JPH0655807A - サーマルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カバー機構の歪や振動に対するサーマルプリ
ンタヘッドの感度を低減または除去する。 【構成】 印刷品質劣化をもたらす、オペレータのカバ
ーへのもたれ掛かり等のカバー機構へ加えられた外力に
起因する外乱や歪からプリントヘッドを隔離するため、
カバー機構及びヘッド位置決めアーム双方に対して共通
する取付軸を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタ用の
カバー機構の外力によるゆがみ、振動などに対する感度
を低くしたプリントヘッドアセンブリを有するサーマル
プリントシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタは、プリンタの一部を
開くことによってプリンタ内の染料が付着されたいわゆ
るインクリボン等のサーマルダイ供給媒体及び／または
主にシート状の紙などからなるダイ受容媒体を交換する
手段を備えている場合が多い。プリンタを開くには、ユ
ーザはカバー機構のラッチを解放し、カバーを揺動して
媒体供給部へアクセスする。これらのカバー機構は、た
いてい上方に向けて開いたときのプリンタの頂部内に配
置されている。

【０００３】カバー機構では、幾つかのプリンタ主要部
品が取り付けられているので、カバーが開かれると、こ
れらの部品は媒体搬送通路から離れるように移動し、印
字シート等からなる新たなダイ受容媒体を容易に導入で
きるようにしている。

【０００４】このカバー機構は、機構の一側に沿ったヒ
ンジまたはピボット回転軸と、動作中はカバーを閉止状
態に保持しダイ受容媒体の導入時には開放させるラッチ
部品と、を備えている場合が多い。ラッチ作用及び開放
作用を適切に行なうため、カバーをサーマルプリンタ構
造体の係止部に堅固にロックすることはできない。

【０００５】このような構造では、重い物例えばユーザ
がカバー上にもたれ掛かった場合や本等の重い物がカバ
ー上に置かれた時に問題が生じる。すなわち、たとえカ
バーが閉止されていても、これらの重量物がカバー及び
カバーに固定された可動部品を歪ませることになり、こ
の結果、プリントヘッドの移動時にアーチファクトまた
は欠陥がプリントに生じてしまう。

【０００６】図６は従来技術のサーマルプリンタ１０を
示し（米国特許第４，８３８，７１３号参照）、プラテ
ン２０及び受容体供給スプール２２がカバー機構３０へ
固定されている。一方、カバー機構３０はカバーピボッ
ト軸３２を中心として主プリンタ構造体１２へ固定され
ている。プリントヘッド８０及びヘッド位置決め機構５
０が取り付けられたプリントヘッドアセンブリ７０は、
そのヘッドピボット軸５２を介して主プリンタ構造体１
２へ固定されている。カバー機構３０が開かれると、プ
ラテン２０はプリントヘッドアセンブリ７０から離れて
持ち上がる。カバーピボット軸３２はヘッドピボット軸
５２から大きく離れる。カバー機構３０に力が加えられ
ると、プラテン２０とプリントヘッド８０との位置ズレ
が生じ、これがカバーとヘッドピボット軸３２、５２と
の分離に直接つながってしまう。このような位置ずれに
より、印刷品質が低下する。

【０００７】サーマルプリンタの他の構成としては、部
品配置を逆にするものがある。プリントヘッドアセンブ
リをカバーに固定し、プラテンを主プリンタ構造体へ固
定する。しかし、このような構成でも、カバー及びプリ
ントヘッドアセンブリに対してピボット軸を大きく離れ
させることになる。

【０００８】このような従来のサーマルプリンタ構造に
おいては、カバー機構がプリンタの振動等の外力によっ
て生じる外乱すなわちひずみやゆがみ等の影響を被る。
これらの外乱は、プリントヘッドとプラテンとの位置ズ
レを引き起こし、印刷品質を低下させてしまう。外乱に
対するカバー機構の感度は、カバー機構のピボット軸
と、カバー機構に固定された部品即ちプリントヘッドア
センブリまたはプラテンのピボット軸と、の距離に直接
影響を及ぼす。

