JP2962975B2 - 多層ポリエステルシート - Google Patents

多層ポリエステルシート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の形状に裁断し折
り曲げ加工してケース状体を得たり、真空成形法などの
熱成形によりブリスタや容器を得るなどの用途に用いる
ための多層ポリエステルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】無延伸、非晶状態のポリエチレンテレフ
タレート(PET)のシートは、ポリ塩化ビニル樹脂の
シートや無延伸ポリプロピレンシートに比べ透明性が優
れており、また使用後の処理が容易であるので、化粧品
や人形の透明ケースとして適している。
【0003】かかるケースを製造するには、シートを所
定の形状に裁断し、折り曲げ用の罫線に沿って折り曲げ
た後、接着のりしろ部分に接着剤を塗布するか、または
接着のりしろ部分とケース内面との間に溶剤を少量はさ
み込んで接着を行い、所望のケース形状に仕上げる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非晶質
PETシートは帯電しやすく、シート表面にごみが付着
して印刷時にひげが発生したり、組み立て後のケースに
ごみが付着して商品価値を低下させるという問題があ
る。このごみの付着は、熱成形用途などでも同様に問題
となる。PETシートの帯電防止性を改良するには、ア
ルキルスルホン酸のアルカリ金属塩や、アルキルベンゼ
ンスルホン酸のアルカリ金属塩などの耐熱性のよい帯電
防止剤を練り込む方法が一般に採用されているが、シー
トの透明性を維持できる範囲の添加量では帯電防止効果
が不十分であり、また添加量を多くすると、透明性が低
下し、透明シートとしては実用上使用できなくなる。
【0005】さらに他にポリアルキレングリコールも検
討されているが、耐熱性が不十分であり、酸化分解や熱
分解などによりシートの機械強度の低下、着色などが生
じ好ましくない。また、カチオン系の帯電防止剤は帯電
防止効果は大きいが食品衛生上問題があり、使用できな
い。また、帯電防止剤をシート表面に塗布する方法も考
えられ、確かに帯電防止性は向上するが、効果の持続性
や印刷、接着特性という点で問題となることが多く、実
用上採用が困難である。
【0006】また別の問題として、非晶質PETシート
は滑りが悪いため、ケース加工時に枚葉シートを印刷機
に供給する際などに供給トラブルが発生するなどの問題
がある。また、組み立て後のケース同士の滑りが悪くケ
ース表面に傷が入りやすいという問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、シートの透明
性を損なうことなく優れた帯電防止性を有する多層ポリ
エステルシートを提供するものであって、特に、その優
れた透明性を生かして、罫線を形成して折り曲げ加工し
透明ケースを得るのに用いる折曲げ加工用シートとして
好適なシートである。即ち本発明の要旨は、透明なポリ
エステル樹脂基体層の両表面に、ポリエステル樹脂10
0重量部に対しグリセリン脂肪酸エステルを0.05〜
2重量部含有する組成物からなる表面層を形成してなる
多層ポリエステルシートであって、両表面のポリエステ
ル樹脂が、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸の残
基と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを20〜6
0モル%含み残部がエチレングリコールであるジオール
の残基とからなる非晶性共重合ポリエステル樹脂、また
はイソフタル酸を20〜40モル%含み残部がテレフタ
ル酸であるジカルボン酸の残基とエチレングリコールを
主体とするジオールの残基とからなる非晶性共重合ポリ
エステル樹脂を主成分とする多層ポリエステルシートに
ある。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。本発明シー
トは、透明なポリエステル樹脂基体層の両表面に、グリ
セリン脂肪酸エステル含有ポリエステル樹脂からなる表
面層を形成した多層構造となっている。基体層は、透明
なポリエステル樹脂、特にエチレンテレフタレート系ポ
リエステル樹脂からなる。この層は、折り曲げ加工、熱
