JPH0656856A - リン脂質誘導体 - Google Patents

リン脂質誘導体

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JPH0656856A
JPH0656856A JP5113885A JP11388593A JPH0656856A JP H0656856 A JPH0656856 A JP H0656856A JP 5113885 A JP5113885 A JP 5113885A JP 11388593 A JP11388593 A JP 11388593A JP H0656856 A JPH0656856 A JP H0656856A
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phospholipid
phospholipase
acid
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純孝 国生
Mineo Nakayama
峯雄 中山
Akira Tsunoda
昭 角田
Shigeaki Kato
重昭 加藤
Haruo Machida
晴夫 町田
Shinjiro Iwasaki
慎二郎 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なリン脂質誘導体を提供する。 【構成】 式 【化1】 式中、Aは式 【化2】 の基を示し、ここでR1及びR2はそれぞれ飽和もしくは
不飽和のC7〜C21脂肪酸残基を示し、A′は−OH又
は−O-を示し、Cはアスコルビン酸又はコージ酸残基
を示す、で表わされるリン脂質誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は新規なリン脂質誘導体に関し、さ
らに詳しくは、例えば、リポソーム形成基剤、乳化剤、
生理活性物質又はそのキャリヤー等として有用な下記式
(I)
【0002】
【化4】 式中Aは下記式
【0003】
【化5】 の基を示し、ここで、R1及びR2は同一もしくは相異な
り、それぞれ飽和もしくは不飽和のC7〜C21脂肪酸残
基を示し、A′は−OH又は−O-を示し、Cは式
【0004】
【化6】
【0005】の基を示す、で表わされるリン脂質誘導体
及びその塩に関する。
【0006】上記式(I)のリン脂質誘導体は、下記式
(II)
【0007】
【化7】 式中、Bは−(CH2)2+(CH3)3、−(CH2)2NH、
−CH2CH(NH2)COOH、−(CH2)2NHCH3
−(CH2)2N(CH3)2又は−CH2CH(OH)CH2OH
を示し、A及びA′は上記の意味を有する、で表わされ
るリン脂質をアスコルビン酸又はコージ酸と、リン脂質
と複素環アルコールとの間の転移反応を触媒するホスホ
リパーゼDの存在下に反応させることにより製造するこ
とができる。
【0008】従来、ホスホリパーゼDが、リン脂質たと
えばホスファチジルコリンのコリン塩基−リン酸エステ
ルを加水分解し、遊離塩基とホスファチジン酸を生ずる
反応を触媒することがしられている[M.Kates
Can.J.Biochem.Physiol.32
571(1954)]。
【0009】また、リン脂質たとえばレシチンとエチル
アルコールとをホスホリパーゼDの存在下に反応させる
と、リン脂質のリン酸構造部分と該リン脂質のアルコー
ル構造部分のエステル結合が加水分解されると同時にホ
スファチジル基転移作用により、ホスファチジルエタノ
ールを生成することも報告されている[R.M.Daw
son;Biochem.J.,102、205(19
67)];[S.F.Yang:J.Biol.Che
m.,242、477(1967)]。
【0010】上述のようなホスホリパーゼDのホスファ
チジル基転移作用が知られて以来、この分野における研
究が進められ、英国特許第1581810号明細書(=
西ドイツ国特許公開第2717547号)の提案が知ら
れている。この提案によれば、この提案の一般式で示さ
れたリン脂質と、水酸基、ハロゲン、アミノその他の置
換基で置換されていてもよいC5までの直鎖もしくは分
枝のアルキル基を有する一級アルコールとの前記キャベ
ツ由来のホスホリパーゼDの酵素作用を利用した一級ア
ルコール転移反応について開示されている。そして、該
反応は、5を超える炭素原子を含有しない一級アルコー
ルでのみ起り、若し、5を超える炭素原子を含有する該
アルコールの場合には、反応の主生成物は対応するホス
ファチジン酸であると記載されている。更に、該提案に
はアルコール成分の選択は、上記の要求を満した一級ア
ルコールである限り、特別な制約のないことも記載され
ている。
【0011】上記提案の発明者等であるS.Kovat
chsv及びH.Eibl等は、Adv.Exp.Me
d.Biol.,Vol.101、221(1978)
に於て、ホスホリパーゼDの酵素作用を利用した一級ア
ルコール転移反応について、C7〜C10のアルカノール
では転移反応が認められないがC6のヘキサノールにつ
いては20%の転移反応が生じたと報告している。一
方、Rokhimov,M.MはUzb.Biol.Z
h.,Vol.3,6−g(1979)に於て、C5
上のアルコール例えばC6のヘキサノールについては転
移反応は起らなかったと報告している。
【0012】R.M.Dawsonは、リン脂質として
レシチンを用い、糖類として、シユクロース、グルコー
ス及びガラクトースを夫々用い、キャベツ由来の公知ホ
スホリパーゼDによる実験の結果、レシチン基質のホス
ファチジル基のこれら糖類への転移は起らなかったこと
を報告しており[Biochsm.,J.,vol.1
02、205〜209(1967)]、また、S.F.