【０００９】本発明の目的は、サーマルプリンタヘッド
のカバー機構の歪または振動に対する感度を低減または
除去することである。

【００１０】本発明の他の目的は、印刷、導入及び排出
等プリンタ動作の種々の段階に対して最適なヘッドとプ
ラテンとの距離及び摩擦力を発生させる、プリンタ動作
中のプリントヘッド位置を多数提供することである。

【００１１】本発明の更に他の目的は、ヘッド位置決め
部品に対して精密な位置調整性能を与え、部品コストを
低減することである。

【００１２】本発明においては、プリントヘッドアセン
ブリ及びヘッド位置決め部品は、サーマルプリンタ用の
カバー機構へ固定されている。力または振動等への運動
によって引き起こされたカバー機構の歪に起因するプリ
ンタ動作中のプリントヘッド及びプリントヘッドアセン
ブリの外力等による変形等は、カバー機構のためのピボ
ット軸と、ヘッド位置決め部品のためのピボット軸をほ
ぼ同軸状に配置することで低減または排除される。

【００１３】本発明ではこれらの目的は、ローラプラテ
ン、ローラプラテンに対して保持されたダイ受容媒体、
及びダイ転送のためにダイ供給媒体を受容器及びローラ
プラテンに対してサンドイッチ状態に押圧するプリント
ヘッドと、を含むサーマルプリンタによって達成され
る。

【００１４】このプリンタは、次の各要素を含む。

【００１５】プラテンと、前記プラテンに対して保持さ
れたダイ受容媒体と、ダイ供給媒体を前記ダイ受容媒体
及びプラテンに対してサンドイッチ状態に押圧してダイ
転送を行うプリントヘッドと、を含むサーマルプリンタ
において、第１軸を軸として回転可能に取り付けられた
カバー機構であって、動作中は閉止位置でカバー機構を
保持しその他の時にはカバー機構を開放させるようにカ
バー機構に固定されたラッチ手段を含むカバー機構と、
印刷時における位置、導入時における位置及び排出時に
おける位置の各位置の間で移動可能に第２軸を軸として
回転可能に取付られたヘッド位置決めアームと、プリン
トヘッドを含み、前記ヘッド位置決めアームに応答して
前記プリントヘッドを、対応する導入、印刷及び排出時
におけるそれぞれの位置へ移動させるプリントヘッドア
センブリとを含み、前記第１軸及び前記第２軸は略同軸
状に形成されることを特徴とする。

【００１６】これによってプリントヘッドの不要動作を
低減できる。

【００１７】或いは、もしプラテンがサーマルプリンタ
のカバー機構に固定されていれば、カバー機構のピボッ
ト軸とプラテンアセンブリのピボット軸とを同心状とす
ることにより、プリントヘッドの上述したような有害な
歪または動きが低減または排除される。

【００１８】

【実施例】本発明の実施例を図１から図４を参照しなが
ら説明する。これらの部品のうち、図６に示したものと
同一のものには同一符号を付した。

【００１９】図１は、本発明に係るサーマルプリンタを
示す。ここでサーマルプリンタ１０は、作用状態が示さ
れ、カバー機構３０は閉止位置に配置されている。

【００２０】カバー機構３０には、幾つかの主要部品が
固定されている。これらの部品には、ヘッド位置決めア
ーム５０、プリントヘッドアセンブリ７０及びダイ供給
スプール２４が含まれる。主プリンタ支持構造１２は、
ローラプラテンアセンブリ２０、受容媒体搬送機構２６
及びダイ受容媒体供給部２２を含む。

【００２１】また、カバー機構３０は、カバー機構取付
シャフト３１と同軸状のカバー機構取付軸３２を軸とし
て主プリンタ支持機構１２へ取り付けられている。

【００２２】ラッチ３４が解放されると、カバー機構３
０はカバー機構取付軸３２を軸として開放位置へ回転す
る。ヘッド位置決めアーム５０は、ヘッド位置決めアー
ム取付シャフト５１と同軸のヘッド位置決めアーム取付
軸５２を軸としてカバー機構３０へ取付けられている。

【００２３】カバー機構取付軸３２及びヘッド位置決め
アーム取付軸５２は互いにほぼ同軸状に配置されてお
り、これによってカバー機構３０内の外力等による歪や
振動がヘッド位置決めアーム５０へ伝達されるのを低減
または排除する。

