JPH0656811A - グリシジルビニルエーテルの製造方法 - Google Patents

グリシジルビニルエーテルの製造方法

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JPH0656811A
JPH0656811A JP22929692A JP22929692A JPH0656811A JP H0656811 A JPH0656811 A JP H0656811A JP 22929692 A JP22929692 A JP 22929692A JP 22929692 A JP22929692 A JP 22929692A JP H0656811 A JPH0656811 A JP H0656811A
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JP
Japan
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reaction
ether
chloroethyl
hydroxypropyl
chloro
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Withdrawn
Application number
JP22929692A
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English (en)
Inventor
Tamon Tachibana
多聞 橘
Tetsuhito Aihara
徹人 相原
Arihisa Yamaguchi
在久 山口
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Seimi Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seimi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】グリシジルビニルエーテルを工業的に安全にか
つ安価に製造する。 【構成】3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−(2−
クロルエチル) エーテルを脱塩化水素反応させて2,3
−エポキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルと
し、さらに相間移動触媒存在下に脱塩化水素反応させて
グリシジルビニルエーテルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種ポリマーの原料、
架橋剤等多方面での利用が可能なグリシジルビニルエー
テルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グリシジルビニルエーテルは、オレフィ
ン性二重結合とエポキシ基という2種類の活性基を分子
内に共有しているため、種々の反応に利用可能な有用な
物質である。例えば、二重結合を利用してのラジカル共
重合を行えば、エポキシ基を活性点として保有する反応
性ポリマーが得られる。また逆に、エポキシ基を利用し
てイオン重合を行えば、活性基として二重結合を保有し
たポリマーを得ることができる。その他、例えばゴム、
プラスチックの充填剤や硬化剤等としての用途も考えら
れる。
【0003】従来、グリシジルビニルエーテルの製造方
法としては、グリシドールとビニルエーテルを有機水銀
触媒の存在下で反応させることにより1段で製造する方
法[例えば、Macromolecular Syntheses、Vol.4, p.13
(1972)]、およびエチレンクロルヒドリンとエピクロル
ヒドリンを硫酸などの酸性触媒の存在下で反応させて3
−クロル−2−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチ
ル) エーテルとし、次いでアルカリを作用させて2,3
−エポキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルと
し、さらにアルカリを作用させてグリシジルビニルエー
テルとする3段プロセス製造法[例えば、河合和三郎、
堤繁、日本化学雑誌、第80巻第1号p.88(1959) ]が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機水銀触媒
を使用する1段製造法では、人体に対し非常に有害な有
機水銀化合物を使用しなければならず工業的に不利であ
る。また、3段プロセス製造法では、各段階の収率が低
く、特に3段目の脱塩化水素によるビニル化反応におい
ては、反応性に富むエポキシ基の存在によりエポキシ基
の重合反応が進行し、そのため収率が極めて低く、かつ
反応の制御が難しいという欠点がある。
【0005】本発明は、従来技術が有していた前述の欠
点を解消し、工業的に安全でかつ安価にグリシジルビニ
ルエーテルを製造しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の欠点を
解決すべくなされた下記発明である。3−クロル−2−
ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルを
アルカリ存在下に脱塩化水素反応させて2,3−エポキ
シプロピル−(2−クロルエチル) エーテルを経てグリ
シジルビニルエーテルを製造する方法において、少なく
とも2,3−エポキシプロピル−(2−クロルエチル)
エーテルの脱塩化水素反応において相間移動触媒を存在
させることを特徴とするグリシジルビニルエーテルの製
造方法。
【0007】本発明における出発物質である3−クロル
