JPH0655196A - 汚水浄化処理方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロンやトリクロロエタン等に代わる溶剤系
洗浄剤や界面活性剤を用いた水洗浄における水すすぎ洗
浄水など、今後新たに発生する汚水を、小型で処理能力
の大きな浄化処理装置で処理可能とする。 【構成】 汚水を入れた原水タンク１と、原水タンク１
の汚水を汲み上げて気液混合手段３へ供給する加圧ポン
プ２と、加圧ポンプ２により気液混合手段３へ供給され
る汚水へ加圧状態でオゾンを供給するオゾナイザー４
と、原水タンク１およびオゾナイザー４から供給される
汚水とオゾンとを混合して汚水中に加圧状態でオゾンを
溶解させる気液混合手段３と、気液混合手段３によりオ
ゾンを溶解させた汚水を貯留し、更にこれを処理槽７へ
供給する加圧タンク６と、処理槽７中に設けられた超音
波振動子８とこれの発振器９、および処理槽７内に設け
られた紫外線ランプ10とこれの電源11と、を有する汚水
浄化処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、汚水の浄化処理装置に
関し、更に詳しくは工業排水等の汚水中に含まれるＰＣ
Ｂ、農薬、溶剤、その他のハロゲン化有機物を、迅速
に、かつ効率よく酸化分解処理することのできる汚水浄
化処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から電子部品や半導体部品等の製造
工程においては、工程中における部品の油汚れ等を除去
するための洗浄剤としてフロン系、あるいはトリクロロ
エタン等の塩素系有機溶剤が使用されてきたが、このフ
ロン系や塩素系溶剤は、その放出によるオゾン層の破壊
や、環境汚染等の問題があって、世界的に全廃の方向に
向かっている。そこで、必然的にこれらのフロンやトリ
クロロエタン等に代わって溶剤系洗浄剤や界面活性剤を
用いた水洗浄に移行されつつある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の水洗浄においては、水すすぎ洗浄水の処理が新たな問
題となる。即ち、これらの水すすぎ洗浄水の処理は、従
来から行われている活性汚泥処理装置によって行われる
ことになるが、この活性汚泥処理装置による排水処理が
既に処理能力の殆ど限界にある現状で、新たに上記のよ
うな水洗浄の際のすすぎ洗浄水の処理が加わるとなる
と、既存の装置では対応しきれず処理装置の拡充が不可
欠となる。したがって、大企業はもとより、中小企業等
においては、そのような処理装置の拡充に要する設備投
資は、企業の存続に係わる重大問題となってくる。

【０００４】そこで本発明はこのような汚水処理の現状
に鑑み、小型で処理能力の大きな汚水浄化処理装置を提
供することにより、上記のような新たに発生する汚水処
理の問題を解消せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る汚水浄化処理方法は、汚水に対して加
圧状態でオゾンを溶解し、前記汚水を処理槽に注入して
紫外線を照射するとともに、該汚水中に発生するオゾン
の超微細気泡に超音波を作用させて気泡を強制的に破裂
させることを特徴とするものである。

【０００６】更に、前記の場合に、汚水に化学酸化剤を
添加し、この汚水にオゾンを混合、溶解し、紫外線照射
および超音波による強制的なオゾンの気泡破裂を行うこ
ともできる。

【０００７】また、本発明では、上記のような汚水浄化
処理方法を実施するために、汚水に加圧状態でオゾンを
混合、溶解する気液混合手段と、前記オゾンを溶解した
汚水を注入して浄化処理するための処理槽と、前記処理
槽中の汚水に紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記
処理槽中の汚水中に超音波を発生させる超音波発生手段
と、からなる汚水浄化処理装置を提供せんとするもので
ある。

【０００８】

【作用】上記のような本発明に係る汚水浄化処理方法で
は、汚水中に溶解させたオゾンによるオゾン酸化分解反
応と、紫外線による光酸化分解反応により汚水中のＰＣ
Ｂ、農薬、溶剤、その他のハロゲン化有機物を分解する
とともに、この分解時に、汚水中に連続的に発生させた
オゾンの超微細気泡に超音波を作用させて超微細気泡を
強制的に一斉破裂させて間欠作動させることで、オゾン
の微細気泡が破裂する時に汚水中で周囲環境を変えるこ
とのない程度に極局部的に何百気圧という高圧と、何千
℃という高温が発生し、この圧力と熱の微小環境がオゾ
ン酸化および光酸化による汚水中の汚染物質の酸化分解
反応を劇的に促進することで、汚水を迅速、かつ効率よ
く浄化処理することができる。