【００２４】これらの２つの取付軸３２、５２は独立し
た機械的構造によって設定され、或いは他の方法で接続
される。基本的要件は、それらがほぼ同軸であるという
ことである。

【００２５】同軸状であるということは、取付軸３２、
５２が、外力等によってカバー機構に歪等が発生した時
にプリントヘッドがプリントに著しい欠陥を生じるよう
な悪影響を受けないよう十分に近接することを意味す
る。

【００２６】通常のサーマルプリンタ動作には、印字用
紙等の受容媒体の導入、情報の受容媒体上への印刷、及
び印刷終了後の排出、が含まれる。図２から図４には、
これらの各動作を示す。

【００２７】プリンタの動作は、導入動作相から始ま
る。導入動作相では、プリントヘッドアセンブリを導入
位置へ移動させ、受容媒体２１のシートを印刷位置へ進
め、そしてプリントヘッドアセンブリを印刷動作のため
の準備位置に位置決めする。

【００２８】図２は、プリンタ動作が受容媒体の導入動
作時における、カバー機構及びその附属部品の、プラテ
ンアセンブリ２０及び受容媒体搬送機構２６の一部との
関係を示す。この時のプリンタ動作相では、プリントヘ
ッドアセンブリ７０及びヘッド位置決めアーム５０はそ
の排出位置でその動作を開始する。これらはヘッド位置
決めアーム５０の動作範囲内で最高走行位置すなわち走
行可能な最高位置に置かれる。

【００２９】第１カム５８は、排出位置と印刷位置との
間にある導入位置へと駆動される。ヘッド位置決めアー
ム５０に固定された第１カムフォロワ５４は第１カム５
８と接触した状態を保持する。ヘッド位置決めアーム５
０は、その取付軸５２を軸として導入位置まで回転す
る。

【００３０】この実施例において、第１カムフォロワ５
４は、摩擦を低減するためのベアリング等の回転装置で
あって、他の種類のフォロワ、例えば金属またはテフロ
ン等の他の物質から成るピンも使用可能である。

【００３１】ヘッド位置決めアーム５０上に配置された
ピン受容凹部５６は、プリントヘッドアセンブリ７０の
第１ピン７２を拘束して、一つの軸方向に移動可能とす
る。本実施例の場合には、この一つの軸方向での移動
は、垂直軸内での移動に制限している。

【００３２】導入位置では、第１ピン７２はピン受容凹
部５６の側面及び調整ネジ５７と当接する。

【００３３】調整ネジ５７は、アーム５０が印刷位置か
ら他の位置へ移動する場合、ヘッド位置決めアーム５０
が第１ピン７２と接触する点を設定する。

【００３４】更に、調整ネジ５７はまた、第２カムフォ
ロワ７６が第２カム面３６と当接するヘッド位置決めア
ーム５０の動作点を変更することもできる。

【００３５】プリントヘッドアセンブリ７０をプラテン
アセンブリ２０の方向へ押圧するスプリング７８は、第
１ピン７２をピン受容凹部５６の側面部及び調整ネジ５
７と確実に接触させる。また、第２カムフォロワ７６
は、第２カム面３６に対して押圧される。

【００３６】ヘッド位置決めアーム５０が導入位置へ移
動するにつれ、プリントヘッドアセンブリ７０はその導
入位置へ移動する。

【００３７】第２カムフォロワ７６によって、プリント
ヘッドアセンブリ７０は、ガイド７４がプラテンアセン
ブリ２０と接触するまで、プラテンアセンブリ２０に向
けて傾斜する。

【００３８】プリントヘッドアセンブリ７０がその導入
位置へ到達すると、第２カムフォロワ７６が第１カム面
３６と当接状態となり、プリントヘッド８０はプラテン
アセンブリ２０から所定距離離れた状態に置かれる。

【００３９】しかし、もし第２カムフォロワ７６が第１
カム面３６と接触しなければ、動作状態は変化しないこ
とが理解される。

【００４０】受容媒体２１のシートは、受容ガイド２８
内へ移動し、ここでプリントヘッドアセンブリ７０とプ
ラテンアセンブリ２０との間のギャップに向かう湾曲路
に追従する。受容媒体２１がこのギャップ内へ移動する
と、ダイ供給媒体２５と当接し、また、受容媒体搬送機
構２６、２７に案内される。

