JPH0655960B2 - 爬虫類皮革の製造方法 - Google Patents

爬虫類皮革の製造方法

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JPH0655960B2
JPH0655960B2 JP4018304A JP1830492A JPH0655960B2 JP H0655960 B2 JPH0655960 B2 JP H0655960B2 JP 4018304 A JP4018304 A JP 4018304A JP 1830492 A JP1830492 A JP 1830492A JP H0655960 B2 JPH0655960 B2 JP H0655960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、爬虫類皮革のうちモ
ニター種のリザ−ドおよびカロンスネークの皮を用いて
柔軟性、耐ウォツシャブル性、防滑性に優れた革の製造
方法に関し、詳しくは陸や海での広範囲にわたる各種ス
ポ−ツ用、ワーキング用、服飾用、手袋用の皮革として
特徴を有する製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に小牛革、鹿革、羊革、山羊革
その他の小動物革が衣料、手袋、鞄、靴等に多く利用さ
れ爬虫類革は主として鞄物、ベルト、紙幣入れ等装飾的
な物品に多用されていることはよく知られているところ
である。その理由は、爬虫類革は本質的に牛、馬、鹿革
等にくらべてコラ−ゲン繊維の絡みが粗であるにも拘わ
らず製品が硬くなる傾向があり、手袋用革などには着目
されなかったのが実情である。
【0003】しかしながら、カロン皮(ヤスリヘビ亜
科”アクロチョウダイナ”に属し一般名カロンとして業
界では知られており東南アジヤのジャワに多く棲息する
川へびの一種)についてはDASLEDER 197
4.1 25巻 No1 第12、13頁、およびCh
emistry and technology of
novelty leather 1974.7 第2
6頁に、カロン皮は特種なもので衣料用革または手袋用
革として重要である、とあり、かなり古くから着目され
ていた事実はある。また、モニター種のリザ−ドについ
ても東南アジヤ方面で入手できる原料皮として皮革業界
では周知のものである。 しかし、それら従来の方法で
製造されたカロン革は、手袋に用いた場合柔軟性と水濡
れにたいする抵抗性いわば耐ウォツシャブル性、防滑性
に欠け、この発明で実施するところの上記欠点を改良す
るための技術に関しては何ら詳細な教示はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、普通に行われて
いた製革技術即ち、漂白工程における過マンガン酸カリ
と重亜硫酸ソ−ダによる方法では爾後の処理工程との関
連に於いて強度が低下し柔軟性に欠け、また、これらス
キンの持っている縞やまだら模様の除去が十分でなく、
手袋として好ましくない結果をもたらした。ゴルフ、マ
リン、テニス、バッティング、マウンテンバイク等の各
種スポーツ用、ドライバ−、ワーキング、服飾用等全分
野の手袋を対象とし、それらに要求される具備すべき条
件としては強度(抗張力、引裂強度、銀面の摩擦強
度)、耐すべり性、柔軟性、耐洗濯性の高い事が必要で
あり、この点カロン皮およびリザ−ド(モニター種)皮
は銀面に特有のWart(いぼ)様の突起を有しており
上記の条件を満たし高級品として趣向される。
【0005】また、なめし剤についても一般の牛皮や鹿
皮にたいして植物タンニンなめし剤、クロムなめし剤、
アルデヒドなめし剤、ジルコニウム、アルミニウム、油
等のなめし剤を用いているが、モニター種のリザードや
カロンスネークの皮を従来の方法で加工した場合製品が
硬くなり、物を握ったときフイット感に欠け汗に対して
弱く、全体的に引張強度、引裂強度、柔軟性、耐水性に
乏しく洗濯による劣化が著しく、特にスポーツ関連用品
として好適でない。染色剤についても、従来普通に用い
られている直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料
等は諸種の堅牢度が十分でなく、耐ウォツシャブル性に
問題がある。