成形などの二次加工を行うために、高度に配向せず、か
つ実質上結晶化していない状態(非晶状態)にあるのが
好ましい。
【0009】この基体層のポリエステル樹脂としては、
エチレンテレフタレートの単独重合体、またはジカルボ
ン酸成分の60モル%以上、好ましくは90モル%以上
がテレフタル酸で、ジオール成分の60モル%以上、好
ましくは90モル%以上がエチレングリコールである共
重合体、またはこれらポリエステル樹脂の混合物などを
挙げることができる。
【0010】共重合成分としては、イソフタル酸、フタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸などの
ジカルボン酸、ジエチレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールなどのジオール成分を挙げること
ができる。
【0011】エチレンテレフタレート系ポリエステル樹
脂は、比較的安価で、シート状に成形するのが容易であ
り、強度、剛性、透明性、折り曲げ加工性なども優れて
いる。多くの場合、基体層としては最も入手容易なポリ
エチレンテレフタレート(単独重合体)で十分であり、
また特性的にも好ましい。
【0012】ポリエステル樹脂基体層はヘーズが3%以
下、特には2%以下の透明性を有するのが好ましい。こ
れには、基体層のポリエステル樹脂には、透明性を損な
う滑剤、帯電防止剤などを添加しないか微量にし、また
結晶化が促進しないようなシート成形条件を採用するこ
とにより容易に得られる。
【0013】本発明シートの表面層となるポリエステル
樹脂層は、ポリエステル樹脂に帯電防止剤としてグリセ
リン脂肪酸エステルを添加したものである。表面層のポ
リエステル樹脂としては、折り曲げ加工用シートの用途
には、溶剤接着性を考慮して後述の非晶性共重合ポリエ
ステルを用いるが良い。
【0014】グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノ
グリセライド、アセチル化モノグリセライドなどがある
が、ポリエステル樹脂の成形温度である250〜300
℃で熱分解や酸化分解を起こしにくいことが望ましく、
この点でモノグリセライドが特に好ましい。モノグリセ
ライドとしては、グリセリンモノパルミテート、グリセ
リンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グ
リセリンモノカプリレートなどがあり、熱安定性向上の
ために種々の変性を行ったものも使用できる。
【0015】グリセリン脂肪酸エステルの添加量は、そ
の種類によっても多少異なるが、ごみの付着などを防止
するには、シートの表面固有抵抗(JIS K691
1)を1×1016Ω以下、特に1×1015Ω以下とする
のがよく、そのための一般的な添加量は、ポリエステル
樹脂100重量部に対し0.05重量部以上である。
0.05重量部未満では帯電防止性が小さい。一方、2
重量部を越えると透明性が低下するとともに接着性、印
刷性を損なうので、好適範囲は0.05〜2重量%であ
り、特に好ましい範囲は0.3〜0.5重量部である。
【0016】本発明シートを折り曲げ加工用シートとし
て用いる場合には、表面層のポリエステル樹脂として非
晶性共重合ポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。折
り曲げ加工によりケースを製造する場合には、シートの
折り曲げ端部を溶剤で接着する場合があるが、結晶性の
ポリエステル樹脂は溶剤に接触することにより結晶化し
て白化する。そこで表面層を非晶性のポリエステル樹脂
で構成することにより、テトラヒドロフラン、シクロヘ
キサノン、酢酸エチル、1,1,2−トリクロロエタン
などの汎用溶剤により白化を生じることなく良好な接着
を行うことができる。
【0017】ここで非晶性とは、ポリエステル樹脂また
はポリエステル樹脂混合物を示差熱走査型熱量計(パー
キンエルマー社製DSC−7型)で、溶融状態から10
℃/分の速度で降温したときの結晶化熱量(ΔHc)が
5cal/g以下であることをいう。
【0018】非晶性の共重合ポリエステル樹脂として
は、前記基体層として用いるポリエステル樹脂として説
明したような共重合成分を比較的多量に含むものを挙げ
ることができる。具体的には、イソフタル酸を20〜4