【００４１】受容媒体２１が適切に位置決めされると、
受容媒体２１は搬送機構２６とピンチローラ２７との間
に捕捉される。

【００４２】この実施例では、受容媒体がシート状とし
て示されているが、ロール形態で供給される受容媒体で
あっても使用可能である。

【００４３】一旦受容媒体２１が受容媒体搬送機構２６
及び２７によって堅固に保持されると、第１カム５８は
印刷位置へ向けて駆動される。

【００４４】ここで、第１カムフォロワ５４は第１カム
５８と接触したままである。また、ヘッド位置決めアー
ム５０は、印刷位置へ到達するまでその取付軸５２を軸
として回転する。

【００４５】この処理が発生すると、プリントヘッドア
センブリ７０は、プラテンアセンブリ２０へ向けて移動
して、ダイ供給媒体２５及びダイ受容媒体２１をプラテ
ンアセンブリ２０へ向けて押圧してサーマルプリントの
ためのサンドイッチ状態を形成する。

【００４６】プリントヘッドアセンブリ７０がその印刷
位置へ移動すると、ガイド７４はプラテンアセンブリ２
０と接触した状態のままとなり、第２カムフォロワ７６
は第１カム面３６から離れる方向へ移動する。

【００４７】プリントヘッドアセンブリ７０が排出位置
から導入位置へ移動し、そして印刷位置へ到達すると、
まず、ガイド７４はプラテンアセンブリ２０と当接し、
これによりプリントヘッドアセンブリ７０がプラテンア
センブリ２０の回転軸に対し位置合わせされる。

【００４８】プリントヘッドアセンブリ７０が更に移動
しつづけると、プリントヘッド８０はプラテンアセンブ
リ２０に対してほぼ直交方向へ押圧される。これによ
り、プラテンアセンブリ２０の回転軸及びガイド７４の
接点を、プラテンアセンブリ２０へ接続する面に対して
直交する軸内で、ヘッドをプラテンへ適切に位置合わせ
し、適合させる。

【００４９】この結果、プリントヘッド８０がプラテン
アセンブリ２０の回転軸とほぼ平行となる。

【００５０】導入動作相における操作が完了すると、プ
リンタ１０は印刷動作相に入る。印刷動作時には、プリ
ントヘッドアセンブリ７０が、染料供給媒体２５及び染
料受容媒体２１をプラテンアセンブリ２０に押圧し、ダ
イ受容媒体２１上に各種情報を印刷する。

【００５１】図３は、カバー機構３０、プラテンアセン
ブリ２０の固定部品、及びプリンタが印刷動作相時の受
容媒体搬送機構の一部を示す。

【００５２】この時点におけるプリンタの動作において
は、第１カム５８は印刷位置にある。第１カム面フォロ
ワ５４は第１カム５８と当接し、これによってヘッド位
置決めアーム５０がその取付軸５２を軸として、アーム
の動作範囲における最下点にまでピボット回動する。

【００５３】図３に示すように、ヘッド位置決めアーム
５０の動作範囲の最下位置では、調整ネジ５７と第１ピ
ン７２との間にギャップが存在する。このギャップは、
変更したり、或いはギャップを除去した他の実施例も可
能である。

【００５４】本発明の必要条件は、この時点におけるプ
リンタ動作で、調整ネジ５７によって第１ネジ７２に対
する上方への力が印加されない時に充足される。

【００５５】ヘッド位置決めアーム５０の位置は、第１
ピン７２がピン受容凹部５６の側面と当接するが調整ネ
ジ５７と当接しないような位置設定されている。

【００５６】プリントヘッドアセンブリ７０は、この部
品構成の以下の２つの特徴により、カバー機構３０内の
動作によって引き起こされる外乱や歪から隔離される。

【００５７】即ち、（１）カバー３０の軸３２及びヘッ
ド位置決めアーム５０の軸５２が同軸状であること、及
び（２）第１ピンがプリンタの印字動作時にピン受容凹
部５６の底部と当接しないという発想である。