Yangは、グルコース及びイノシトールを用いて上記
と同様な実験の結果、糖類への転移は起らなかったこと
を報告している[J.Biol.Chem.,vol.
242、477〜484(1967)]。
【0013】上述のように、従来ホスホリパーゼDによ
るリン脂質とアルコールとの間の転移反応は、一級アル
コールとくに炭素原子数の比較的小さな単純な構造から
なる主に鎖状の一級アルコールの場合にしか生起せず、
ましてや糖類との間にはペントース及びヘキソース共に
生じないというのがこれまでの技術常識である。
【0014】本発明者等は、従来公知のキャベツ由来ホ
スホリパーゼDとは、その至適温度、至適pH等の点で
異なるホスホリパーゼD生産能を有する微生物の存在を
発見して、既に、特開昭58−63388号公報及び特
開昭58−67183号公報において提案した。
【0015】本発明者らの研究によれば、上記の新たに
発見した微生物由来のホスホリパーゼDは、リン脂質と
して、たとえばレシチンと複素環一級アルコールである
N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンとの間におけ
るリン脂質複素環アルコール誘導体の形成を触媒する作
用を有しており、このホスホリパーゼDの存在下に、前
記式(II)のリン脂質をアスコルビン酸又はコージ酸
と反応させることにより、前記式(I)で示される新規
且つ有用なリン脂質誘導体を製造することに成功した。
【0016】以下、本発明により提供される式(I)の
リン脂質誘導体及びその製造法についてさらに詳細に説
明する。
【0017】前記式(II)の原料リン脂質はそれ自体
既知の化合物であって、ジアシルエステル型、(Aが式
(i)の基を示す場合)モノアシル型(リゾ型─Aが式
(ii)の基を示す場合)のグリセロリン脂質を包含
し、これらのリン脂質はそれ自体既知の方法によって天
然物より抽出採取し又は合成することにより得ることが
できるが、市場で入手することもできる。例えば、動植
物組織から公知の手段で抽出して得られるものとしては
レシチン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリ
セロール、等がある。これらは単独或いは混合物をその
まま使用してもよいし、また、精製して用いることもで
きる。リゾ型リン脂質は上記リン脂質にホスホリパーゼ
2を作用させて調製することもできるが、市場で容易
に入手できるのもでこれを利用することができる。
【0018】一方、これらリン脂質と反応せしめられる
アスコルビン酸及びコージ酸はそれぞれ下記式
【0019】
【化8】
【0020】で示されるアルコール性水酸基含有複素環
化合物であり、天然物、合成品のいずれも使用可能であ
る。
【0021】式(II)のリン脂質とアスコルビン酸又
はコージ酸との間の転位反応に使用されるホスホリパー
ゼDは、リン脂質と複素環アルコールとの間の転位反応
を触媒する作用をもつものであり、そのようなホスホリ
パーゼDとしては、従来公知のキャベツから抽出された
ホスホリパーゼDの至適温度40℃以下、至適pH5.