−2−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エー
テルは、特に限定されるものではないが、通常エチレン
クロルヒドリンとエピクロルヒドリンとを反応させて製
造される。エチレンクロルヒドリンとエピクロルヒドリ
ンはともに工業的に安価で入手可能な原料である。
【0008】3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−
(2−クロルエチル) エーテルは、その3−クロル−2
−ヒドロキシプロピル部分の脱塩化水素により2,3−
エポキシプロピル基が生じ、その2−クロルエチル部分
の脱塩化水素によりビニル基が生じる。両脱塩化水素反
応はアルカリ存在下に進行する。特に前者の脱塩化水素
反応(以下「エポキシ化」ともいう)は後者の脱塩化水
素反応(以下「ビニル化」ともいう)に比較してより温
和な条件で進行する。
【0009】本発明は、後者のビニル化を相間移動触媒
の存在下に行うものであり、これにより従来より非常に
温和な条件で反応が進行するため重合反応等の副反応も
少なく、結果的に良好な収率でグリシジルビニルエーテ
ルが得られることとなる。本発明においてはさらに前者
のエポキシ化も相間移動触媒の存在下に行うこともでき
る。
【0010】エチレンクロルヒドリンとエピクロルヒド
リンとの反応による3−クロル−2−ヒドロキシプロピ
ル−(2−クロルエチル) エーテルの製造は、任意の種
々の操作、条件にて実施することができる。通常は、酸
触媒の存在下に実施することが望ましく、酸触媒として
は濃硫酸、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、p−トルエン
スルホン酸、あるいは陽イオン交換樹脂等の固体酸触媒
が例示される。通常、無溶媒で反応を実施することがで
きるが、反応に対し不活性な溶媒を反応溶媒として用い
ることも可能である。
【0011】エチレンクロルヒドリンとエピクロルヒド
リンとの反応における反応温度としては50〜150℃
が好ましく、この範囲よりも余りに高すぎると重合等の
副反応が進み、また余りに低すぎると反応速度の点で不
利となる。反応におけるエチレンクロルヒドリンとエピ
クロルヒドリンの仕込割合は、エチレンクロルヒドリン
を過剰とするのが望ましく、過剰のエチレンクロルヒド
リンは反応終了後回収して再使用することが可能であ
る。
【0012】エチレンクロルヒドリンとエピクロルヒド
リンとの反応における反応時間としては2時間程度以下
が望ましく、余りに長い反応時間は重合等の副反応を進
行させるので好ましくない。また、そのため反応終了時
点で速やかに反応停止手段を施すのが望ましく、反応系
を反応温度よりも低い温度まで冷却し、酸触媒を反応系
から除去する方法が好適に採用され得る。酸触媒を反応
系から除去する方法としては、濃硫酸やp−トルエンス
ルホン酸等の通常の酸の場合には、水酸化ナトリウム等
のアルカリの粉末あるいは水溶液を用いて反応系を中和
することによって達成できる。また、陽イオン交換樹脂
等の固体酸触媒の場合には、濾過等により固体酸触媒を
除去することができる。
【0013】反応により得られる3−クロル−2−ヒド
ロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルは蒸留
を行うことにより、容易に単離することができる。ま
た、粗生成物をそのまま本発明の反応に用いることも可
能である。
【0014】本発明においては、3−クロル−2−ヒド
ロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルに対し
て相間移動触媒の存在下あるいは不存在下に、アルカリ
を作用させることにより、脱塩化水素反応によるエポキ
シ化が進行して2,3−エポキシプロピル−(2−クロ
ルエチル) エーテル(以下「中間体」という)が生成
し、さらに相間移動触媒の存在下にアルカリを作用させ
ることにより、脱塩化水素反応によるビニル化が進行
し、良好な収率でグリシジルビニルエーテルが得られ
る。これら2段階の脱塩化水素反応は同一系内で連続的
に実施することも可能であり、また、中間体を単離後、
脱塩化水素反応によるビニル化を実施することも可能で
ある。
【0015】本発明における相間移動触媒としては、第
四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩等の第四級
塩基性塩、18−クラウン−6等のクラウンエーテル
類、あるいはクリプタンド類等が例示できるが、工業的
には第四級塩基性塩が好ましい。また、これらの相間移
動触媒をポリスチレン等のポリマーに固定化したものも
使用し得る。
【0016】第四級塩基性塩の具体例としては、例えば
下記の化合物があげられる。トリエチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ
メチルラウリルアンモニウムクロライド、トリオクチル
メチルアンモニウムクロライド、トリブチルベンジルア
ンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、
トリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、テトラメ
チルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムヨーダイド、テトラメチルア
ンモニウムヨーダイド、
【0017】N−ベンジルピコリニウムクロライド、N
−ラウリルピコリニウムクロライド、テトラメチルアン
モニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキサイド、テトラブチルホスホニウムブロマ
