JPH0657025A - 架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体

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JPH0657025A
JPH0657025A JP21125692A JP21125692A JPH0657025A JP H0657025 A JPH0657025 A JP H0657025A JP 21125692 A JP21125692 A JP 21125692A JP 21125692 A JP21125692 A JP 21125692A JP H0657025 A JPH0657025 A JP H0657025A
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眞男 小笠
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空成形性、耐熱性、表皮材との剥離強度、
及び外観において優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
体を与えるポリオレフィン系樹脂組成物を得る。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂組成物100重量部に
対し、架橋助剤としての多官能性モノマー0.03〜8
重量部、熱分解型発泡剤1〜40重量部を含有し、ポリ
オレフィン系樹脂組成物が、自由端長鎖枝分かれ部を有
するポリプロピレン系樹脂3〜100重量%に対し、直
鎖状(通常)ポリプロピレン系樹脂30〜100重量%
及びポリエチレン系樹脂70〜0重量%の混合物を97
〜0重量%配合したものであることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋発泡用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物に関するものであり、さらに詳細に
は、耐熱性に優れ、かつ複雑な形状の二次加工も可能
で、表面に接着された各種表皮材との剥離強度に特に優
れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するのに適
したポリオレフィン系樹脂組成物及び該樹脂組成物を架
橋し、発泡してなる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂発泡体はシート状
に成形可能で、かつ柔軟性及び断熱性に非常に優れてい
る。このため、近年では自動車等の車両用内装材とし
て、特に天井、ドア、及びインストルメントパネル等に
多く使用されている。このように内装材等として用いら
れる場合には、架橋ポリオレフィン発泡体シートを真空
成形や圧縮成形、スタンピング成形により成形加工して
種々製品化が行われている。しかしながら、このときの
成形温度は、一般に120℃〜200℃と高温であるた
め、従来の架橋ポリエチレン発泡体では、耐熱性に劣り
使用できない。そこで、近年ではポリプロピレンを主成
分とするポリオレフィン系樹脂発泡体が用いられてい
る。一般にポリプロピレン系発泡体シートを上述のよう
な自動車用内装材に使用する場合には、通常、塩化ビニ
ルシートや熱可塑性エラストマーシート等の表皮材が接
着・積層されている。
【0003】接着剤としては、溶剤型、エマルジョン型
等の各種接着剤が適宜使用されている。このようにして
積層・接着されたものを所望の形状に成形加工する場合
に、ポリプロピレン系樹脂発泡体と表皮材の間で部分的
に剥離が発生し、フクレ等の現象を生じ外観上非常に問
題になる場合があった。ポリプロピレンを使用した発泡
体シートは、特公昭46−38716号公報で最初に提
案されているが、現在ではさらに温度条件も厳しくな
り、また成形体の形状がより複雑になってきているた
め、上述のようなフクレ等の問題が顕在化してきてい
る。従って、現在では、耐熱性と同時に、より優れた伸
びや材料強度が求められるようになってきている。
【0004】従来、上述のようなフクレ等の対策として
は、主に表皮材とポリオレフィン系樹脂発泡体の間の接
着性の改良が試みられている。その手段でもっとも一般
的なものは、コロナ放電処理である。これは、コロナ放
電により、オレフィン発泡体の表面のぬれ性を改良する
ものである。また、同じくぬれ性を改良する方法とし
て、特公平2−255740号公報では、硝酸塩及び/
または亜硝酸塩を用いて発泡体表面を処理する方法が提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、成形加
工温度が高温の場合、特に融点近傍の場合、表面処理に
より接着性が改良されても、樹脂組成物が溶融するた
め、接着剥離強度すなわち材料強度が低下して、所望の
製品が得られないことが多い。このため、架橋度を高め
る手段が取られたりしているが、十分な材料強度を得よ
うとすると発泡体自身の伸びがなくなってしまい、成形
加工時に発泡体自身の切断等の問題を生じる。