【０００９】更に、前記の場合に化学酸化剤を併用すれ
ば、前記のオゾンおよび紫外線による酸化分解作用と、
酸化剤による化学酸化反応とが相まって、汚染物質の分
解処理反応は一段と促進される。

【００１０】

【実施例】図面は、本発明に係る汚水の浄化処理装置の
１実施例の全体配置を示すものであり、この実施例装置
に基づき、本発明を更に詳細に説明する。

【００１１】図中符号１は処理すべき汚水を入れた原水
タンク、２は前記原水タンク１の汚水を汲み上げて後述
する気液混合手段３へ供給する加圧ポンプ、４は前記加
圧ポンプ２により気液混合手段３へ供給される汚水へ加
圧状態でオゾンを供給するオゾナイザー、３は前記原水
タンク１およびオゾナイザー４から供給される汚水とオ
ゾンとを混合して汚水中に加圧状態でオゾンを溶解させ
る気液混合手段、６は前記気液混合手段３によりオゾン
を溶解させた汚水を貯留し、更にこれを処理槽７へ供給
する加圧タンク、８は処理槽７中に設けられた超音波振
動子で９はその発振器、10は同じく処理槽７内に設けら
れた紫外線ランプ、また、11はその電源であり、更に12
は処理槽７上部に設けれたエアベントである。

【００１２】前記加圧ポンプ２は、原水タンク１から処
理すべき汚水を汲み上げるとともに、この汚水を加圧状
態で前記気液混合手段３へ供給し、更にこの気液混合手
段３でオゾンを溶解させた汚水を加圧タンク６を経て処
理槽７へ供給するためのものである。

【００１３】次に、前記気液混合手段３は、原水タンク
１から加圧ポンプ２により供給される汚水と、オゾナイ
ザー４から供給されるオゾンとを加圧状態で混合して汚
水中にオゾンを混合、溶解させて汚水中にオゾンの超微
細気泡を発生させるためのものである。この気液混合装
置３の具体的構造は、例えば実開平２−１１２３２１号
公報に記載されたものや、公知のスタティックミキサー
等を用いることができる。

【００１４】前記実開平２−１１２３２１号公報の気液
混合装置は、筒状容器の内部に螺旋状の右回りスクリュ
ーと左回りスクリューをそれぞれ少なくとも１つ以上交
互に所定間隔を隔てて同軸となして固定し、かつ両スク
リューの外縁を筒状容器の内壁に密接してなるものであ
り、前記筒状容器内に供給される液体と気体、即ち、本
発明では汚水とオゾンとが左回りスクリューで左回転を
与えられながら前方へ導かれた後、右回りスクリューで
急激に回転方向を右回りに位相変換されて乱流状態とな
ることで汚水とオゾンとが混合され、更に右回り回転を
与えられながら前方へ導かれた後、次の左回りスクリュ
ーで再び急激に回転方向を左回りに位相変換されて乱流
状態となることで更に汚水とオゾンとが混合され、これ
を繰り返すことでオゾンが極微細な気泡となって汚水中
に分散混合されるものである。

【００１５】また、スタティックミキサーは、円筒状の
ハウジング内に、１８０°右捻じりと、１８０°左捻じ
りの螺旋状のエレメントが相互に直角に交差する状態で
配置されており、前記ハウジング内に加圧状態で供給さ
れる液体および圧縮気体が、前記エレメントにより分割
されるとともに、右捻じりのエレメントと左捻じりのエ
レメントを交互に通過することで流れが反転して互いに
混合され、かつ、エレメントのねじれ面に沿って中心部
からハウジング内壁面へ、また中心部へと連続的に移動
することで混合効率を向上させてなるものである。

【００１６】更に、前記オゾナイザー４は、オゾンを発
生させるとともに、発生したオゾンを加圧状態で同じく
加圧ポンプ２により加圧状態で気液混合手段３へ供給さ
れる汚水に合流させるものであって、供給されるオゾン
の圧力は汚水の圧力に応じて適宜設定可能となってい
る。

【００１７】また、気液混合手段３の後ろに配置された
加圧タンク６は、前記気液混合手段３によりオゾンを溶
解した汚水を加圧状態で貯留するとともに、汚水中に溶
解しきれなかったオゾンは上部に設けたアウトサイレン
サー61から回収する。

【００１８】前記加圧タンク６に貯留されたオゾンを溶
解した汚水は、該加圧タンク６から処理槽７へ供給され
る。この処理槽７は、その上下壁面から交互に設けた隔
壁71・・により連続する複数槽に区画されており、各槽
の下部には発振器９に接続した超音波振動子８が設けら
れ、かつ、各槽の上部には電源11に接続した紫外線ラン
プ10が設けられている。

