JPH0655717A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JPH0655717A
JPH0655717A JP4214039A JP21403992A JPH0655717A JP H0655717 A JPH0655717 A JP H0655717A JP 4214039 A JP4214039 A JP 4214039A JP 21403992 A JP21403992 A JP 21403992A JP H0655717 A JPH0655717 A JP H0655717A
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啓 青木
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広宣 青島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的物性(強度、柔軟性)、耐熱性、耐油
性を有し、高温での処理、使用に耐え、ガスバリヤー性
にも優れ且つヒートシール性も良好で食品包装用等の材
料として好適な積層フィルムを提供する。 【構成】 酸成分として芳香族ジカルボン酸残基を主体
とし、ジオール成分として1,4 −ブタンジオール残基を
主体とするポリエステル共重合体より成り、その結晶化
熱(ΔH)が10ジュール/グラム(J/g)以上であ
り、引張弾性率が3000〜10000kgf/cm2 である基層結晶
性ポリエステルフィルム(A)の少なくとも片側表面
に、結晶化熱(ΔH)が10J/g未満の非晶性又は低結
晶性ポリエステル共重合体から成るポリエステルフィル
ム(B)を積層して成る積層ポリエステルフィルム。
(但し、結晶化熱(ΔH)は、走査型示差熱量測定装置
(DSC)を用い、250 ℃にて3分間溶融保持した試料を10
℃/分の速度で降温した時の結晶化温度で発生する熱量
(ピーク面積)と測定試料の重量から算出される値であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着性特にヒートシー
ル性に優れ且つ耐熱性及び機械的物性に優れた積層ポリ
エステルフィルムに関し、特に食品等の包装用フィルム
としてレトルト処理等の高温処理が可能で、しかもヒー
トシール性に優れシール強度の高い積層ポリエステルフ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
包装材料等に用いられるフィルムは、ポリエチレンの如
きポリオレフィン系樹脂フィルムが一般的である。しか
しながら、これらポリオレフィン系樹脂フィルムは、ヒ
ートシール性はほぼ良好であるが、機械的物性、耐熱温
度が低い事、ガスバリヤー性に劣る事、それ自体特有の
臭気を発する事など欠点が多い。そのため特に近年、食
品包装をはじめ、多くの包装材料として上記物性の要求
される用途には不適当な場合が多く、その用途が少なか
らず限定されるのが実情である。これに対し、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)系又はポリブチレンテレ
フタレート(PBT)系樹脂で代表されるポリエステル
系樹脂フィルムは、広い温度範囲にわたって安定した性
質を示し、強力で寸法安定性、耐油性に優れており包装
材料として注目されている。特にPBTフィルムは、そ
の結晶化速度が速いために、2軸延伸や製膜後に特別の
熱処理を施さずとも機械的物性、耐熱性、寸法安定性、
ガスバリヤー性、耐油性等に優れたフィルムが得られ、
これらの物性を必要とする用途に好適である。しかしな
がらPBTの如き結晶性ポリエステルフィルムはヒート
シール性に劣り、ヒートシールするのに高温を要し、し
かもシール温度の範囲が狭く、シール加工に際し厳密な
条件管理を要するのみならず、たとえシール出来てもシ
ール強度が極めて低い等の問題点を有し、包装用フィル
ムとして多く利点を有しているにも拘らず、その用途が
限定されていた。かかる問題点を改善する方法として例
えば特開平3−149253号公報ではPBT樹脂にポリカー
ボネート樹脂を配合することにより、ヒートシール温度
幅を拡大し、ヒートシール性の向上をはかる方法が提案
されている。又、ポリエステルを構成する成分として多
量のコモノマー単位を導入したコポリエステルを使用す