【0006】本発明は、架橋度を高める必要性なく、材
料強度、及び接着性(ぬれ性)の両方に優れ、さらに耐
熱性、強靱性、成形加工性にも優れ、自動車内装材とし
て外観上のフクレ等の問題を生じない架橋ポリオレフィ
ン系樹脂発泡体を製造することのできるポリオレフィン
系樹脂組成物及び該組成物を架橋発泡してなる架橋ポリ
オレフィン系樹脂発泡体を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、樹脂成分と
して自由端長鎖枝分かれを有する特定のポリプロピレン
系樹脂を用い、これに必要に応じて直鎖状(通常)ポリ
プロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂の混合物を配
合し、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を特定の割合で混合
することにより、上記目的を達成することを見出し、そ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂組成物100重量部に対し、架橋助剤としての多官能
性モノマー0.03〜8重量部、熱分解型発泡剤1〜4
0重量部を含有し、ポリオレフィン系樹脂組成物が、自
由端長鎖枝分かれ部を有するポリプロピレン系樹脂3〜
100重量%に対し、直鎖状(通常)ポリプロピレン系
樹脂30〜100重量%及びポリエチレン系樹脂70〜
0重量%の混合物を97〜0重量%配合したものである
ことを特徴としている。
【0009】また、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡
体は、上記の架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物を
架橋し、発泡してなることを特徴としている。以下、本
発明の架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物の構成成
分について説明する。
【0010】自由端長鎖枝分かれ含有ポリプロピレン系
樹脂 本発明に用いる自由端長鎖枝分かれ含有ポリプロピレン
系樹脂は、長鎖の枝分かれを有し、その端部が自由端で
あるようなポリプロピレン系樹脂であれば特に限定され
るものではないが、以下のような溶融伸張粘度の物性を
有するものが好ましい。
【0011】すなわち、メルテンレオメーター(東洋精
機社製)により測定されるポリオレフィンの溶融伸張粘
度の物性において、伸張歪速度が0.01〜1.0S-1
の範囲で測定可能な任意の2点における伸張変形歪量が
A,Bであるときのそれぞれの溶融伸張粘度η(A),
η(B)の比の最大値が下記に(式1)及び(式2)で
表される関係にあり、ゲル分を全く含まないポリプロピ
レン系樹脂が好ましい。ここで「ゲル分を全く含まな
い」とは、120℃キシレン中に24時間溶解した場
合、不溶分が全くないことを示す。
【0012】 η(B)/η(A)=3.0〜100……(式1) B/A=10 ……(式2) (ここで、A,Bは測定時における試料の伸張変形歪量
を示しており、Aの歪量は0.1〜1.0の範囲内であ
る)。
【0013】本発明で用いる自由端長鎖枝分かれを有す
るポリプロピレン系樹脂は、共重合やグラフト重合によ
り得ることができるが、商業的には、特公昭62−12
1704号公報や特公平2−298536号公報で示さ
れている方法によるものを挙げることができる。これら
の公報に開示された方法は、ポリプロピレンに電子線照
射や過酸化物処理を施すことにより、所望の自由端長鎖
枝分かれを持たせる方法である。これらの公報では、自
由端長鎖枝分かれを有するポリプロピレン系樹脂が、コ
ーティング材料や延伸フィルム、ブローフィルム用に最
適であり、かつそれらの用途向けに開発された樹脂であ
ることが示されている。
【0014】本発明者らは、伸張時に強度を発揮する自
由端長鎖枝分かれを有するポリプロピレン系樹脂に着目
し、このようなポリプロピレン系樹脂を用いることによ
り、真空成形性、耐熱性、表皮材との剥離強度及び外観
に優れた架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物が得ら
れることを見出した。本発明で用いる自由端長鎖枝分か
れを有するポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピ
レン単独重合体またはプロピレンを主成分とする共重合
体、さらにこれらの混合物のいずれでもよい。共重合体
としては、例えば、ポリプロピレン部を85重量%以上
含むポリプロピレン−αオレフィン共重合体を挙げるこ
とができる。αオレフィンとしては、エチレン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−ブテン、1−ペンテン等が例示される。
【0015】直鎖状(通常)ポリプロピレン 本発明で用いられる直鎖状ポリプロピレンは、特に限定
されるものではなく、ポリプロピレン単独重合体または
プロピレンを主成分とする共重合体、これらの混合物の