【００１９】上記のような本発明に係る汚水浄化処理装
置による汚水の浄化処理は下記の要領で行われる。先
ず、加圧ポンプ２により汲み上げられた汚水にオゾナイ
ザー４からのオゾンが加圧状態で合流し、これが気液混
合手段３によって混合されることで汚水中にオゾンが溶
解される。このオゾンを溶解した汚水は加圧タンク６に
貯留され、ここから処理槽７へ供給される。すると、汚
水中に溶解されたオゾンが超微細気泡となって処理槽７
中に発生し、汚水中のハロゲン化有機物等の汚染物質は
このオゾンによる酸化作用と同時に、紫外線ランプ10か
らの紫外線照射による光酸化作用によって酸化分解処理
される。更に、本発明においては、前記のように汚水中
に連続的に発生させたオゾンの超微細気泡を超音波振動
子８から発生する超音波によって強制的に一斉破裂させ
る間欠作動の連続により、オゾンの超微細気泡の破裂時
に汚水中で極局部的に何百気圧という高圧と、何千℃と
いう高温が発生し、この圧力と熱の微小環境により、周
囲の環境条件を変化させることなく酸化分解反応を劇的
に増幅させ、汚水の浄化処理を、より迅速、かつ効率よ
く行うことを可能とするのである。

【００２０】そして、上記のように処理槽７中において
光酸化、オゾン酸化、およびオゾンの超微細気泡の強制
破裂によって汚染物質が酸化分解処理された汚水は、処
理槽７にち設けた排水口13から外部に排出される。この
ように、図示した実施例においては、原水タンク１の汚
水を処理槽７にて浄化処理した後、排水口13から排出す
る解放系に構成しているが、この浄化処理装置を、前記
排水口13と原水タンクまたは加圧ポンプ２を連結して閉
鎖系とすることもできる。

【００２１】更に、前記の汚水処理操作において、気液
混合手段３にてオゾンと混合される汚水に予め二酸化チ
タン、または次亜塩素酸ソーダ等の化学酸化剤Ａを注入
しておくことで、前記のような光酸化、オゾン酸化およ
び超微細気泡の一斉強制破裂による間欠作動による汚染
物質の酸化分解作用に加えて、化学酸化分解作用によ
り、汚水中の汚染物質の分解作用はより一層増幅され、
更に効率のよい浄化処理を可能とするのである。

【００２２】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、紫外線
照射による光酸化作用、およびオゾン酸化作用に加え
て、汚水中に連続的に発生させたオゾンの超微細気泡を
超音波によって強制的に一斉破裂させて間欠作動させる
ことで、前記光酸化、オゾン酸化による汚水中の汚染物
質の酸化分解反応を大幅に増幅させ、迅速かつ効率のよ
い汚水の浄化処理を可能とし、小型の装置でもって、非
常に大きな汚水処理能力を発揮でき、フロンやトリクロ
ロメタン等にかわる溶剤系洗浄剤や界面活性剤による水
洗浄に伴う水すすぎ洗浄水等、今後新たに発生が予想さ
れる汚水処理に要する汚水処理設備のための投資を軽減
しうるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る汚水浄化処理装置の全体配置図

【符合の説明】 １ 原水タンク ２ 加圧ポンプ ３ 気液混合手段 ４ オゾナイザー ６ 加圧ポンプ ７ 処理槽 ８ 超音波振動子 ９ 発振器 10 紫外線ランプ 11 電源 12 エアベント 13 排水口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０２Ｆ 1/78 9045−4Ｄ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 汚水に対して加圧状態でオゾンを溶解
   し、前記汚水を処理槽に注入して紫外線を照射するとと
   もに、該汚水中に発生するオゾンの超微細気泡に超音波
   を作用させて気泡を強制的に破裂させることを特徴とす
   る汚水浄化処理方法。
2. 【請求項２】 汚水に化学酸化剤を添加してこれにオゾ
   ンを溶解し、この汚水に紫外線照射するとともに超音波
   により強制的にオゾンの超微細気泡を破裂させることを
   特徴とする請求項１記載の汚水浄化処理方法。
3. 【請求項３】 汚水に加圧状態でオゾンを混合、溶解す
   る気液混合手段と、前記オゾンを溶解した汚水を注入し
   て浄化処理するための処理槽と、前記処理槽中の汚水に
   紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記処理槽中の汚
   水中に超音波を発生させる超音波発生手段と、からなる
   汚水浄化処理装置。