イド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ
エチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニル
ホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルホスホニ
ウムヨーダイド、テトラブチルホスホニウムクロライ
ド、テトラフェニルアルソニウムクロライド、テトラエ
チルアルソニウムブロマイド。
【0018】また、反応系内で第四級イオン化すると考
えられる第三級アミン等についても相間移動触媒として
使用することができる。これら第三級アミン等の具体例
としては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、N−
メチルピペリジン、ピリジン、キノリン、1, 8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1, 5−ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノネン−5等があげられ
る。
【0019】これらの相間移動触媒の使用量は触媒種に
よって異なるものの、通常、3−クロル−2−ヒドロキ
シプロピル−(2−クロルエチル) エーテルあるいは中
間体に対して0. 0001〜1倍モルの範囲であり、特
に工業的には0. 001〜0. 2倍モルが好ましい。使
用量の増加は反応を促進するので好ましいものの、過度
の使用はコストの面で不利となる。これらの触媒は反応
終了後、回収して再使用することも可能である。
【0020】本発明において3−クロル−2−ヒドロキ
シプロピル−(2−クロルエチル)エーテルあるいは中
間体に対して作用させるアルカリとしては、種々のもの
が使用し得るが、通常は水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、ある
いはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムtert−ブトキシド等のアルコラート類が好適
に用いられる。その他水素化ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化カルシウム等も使用することができる。ま
た、アルカリの形状としては粒状、フレーク状、粉末状
等いずれの形状でも使用することができるが、粉末状の
ものが反応速度の点で有利である。
【0021】アルカリの使用量としては、3−クロル−
2−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテ
ルのエポキシ化に対して1当量、中間体のビニル化に対
して1当量が理論量であり、エポキシ化およびビニル化
を同一系内で連続的に行う場合には3−クロル−2−ヒ
ドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルの1
モル当たり2当量が理論量となるが、通常はアルカリを
過剰で使用するのが望ましい。しかし、大過剰のアルカ
リは副生成物の増加、あるいはコストの面で不利となる
ので、アルカリの使用量は通常、3−クロル−2−ヒド
ロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルあるい
は中間体に対し、それぞれ1〜5倍当量の範囲が好適で
あり、連続的に反応を行う場合には3−クロル−2−ヒ
ドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルに対
し、2〜10倍当量の範囲が好ましい。
【0022】本発明における相間移動触媒およびアルカ
リの添加は、反応開始前に一度に添加してもよいし、2
回以上に分けて反応途中で徐々に添加してもよい。ま
た、エポキシ化反応およびビニル化反応は無溶媒で実施
することもできるが、反応に対し不活性な溶媒を反応溶
媒として用いることも可能である。例えば、グリコール
エーテル類やジメチルスルホキシド等の非プロトン性の
極性有機溶媒が反応溶媒として好適である。
【0023】本発明における相間移動触媒を使用したビ
ニル化反応における反応温度は、0〜150℃の範囲か
ら選定されることが好ましく、特に室温〜80℃程度が
好ましい。反応温度は低すぎると反応速度の点で不利と
なり、高すぎると重合等の副反応が促進されるので好ま
しくない。また、反応系が不均一系であるため、反応を
促進するためには反応液の撹拌混合は十分に行う必要が
ある。
【0024】反応により得られるグリシジルビニルエー
テルは通常の技術手段により容易に単離することができ
る。例えば、固形分を濾過により除去した後、蒸留を行
うことにより単離することができる。
【0025】本発明における3−クロル−2−ヒドロキ
シプロピル−(2−クロルエチル)エーテルのエポキシ
化においては、相間移動触媒の不存在下での反応も実施
可能でありその場合、無溶媒でも実施することができる
が、反応に対し不活性な溶媒を反応溶媒として用いるこ
とも可能である。特に、反応に用いるアルカリを溶解
し、かつ生成する中間体を溶解しない溶媒を反応溶媒と
して用いるのが好ましく、例えば、水は好適な溶媒であ
る。
【0026】3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−
(2−クロルエチル) エーテルのエポキシ化において、
相間移動触媒を使用しない場合、反応温度は50〜15
0℃程度が好ましい。相間移動触媒を使用した場合、反
応温度は0〜80℃程度、特に室温〜50℃程度で反応
を行うことができる。反応により得られる中間体は単離