いずれでもよい。共重合体としては、例えば、ポリプロ
ピレン部を85重量%以上含むポリプロピレン−αオレ
フィン共重合体を挙げることができる。αオレフィンと
しては、エチレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテン等が
例示される。本発明で用いるポリプロピレンはメルトイ
ンデックス(以下、「MI」と略記する;ASTM D
1238により測定される)が0.05〜12であるこ
とが好ましい。さらに好ましく0.1〜10であり、最
も好ましくは0.2〜8のものである。ポリプロピレン
のMIが0.05未満ではシート化が困難となり、MI
が12以上では耐熱性が不十分となる。
【0016】ポリエチレン 本発明で用いるポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン単
独重合体またはエチレンを主成分とする共重合体、ある
いはこれらの混合物のいずれでもよい。共重合体として
は、例えば、ポリエチレン部を80重量%以上含むポリ
エチレン−αオレフィン共重合体を挙げることができ
る。αオレフィンとしては、プロピレン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブ
テン、1−ペンテン等が例示される。
【0017】本発明で用いるポリエチレンは、そのMI
が2〜40であることが好ましい。さらに好ましくは2
〜30であり、最も好ましくは2〜25である。ポリエ
チレンのMIが2未満であるとシート化する際に外観上
問題を生じ、MIが40を超えると耐熱性に問題を生じ
る。
【0018】本発明において、ポリオレフィン系樹脂組
成物中の配合割合は、自由端長鎖枝分かれ含有ポリプロ
ピレン系樹脂3〜100重量%に対し、直鎖状ポリプロ
ピレン樹脂30〜100重量%及びポリエチレン系樹脂
70〜0重量%であるポリオレフィン系樹脂混合物が9
7〜0重量%の範囲である。以上の配合割合の範囲内に
することによって、高温での物性、成形加工性、架橋度
に優れ、さらに耐熱性、強靱性、成形加工性にも優れ、
自動車内装材として外観上フクレ等の問題の起こらない
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
【0019】架橋助剤 本発明において用いる架橋助剤は、多官能性モノマー
で、かつ電子線・放射線あるいは過酸化物で橋かけ反応
を起こすものであればどのようなものでもよく、2種類
またはそれ以上を混合して用いてもよい。その代表的な
例としては、ビニル基やアリル基を1分子中に1個かあ
るいは2個以上含有する芳香族または脂肪族の化合物、
及びアクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基を
1個かあるいは2個以上含有する化合物が挙げられる。
【0020】例えばジビニルベンゼン、ジアリルベンゼ
ン、ジビニルナフタレン、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、エチルビニルベンゼン、1,9−ノナ
ンジオールジメタクリレート、1−ノナンモノメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸ト
リアリルエステル、1,2−ベンゼンジカルボン酸ジア
リルエステル、1,3−ベンゼンジカルボン酸ジアリル
エステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエス
テル及びこれらの近縁同族体が例示できる。
【0021】本発明において、上記架橋助剤は、樹脂成
分のポリプロピレン及びポリエチレン系樹脂組成物の合
計量100重量部に対し、0.03〜8重量部の割合で
配合する。0.03重量部未満では、架橋が不十分で均
質な発泡体が得られなかったり、高温での材料強度が不
十分なものとなる。架橋助剤の配合割合が8重量部を越
えると、架橋密度が上がりすぎて成形性に問題を生じ
る。架橋助剤のさらに好ましい配合割合は、0.1〜
4.5重量部の範囲内である。
【0022】熱分解型発泡剤 本発明で用いる熱分解型発泡剤は、加熱により分解ガス
を発生するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用い
てもよい。
【0023】本発明において、熱分解型発泡剤の配合割
合は、樹脂成分の合計量100重量部に対し、1〜40
重量部である。熱分解型発泡剤の配合割合が1重量部未
満であると、所望の発泡倍率が得られない。また熱分解
型発泡剤の配合割合が40重量部を越えると、気泡が破
裂したり、一部巨大気泡ができるため、均一な発泡体が
得られない。本発明において、より好ましい熱分解型発
泡剤の配合割合は、2〜35重量部である。
【0024】その他の成分 本発明において、ポリオレフィン系樹脂組成物には、そ
の目的に応じて、酸化防止剤、安定剤、顔料、金属害防
止剤等を配合することができる。酸化防止剤は、ポリプ
ロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂等の樹脂成分の合