【0006】つぎに、最も重要な課題である手袋革とし
ての永久柔軟性、耐汗性に与える抵抗性即ち水濡れによ
りぬるぬるしないこと、乾いてからも硬くならないこ
と、滑り抵抗性が永続すること等の性質は製品として最
も要求されるところである。従来加脂仕上げには、牛
脂、牛脚油、羊脂、抹香鯨油、サメ油や植物性のヒマシ
油、ヤシ油、オリ−ブ油等をアニオン、カチオン、ノニ
オン活性剤で乳化してこれを革内部に浸透充填せしめて
柔軟性を付与させている。これらは、親水性の活性成分
が革に残存し経時的に平行移行現象を起こしたり、ウエ
ットやドライクリ−ニングの反復により脱落や変質によ
り革の柔軟性と機械的強度を著しく阻害して好ましくな
く、最近ではこの加脂剤として長鎖アルキル基を有する
アミノ酸や、炭素数12〜14のアルキル基置換したベタイ
ン誘導体を用いる方法などが提唱されている。しかしな
がら、ウエットまたはドライクリ−ニングの反覆にたい
して、不変のしなやかさと、ぬるぬる感やすべり感のな
い手袋としての可酷条件下での耐性は不十分で、加えて
それらは牛、鹿、羊の革など一般の皮革に対してのもの
であって、モニター種のリザードやカロンスネーク革の
如き特殊なものの用途に関して教示を与えるものではな
い。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の、最も重要と
するところは加脂仕上げ工程において加脂剤としては従
来使用されている動物性または植物性の油脂にかえて、
特定の疎水性高分子柔軟剤と高沸点極性溶剤を併用する
ところにある。勿論、適用方法としては、四種類に一部
水を添加して水中油滴型エマルジョン形態で革に適用し
革組織内部に均一に浸透させ、乾燥中に油中水滴型とな
り、更に疎水性柔軟剤として革に充填される。また、一
部は革のクロムに配位して親水基を失い永久疎水性を発
揮し、革の表面の突起を形成する内部コラ−ゲン組織間
にも十分沈着固定されて永く手袋表面の突起がへたるこ
とはなく、物を握ったときキチッとして滑ることがな
い。
【0008】然も革のコラ−ゲン繊維束間に沈着したミ
クロンオ−ダ−の微粒子は、潤滑緩衝的役割を果たし、
手袋として永く柔軟性を保ち続け再度の水や汗の濡れに
も液切れがよく、例えばゴルフ手袋として用いた場合フ
アッション性もよくぬるぬる感もなく、よくクラブグリ
ップに密着して滑らない。この発明で用いる疎水性高分
子柔軟剤は長鎖ジアルキルスルフォコハク酸塩を主剤と
し、長鎖モノアルキル燐酸エステルおよび無水マレイン
酸ー不飽和オレフィンモノマーとの共重合体を、高沸点
で極性基を有するジエチレングリコールモノブチルエー
テルを溶剤として用い乾燥後は親水基が革中に残存する
ことなく好適な作用をもたらす。
【0009】つぎに漂白剤について、この発明で使用す
る亜塩素酸ソ−ダは、一般の繊維類や紙類の漂白剤とし
て用いられているものではあるが、生皮には多用されて
いないのが現状であリ、この発明では、まづ亜塩素酸ソ
−ダで初段処理して後、過マンガン酸カリと重亜硫酸ソ
−ダで後段処理することにより他の工程との相関関係で
製品に対して前記問題点の改善に予想外の効果をもたら
した。小牛皮その他小動物皮の漂白は、一般的には5%
程度の過マンガン酸カリ液で30分ドラミングしたの
ち、12%の重亜硫酸ソーダ液で45分ほどドラミング
するか、または合成なめし剤(一般には芳香族系のナフ
タレン、アンスラセンなどの混合物をフォルムアルデヒ
ドなどで縮合してつくる)で白色化させる方法が多々と
られているが、生皮自体に斑や縞模様を有するリザード
やカロンスネークの皮は従来例によってはきれいには除
ききれず、この発明の如く二段の処理を行うことによっ
てそれらの欠点を改良すると共に、従来法の過マンガン
酸カリ−重亜硫酸法単独で行うより革の強度(抗張力、
引裂強度等)の低下を防ぎ、漂白操作を全うすることが
出来た。
【0010】この発明において複合なめし(コンビネ−
ションなめし)する理由は、いつに革の品質改良を計る
ためであるが、通常クロムなめし後に表面を植物タンニ
ン(又は合成なめし剤)で再なめしするか、クロムなめ
しと塩基性アルミニウムなめしとの複合なめし、フォル
マリンと油でのなめし等が知られているが、リザードカ
ロンスネーク革を柔らかく均整のとれた表面に仕上げる