4〜5.6に対して、至適温度60〜70℃、至適pH
7付近である点で公知ホスホリパーゼDと区別できる、
前記特開昭58−63388号公報及び特開昭58−6
7183号公報に記載されているホスホリパーゼD生産
菌が生産するホスホリパーゼDが挙げられる。該ホスホ
リパーゼDは、複素環一級アルコールであるN−(2−
ヒドロキシエチル)ピロリジンと前記式(II)のリン
脂質との間におけるリン脂質−複素環化合物誘導体の形
成を触媒する点で公知のホスホリパーゼDと区別でき
る。
【0022】このようなホスホリパーゼD生産菌の例と
しては、同一出願人の出願に係わる特開昭58−633
88号公報に開示されたノカルディオプシス(Noca
rdiopsis)属に属するホスホリパーゼD生産
菌、たとえばノカルディオプシス属NO779株[FE
RM−BP−512]、同一出願人の出願に係わる特開
昭58−67183号公報に開示されたアクチノマデュ
ーラ(Actinomadura)属に属するホスホリ
パーゼD生産菌、たとえばアクチノマデューラ属NO3
62株[FERM−BP−511]等を挙げることがで
きるが、前記式(II)のリン脂質を原料としてアスコ
ルビン酸又はコージ酸の転移反応を起させる作用を有す
るホスホリパーゼDであれば如何なる起源のホスホリパ
ーゼDでも用いることができる。至適温度及び至適pH
の相違及び他のいくつかの相違点と共に、下掲第1表
に、本発明で利用するホスホリパーゼDと従来公知のキ
ャベツ由来のホスホリパーゼDとの酵素学的性質の差異
を示す。
【0023】
【表1】
【0024】ホスホリパーゼDは精製品として使用する
必要はなく粗製品であってもよい。更に、適当な固定化
担体たとえばポリプロピレン膜、セライト粒、ガラスビ
ーズなどの如き各種の重合体樹脂類や無機材料の粒状物
やフィルム状物に担持固定化して利用することもでき
る。
【0025】反応は、ホスホリパーゼDの存在下に、好
ましくは溶媒中で式(II)のリン脂質とアスコルビン
酸又はコージ酸とを接触せしめることにより行うことが
できる。使用しうる溶媒の例としては、水性溶媒及び水
性溶媒と有機溶媒との混合溶媒を例示することができ
る。また、ホスホリパーゼDの酵素学的触媒作用を阻害
しない任意の他の添加剤を含む溶媒も使用することがで
き、たとえば該作用を促進したり、酵素の安定化に役立
つ適当な添加剤を含有する溶媒を用いることができる。
例えば、アルブミン、カゼイン等の蛋白質の他の酢酸、
クエン酸、リン酸などの緩衝剤を含有したり、塩化カル
シウムその他の中性塩を含有したり、タウロコール酸ソ
ーダ等の胆汁酸塩類を含有する水性溶媒を用いることが
できる。更に、有機溶媒の例としては、例えば、n−ヘ
プタン、n−ヘキサン、イソオクタンなどの如き脂肪族
炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ブタンなどの如き脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの如き芳香族炭化水素類;アセトン、
メチルイソプロピルケトンなどの如きケトン類;ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ルなどの如きエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなど
の如きエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メ
チレンなどの如きハロゲン化炭化水素類;ジメチルホル
ムアミドの如きアミド溶媒類;ジメチルスルホキシドの
如きスルホキシド溶媒類などを例示することができる。
【0026】水性溶媒を有機溶媒との混合溶媒の形で利
用する場合の両者の混合比は適当に選択できるが、例え
ば水性溶媒;有機溶媒(v/v比)の比で100:0〜
1:99の如き混合比を例示することができる。
【0027】反応モル比、ホスホリパーゼDの使用量、
溶媒の使用量などは適宜に選択することができるが、例
えば、式(II)のリン脂質1モルに対してアスコルビ
ン酸又はコージ酸約1:1〜約1:1000モルの反応
モル比を例示することができる。また、ホスホリパーゼ
Dの使用量としては、例えば、式(II)のリン脂質1
g当り約10〜約100000単位、好ましくは約10
0〜約1000単位程度の使用量を例示することができ
る。さらに、溶媒の使用量としては、例えば、式(I
I)のリン脂質に対して約2倍〜約100倍(容量)程
度の使用量を例示することができる。
【0028】反応は、室温で進行するので、とくに冷却
又は加熱の必要はないが、所望により適宜、冷却もしく
は加温条件を採用することができる。例えば、約0℃〜
約90℃、好ましくは約20℃〜約60℃の如き反応温
度を例示することができる。また反応時間も適宜に選択
できるが、例えば約1分〜約10日、好ましくは約1時
間〜約72時間の如き反応時間を例示することができ
る。所望により、たとえばTLC(薄層クロマトグラフ
ィー)などの手法を利用して反応経過を追跡し、所望の
目的物の形成を確認することにより反応時間を適宜に変
更することができる。