計100重量部に対して、0.1〜5.0重量部の範囲
内で用いることが好ましい。さらに好ましい配合割合
は、樹脂成分の合計100重量部に対して、0.5〜
3.5重量部である。また、安定剤としては、フェノー
ル系、リン系、イオウ系、アミン系の公知のものがいず
れも使用できる。
【0025】成形方法 本発明において、ポリオレフィン系樹脂組成物は、各成
分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニ
ーダーミキサー、ロール等の汎用の混練装置を用いて、
熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練して、
通常、シート状に成形する。得られた樹脂組成物のシー
トに電離性放射線を照射して架橋し、その後にシートを
発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させることにより
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体とすることができる。
電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線等を
用いることができ、照射線量は通常、1〜20Mrad
である。
【0026】
【作用】本発明では、自由端長鎖枝分かれを有するポリ
プロピレン系樹脂を一定の割合で配合している。自由端
長鎖枝別れを有するポリプロピレン系樹脂は、従来一般
的に使用されているポリプロピレン系樹脂に比べ、融点
以上における溶融伸張粘度が著しく大きい。このため、
溶融伸張時における樹脂強度が強く、発泡時に樹脂自身
が均一にかつある程度の抵抗を示しながら伸びるので、
発泡体においては薄膜化等の欠陥が少なくなるという特
徴が得られる。
【0027】また、二次加工の際にも複雑な形状や深い
凹部の成形部において、伸張時の切断等の問題が無くな
るものと考えられる。さらに、従来は二次加工の際に発
泡体が切断しなくても各種表皮材と発泡剤の界面で発泡
体の材料強度が小さいため、材料を破壊し剥離してしま
うという問題があった。本発明に従えば、コロナ処理等
により十分に発泡剤と表皮剤とを接着させた場合、溶融
伸張粘度が大きいため、剪断を受けても材料自身に剥離
等の問題を生じない。従って、自動車用内装材等におい
て表面の剥離等の問題を発生しないものになると考えら
れる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 自由端長鎖枝分かれ部を有するポリプロピレン系樹脂1
0重量%に対し、通常の(直鎖状)ポリプロピレン(M
I=1.5)60重量%とポリエチレン[LLDPE]
(MI=8.0)40重量%からなるポリオレフィン系
樹脂混合物90重量%を配合し、この配合物100重量
部に対して、架橋助剤としてトリメチロールプロパント
リメタクリレート2.0重量部、さらに発泡剤としてア
ゾジカルボンアミド15重量部と適当量の酸化防止剤及
び金属害防止剤とを混合した。得られた配合物を6イン
チロールで170℃、20回転/分の速度で5分間混合
混練し、板状に成形した。得られた板状体を180℃、
100kg/cm2 の圧力で1mmのシート状にし、こ
れを4.0Mradで電子線照射して架橋した。その
後、これを250℃のオーブン中に5分間投入し、架橋
発泡体を得た。
【0029】実施例2〜7及び比較例1〜3 表1に示す処方により配合物を調整し、これを用いて実
施例1と同様にして発泡性樹脂組成物シートを作製し、
これに電子線を照射した後、シートを加熱発泡させて架
橋発泡体を得た。
【0030】発泡材としては、アゾジカルボンアミド1
5重量部を用いた。なお、表1に示した架橋助剤の略語
は以下のものを示している。 TMPT=トリメチロールプロパントリメタクリレート NOD=1、9−ノナンジオールジメタクリレート TRIAM=1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ
アリルエステル DVB=ジビニルベンゼン
【0031】
【表1】
【0032】以下、原材料の物性の測定方法及び得られ
た架橋発泡体の評価方法について説明する。 (a)溶融伸張粘度の比η(B)/η(A)について;
東洋精機社製のメルテンレオメーターを使用し、180
℃にて、ひずみ速度が0.01〜1.0S-1の範囲内に
て測定した。なお、測定用のサンプルとしては、小型押
出機にて、直径約3mm、長さ30cmのロッド状のも
のを使用した。
【0033】(b)Tm(融点)について;セイコー電
子社製DSCを用い、ポリマーサンプルを5℃/分で昇
温し、その吸熱最大ピーク温度を測定し求めた。 (c)MIについて;ASTM T1238に準じて測
定した。
【0034】(d)ゲル分率について;得られた架橋発
泡体を、120℃キシレン中(酸化防止剤として2,6
−ジタ−シャリ−ブチル−4−メチルフェノールを添
加)に、24時間溶解させ不溶物をゲルとし、乾燥さ
せ、重量を測定し、溶解前の架橋発泡体に対する割合を