ることによってシール温度を下げ、シール温度範囲を拡
大し、そのヒートシール性を補う方法も考えられるが、
この様にコポリマーユニットを多量に導入したり、他の
樹脂成分を多量に配合したポリエステルフィルムは、ヒ
ートシール性は改良されるものの結晶性が消失し、材料
自体の耐熱性、機械的物性、耐油性等が低下し、本来の
結晶性ポリエステルとしての利点が消失しやはり好まし
くない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点に鑑み、機械的物性(強度、柔軟性)、耐熱性、耐
油性等を有し、しかもヒートシール性の良好なフィルム
を得るべく鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエステル
樹脂フィルムを基体とし、少なくともその片側表面に特
定の別のポリエステル樹脂フィルムを積層加工すること
により、上記問題点を解決し、高温での処理、使用に耐
え、機械的物性、ガスバリヤー性にも優れ且つヒートシ
ール性も良好で食品包装用等の材料として好適な積層フ
ィルムを完成した。即ち本発明は、酸成分として芳香族
ジカルボン酸残基を主体とし、ジオール成分として1,4
−ブタンジオール残基を主体とするポリエステル共重合
体より成り、その結晶化熱(ΔH)が10ジュール/グラ
ム(J/g)以上であり、引張弾性率が3000〜10000kgf
/cm2 である基層結晶性ポリエステルフィルム(A)の
少なくとも片側表面に、結晶化熱(ΔH)が10J/g未
満の非晶性又は低結晶性ポリエステル共重合体から成る
ポリエステルフィルム(B)を積層して成る積層ポリエ
ステルフィルムである。(但し、結晶化熱(ΔH)は、
走査型示差熱量測定装置(DSC)を用い、250 ℃にて3分
間溶融保持した試料を10℃/分の速度で降温した時の結
晶化温度で発生する熱量(ピーク面積)と測定試料の重
量から算出される値である。)本発明の積層フィルムを
構成する基層となるフィルム(A)は機械的物性と耐熱
性に優れ、且つガスや臭気のバリヤー性に優れている必
要がある。このため基層(A)を構成するポリエステル
は酸成分として芳香族ジカルボン酸残基を主体としジオ
ール成分として1,4 −ブタンジオール残基を主体として
成る結晶性ポリエステル共重合体であって、その結晶性
を示す結晶化熱(ΔH)が10J/g以上であることを特
徴とするものである。上記のポリエステルは製膜時に容
易に結晶化し、二軸延伸加工や製膜後に特別の熱処理を
要することなく結晶化し、所望の物性が得られる。本発
明の基層フィルム(A)のポリエステルを構成する主た
る芳香族ジカルボン酸酸成分としては、テレフタル酸残
基、2,6 −ナフタレンジカルボン酸残基等があげられ、
特にテレフタル酸残基であることが好ましい。又、ジオ
ール成分としては主として1,4 −ブタンジオール残基を
主体とする共重合体である。又、本発明の基層フィルム
(A)は適度の柔軟性を有することが好ましく、このた
めには引張弾性率が3000〜10000kgf/cm2 であることが
必要であり、好ましくは3000〜 8000kgf/cm2 である。
かかる基層フィルム(A)の引張弾性率は、積層フィル
ムの使用目的等により上記範囲より任意に選択すること
が出来るが、低過ぎると柔軟に過ぎて不都合なことが多
く、又、PBTホモポリマーの如く10000kgf/cm2 を越
えるものは柔軟性に乏しく、やはり好ましくない場合が
多い。又、基層フィルム(A)を構成するポリエステル
樹脂の融点は耐熱性の面から160 〜215 ℃であることが
好ましく、特に好ましくは 180〜215 ℃である。かかる
基層フィルム(A)の結晶性(結晶化熱ΔH)、引張弾
性率、融点を満足するためにはポリエステルを構成する
酸成分、及びジオール成分として前記芳香族ジカルボン
酸残基及び1,4 −ブタンジオール残基より成る主成分の
他に、他の酸成分及び/又はジオール成分を少量導入し
たポリエステル共重合体であることが好ましい。かかる
共重合成分として好ましいのは、酸成分としてはイソフ
タル酸、或いはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸、タプシン酸等で例示される
-OOC-(CH2)n-COO- (n は4〜40)の構造を有する脂肪
族ジカルボン酸があげられる。またダイマー酸のような