【0029】ホスホリパーゼDの存在下で式(II)の
リン脂質とアスコルビン酸又はコージ酸とを接触せしめ
る態様は適宜に選択できるが、撹拌もしくは振盪条件下
で行うのが普通である。また、反応は場合によっては窒
素気流中で行うことが望ましい。又、前記のように適当
な粒状物やフィルム状物担体に担持固定化した固定化酵
素の形でホスホリパーゼDを利用する場合には、例え
ば、固定化酵素膜もしくは固定化酵素粒子層を介して反
応組成液を循環ポンプを用いて通過させる態様で行うこ
とができる。
【0030】上述のようにして反応を行った後、生成す
る式(I)のリン脂質誘導体は、そのまま又は塩の形で
沈澱させて分離することができる。ここで式(I)リン
脂質誘導体の塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫
酸、燐酸等の無機酸との塩、シユウ酸、マレイン酸、乳
酸、酒石酸、フマール酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸との塩、ア
ルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸
との塩、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との
塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属と
の塩及びアンモニウム塩等があげられる。更に、該誘導
体及びその塩はケイ酸カラムクロマト、アルミナカラム
クロマト、イオン交換クロマト、高速液体クロマト、向
流分配、ゲル濾過、吸着クロマト等の適当な公知の方法
を利用して分離精製することができる。
【0031】得られる式(I)リン脂質誘導体は、すぐ
れた界面活性作用を有し細胞膜の透過性に大きな影響を
持つ。従って、式(I)のリン脂質誘導体はリポソーム
形成基剤又はリポソーム表面修飾基剤として利用できる
他、動植物細胞培養基に添加することにより有用物質生
産を誘導又は促進する効果も期待できる。また、化粧品
たとえばクリーム、乳液に配合して皮膚生理に役立つ乳
化剤として、更に脂肪系薬剤の乳化剤、殺虫剤、除草剤
などの如き農薬の乳化剤用途にも有用である。本発明に
よれば、基質となりうる多くの異った構造の中から選ば
れたリン脂質と、アスコルビン酸又はコージ酸との共存
下にホスホリパーゼDを作用させることによって多くの
リン脂質誘導体を得ることができるから、それらの中に
は、制ガン作用、血圧降下作用、血小板活性化抑制作用
を持つリン脂質誘導体の存在が期待できるし、上記以外
の生理活性作用を有するリン脂質誘導体の存在も期待で
きる。
【0032】また、アスコルビン酸又はコージ酸を、リ
ン脂質に転移させることによって、該化合物の薬理的副
作用を弱めたり或いは薬理効果を高めて、その投与量を
低減させたりすることも期待できる。さらにまた、アス
コルビン酸又はコージ酸をリン脂質に転移させて、該化
合物を患部に的確に集中させるための薬理活性化合物、
例えばビタミン、殺菌剤等のキャリヤーとして、さらに
は、薬理活性化合物の保護基として有用な役割をはたす
ことも期待できる。
【0033】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0034】
【実施例】参考例1 ホスホリパーゼDの調製 きな粉3.0%、コーンスターチ−プリカー1.0%、ペ
プトン0.5%、粉末酵母エキス0.1%、グルコース
1.0%、NH4NO3 0.25%、K2HPO40.4
%、MgSO4・7H2O 0.01%、ツウイン(Tw
een)−850.1%から成る培地(pH6.0)約1
5lを30lジャーファーメンターに入れ、120℃で
15分間滅菌後、シード培養液1.5lを植菌し、27
℃で40時間培養を行った。尚、上記シード培養液は、
澱粉1%、(NH4)H2PO4 0.25%、ペプトン0.
25%、K2HPO3 0.2%、MgSO4・7H2
0.01%を含む水溶液培地(pH6.8)100mlを
500ml坂口フラスコに入れ、蒸気殺菌後、ノカルデ
ィオプシス金属NO779株[FERM−BP−51
2]又はアクチノマデューラ属NO362株[FERM
−BP−511]の胞子を一白金耳接種し、培養温度3
0℃、120回転/分の条件で2日間振盪培養して調製
した。
【0035】培養後、菌体固形物を遠心分離により除去
し、遠心上清131(ノカルディオプシス属FERM−
BP−512株を用いた場合は0.54μ/ml;アク
チノマデューラ属FERM−BP−511株を用いた場
合は1.7μ/mlであった。)を得た。この遠心上清
を5℃に冷却した後、−20℃のアセトンを加えてアセ
トン濃度30〜70%画分に相当するホスホリパーゼD
を含む沈澱物を遠心分離により集めた。この沈澱物を、
ノカルディオプシス属FERM−BP−512株を用い
た場合にはpH6.0、アクチノマデューラ属FERM
−BP−511株を用いた場合はpH6.5のトリス−
マレイン酸に溶解し、0.02Mの同緩衝液に対して透
析した後、同緩衝液で平衡化したDEAE−セルロース
に通塔し、通過区分を集めた。次に堀内等の方法[J.