ものとして従来特筆されるものはなく、しかもそれらを
手袋を意図して行うこと自体非常に稀な事であった。そ
して、数多くの実験の結果次の複合なめしが予想外の物
理的強度、柔軟性、耐ウォツシャブル性、防滑性に寄与
する効果が見出されたのである。即ち、クロムなめしし
た後グルタルアルデヒドでなめす事により上記の性質が
悉く改善されたのである。ただしアルデヒドのなかでも
フォルムアルデヒドやアセトアルデヒドは耐汗性に劣る
ので好ましくない。その他に特に白革を得たい場合には
フォルマリンとジルコニウムによる複合なめしを行う方
法も推奨されるところである。
【0011】また、この発明の染色工程で最初に使用す
るビニルスルフォン系反応性染料としては市販名:Re
mazol Brill Yellow 7GL、Ye
llow GNL、Yellow RTN、Brill
Orang 3R、Brill Red 2B、Br
ill Violet 5R、Brill Blue
B、Black B(Heochst)等が使用される
が、これらは皮質の官能基と共有結合により染着し革組
織を保護して風合いを損なう事がなく、後段で用いる燐
酸化染料は染料の水酸基を燐酸エステルに変性したもの
で、クロムなめし革のクロムに配位結合することにより
染着するが、その際他の結合が起きないよう使用量の規
制を行う事は色落ちを誘起する要因を抑える意味で重要
である。
【0012】ビニルスルフォン系反応性染料のみでは革
の銀面を濃色に染色することが難しく、濃度を高める染
色手段は革を硬くするばかりでなく物理的強度を落とす
要因となる。そこに結合態様を代えて燐酸化染料を適量
使用することが反応性染料をいたづらに多く使用しなく
とも特に革の銀面が極めて濃色に染まるばかりでなく、
柔軟性や強度のすぐれた製品とし得ることを見出したの
である。後段で使用する染料としては市販名:RCR
Yellow#1、Red#19、Blue#1、Or
enge#1、Brown#21、Black P−2
が代表的なものである。
【0013】
【作用】前述のとおり、漂白を二段工程で行うこと、お
よびなめし処理を複合して行うこと、染色にビニルスル
フォン系反応性染料と燐酸化染料との二段で行ったこ
と、注目すべきこととして、加脂剤として三種の組成物
からなる特殊の疎水性柔軟剤を添加使用したことによ
り、予測の域をはるかに凌ぐ手袋革としての柔軟性と耐
ウォツシャブル性、防滑性が十二分に改善された製品が
得られた。それらの作用に関し、各工程の結合による実
験を多々繰り返した事により優れた結果をもたらすに至
ったのである。
【0014】考えられることとして、漂白工程で亜塩素
酸ソ−ダ予備処理したことで石灰漬けによっても除きき
れなかった汚物や水溶性タンパク質を除去しコラ−ゲン
繊維をほぐし縞やまだら模様を消し滑らかな皮とするこ
とが出来たのと、染色工程を二段で行い、前段でビニル
スルフォン系反応性染料を革の官能基に共有結合させた
事はもとより、後段に燐酸化染料で革のクロムに配位さ
せたことによりなめし革中に結合しているクロムイオン
との複雑な反応を完結し得たと言え柔軟性と強度を保っ
た上、洗濯の際の褪色防止を完成させた。加えて、前記
三成分からなる柔軟剤が革構成繊維のバンドルに埋設固
定されているため汗や水に対する耐性が得られたこと
と、不変の柔らかさを保つことが可能となったものであ
る。
【0015】
【実施例1、2】(1はカロンスネーク皮、2はモニタ
ー種のリザード皮で以下の〜の各工程は全く同様と
する。) 水漬け−皮革製造の最初の工程は原料皮の水洗に始
まり水槽、パドルまたは太鼓で処理するが、原料皮に付
着している泥や血液などの汚物を除去し、塩蔵皮の食塩
を十分除去すると共に吸水軟化させ、皮の中の可溶成分
とくにアルブミン、グロブリンの様なタンパク質分を溶
出させるが、細菌類による影響を受けやすいから地方や
季節によってはpHや温度の調整に注意を要する。ま
づ、ドラムに塩蔵皮を投入し略5倍の水を流水しながら
20分程回転し、そのまま新しい水を乾燥皮に対して4
00%入替え24時間漬けておく。 裏打ち−続く石灰漬けの際均一な石灰浸透を促すた
めと裏面の結締組織を除去しつつ揉みほぐしながら皮を
均整化させる。
【0016】 石灰漬け−水漬けドラム中に消石灰5