0モル%含み残部がテレフタル酸であるジカルボン酸の
残基とエチレングリコールを主体とするジオールの残基
とからなる非晶性共重合ポリエステル樹脂が挙げられ
る。この樹脂は非晶性ポリエステル樹脂としては比較的
安価に入手できるという利点がある。
【0019】また、テレフタル酸を主体とするジカルボ
ン酸の残基と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを
20〜60モル%含み残部がエチレングリコールである
ジオールの残基とからなる非晶性共重合ポリエステル樹
脂も好適に使用できる。
【0020】これらの非晶性共重合ポリエステル樹脂に
は、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸などジカルボン
酸、あるいはプロピレングリコール、トリエチレングリ
コール、ジエチレングリコールなどの成分を少量含むこ
ともできる。
【0021】特に好適なのは後者、すなわちテレフタル
酸を主体とするジカルボン酸の残基と、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを20〜60モル%含むジオール
の残基とからなる非晶性共重合ポリエステル樹脂であ
る。PETや共重合ポリエステル樹脂からなる無延伸の
非晶質ポリエステルシートは、シート製造後数か月を経
ると、シートの衝撃強度特性が低下して脆くなるという
問題があったが、上記非晶性樹脂はこの経時的強度低下
が少なく、この樹脂を表面層とすることによりシート全
体の強度低下、脆さを改善することができた。またこの
非晶性樹脂は、溶剤接着の際に白化を生じない点におい
ても他の非晶性共重合ポリエステル樹脂よりも優れてい
た。
【0022】本発明シートにおける基体層および表面層
のポリエステル樹脂の極限粘度は、0.5以上、特に
0.6以上であることが好ましく、0.5よりも低いと
シートの強度が低くなり好ましくない。
【0023】本発明シートの厚さは特に制限はなく用途
により適宜設定すればよいが、通常60〜500μm程
度、特には200〜400μm程度である。このうち、
ポリエステル樹脂基体層の厚さは用途により適宜設定で
きるが一般には50〜400μm、例えば折り曲げ加工
用シートとしては150μm以上、好ましくは200〜
400μmの範囲であって、その厚さの範囲で前述のよ
うにヘーズが3%以下、特に2%以下の透明性を有する
のが好ましい。
【0024】表面層の厚さは、帯電防止性などの機能性
と透明性との兼ね合いから、一般に片側で5〜50μm
程度とする。通常は、シート全厚さのうち表面層厚さ
(両側の合計)は15〜30%程度で目的を達成でき
る。特に折り曲げ用シートとして用いる場合には、表面
層の厚さを15μm以上、好ましくは20μm以上とす
れば、溶剤が基体層にまで浸透して白化するのを防止す
ることができる。
【0025】本発明シートには、透明性などを損なわな
い範囲で、安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、顔料、他の熱
可塑性樹脂など各種添加剤を加えることができる。本発
明シートの表面層は一般に薄いので、特に透明性を損な
う傾向のある滑剤を表面層に添加することにより、シー
トの透明性を大きく損なうことなく滑り性を改善するこ
とが可能になる。
【0026】このように、シートの滑り性を改良する場
合、表面層に不活性粒子を添加するのがよいが、この不
活性粒子としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化
マグネシウムなどの無機粒子またはこれらの混合物;タ
ルク、クレーなどの無機化合物;高融点有機化合物や架
橋ポリマなどの有機化合物など各種の不活性粒子を用い
ることができる。粒子としては、透明性を低下させない
ためにポリエステル樹脂との親和性の高いことが望まし
く、この点からシリカ粒子が特に好ましい。またこれら
不活性粒子に、脂肪酸アミド、各種ワツクスなどの有機
系滑剤を併用するのも効果的である。
【0027】上記粒子は平均粒子径が2〜10μmのも
のがよく、粒子径が2μm未満ではシート表面に形成さ
れる凹凸が小さくて滑り改良効果が小さく、10μmを
越えるとシートの接着性や印刷性に悪い影響が出る。特