Biochem.81、1639(1977)]で調整
したパルミトイルガーゼをカラムに充填し、充分に水洗
してから上記DEAE−セルロース通過液を注入し、活
性を吸着した。これを0.05Mトリス−塩酸緩衝液
(pH7.2)で洗浄後、0.2%Triton X−1
00を含む同緩衝液を加え活性を溶出した。活性区分を
集めてバイオエンジエアリング社製の限外濾過膜(Ty
pe G−10T)を用いて濃縮した後、ゲル濾過担体
としてトヨパールHW−55F[東洋曹達(株)製]充
填カラムに注入し、蒸留水を用いて通塔し、活性区分を
集めて凍結乾燥を行った。
【0036】この乾燥粉末を、ノカルディオプシス属ホ
スホリパーゼDの場合には0.025Mイミダゾール−
塩酸(pH7.4)に溶解後、アクチノマデューラ属ホ
スホリパーゼDの場合には0.025Mトリス−酢酸
(pH8.3)に溶解後、ファルマシア・ファインケミ
カルス社製のポリバッファ交換体PBETN94(20m
l)充填カラムに通塔して活性を吸着後、同社製の溶出
用ポリバッファ(pH5.0)を用いてpH勾配により
溶出した。溶出したホスホリパーゼDの活性区分を集め
て限外濾過膜にて濃縮し、セファデックスG−75充填
カラムに通塔し、ホスホリパーゼD活性区分を集めて凍
結乾燥した。
【0037】斯くて、ノカルディオプシス属ホスホリパ
ーゼDの場合には、約40%の活性回収率で、比活性1
78.3μ/mg蛋白質として、アクチノマデューラ属
ホスホリパーゼDの場合には約43%の活性回収率で、
比活性218.3μ/mg蛋白質として、ホスホリパー
ゼDが回収された。
【0038】実施例1 下記のリン脂質 基質I:L−α−レシチン(卵黄由来 シグマ社製 純
度99%)、又は 基質II:L−α−リゾレシチン(卵黄 シグマ社製
純度99%) とアスコルビン酸又はコージ酸とを、後記TLCによる
転移生成物の生成確認方法に従って、ホスホリパーゼD
の存在下で反応させて、転移生成物の形成を確認した。
そのRf値を後掲第2表に示す。
【0039】TLCによる転移生成物の生成確認方法:
− 下記組成 1%リン脂質乳化液 0.1 ml 0.2M酢酸緩衝液(pH5.7) 0.1 ml 1M塩化カルシウム水溶液 0.01 ml 20%アスコルビン酸又はコージ酸水溶液 0.2 ml の反応液にホスホリパーゼD水溶液0.01ml(1
u)を加え、30℃で2日静置した。
【0040】尚、上記1%リン脂質乳化液は、リン脂質
100mgにジエチルエーテル1ml及び蒸留水10m
lを加え氷冷下に600W、20 kHzの条件で5分
間超音波処理して形成した。また、上記20%アスコル
ビン酸又はコージ酸は、必要に応じて1Nカセイソーダ
でpHを6.0に調整した後に用いた。
【0041】上記静置後、0.1N塩酸0.5mlを加え
反応を停止した後、5mlのクロロホルムメタノール混
液(2:1 v/v)を加えて激しく撹拌し、脂質(生
成物)を抽出した。この懸濁液を数分間静置し、下層の
クロロホルム層を分取し、30℃で減圧乾固した後、ク
ロロホルム−メタノール混液(2:1 v/v)100
μlに溶解してTLCの試料とした。このうち10μl
をシリカゲル薄層(メルク社製、シリカゲル60TLC
プレート、20×20cm)にスポットし、ジイソブチ
ルケトン−酢酸−水(40:25:5 v/v)を展開
溶媒として展開した。
【0042】スポットの検出には下記の試薬を用いた。
【0043】検出されたスポットで未分解の基質及びそ
の加水分解物以外のリン脂質のスポットが検出された場
合、これを転移生成物と認めた。
【0044】検出試薬: リン酸の呈色: Zinzadeの試薬 (Beiss U.J.Chromatog.13、1
04)1964)) 有機化合物の呈色: 50%硫酸
【0045】