%と濃度35%の水硫化ソーダ2%を投入し約30分回
転し停止30分を二回繰り返し、以降4時間毎に5分宛
4回回転し十分に皮を膨潤させ一昼夜放置しておく。
(使用量%は絶乾皮重量に対する重量%) 脱灰、ベ−ティング−石灰漬けで高いアルカリ状態
にある皮から中間的にアルカリをのぞくためドラム中で
水洗したのち300%の水に0.3%の硫酸アンモニウ
ム、0 .5%の酸性亜硫酸ソーダを溶解した30℃の液中に
て約一時間回転させ、新たに37〜38℃の水に硫酸アンモ
ニウム0.7%酵素剤1.0%を溶解させた液を入れたパド
ルで約3時間回転させる。使用する酵素剤としては一般
的なパンクレアチン、ペプシン、トリプシン、プロテア
−ゼ、アミラ−ゼ等いづれも使用できる。
【0017】 浸酸−予備なめしとも言える処理であ
り、いちめいピックリングとも言い弱アルカリ性を呈す
る皮をクロムなめし液のpHに更に近づけるために弱酸
性にするが、この場合中性塩を添加して酸膨潤による皮
の破壊が起こらないようにする。使用する酸は、無機酸
も有機酸も使用されるがいづれも一長一短があり、この
発明では蟻酸と硫酸とを併用した。
【0018】 漂白−ピックリングを終えた皮は水洗
して酸や夾雑物を除去し、下記の処理を行う。 初段漂白 200% 水 (25℃) 20% 食塩 30% 亜塩素酸ソーダ (24時間ドラミング) 15% チオ硫酸ソーダ (1時間ドラミング) 後段漂白 200% 水 (25℃) 20% 食塩 3% 過マンガン酸カリ(30分ドラミング) 10% 重亜硫酸ソーダ (45分ドラミング) この操作によりケラチン質を分解し塩素吸着により疑似
なめし作用が生じ後段漂白によるも皮質を傷めない。
【0019】 なめし クロム予備なめし 25%クロムなめし液(塩基度33% Cr23 5%)
を加えて約2時間ドラミングし、次いで25%クロムな
めし液(塩基度41% Cr23 5%)を加えて約3時
間ドラミングして一夜浸漬して、後2%程度のNa HC
3 液でpH3.5に調節する。 グルタルアルデヒド後なめし グルタルアルデヒドの30%液を皮に対して3%となる
よう蟻酸ナトリウム1%と共に60分間ドラミングす
る。 処理後の皮は白色に近い表面の滑らかな状態であった。
【0020】 染色 一工程ではアルカリ剤としてNa2CO3 とNa2Al23
を2:1.5 の割合で用いる。 Brill Blue B(反応性染料)5% Na2SO4 20% Na2CO3 Na2Al23 } 5% ドラム中で90分染色 次いで蟻酸 2%を添加して中和し、後水洗する。二工
程で使用する燐酸化染料はクロムなめし革に配位結合せ
しめて染着するもので、配位結合以外の染着が起きない
よう適切な使用量に調整して染色を行った。 Blue #1(燐酸化染料) 0.5〜1.5% ドラム中で30分染色 次いで蟻酸 1%を添加して中和し、後水洗する。
【0021】 加脂仕上げ 水洗された染色革に下記の配合比の加脂柔軟剤を30%
注加して約1時間ドラミングして十分に革内に剤を浸透
安定化せしめ、後これを若干風乾して板張りし味取り乾
燥する。 長鎖ジアルキルスルフォコハク酸ソーダ 6部 (R:C12〜C18) 長鎖モノアルキル燐酸エステル 6部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10部 無水マレイン酸−オレフィン共重合体 6部 (オレフィン:C2 〜C5 ) 水 2部
【0022】
【比較例】 注−比較例1〜3は全てへび革カロンを使
用した。比較例1は、染色工程でクロムなめし革の染色
に多用されているスルフォン酸のソーダ塩基をもつ酸性
染料である、アシドーブルーブラックを反応性染料に代
えて5%用いた以外は実施例1・2と同様とする。結果
は後記する表1に示されている通り洗濯の反復に対して
色落ちすると共に次第に革が硬化した。比較例2は、実
施例1・2で使用した疎水性高分子柔軟剤に替えてC12
14のアルキル基で置換したベタイン誘導体と硫酸化魚
油を乳化して革に対し10%適用した。これは時間が経
過すると共に革内部で平行移動して硬さをまし、耐水性
が低く水濡れによりぬるぬる感が強く不快な感じを与え
た。比較例3は、染色も加脂も比較例1・2と同じ従来
方法に準じて行ったもので、結果的にこの発明の物とは
