチレン化フェノール58g、ジラウロイルチオ
ジプロピオネート44g、トリフェニルホスファイト5
8gを加え、50℃で0.25%の硫酸水を用いてラテ
ックス/水=1/2で凝集させ、その状態で85℃で5
分間保持し、得られたスラリー状ポリマーを洗浄・脱水
して55℃で36時間乾燥し、グラフト共重合体G−1
の白色粉末を得た。
【0042】参考例4 グラフト共重合体G−2の製
造: n−ブチルアクリレート及び1、3ーブタジエンの量を
各々5.0kg、牛脂脂肪酸カリウムの量を120g、
N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウムの量を80gと
した以外は参考例1と同様にして平均粒径0.07μm
のゴムのラテックスを得、次いで参考例3と同様にして
ゴムの肥大化を行い、ゴム粒径0.148μmのラテッ
クスを得た。
【0043】これに脱イオン水5kg、ナトリウムホル
ムアルデヒドスルホキシレート7g、N−ラウロイルザ
ルコシン酸ナトリウム10gを加え、80℃に昇温した
後、これにn−ブチルアクリレート80%、スチレン1
8.2%、1、4ーブタンジオールジアクリレート0.3%
及びアリルシンナメート1.5%からなる混合液25k
gとブチルハイドロパーオキサイド7.5gの混合物を
170分かけて滴下し、更に180分攪拌を続けて平均
粒径0.21μmの多層構造の複合ゴムラテックスを得
た。
【0044】ポリマー固形分12.5kgに相当する量
の前記の多層構造の複合ゴムラテックスをとり、これに
脱イオン水1kg、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート20g、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリ
ウム50gを加え、75℃に昇温した後、参考例3と同
様にしてグラフト用単量体混合液を滴下してグラフト重
合を行い、グラフト共重合体ラテックスL−2を得た。
また以下同様にしてグラフト共重合体G−2の乾粉を得
た。
【0045】参考例5 グラフト共重合体G−3の製
造: 40リットルの重合釜にジアルキルスルホコハク酸ナト
リウム塩70g、炭酸ナトリウム5g、過硫酸カリウム
80g及び脱イオン水20kgの混合液を入れ、70℃
に昇温した後、n−ブチルアクリレート8.0kg、ス
チレン2.0kg、アリルメタクリレート80gの混合
液を2時間かけて滴下し、ついでその温度で1時間攪拌
を続けて平均粒径0.05μmのゴムのラテックスを得
た。
【0046】こうして得たゴムラテックスを100リッ
トル重合釜に移し、これを攪拌しながら内温50℃で1
0%硫酸ナトリウム水溶液1.5kg及び10%水酸化
ナトリウム水溶液0.1kgを加えて15分間攪拌を続
けた。次いで、参考例2で得た肥大化用ラテックス15
2gを加えて30分間攪拌し、ポリマー1部あたり水1
0部、硫酸ナトリウム0.5部、N−ラウロイルザルコ
シン酸ナトリウム0.5部も混合液を添加し15分間保
持して肥大化を停止させ、平均粒径0.19μmの架橋
ゴム状共重合体のラテックスを得た。
【0047】このラテックスに対して、ナトリウムホル
ムアルデヒドスルホキシレート20g、ジアルキルスル
ホコハク酸ナトリウム50g、硫酸第1鉄30mg及び
エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム90mgを脱イオ
ン水に溶解した水溶液を加え、内温を75℃にした後、
メチルメタクリレート4320g、エチルアクリレート
180g、n−オクチルメルカプタン6.75g及びク
メンハイドロパーオキサイド16gのグラフト重合用単
量体混合液を90分かけて滴下し、適下終了後更に60
分その温度に維持してグラフト共重合体ラテックスL−
3を得た。
【0048】次いで水20kgに硫酸マグネシウム50
0gを溶解してなる水溶液にこのラテックス10kgを
入れ、50℃に昇温し、5分間保持してスラリー状重合