に3〜6μmの範囲にあるものが好適である。ここで粒
子の平均粒子径は、コールタカウンター(日本科学機械
社製)を用い、累積重量分率が50%となるときの粒子
径をもって平均粒子径とした。
【0028】粒子の添加量は、表面層のポリエステル樹
脂100重量部に対し0.05〜0.5重量部、特に
0.1〜0.3重量部の範囲がよく、0.05重量部未
満では滑り改良効果が小さく、0.5重量部を越えると
シートの透明性、接着性などが低下する。
【0029】滑り性と他の特性とのバランス上、一般的
に好ましいシート表面粗さは、JIS B0601で規
定する10点平均表面粗さ(Rz)で0.2〜2μmで
あり、粒子の添加量や粒子径により表面粗さを調整する
ことができる。
【0030】さらにシートの滑り性を改善するために、
表面層に不活性粒子を添加したシートを低倍率で延伸す
ることもできる。延伸により不活性粒子がシート表面に
突出するので、比較的少量の粒子添加で滑り性を改良す
ることができる。延伸を行なう場合には、少なくとも一
方向に1.05〜2倍行なう。延伸倍率が1.05倍未
満では延伸による滑り性の改良効果がなく、2倍を越え
ると、滑り性がそれほど向上しない割りには透明性、折
り曲げ加工性や熱成形性などの二次加工性に悪影響が出
る。好ましい延伸倍率は1.1〜1.6倍である。
【0031】延伸方法は、無配向の多層シートを得て、
ロール間速度差をつけ長手方向へ延伸し、また必要に応
じて幅方向へもテンターを利用して延伸する。製造コス
ト上は、長手方向のみの延伸が簡単で望ましい。この延
伸は、シートの強度を高めるための通常の延伸とは異な
り表面に粒子による突起を形成するためのものであるか
ら、比較的高温条件で行なうのが好ましく、通常は90
〜100℃で行なう。
【0032】本発明シートを得るには、予め各層を形成
した後、熱あるいは接着剤により積層貼り合わせするこ
ともできるが、実用上は、フイードブロツク付きダイや
マルチマニホールドダイなどを用いて、共押出法により
溶融多層シートを冷却ドラム上に押出して、急冷するこ
とにより得るのがよい。得られるシートは実質的に無配
向であり、また実質的に非晶状態にある。低倍率で延伸
した場合には低配向で実質上非晶状態のシートとなる。
【0033】
【実施例】以下の実施例において、シートの特性は次の
方法により評価した。
【0034】1)ヘーズ JIS K7105 2)摩擦係数 JIS K7215 3)表面固有抵抗 JIS K6911 4)衝撃強度 高速衝撃試験機(島津製作所社製、
ハイドロシヨツト衝撃試験機HTM−1)で、試験速度
3m/秒で測定した。
【0035】(実施例1)ジオール成分がエチレングリ
コール67モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル33モル%、ジカルボン酸がテレフタル酸である共重
合ポリエステル(極限粘度0.8)を表面層、極限粘度
が0.65のポリエチレンテレフタレートを基体層(中
心層)とした3層シートを共押出法によりTダイから2
85℃で押し出し、40℃の冷却ドラム上にキヤストし
て、両表面層が各々25μm、基体層が200μmの3
層シートを作成した。
【0036】表面層には、帯電防止剤として下記
(A)、(B)または(C)を表1に示す量添加した。
シートの評価結果を表1に示す。
【0037】(A)グリセリンモノベヘネート (B)グリセリンモノステアレート変成体 (C)アルキルスルホン酸ソーダ
【表1】
【0038】帯電防止剤(A)、(B)を0.05〜2
重量部の範囲で添加した本発明シートは、良好な透明性
を維持しながら表面固有抵抗が1016Ω以下となり、特
に帯電防止剤の添加量が0.3〜0.5重量部の範囲で
最良の結果を示した。また、2.0重量部を越えても
(No.12)透明性は大きくは低下しないが、帯電防
止剤のシート表面への多量のブリードによるべたつきの
ため、印刷性悪化、ブロツキングなどの問題が生じ、実
用上使用できなくなる。また、帯電防止剤(C)を添加
したシートは、少量の添加で大きな帯電防止効果を示す
が、透明性が大きく低下する点で劣っていた。
【0039】(実施例2)基体層を実施例1と同じポリ
エチレンテレフタレート、表面層を下記(a)、
(b)、(c)のポリエステル樹脂とし、その表面層に
グリセリンモノステアレート変成体0.3重量部と、平