分岐鎖を有し、あるいは一部に不飽和結合を有するよう
な炭素数20〜40の長鎖分岐脂肪族ジカルボン酸があげら
れる。又、もう一方の共重合成分であるジオール成分と
しては、エチレングリコール、1,3 −プロパンジオー
ル、1,3 −ブタンジオール、1,5 −ペンタンジオール、
1,6 −ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、デ
カメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
シクロヘキサンジオール或いはポリオキシアルキレング
リコール等が挙げられる。特に本発明の場合、基層ポリ
エステル樹脂(A)を構成する共重合成分としてはアジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボ
ン酸が、耐熱性、柔軟性、耐衝撃性が良好となるので好
ましい。中でもドデカンジカルボン酸が最も好適であ
る。
【0004】かかる共重合成分の導入量は、その結晶性
が結晶化熱として10g/J以上で、且つ引張弾性率3000
〜10000kgf/cm2 を保つ量に限定される。一般に上記共
重合成分が少ない場合には結晶性(ΔH)が向上し、引
張弾性率が向上して柔軟性が低下し、又、過大の場合に
は結晶性(ΔH)、融点、引張弾性率等が低下し、本発
明の目的とする強度、耐熱性等が低下して好ましくな
い。本発明の基層フィルム(A)の要件であるΔH及び
引張弾性率等を満足するためのPBT系ポリエステルの
共重合成分とその量は上記の観点から容易に決定され
る。例えば共重合成分がドデカンジカルボン酸より成る
共重合ポリエステルである場合は、全酸成分に対し、5
〜25モル%である。
【0005】次に本発明の積層フィルムを構成する他の
フィルム層(B)は、特にヒートシール性を補う目的の
ためのものであり、このためヒートシール加工性に優れ
たものとする必要がある。即ちヒートシール可能温度が
適切で、しかもその温度巾が大でありシール強度が高い
ことが望ましい。又、前記基層フィルム(A)との親和
性が良好で積層加工した場合に基層フィルム(A)との
接着性がよく、又、基層フィルム(A)と積層化した場
合に収縮性の差等による変形、歪を生じないことが必要
である。特に、ヒートシール性の観点から、180 ℃以下
のシール温度で、好ましくは160 ℃以下のシール温度で
ヒートシール出来ることが望ましい。かかる特性はフィ
ルム層(B)の構成材料として少なくともΔHが10J/
g未満、好ましくは5J/g以下の非晶性又は低結晶性
のポリエステルを使用することによって、上記の目的が
達成されることが確認された。従って、先に述べた基層
ポリエステル樹脂(A)の如く、ΔHが10J/g以上の
ポリエステルはヒートシール性に乏しく、シール層
(B)としては好ましくない。かかる表層(B)を構成
するポリエステルとしては一般に、その酸成分又はジオ
ール成分、或いはその両成分が二種以上から成る共重合
ポリエステルとし、その共重合成分を比較的多量に導入
したポリエステル共重合体を用いることにより達成され
る。かかるポリエステル共重合体の構成成分は特に限定
する必要はなく、例えば酸成分としては各種芳香族ジカ
ルボン酸または脂環式カルボン酸、及び脂肪族ジカルボ
ン酸から選ばれ、又ジオール成分としてはエチレングリ
コール、1,3 −プロパンジオール、1,3 −ブタンジオー
ル、1,4 −ブタンジオール、1,5 −ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオール、デ
カメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環
式グリコール、あるいはエトキシ化ビスフェノールA、
エトキシ化ビスフェノールS等の芳香族ジオール、ポリ
オキシエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリオキシアルキレングリコール等から選ぶこ
とができる。ポリエステル共重合体のΔHの値は前記の
如く一般に構成成分の種類と共重合成分の量によって一
定の変化傾向を有するものであり、その種類が一定であ
れば共重合成分の増加によって低下する傾向を有するも
のであるから、(B)層フィルムとしてΔHが10J/g
未満の要件を満足するポリエステル共重合体を得ること