体を得、これを洗浄、脱水して70℃で24時間乾燥し
てグラフト共重合体G−3の白色乾粉を得た。
【0049】実施例1 球状粒子J−1の製造: 脱イオン水16kg、ポリビニルアルコール(Mw25
000、ケン化度88%)80gを50リットル重合釜
に仕込み、攪拌(攪拌数200rpm)下、内温を60℃
にした。一方、グラフト共重合体G−1(800g)、
ベンゾイルパーオキサイド32gとメチルメタクリレー
ト3.2kgを予めホモミキサーで攪拌混合することに
よって、グラフト共重合体がメチルメタクリレートに高
分散した混合物を調製した。この混合物を30分かけて
重合釜中に滴下し、滴下終了後さらに200分その温度
に維持して懸濁重合を行った。こうして得られた固形物
を水洗した後80℃で24時間乾燥し、平均粒径115
μmの球状粒子J−1を得た。
【0050】実施例2〜5 球状粒子J−2〜J−5の
製造: 表1に示す種類と量のグラフト共重合体、ベンゾイルパ
ーオキサイド(BPO)及びメチルメタクリレート(M
MA)を用い実施例1と同様にして平均粒径80〜12
0μmの球状粒子J−2〜J−5を得た。
【0051】実施例6 球状粒子J−6の製造: メチルメタクリレ−トの代わりにメチルメタクリレート
3kgとベンジルメタクリレート0.2kgを混合して
用いた以外は実施例1と同様の条件で懸濁重合し、平均
粒径105μmの球状粒子J−6を得た。
【0052】実施例7 球状粒子J−7の製造: メチルメタクリレ−トの代わりにメチルメタクリレート
3.1kgとフェニルメタクリレート0.1kgを混合
して用いた以外は実施例1と同様の条件で懸濁重合し、
平均粒径100μmの球状粒子J−7を得た。
【0053】実施例8 球状粒子J−8の製造: メチルメタクリレ−トの代わりにメチルメタクリレート
3.1kgとエチレングリコールジメタクリレート0.
1kgを混合して用いた以外は実施例1と同様の条件で
懸濁重合し、平均粒径110μmの球状粒子J−8を得
た。
【0054】実施例9 微小球状粒子の集合粒子H−1
の製造: 参考例3と同様の方法で得られたグラフト共重合体ラテ
ックスL−1(ポリマー固形分1kg)を30℃まで冷
却し、350r.p.m.の攪拌のもとで1.0%の硫
酸水溶液10gを加えて高粘度の部分凝集体を生成させ
た。次いでベンゾイルパーオキサイド(BPO)90g
を溶解させたメチルメタクリレート(MMA)9000
gを加え、しかる後に脱イオン水25kg、懸濁重合安
定剤としてのメタクリル酸メチルーアクリル酸カリウム
共重合体3%水溶液900gを添加すると、系は高粘性
状態から低粘性状態の懸濁分散液に移行した。この分散
液を60℃で3.0時間加熱してMMAを重合させた。
次いで固形物をろ別した後、60℃で24時間乾燥させ
ることによって5〜10μm程度の微小球状粒子が集合
した状態の白色の粒子H−1を得た。この粒子の平均粒
子径は100μmであった。
【0055】実施例10及び11 微小球状粒子の集合
粒子H−2及びH−3の製造: グラフト共重合体ラテックスとしてL−2及びL−3
を用い、それ以外の条件は実施例1と同様にして5〜1
0μm程度の微小球状粒子が集合した状態の白色の粒子
H−2及びH−3を得た。これらの平均粒子径はそれぞ
れ110μm及び95μmであった。
【0056】実施例12 球状粒子K−1の製造: 参考例3と同様の方法で製造したグラフト共重合体G−
1(20g)とPMMA粒子(三菱レイヨン(株)製ア
クリコンAC、平均粒径100μm)100gをジクロ
ロメタン1kgに溶解した後、さらにホモミキサーで攪
拌混合しグラフト共重合体とPMMAが高分散した分散
液を得た。この分散液を3リットルの釜に仕込み、さら
にポリビニルアルコール(Mw1500、けん化度88
%)10gを脱イオン水1kgに溶解した水溶液を加え
た。これらを攪拌下(200rpm)、37℃で24時
間加温し、系からジクロロメタンを蒸発させた。こうし
て得られた固形物をろ別し、水洗した後80℃で24時