均粒子径2.5μmのシリカ微粒子を表2に示す量添加
した。そして実施例1と同様にして無配向の3層シート
を作成した。
【0040】次にこのシートを無配向のままとしたもの
と、ロール式縦延伸機で長さ方向に表2に示す倍率で温
度90℃で延伸したものとについて評価を行なった。シ
ート厚さはいずれも最終的に250μm(両表面層が各
々25μm、基体層が200μm)とした。
【0041】(a)ポリエチレンテレフタレート(極限
粘度0.65、ΔHc=42cal/g) (b)ジオールがエチレングリコール67モル%と1,
4−シクロヘキサンジメタノール33モル%、ジカルボ
ン酸がテレフタル酸である非晶性共重合ポリエステル
(極限粘度0.8、ΔHc=0cal/g) (c)ジカルボン酸がテレフタル酸78モル%とイソフ
タル酸22モル%、ジオールがエチレングリコールであ
る非晶性共重合ポリエステル(極限粘度0. 7、Δ
Hc=0cal/g) 評価結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】この結果から、シリカを添加することによ
り、シートの滑り性が大幅に改良されることが分かる。
シートを延伸すると透明性はやや低下するが滑り性はさ
らに改良される。これらのシートを打ち抜き、折り曲げ
罫線を付けた後、接着代の部分に酢酸エチルを少量塗布
して溶剤接着を行ってケース状に組み立てたところ、ポ
リエステル(b)、(c)を表面層に用いたシートは、
白化することなく強固な接着を行うことができた。た
だ、ポリエステル(a)を表面層に用いたシートは白化
し、溶剤接着を行なう用途についていえば適していなか
った。なおシートの表面固有抵抗はいずれも1014オー
ダーで、帯電防止性は良好であった。
【0044】(実施例3)実施例2で良好な結果が得ら
れたNo.16、19、21および27について、シー
ト製造直後および50℃で2日放置後の衝撃強度を測定
した。その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】この結果、表面層のポリエステル樹脂とし
て前記ポリエステル(b)を用いたもの(No.19、
21)が初期の強度および経時後の強度において最良の
結果を示した。
【0047】
【発明の効果】本発明シートは、薄い表面層に帯電防止
剤としてグリセリン脂肪酸エステルを含有させ、また溶
剤接着性を向上させるために特定の非晶性共重合ポリエ
ステル樹脂を用いることにより、シートの透明性を損な
うことなく帯電防止性の優れたものとなり、溶剤接着性
に優れているので折り曲げ加工用のケース材などの用途
に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なポリエステル樹脂基体層の両表面
    に、ポリエステル樹脂100重量部に対しグリセリン脂
    肪酸エステルを0.05〜2重量部含有する組成物から
    なる表面層を形成してなる多層ポリエステルシートであ
    って、両表面のポリエステル樹脂が、テレフタル酸を主
    体とするジカルボン酸の残基と、1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノールを20〜60モル%含み残部がエチレン
    グリコールであるジオールの残基とからなる非晶性共重
    合ポリエステル樹脂、またはイソフタル酸を20〜40
    モル%含み残部がテレフタル酸であるジカルボン酸の残
    基とエチレングリコールを主体とするジオールの残基と
    からなる非晶性共重合ポリエステル樹脂を主成分とする
    多層ポリエステルシート。
  2. 【請求項2】 表面層に、ポリエステル樹脂l00重量
    部に対し平均粒子径2〜10μmの不活性粒子を0.0
    5〜0.5重量部含有してなる請求項1記載の多層ポリ
    エステルシート。
  3. 【請求項3】 両表面層が各々5〜50μmの厚さであ
    る請求項1または2記載の多層ポリエステルシート。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方向に1.05〜2倍延伸
    してなる請求項2または3記載の多層ポリエステルシー
    ト。
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