【００５８】プリントヘッドアセンブリ７０には、プラ
テンアセンブリ２０に当接するガイド部材７４が固定さ
れている。この実施例では、ガイド部材７４は、プラテ
ンから独立的に回転するベアリング面でプラテンアセン
ブリ２０の両端と接触する。しかし、他の部品構成も可
能であり、例えばプラテン面と当接するガイド、プラテ
ンアセンブリにベアリングを配設しない構造や、或いは
その他の構造とすることもできる。

【００５９】プリントヘッド８０はプリントヘッドアセ
ンブリ７０へ固定され、これによって印刷動作相中に、
ダイ供給媒体２５及びダイ受容媒体２１をプラテンアセ
ンブリ２０に対して押圧する。

【００６０】プリントヘッド８０がプラテンアセンブリ
２０と接触する点は、ガイド７４の接触点からプラテン
アセンブリ２０へ向けて約９０度のところである。

【００６１】スプリング７８は、カバー機構３０とプリ
ントヘッドアセンブリ７０との間に配置されている。こ
れによってガイド７４及びプリントヘッド８０は、プラ
テンアセンブリ２０に対して押圧されることとなる。

【００６２】プリントヘッドアセンブリ７０は、更に、
印刷位置で第２カム面３６と接触しない第２カムフォロ
ワ７６を有する。第２カムフォロワ７６としては本実施
例ではベアリングを用いたが、金属またはテフロンのピ
ンであっても良く、また他の装置でも良い。

【００６３】印刷動作相が完了すると、プリントは排出
動作相に入り、この相においてプリントヘッドアセンブ
リは、プラテンアセンブリから退避し、印刷が完了した
プリントがプリンタから排出される。

【００６４】図４は、カバー機構３０及びそのプラテン
アセンブリ２０に関する部品、そしてプリンタが最終プ
リントを排出する時の受容媒体搬送機構２６の一部を示
す。印刷動作が完了すると、第１カム５８は排出位置へ
駆動される。第１カム５８の動作によって第１カムフォ
ロワ５４が押される。これによってヘッド位置決めアー
ム５０がその取付軸５２を軸としてピボット回転し、ア
ーム５０をその動作範囲の最高位置にまで上昇させる。

【００６５】ヘッド位置決めアーム５０が移動すると、
プリントヘッドアセンブリ７０の第１ピン７２が調整ネ
ジ５７及びピン受容凹部５６の側面と接触し、プリント
ヘッドアセンブリ７０がプラテンアセンブリ２０との接
触状態から離されて持ち上げられる。

【００６６】プリントヘッドアセンブリ７０が移動する
と、第２カムフォロワ７６が第２カム面部材３６と当接
し、一方ヘッド位置決めアーム５０が、その動作範囲内
の最下位置と最高位置との間の中間位置に置かれる。

【００６７】調整ネジを適切に設定することによってプ
リントヘッド８０とプラテン２０との間の導入ギャップ
が調整され、また第２カムフォロワ７６と第２カム面３
６との間の接点位置も調整される。

【００６８】ヘッド位置決めアーム５０がその最高位置
にまで移動しつづけると、第２カム面３６が第２カムフ
ォロワ７６を押圧し、これによってプリントヘッドアセ
ンブリ７０を傾斜させ、このアセンブリ７０がプラテン
アセンブリ２０から更に離れるように持ち上がる。

【００６９】第１カム５８が排出位置へ到達すると、ヘ
ッド位置決めアーム５０は、その最高位置におかれるこ
ととなり、そしてプリントヘッドアセンブリ７０がプラ
テンアセンブリ２０から持ち上げられると共に、該アセ
ンブリ２０から離れるように傾斜し、これによって受容
媒体２１上に完成したプリント、すなわち印刷が終了し
た受容媒体２１の効率的排出のためのクリアランスを与
えると共に摩擦を最小限に抑制する。

【００７０】プリントヘッドアセンブリ７０が排出位置
に配置されると、受容媒体２１をそれとピンチローラ２
７との間に捕捉する受容媒体搬送機構ローラ２６が完成
したプリントをサーマルプリンタ１０から排出するよう
に動作する。