間乾燥して平均粒子径95μmの球状粒子K−1を得
た。
【0057】実施例13 球状粒子K−2の製造: メチルメタクリレートの部分重合体(粘度100センチ
ポイズ、重合度10%)100gに対して参考例3と同
様の方法で得られたグラフト共重合体G−1(20g)
添加し、ホモミキサーを用いて約1時間攪拌することに
より均一分散せしめた後、重合開始剤として、アゾビス
(2、4ージメチルバレロニトリル)0.06部溶解さ
せ原料とした。この原料を減圧して溶存酸素を除去し、
ガスケットと2枚の強化ガラスにより形成されたセル中
に注ぎ、重合後の厚みが3mmになるようにセットし
た。重合は82℃の温水雰囲気下で60分間、130℃
の空気雰囲気下で30分行った。得られたシート状の重
合物を、クラッシャー(明来鉄工所(株)製、粉砕機、
UC−210S)にて粉砕し、平均粒子径は80μmの
粉砕粒子F−1を得た。次いでこの粉砕粒子100gを
ジクロロメタン1kgに溶解し、その他の条件は実施例
12と同様にして平均粒子径85μmの球状粒子K−2
を得た。
【0058】実施例14 球状粒子K−3の製造: PMMA粒子(三菱レイヨン(株)製、アクリコンA
C、平均粒径100μm)3.6kgとグラフト共重合
体G−1(400g)を混合し、80℃にて24時間乾
燥して得た混合物を、溶融混練し、PMMA中にグラフ
ト共重合体が高分散されたペレットを得た。尚、溶融混
練は、押出し機(大阪精機工作(株)、25M/Mベント
式押出し機、VSE−25−24型)にて、溶融温度
(200〜250℃)の条件で行った。このようにして
得られたペレットをクラッシャーにて粉砕し、平均粒子
径80μmの粉砕粒子F−2を得た。次いでこの粉砕粒
子100gをジクロロメタン1kgに溶解し、その他の
条件は実施例12と同様にして平均粒子径97μmの球
状粒子K−3を得た。
【0059】実施例15 球状粒子K−4の製造: 実施例14と同様の方法で得られた粉砕粒子F−2(1
20g)とBPO(1.2g)をグラフト共重合体とP
MMA粒子の代わりに用いた以外は実施例12と同様の
条件を採用して、(C)成分の重合開始剤を内部に取り
込んだ球状粒子K−4(平均粒子径110μm)を得
た。得られた球状粒子K−4中に残存するBPOをo−
トリジンにて発光させ吸光度を測定(島津製作所製,U
V−120−02)し、検量線により算出した結果、残
存BPO量は対ポリマー1.0重量%であった。
【0060】実施例16 球状粒子K−5の製造: 参考例3と同様の方法で製造したグラフト共重合体G−
1(400g)とPMMA粒子(三菱レイヨン(株)製
アクリコンAC、平均粒径100μm)3.6kgをク
ロロホルム50kgに溶解した後、さらにホモミキサー
で攪拌混合してグラフト共重合体とPMMAが高分散さ
れた分散液を得た。得られた分散液をスプレイドライヤ
ー(ニロ・アトマイザー製、モービルマイナー型、流量
80kg/h,内温100℃)で処理し、溶液からクロロホ
ルムを蒸発除去した。こうして得られた固形物を80℃
で24時間乾燥し、平均粒子径130μmの球状粒子K
−5を得た。
【0061】実施例17〜24 義歯床用組成物の製
造: FRPフラスコの中央部に石膏性の20×15×3mmの
直方体の陰型を置き、表2に示す組成の粉剤と液剤を混
合し、餅状になったものを陰型中に隙間ができないよう
に充填した。この際、BPOは粉剤に単純ブレンドして
用いた。このフラスコを70℃に保たれた蒸気乾燥器中
に入れ30分間予備重合を行い、その後100℃に保た
れた蒸気乾燥器中で1時間重合した。次いで20分間空
冷した後、重合物を取り出して10×15×3mmの大き
さに切断して耐衝撃性(ダインスタット衝撃強度)試験
用試験片を得、衝撃強度を測定した。また、操作性は粉
剤と液剤を混合した際の操作性の良否を感覚にて評価し
た。これらの結果を表2に示した。
【0062】実施例25〜38 義歯床用組成物の製
造: 液剤としてMMAとエチレングリコ−ルジメタクリレ−