は当業者として困難はなく、又、市販のポリエステル系
共重合樹脂のΔHを測定することによっても容易に選択
することができる。特に、表層(B)を構成するのに好
ましいポリエステル共重合体は、比較的多量のコモノマ
ー成分を含むポリエチレンテレフタレート系共重合体又
はポリブチレンテレフタレート系共重合体であり、例え
ば酸成分としてテレフタル酸およびイソフタル酸(全酸
成分に対し約25モル%以上)、ジオール成分としてエチ
レングリコールからなるイソフタル酸共重合ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、あるいは酸成分はテレフタル酸
のみから成りジオール成分にエチレングリコールとシク
ロヘキサンジメタノール(全ジオールの約25〜40モル
%)からなるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、あるいは酸成分としてテレ
フタル酸およびイソフタル酸(全酸成分に対し約25モル
%以上)、ジオール成分として1,4 −ブタンジオールか
らなるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート
樹脂などが挙げられる。またそのポリエステル樹脂単独
ではΔHが10J/gを越えるものでっても、ポリエステ
ル樹脂の結晶性を下げる効果のある他樹脂を配合したポ
リエステル組成物(アロイ)としてΔHが10J/g未満
であれば本発明の(B)層として使用できる。具体的な
例を示すと、ΔHが10J/g以上であるPBT系樹脂に
非晶性樹脂であるポリカーボネート樹脂を配合し、溶融
混練してΔHを10J/g未満としたものは、本発明の表
層フィルム(B)として好ましく使用することができ
る。尚、表層フィルム(B)のみから成る単層フィルム
は比較的低温でシール加工が可能ではあるが、元来
(B)はその特徴である非晶性のため、耐熱性、機械的
物性において充分要求を満たすことが出来ないのみなら
ず、単層ではシール加工の際にシール部のみに熱が加わ
って溶融切断を生じ易く、また収縮が大きくなり、シー
ル部の端部いわゆるシールエッジラインに沿って残留応
力が集中し、極端にシールエッジ部の強度が低くなる等
の欠点を有し、前記特定の結晶性化熱を有し、且つ特定
の引張弾性率を有する基体フィルム(A)との積層化
は、シール加工性の点からも有効である。本発明は上記
の如く、夫々特有の要件を備えた(A)、(B)両フィ
ルムを積層することを特徴とし、これによって前記の目
的とする総合的効果を有するフィルムの提供を可能なら
しめたものである。
【0006】なお、基層フィルム(A)および表層フィ
ルム(B)には、上記の基本的な性能を失わない範囲内
で各種添加剤を配合することができる。例えば脂肪族グ
リセリド、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキ
ルスルホン酸金属塩等の帯電防止剤、脂肪酸アミド等の
有機スリップ剤、無機粒子等のスリップ剤、ヒンダード
フェノール系、リン系、チオエーテル系等の熱安定剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤の如き耐候安定剤、安息香酸
金属塩、エチレン(メタ)アクリル酸金属塩共重合体、
リン酸ジフェニル金属塩、窒化硼素等の結晶核剤、染顔
料等の着色剤など、周知の添加剤を目的に合わせてその
一方又は両方に添加配合しても良い。
【0007】本発明の積層ポリエステルフィルムの厚み
は、用途に応じて適宜設定されるべきものであるが、通
常5〜1000μm の範囲である。又、基層(A)と表層
(B)との比率は、全体の厚さにもよるが(A):
(B)が95〜40:5〜60であることが一般に好ましい。
(A)層が過小であると強度、耐熱性の点で問題があ
り、又、逆の場合はヒートシール強度が充分でなく、何
れも好ましくない。
【0008】本発明の積層ポリエステルフィルムの製造
方法は特に限定されるものではなく、一般に公知の積層
フィルムの製造法を適用して調製することが出来る。例
えば、片方(A)のフィルムをTダイ法等により調製
し、これに他方の層(B)を溶融押出してラミネートす
る方法、(A)、(B)両樹脂を共押出する方法、ドラ
イラミネーション法、ウェットラミネーション法など何
れも適用できる。特に本発明の積層ポリエステルフィル