比較にならないものであった。
【0023】
【表1】
【0024】なお、表中の漂白工程は比較例も本発明方
法によったが、これを従来法で漂白した場合は、全体に
更に劣ることは言うまでもない。 評価────5:優れている 4:良い 3:普通
2:劣る 1:極めて劣る 引張強度──JIS K 6550 引裂強度──JIS K 6550 染色堅牢度─JIS 6086(洗濯法により革に添付
した、タテ糸毛糸、ヨコ糸ポリエステルの白布の汚染度
を級で表し、5級 が最強、1級が最弱)耐水度───JIS K 655
0(革の表面に80cmの水圧をかけ反対面に水滴の表
れるまでの時間) 柔軟度───これはJIS L 1005の剛軟度測定
法によった。数値は5回洗濯を繰り返した後の値であ
る。(試験片25mm×150mm を先端が45°の
斜面をもつ台から長さ方向にゆるやかに押出し、先端が
斜面に接したときの試験片の押出し長さ、但し、試験片
はタテ方向にとった。比較例のものは硬化により100
mm以上となる)
【0025】
【発明の効果】まづ、蜥蜴および、へびの皮を手袋用に
着目したことと、これに改良を加えて無類の柔軟性と強
度(引張、引裂、表面摩擦抵抗)の高さや色落ちがない
ようにしたこと、繰り返しの洗濯に対してぬるぬる感が
無いばかりでなく、柔らかさが失われない手袋製品を提
供したことに多大の意義を持ち高級品としての価値が極
めて高い物である。特に注目する点は、加脂剤を皮に適
用する手法として三種類の高分子物質から構成される、
加脂剤であると共に柔軟剤である組成物を発見したこ
と、並びに溶剤系の分散液で皮に沈着させたため固定が
強固であり、長期の使用に対しても変質しない特徴を持
つ。
【0026】従来の加脂剤は界面活性剤を乳化剤として
使用するため乾燥後に革内部に残るので移行したり変質
して問題を起こし、いづれにしても水に弱く、この発明
の物は溶剤と水が飛べば後には有効物質だけが残るから
優れた効果を奏するのである。つぎに、みるべき効果と
して染色工程で反応性染料を多くしてゆけば濃色には染
まるものの革のポリペプチド結合を切ってしまい強度を
著しく損なうこととなり問題があったが、燐酸化染料を
僅かに用いたことにより燐が一種のなめし作用をもたら
し、じゅう皮度を阻害することがないため革の収縮温度
も高く染色堅牢度と物理的強度を高める事が出来たので
ある。漂白においても上記事項との相乗効果をもたらす
とともに、蜥蜴やへび皮の縞やまだら模様を残すこと無
く美しい革表面を持っているので商品価値としての大切
な要因の一つである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モニター種の蜥蜴および/またはカロン
    スネークの皮を原皮とし、順次水漬け、石灰漬け、脱
    灰、酵素処理、漂白、浸酸、なめし処理、染色、加脂仕
    上げしてなめし革を製造する方法において、加脂仕上工
    程で長鎖ジアルキルスルフォコハク酸塩を主剤とし、こ
    れに長鎖モノアルキル燐酸エステルおよび無水マレイン
    酸−オレフィン共重合体からなる疎水性高分子重合体
    を、溶媒として高沸点で極性基をもつジエチレングリコ
    ールモノブチルエーテルで乳化した液を加脂剤とし、特
    定の方法で革に適用せしめることを特徴とする柔軟性、
    耐ウオッシャブル性、防滑性に富む各種スポーツ用品お
    よび各種手袋用、ガーメント用の爬虫類皮革の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 染色工程は二段で行い最初ビニルスルフ
    ォン系反応性染料で染色したのち燐酸化染料で処理する
    請求項1の爬虫類皮革の製造方法。
  3. 【請求項3】 漂白工程は最初亜塩素酸ソーダ処理し後
    過マンガン酸カリと重亜硫酸ソーダ処理する請求項1の
    爬虫類皮革の製造方法。
  4. 【請求項4】 なめし処理をクロムとグルタルアルデヒ
    ドとの複合なめしするか、またはフォルマリンとジルコ
    ニウムとの複合なめしとする請求項1の爬虫類皮革の製
    造方法。
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