【００７１】プリンタ作用の排出動作相が完了すると、
完全印刷サイクルが終了し、プリンタは次の印刷動作を
開始できる状態となる。

【００７２】図５（Ａ）から図５（Ｃ）は、導入、印刷
及び排出の各位置における、ヘッド位置決めアーム５０
のピン受容凹部５６と、調整ネジ５７、及びプリントヘ
ッドアセンブリ７０の第１ピン７２とを示す。

【００７３】図５（Ａ）においては、第１カム５８及び
ヘッド位置決めアーム５０が導入位置におかれている。
ここで、第１ピン７２はピン受容凹部５６及び調整ネジ
５７と当接し、この位置における調整ネジ５７の高さ
が、アーム５０が印刷位置から他の各位置へ移動するに
伴なってヘッド位置決めアーム５０が第１ピン７２と当
接する点を設定する。

【００７４】従って、調整ネジ５７により、ヘッド位置
決めアーム５０及びピン受容凹部５６の製造処理コスト
が低減され、また、アーム５０と第１ピン７２との接触
を制御することができる。

【００７５】図５（Ｂ）は、印刷位置における第１ピン
７２、ピン受容凹部５６及び調整ネジ５７を示す。

【００７６】この位置では、ピン７２は調整ネジ５７と
当接せず、これによってプリントヘッドアセンブリ７０
が、ここでは明瞭化のために図示していない図５の媒体
２１、２５及び図示しないローラプラテン２０に対して
完全に押圧される。

【００７７】前述したように、図５（Ｂ）には、調整ネ
ジ５７と第１ピン７２との間のギャップが示されてい
る。しかし、プリンタの動作中において、この点で調整
ネジ５７によって第１ピン７２へ上方への力が印加され
ない限り、ギャップのない他の実施例も可能である。

【００７８】図５（Ｃ）は、排出位置におけるピン受容
凹部５６及び調整ネジ５７と当接する第１ピン７２を示
す。

【００７９】プリントヘッドアセンブリ７０は、ヘッド
位置決めアーム５０が排出位置へ移動するにつれて第１
ピン７２を中心として回転し、第２カムフォロワ７６
（図示しない）が第２カム面３６（図示しない）を押圧
する。

【００８０】本発明の実施例においては、プリンタヘッ
ドアセンブリ及びダイ供給供給スプールがカバー機構に
固定され、プラテンアセンブリ及び受容媒体供給部が主
プリンタ構造体内に組み込まれたサーマルプリンタにつ
いて説明した。

【００８１】しかし、この構成を逆にして、カバー機構
がプラテンアセンブリ及び受容媒体供給部を含み（米国
特許第４，８３８，７１３号参照）、プリントヘッドア
センブリ及びドナー媒体供給部が主プリンタ構造体へ固
定された構成とすることも可能である。

【００８２】この変更構造では、前記実施例で説明した
ように、ヘッド位置決めアームの代わりにプラテン位置
決めアームを有し、プリントヘッドアセンブリの代わり
にプラテンアセンブリが機能する。更に、プリントヘッ
ドアセンブリは、前記実施例におけるプラテンアセンブ
リの位置に存在する。また、受容媒体供給部及びダイ供
給供給スプールは別の構成において相互交換される。

【００８３】以上説明した本発明の実施例によれば、カ
バー機構及びヘッド位置決めアーム双方に対して共通す
る取付軸により、オペレータがカバーにもたれたり、重
いものがカバーに置かれたりすることにより、カバー機
構に加えられた外力によって生じ印刷品質劣化を引き起
こす外乱や歪からヘッドを隔離することができる。

【００８４】またさらに、以下のような効果を有する。

【００８５】１．印刷時に、プリントヘッドがローラプ
ラテンに対して垂直な軸内で浮上するので、これによっ
て印刷品質を低下させる機械的外乱からヘッドを更に隔
離させることができる。

【００８６】２．プリントヘッドアセンブリ上の第１ピ
ンの構成は、このピンがヘッド位置決めアーム上のピン
受容凹部の底部と当接しないようになっている。従っ
て、カバー機構またはプリンタ構造の他の部品の動作に
よって生じた振動及び外乱からプリントヘッドアセンブ
リを隔離することができる。