ムは、基層フィルム(A)と表層フィルム(B)が何れ
もポリエステル系樹脂で化学的構造的に類似し、親和性
がよいためマルチマニホールドダイ、マルチフィードブ
ロックダイ等を用いた共押出法により、接着剤を用いな
くともその外観、性状等の良好な積層フィルムを得るこ
とが出来、生産効率、経済性の点でも有利である。本発
明の積層フィルムはその調製に際し、延伸加工、或は特
別の熱処理を行わなくても、(A)層フィルムの結晶化
が行われ所期の効果が得られるが、より一層の効果を得
るため(A)層フィルム、又は積層フィルムにかかる処
理を施してもよい。本発明の積層フィルムは、基層フィ
ルム(A)の少なくとも片面に表層フィルム(B)を積
層してなるものであり、必要に応じ両面を(B)層とし
ても良い。又片面をフィルム(B)とし他の面に、必要
に応じ他の樹脂フィルムを積層しても良い。またアルミ
箔等をバリヤー層として積層しても良い。また、本発明
積層ポリエステルフィルムは必要に応じエンボス加工、
サンドマット加工、梨地加工等の表面加工処理を施して
もよい。本発明の積層フィルムのシール加工は、その
(B)層が接触するように一枚を折り曲げ、或いは2枚
を重ね合せその周辺部を通常のヒートシーラーにより加
熱圧着してシールし容易に製袋することが出来、又内容
物を充填した後その開口辺を同様にシールして密封する
ことが出来る。
【0009】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは機械的物性、耐
熱性、耐油性、ガスバリヤー性等に優れ、且つヒートシ
ール性及びそのシール強度も良好で包装材料としての要
求特性を総合的に備え、特に耐熱性の要求される食品等
の包装材料として好適である。
【0010】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例
及び比較例における特性値及び評価の方法は以下の通り
である。 1.結晶化熱(ΔH)の測定 パーキンエルマー社製、走査型示差熱測定装置DSC-7 を
用いて 250℃にて3分間保持した後、10℃/分の速度で
降温し、出現する結晶化温度(Tc )におけるピークの
面積と、測定試料の重量からΔH(J/g)を算出し
た。 2.引張弾性率 標線間距離40mmのダンベル型試験片(厚さ50μm 、巾10
mm)を引張試験機(オリエンテックRTM-100 )にセット
し、引張スピード 100mm/分で引張試験を行い、初期弾
性率を測定した。 3.積層フィルムの引張強伸度 上記と同様の方法で、引張スピード 500mm/分で引張試
験を行い、破断時の強度及び伸度を測定した。 4.シール強度 シール巾10mmでヒートシールした積層フィルムを、シー
ルラインと直角方向に15mm幅に切り、オリエンテック社
製引張試験機RTM-100 によりシール部を中央にしてその
両端を固定し、シール部を介して300mm /分の速度で引
張り、シール強度を測定した。 5.耐熱性 上記4と同様のヒートシールした積層フィルム(幅15m
m)の一端に10g の荷重をかけて密閉容器中に懸吊さ
せ、容器をスチームにより加熱、加圧して121 ℃で30分
間レトルト処理を行った後、外観の変化を観察して次の
如くランク付けした。 優;フィルム、シール部共に変化なし 良;フィルム、シール部に色調変化(白化)、形状変化
(収縮によるしわ、そり等)が僅かに認められる 不良;著しく色調、形状に変化あり 尚、各実施例及び比較例に使用した基体フィルム層
(A)及びシール層(B)を構成するポリエステルのΔ
H、構成成分及び引張弾性率は表1及び表2の通りであ
る。
【0011】
【表1】
【0012】注) *1 TP:テレフタル酸残基 DD:ドデカンジカルボン酸残基 SA:セバシン酸残基 AA:アジピン酸残基 IP:イソフタル酸残基 1,4 BD:1,4 −ブタンジオール残基
【0013】
【表2】
【0014】注) *1 TP:テレフタル酸残基 IP:イソフタル酸残基 1,4 BD:1,4 −ブタンジオール EG:エチレングリコール残基 CD:シクロヘキサンジメタノール残基 *2 PC:ポリカーボネート樹脂 実施例1〜14、比較例1〜14 A、B2台の押出機と一つの共押出用ダイ(2層マルチ
マニホールドダイ:ダイ幅150mm )を連結した共押出製
膜機を用い、表1,2に示す(A)及び(B)の乾燥し