【表2】 実施例2 L−α−レシチン(卵黄由来 シグマ社製 純度99%)の 10%ジエチルエーテル溶液 0.2 ml 0.2M酢酸緩衝液(pH5.7) 0.2 ml 1M塩化カルシム水溶液 0.1 ml 20%アスコルビン酸又はコージ酸水溶液 0.5 ml を共栓付き試験管中に入れpH5.7に合した後、ホス
ホリパーゼD水溶液0.1ml(10〜20u)を加え
て、30℃2日間振トウ反応させた。
【0046】次に、反応液に0.1N塩酸を2ml加え
て反応を停止した後更にクロロホルム−メタノール混液
(2:1 v/v)10mlを加えて、激しく混合し、
リン脂質を抽出した。この混合液を2000xg10分
間遠心し、下層のクロロホルム層を分取し、分取したク
ロロホルム層を更に5mlの水で洗った。この混合液か
ら遠心によって再びクロロホルム層を分取し、30℃で
減圧乾固した後、0.5mlのn−ヘキサン−2−プロ
パノール−水(60:80:12 v/v)混液に溶解
した。
【0047】この試料10ulをシリカゲル薄層(メル
ク社製 シリカゲル60TLCプレート)にスポット
し、ジイソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5
v/v)の溶媒系で展開したところ3種類のリン脂質が
検出され、そのうち2つはホスファチジン酸及びレシチ
ンとRf値が一致した。そこでこの試料を高速液体クロ
マトグラフィーによって分離精製した。カラムはラジア
ルパックカートリッジシリカ8mm×10cm(ウオー
ターズ社製)、溶媒はn−ヘキサン−2−プロパノール
−水(60:80:12 v/v)、流速2ml/分
で、ピークの検出には441型紫外線検出器(ウオータ
ーズ社製)による214nmの吸収、及びR401型示
差屈折計(ウオーターズ社製)を用いた。試料は5回に
分け0.1mlづつ注入した。
【0048】この溶媒によりホスファチジン酸、L−α
−レシチン、転移生成物であるホスファチジルアスコル
ベート又はホスファチジルコージ酸の3成分を分取し
た。得られたホスファチジルアスコルベート又はホスフ
ァチジルコージ酸はもう一度同様な操作により精製し、
精製ホスファチジルアスコルベート又はホスファチジル
コージ酸を得た。これはTLC及び高速液クロで単一で
あることを確認した。この化合物のIRスペクトルは日
本分光A202型赤外分光光度計を用い、液膜法で測定
した。その結果を第3表に示す。
【0049】
【表3】 実施例3 後掲第4表に示した下記リン脂質 基質I:L−α−レシチン、β,γ−ジヘキサデシル
(カルビオケムーベ−リング社製) 基質IV:L−α−リゾレシチン(卵黄由来、シグマ社
製) を実施例1と同様な方法で乳化し10%乳化液を調整し
た。乳化液0.2mlをそれぞれ別の共栓付試験管に入
れ、複素環アルコールとして コージ酸の20%溶液 0.5 mlを
加え、 0.2M酢酸緩衝液(pH5.7) 0.2 ml、 1M塩化カルシウム水溶液 0.1 ml、 を加え、更にホスホリパーゼD水溶液0.1ml(20
u)を加え、30℃で2日間静置した。
【0050】これらの反応液を実施例2と同様に処理し
転移生成物を得た。この化合物のIRスペクトルを第4
表に示す。
【0051】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/16 C12R 1:03) (C12N 9/16 C12R 1:01) (72)発明者 町田 晴夫 東京都日野市旭が丘2−24−4 (72)発明者 岩崎 慎二郎 東京都日野市東豊田2−21−17

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 式中Aは下記式 【化2】 の基を示し、ここで、R1及びR2は同一もしくは相異な
    り、それぞれ飽和もしくは不飽和のC7〜C21脂肪酸残
    基を示し、A′は−OH又は−O-を示し、Cは式 【化3】 の基を示す、で表わされるリン脂質誘導体及びその塩。
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