【００８７】３．導入時に、プリントヘッドアセンブリ
はローラプラテンから若干の距離隔離されるので、これ
によってドナー媒体、受容媒体及びローラプラテンに対
する圧力が減少される。従って、受容媒体は、受容媒体
搬送通路に沿って低減された摩擦レベルで案内されるこ
とができる。

【００８８】４．排出時、プリントヘッドアセンブリ
は、ローラプラテンの一側に対してより長い距離を接離
移動されることで排出処理中における媒体動作に対する
面積が大きくなり、この結果、作用速度が増大する。

【００８９】５．プリントヘッドアセンブリのガイド手
段により、プリントヘッドがローラプラテンへ確実、か
つ適切な位置決めがなされる。

【００９０】６．弾性スプリング部材によってプリント
ヘッドアセンブリがローラプラテンに対して付勢され、
これによってガイド手段をローラプラテンに対して適切
に取り付けることが可能となる。

【００９１】７．弾性スプリング部材はまた、第１カム
フォロワを第１カム面へ付勢し、これによってプリント
ヘッドアセンブリが全ての作用中において適切に位置決
めされる。

【００９２】８．ガイドがプラテンアセンブリとまず接
触し、その後プリントヘッドと接触することにより、プ
リントヘッドをプラテンアセンブリへ高精度で位置決め
することが可能となる。

【００９３】９．アームが印刷位置から他の位置へ移動
するに伴い、ヘッド位置決めアームと第１ピンとの間の
接点を調整ピンが設定し、これによってヘッド位置決め
アームに対する部品コストが低減される。

【００９４】本発明は、その好適な実施例を特に参照し
つつ説明してきたが、本発明の思想及び範囲内で種々の
変更改良が可能である。

【００９５】

【発明の効果】以上述べたように本発明のサーマルプリ
ンタ機構によれば、カバー機構及びヘッド位置決めアー
ム双方に対して共通する取付軸により、オペレータがカ
バーにもたれたり、重いものがカバーに置かれたりする
ことにより、カバー機構に加えられた外力によって生じ
印刷品質劣化を引き起こす外乱や歪からヘッドを隔離す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るサーマルプリンタの断面図であ
る。

【図２】導入位置における図１のプリントヘッドアセン
ブリ、ヘッド位置決め機構及びカバー機構の断面図であ
る。

【図３】印刷位置における図１のプリントヘッドアセン
ブリ、ヘッド位置決め機構及びカバー機構の断面図であ
る。

【図４】排出位置における図１のプリントヘッドアセン
ブリ、ヘッド位置決め機構及びカバー機構の断面図であ
る。

【図５】ヘッド位置決めアームとプリントヘッドアセン
ブリを示す図である。

【図６】プラテンがカバー機構に固定された従来技術の
サーマルプリンタを示す図である。

【符号の説明】

１０ プリンタ １２ 主プリンタ支持構造体 ２０ プラテンローラアセンブリ ３０ カバー機構 ３２、５２ 取付軸 ５０ ヘッド位置決めアーム

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｊ 25/312 25/316 8907−2Ｃ Ｂ４１Ｊ 3/20 １１７ Ａ 25/28 Ｈ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンと、 前記プラテンに対して保持されたダイ受容媒体と、 ダイ供給媒体を前記ダイ受容媒体及びプラテンに対して
   サンドイッチ状態に押圧してダイ転送を行うプリントヘ
   ッドと、を含むサーマルプリンタにおいて、 第１軸を軸として回転可能に取り付けられたカバー機構
   であって、動作中は閉止位置でカバー機構を保持し、そ
   の他の時にはカバー機構を開放させるようにカバー機構
   に固定されたラッチ手段を含むカバー機構と、 印刷時における位置、導入時における位置及び排出時に
   おける位置の各位置の間で移動可能に第２軸を軸として
   回転可能に取付られたヘッド位置決めアームと、 プリントヘッドを含み、前記ヘッド位置決めアームに応
   答して前記プリントヘッドを、対応する導入、印刷及び
   排出時におけるそれぞれの位置へ移動させるプリントヘ
   ッドアセンブリとを含み、 前記第１軸及び前記第２軸は略同軸状に形成されること
   を特徴とするサーマルプリンタ。