たポリエステル樹脂を、夫々押出機A、Bに供給して、
ダイより共押出し、直ちに30℃に設定した冷却ロールに
て冷却固化し、表3〜5に示す(A)(B)2層より成
る組合せの共押出フィルムを作成した。尚、各押出機は
夫々の樹脂の融点より約20℃高い温度に設定して溶融押
出し、2台の押出機のスクリュー回転数を調節して積層
フィルムの厚さ、及び積層両樹脂(A):(B)の比率
(重量%)を調整した。次いでこの積層フィルムについ
て前記各種評価を行った。尚、ヒートシールは表層フィ
ルム(B)同士を重ね、テスター産業社製ヒートシーラ
ーを用い、1sec 、1kg/cm2 のシール圧で、平面シー
ルバーを用い、シール幅は10mmで行った。使用した樹脂
(A)、(B)の組合せ及び評価結果を表3〜5に示
す。尚、比較のため(A)層、(B)層、夫々単独の場
合及び(A)、(B)層が本発明の要件を満足しない積
層フィルムとした場合についても同様に評価した。結果
を併せて表3〜5に示す。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 67/03 69:00) 9363−4J 67:03 8933−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分として芳香族ジカルボン酸残基を
    主体とし、ジオール成分として1,4 −ブタンジオール残
    基を主体とするポリエステル共重合体より成り、その結
    晶化熱(ΔH)が10ジュール/グラム(J/g)以上で
    あり、引張弾性率が3000〜10000kgf/cm2 である基層結
    晶性ポリエステルフィルム(A)の少なくとも片側表面
    に、結晶化熱(ΔH)が10J/g未満の非晶性又は低結
    晶性ポリエステル共重合体から成るポリエステルフィル
    ム(B)を積層して成る積層ポリエステルフィルム。
    (但し、結晶化熱(ΔH)は、走査型示差熱量測定装置
    (DSC)を用い、250 ℃にて3分間溶融保持した試料を10
    ℃/分の速度で降温した時の結晶化温度で発生する熱量
    (ピーク面積)と測定試料の重量から算出される値であ
    る。)
  2. 【請求項2】 基層結晶性ポリエステルフィルム(A)
    が、酸成分としてテレフタル酸残基を主とし、ジオール
    成分として1,4 −ブタンジオール残基を主とするポリブ
    チレンテレフタレート系ポリエステル共重合体より成る
    請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 基層結晶性ポリエステルフィルム(A)
    が、酸成分としてテレフタル酸残基を主とし、これとイ
    ソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及
    びドデカンジカルボン酸から選ばれた少なくとも一種以
    上のジカルボン酸残基から成り、ジオール成分として1,
    4 −ブタンジオール残基を主とするポリブチレンテレフ
    タレート系共重合体より成る請求項2記載の積層ポリエ
    ステルフィルム。
  4. 【請求項4】 基層結晶性ポリエステルフィルム(A)
    の融点が 160〜215℃である請求項1〜3の何れか1項
    記載の積層ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 共重合ポリエステルフィルム(B)が、
    テレフタル酸残基を主たる酸成分とし、1,4 −ブタンジ
    オール及び/又はエチレングリコールを主たるジオール
    成分とし、且つ他のエステル形成性成分を含むポリエス
    テル共重合体より成る請求項1〜4の何れか1項記載の
    積層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 共重合ポリエステルフィルム(B)が、
    1,4 −ブチレンテレフタレート系共重合体及び/又はエ
    チレンテレフタレート系共重合体を主とし、これにポリ
    カーボネート系樹脂を配合した樹脂組成物より成る請求
    項1〜4の何れか1項記載の積層ポリエステルフィル
    ム。
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