重量%で表し、ゲル分率とした。
【0035】(e)真空成形性H/Dについて;得られ
た架橋発泡体の表面をコロナ放電処理し、ポリエステル
系接着剤により、PVC系表皮材(厚み:0.5mm)
をラミネート接着し、この積層発泡体を遠赤外線ヒータ
ーで発泡体の表面温度が150〜160℃になるように
加熱し、円柱状メス型金型を用いて真空成形し、その成
形時の深さHと直径Dの比率として真空成形性を評価し
た。この値が大きくなれば大きくなる程成形性が良好で
ある。
【0036】(f)外観について;得られた架橋発泡体
の表面をコロナ放電処理し、ポリエステル系接着剤によ
り、PVC系表皮材(厚み:0.5mm)をラミネート
接着し、この積層発泡体について真空成形を行い、外観
を目視により判断し評価した。 (g)発泡耐熱性について;得られた架橋発泡体シート
自身を180℃のオーブン中に3分間投入し、発泡体表
面を目視で観察評価した。
【0037】(h)表皮材との剥離強度について;得ら
れた架橋発泡体の表面をコロナ放電処理し、ポリエステ
ル系接着剤によりPVC系表皮材(厚み0.5mm)を
ラミネート接着し、この積層発泡体を熱風ヒーターによ
り150℃にて5分間加熱し、剥離テストを実施した。 各実施例及び比較例の電子線照射量および発泡倍率は表
2に示すとおりである。また、架橋発泡体の評価結果を
表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表1及び表2から明らかなように本発明に
従う実施例の各架橋発泡体は、比較例のものに比べ、真
空成形性、耐熱性、表皮材との剥離強度、及び外観にお
いて優れている。
【0040】
【発明の効果】本発明では、自由端長鎖枝分かれ部を有
するポリプロピレン系樹脂を用いることにより、外観が
良好で、しかも強靱な架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
を得ることができる。本発明に従い得られる架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡体は、高温での真空成形時に切断す
ることはなく、また表皮材との接着強度すなわち剥離時
の材料強度にも優れているため、表皮材表面におけるフ
クレ等の問題を生じることなく成形することができる。
【0041】本発明の架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂
組成物を用いることにより、外観が良好で、耐熱性に優
れ、かつ複雑な形状の二次加工も可能な架橋ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体を得ることができる。従って、自動車
内装材等の用途においては、表面に接着された各種表皮
材と発泡体との強度が特に優れたものになり、フクレ等
の問題を発生しない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂組成物100重量
    部に対し、架橋助剤として多官能性モノマー0.03〜
    8重量部、熱分解型発泡剤1〜40重量部を含有する架
    橋発泡用ポリオレフィン樹脂組成物であって、 前記ポリオレフィン系樹脂組成物が、自由端長鎖枝分か
    れ部を有するポリプロピレン系樹脂3〜100重量%に
    対し、直鎖状ポリプロピレン系樹脂30〜100重量%
    及びポリエチレン系樹脂70〜0重量%の混合物を97
    〜0重量%配合したポリオレフィン系樹脂組成物である
    ことを特徴とする、架橋発泡用ポリオレフィン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記自由端長鎖枝分かれ部を有するポリ
    プロピレン系樹脂が、メルテンレオメーター(東洋精機
    社製)により測定されるポリオレフィンの溶融伸張粘度
    の物性において、伸張歪速度0.01〜1.0S-1の範
    囲内で測定可能な任意の2点における伸張変形歪量A,
    Bであるときのそれぞれの溶融伸張粘度η(A),η
    (B)の比の最大値が下記に示す(式1)及び(式2)
    で表される関係にあり、ゲル分を全く含まないものであ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の架橋発泡用ポリ
    オレフィン系樹脂組成物。 η(B)/η(A)=3.0〜100……(式1) B/A=10 ……(式2) (ここで、A,Bは測定時における試料の伸張変形歪量
    を示しており、Aの歪量は0.1〜1.0の範囲内であ
    る。)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の架橋発泡用ポ
    リオレフィン系樹脂組成物を架橋し、発泡してなること
    を特徴とする、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
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