することなくそのまま次のビニル化反応に用いることも
可能であり、また、必要に応じ蒸留などにより精製して
次のビニル化反応に用いることも可能である。
【0027】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、かかる説明によって本発明は何等限定されるも
のではないことは勿論である。
【0028】
【実施例】
[実施例1]撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温
度計をつけた内容積2リットルの4つ口フラスコ中にエ
チレンクロルヒドリン1, 770g(22モル)を仕込
み、撹拌しながら濃硫酸11gを徐々に滴下した。滴下
終了後、加熱を開始しフラスコ内の温度を110〜11
5℃に保ちながらエピクロルヒドリン204g(2.2
モル)を滴下した。
【0029】その後同温度で2時間撹拌を続けた後、フ
ラスコ内の温度が40℃以下になるまで冷却し、水酸化
ナトリウム8. 8gを水17mlに溶解した水溶液を滴
下し30分間撹拌を行い系内を中和した。そのまま減圧
蒸留を行ったところ過剰のエチレンクロルヒドリンが
1, 580g回収された後、目的とする3−クロル−2
−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテル
が254g得られた。ガスクロマトグラフィーによる純
度は94. 2%、収率は66. 8%であった。
【0030】次に、撹拌機、温度計および滴下ロートを
つけた内容積2リットルの4つ口フラスコ中に粉末状水
酸化カリウム65g(1. 2モル)、テトラブチルアン
モニウムブロマイド19g(0. 058モル)およびジ
グライム(即ち、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル)1リットルを仕込み、この中へ先に得られた3−ク
ロル−2−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチル)
エーテル100g(0. 58モル)を滴下し、室温(2
0〜25℃)で1時間撹拌を行った。
【0031】ガスクロマトグラフィーによる分析で3−
クロル−2−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチ
ル) エーテルの消失を確認した後、50℃に加温しさら
に18時間撹拌を行った。その間、50℃加温6時間の
時点で粉末状水酸化カリウムを65g(1. 2モル)追
加した。反応終了後、固形分を濾過して除き、減圧蒸留
を行うことによりグリシジルビニルエーテル19. 3g
が得られた。ガスクロマトグラフィーによる純度は9
8. 1%、収率は33. 4%であった。
【0032】[実施例2]撹拌機、温度計および滴下ロ
ートをつけた内容積2リットルの4つ口フラスコ中にカ
リウムtert−ブトキシド112g(1. 0モル)、
テトラブチルアンモニウムブロマイド16g(0. 05
0モル)およびジグライム1リットルを仕込み、この中
へ実施例1と同様にして得られた3−クロル−2−ヒド
ロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテル86g
(0. 50モル)を滴下し、室温(20〜25℃)で5
時間撹拌を行った。その後、固形分を濾過して除き、減
圧蒸留を行うことによりグリシジルビニルエーテル1
8. 4gが得られた。ガスクロマトグラフィーによる純
度は97. 5%、収率は36. 7%であった。
【0033】[実施例3]撹拌機、温度計および滴下ロ
ートをつけた内容積1リットルの4つ口フラスコ中にナ
トリウムメトキシド32g(0. 6モル)、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド10g(0. 032モル)お
よびジグライム500mlを仕込み、この中へ実施例1
と同様にして得られた3−クロル−2−ヒドロキシプロ
ピル−(2−クロルエチル) エーテル55g(0. 32
モル)を滴下し、室温(20〜25℃)で一晩撹拌を行
った。その後、ナトリウムメトキシド32g(0. 6モ
ル)を追加し、40℃に加温しさらに10時間撹拌を行
った。固形分を濾過して除き、減圧蒸留を行うことによ
りグリシジルビニルエーテル5. 8gが得られた。ガス
クロマトグラフィーによる純度は97. 3%、収率は1
8. 2%であった。
【0034】[実施例4]撹拌機、還流冷却器、滴下ロ
ートおよび温度計をつけた内容積5リットルの4つ口フ
ラスコ中にエチレンクロルヒドリン3, 620g(45
モル)を仕込み、撹拌しながら濃硫酸22gを徐々に滴
下した。滴下終了後、加熱を開始しフラスコ内の温度を
110〜115℃に保ちながらエピクロルヒドリン41
6g(4.5モル)を滴下した。その後同温度で2時間
撹拌を続けた後、フラスコ内の温度が40℃以下になる
まで冷却し、水酸化ナトリウム18gを水36mlに溶
解した水溶液を滴下し30分間撹拌を行い系内を中和し
た。
【0035】過剰のエチレンクロルヒドリンを減圧によ
り留去した後、フラスコ内の温度が105℃になるまで
加熱し、水酸化ナトリウム140gおよび水210ml
よりなる水溶液を45分間で滴下した後、さらに同温度
で80分間撹拌した。その後フラスコ内の温度が40℃
以下になるまで冷却し、水540mlを加え分液した
後、水相をトリクロルエチレンにより2回抽出し、有機
相と合わせ水洗を行った後、減圧蒸留を行うことにより
2,3−エポキシプロピル−(2−クロルエチル) エー
テル(中間体)が309g得られた。ガスクロマトグラ
フィーによる純度は98. 6%、エピクロルヒドリンか
らの収率は50. 2%であった。