ト(1G)もしくはトリエチレングリコ−ルジメタクリ
レ−ト(3G)を用い、それ以外は実施例17と同様に
して評価し、表3の結果を得た。
【0063】実施例39〜46 義歯床用組成物の製
造: 粉剤としてH−1〜H−3、K−1〜K−5を用いた以
外は実施例17と同様にして評価し、表4の結果を得
た。ただし、実施例45のBPOは球状粒子K−4中に
予め含まれているものである。
【0064】比較例1及び2 粉剤として実施例13のF−1または実施例14のF−
2を用いそれ以外は実施例17と同様にして評価し、表
4の結果を得た。
【0065】比較例3〜8 球状粒子の代わりに、PMMA粒子(三菱レイヨン
(株)製アクリコンAC、平均粒径100μm)とグラ
フト共重合体とをブレンドしたものを使用し、それ以外
は実施例17と同様にして評価し、表5の結果を得た。
【0066】比較例9〜17 グラフト共重合体の代わりにアクリロニトリルーブタジ
エンゴム(NBR)、スチレンーブタジエンゴム(SB
R)またはシリコーンゴム(SIR)を用い、各成分の
組成を表6のようにし、それ以外は実施例17同様にし
て評価し、表6の結果を得た。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【発明の効果】本発明の球状粒子(A)は、ゴム成分で
あるグラフト共重合体がメチルメタクリレ−ト系(共)
重合体中に分散された粒子であるために、これを義歯床
用材料の成分として使用した場合にゴム成分を義歯床用
組成物中に均一に分散させることができ、耐衝撃性が優
れた義歯床用組成物を得ることができる。またこの粒子
は形態が球状であるために義歯床用組成物中への混合操
作にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 槙野 隆之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 山崎 宏子 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 田山 末広 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 鳥谷 明弘 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分
    がグラフト重合されてなるグラフト共重合体を内部に含
    むメチルメタクリレ−ト系(共)重合体の球状粒子
    (A)。
  2. 【請求項2】 架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分
    がグラフト重合されてなるグラフト共重合体とメチルメ
    タクリレートもしくはメチルメタクリレートを含む単量
    体混合物またはそれらの部分重合体との混合物を水中に
    懸濁分散させ、単量体成分を重合させる請求項1記載の
    球状粒子(A)の製法。
  3. 【請求項3】 メチルメタクリレート系(共)重合体、
    その溶媒、及び架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分
    がグラフト重合されてなるグラフト共重合体との混合物
    を水相中または気相中に分散させ次いで溶媒を除去する
    請求項1記載の球状粒子(A)の製法。
  4. 【請求項4】 架橋ゴム状(共)重合体に硬質樹脂成分
    がグラフト重合されてなるグラフト共重合体を内部に含
    むメチルメタクリレ−ト系(共)重合体の球状粒子
    (A)、一種以上の単官能性メタクリル酸エステルまた
    は一種以上の単官能性メタクリル酸エステルと一種以上
    の多官能性メタクリル酸エステルの混合物(B)及び重
    合開始剤(C)からなる義歯床用組成物。
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