【0036】次に、撹拌機、温度計および滴下ロートを
つけた内容積2リットルの4つ口フラスコ中に粉末状水
酸化カリウム84g(1. 5モル)、テトラブチルアン
モニウムブロマイド24g(0. 073モル)およびジ
グライム1リットルを仕込み、この中へ先に得られた中
間体100g(0. 73モル)を滴下し、50℃で24
時間撹拌を行った。反応終了後、固形分を濾過して除
き、減圧蒸留を行うことによりグリシジルビニルエーテ
ル26. 5gが得られた。ガスクロマトグラフィーによ
る純度は98. 3%、収率は36. 2%であった。
【0037】[実施例5]撹拌機、温度計および滴下ロ
ートをつけた内容積1リットルの4つ口フラスコ中に粉
末状水酸化カリウム44g(0. 8モル)、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド10g(0. 04モル)およ
びジメチルスルホキシド500mlを仕込み、この中へ
実施例4と同様にして得られた中間体55g(0. 40
モル)を滴下し、40℃で20時間撹拌を行った。固形
分を濾過して除き、減圧蒸留を行うことによりグリシジ
ルビニルエーテル6. 6gが得られた。ガスクロマトグ
ラフィーによる純度は97. 3%、収率は16. 5%で
あった。
【0038】[比較例1]テトラブチルアンモニウムブ
ロマイドを使用しない点以外は実施例1とまったく同様
にして反応を行った。即ち、撹拌機、温度計および滴下
ロートをつけた内容積2リットルの4つ口フラスコ中に
粉末状水酸化カリウム56g(1.0モル)およびジグ
ライム1リットルを仕込み、この中へ実施例1と同様に
して得られた3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−
(2−クロルエチル)エーテル86g(0. 50モル)
を滴下し、室温(20〜25℃)で1時間撹拌を行った
後、50℃に加温し更に18時間撹拌を行った。その
間、50℃加温6時間の時点で粉末状水酸化カリウムを
56g(1.0モル)追加した。反応終了後、固形分を
濾過して除き、減圧蒸留を行ったがグリシジルビニルエ
ーテルはまったく得られなかった。
【0039】[比較例2]テトラブチルアンモニウムブ
ロマイドを使用しない点以外は実施例5とまったく同様
にして反応を行った。即ち、撹拌機、温度計および滴下
ロートをつけた内容積1リットルの4つ口フラスコ中に
粉末状水酸化カリウム44g(0.8モル)およびジメ
チルスルホキシド500mlを仕込み、この中へ実施例
4と同様にして得られた中間体55g(0. 40モル)
を滴下し、40℃で20時間撹拌を行った。固形分を濾
過して除き、減圧蒸留を行ったがグリシジルビニルエー
テルはまったく得られなかった。
【0040】
【発明の効果】従来に比較して温和な反応条件を採用し
て良好な収率でグリシジルビニルエーテルが得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−
    (2−クロルエチル) エーテルをアルカリ存在下に脱塩
    化水素反応させて2,3−エポキシプロピル−(2−ク
    ロルエチル) エーテルを経てグリシジルビニルエーテル
    を製造する方法において、少なくとも2,3−エポキシ
    プロピル−(2−クロルエチル) エーテルの脱塩化水素
    反応において相間移動触媒を存在させることを特徴とす
    るグリシジルビニルエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】相間移動触媒の存在下に3−クロル−2−
    ヒドロキシプロピル−(2−クロルエチル) エーテルを
    脱塩化水素反応させて1段でグリシジルビニルエーテル
    を製造する、請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】相間移動触媒の存在下あるいは不存在下に
    3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−(2−クロルエ
    チル) エーテルを脱塩化水素反応させて2,3−エポキ
    シプロピル−(2−クロルエチル) エーテルを製造し、
    次いで相間移動触媒の存在下に2,3−エポキシプロピ
    ル−(2−クロルエチル) エーテルを脱塩化水素反応さ
    せてグリシジルビニルエーテルを製造する、請求項1の
    製造方法。
  4. 【請求項4】相間移動触媒が第四級塩基性塩である、請
    求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】3−クロル−2−ヒドロキシプロピル−
    (2−クロルエチル) エーテルが、エチレンクロルヒド
    リンとエピクロルヒドリンとを反応させて製造されたも
    のである、請求項1の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002128772A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 2−グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレートの製造方法
WO2006054549A1 (ja) * 2004-11-16 2006-05-26 Daikin Industries, Ltd. 含フッ素2-クロロアクリル酸エステルの製法
JP2009185047A (ja) * 2002-09-25 2009-08-20 Daiso Co Ltd グリシジルフタルイミドの製造法

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