JPH0655111B2 - 養魚用餌料 - Google Patents

養魚用餌料

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JPH0655111B2
JPH0655111B2 JP60077330A JP7733085A JPH0655111B2 JP H0655111 B2 JPH0655111 B2 JP H0655111B2 JP 60077330 A JP60077330 A JP 60077330A JP 7733085 A JP7733085 A JP 7733085A JP H0655111 B2 JPH0655111 B2 JP H0655111B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は養魚用餌料に関するもので、さらに詳しく、部
分的に分解された魚蛋白質、即ち部分分解魚蛋白質を含
有する養魚用餌料に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、養魚用餌料には最適な蛋白質源として北洋ミー
ル、所謂ホワイト・フィッシュミールが多く用いられて
きたが、近年、畜産業、養殖業がさかんになるにつれ、
北洋ミールだけに依存することができず、例えばイワ
シ、サバ、サンマ等の多獲性魚類及び冷凍すり身残滓を
原料として製造される沿岸ミールや、例えばアンチョビ
ー、ピルチャード等を原料としてペルー、チリ、南アフ
リカ連邦等の国で製造され、輸入されている輸入ミール
等も使用されている。しかしながら、沿岸ミールや輸入
ミールは、酸化した脂肪の含有量が多く、酸化脂肪に対
して極めて弱い魚類に全く不向きであり、また、蛋白質
の熱変性の程度が大きいため消化率が悪く、さらに有効
栄養成分の分解、老化を起こしたものが多いので、養魚
用には良質なものを選択して使用しているのが現状であ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の如き現状に鑑み、養魚用餌料の蛋
白質源として、従来の沿岸ミール、輸入ミールが有して
いる欠点がなく、ひいては北洋ミールよりさらに好適な
ものを開発すべく鋭意検討を進めた結果、部分的に分解
された魚蛋白質、即ち部分分解魚蛋白質が養魚用餌料の
蛋白質源として非常に好適であることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
即ち、本発明の養魚用餌料は、部分的に分解された魚蛋
白質であって、分子量10万より大きいものが20%以
下、分子量10万〜4万のものが20〜50%、分子量
4万〜1.4万のものが20〜50%、分子量1.4万より小
さいものが20%以下からなる部分分解魚蛋白質を含有
し、該部分分解魚蛋白質が、魚体をそのまま、あるいは
内蔵部分又は/及び表皮部分を除去した後、蛋白質分解
酵素で処理し、その後、魚骨及び魚油、又はさらに水溶
性成分を分離、除去して得られる部分分解魚蛋白質であ
り、上記蛋白質分解酵素による処理を、原料中の全窒素
に対する酵素処理後の可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは
酵素処理後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは酵
素無添加の他は同条件で処理した後の生成物中の可溶性
窒素の重量%である)が3〜50%となるまで行うこと
を特徴とする。
また、本発明の養魚用餌料は、部分的に分解された魚蛋
白質であって、分子量10万より大きいものが20%以
下、分子量10万〜4万のものが20〜50%、分子量
4万〜1.4万のものが20〜50%、分子量1.4万より小
さいものが20%以下からなる部分分解魚蛋白質を含有
し、該部分分解魚蛋白質が、魚体をそのまま、あるいは
内蔵部分又は/及び表皮部分を除去した後、自己消化さ
せ、その後、魚骨及び魚油、又はさらに水溶性成分を分
離、除去して得られる部分分解魚蛋白質であり、上記自
己消化を、原料中の全窒素に対する自己消化後の可溶性
窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは
自己消化後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは原
料中の可溶性窒素の重量%である)が10〜50%とな
るまで行うことを特徴とする。
以下に本発明の養魚用餌料について詳述する。
本発明で使用される前記の部分分解魚蛋白質は、魚体を
そのまま、或いは内蔵部分又は/及び表皮部分を除去し
た後、蛋白質分解酵素で処理するか又は自己消化させ、
その後、必要なら魚骨及び魚油、又はさらに水溶性成分
を分離、除去することによって得られる。
前記魚体の具体例としては、例えばニシン、マイワシ、
サバ、サンマ、エルメイワシ、スケトウダラ、カレイ、
アンチョビー、ピルチャード等の多獲性魚類等があげら
れるが、安価で、且つ目的に合致した品質の良好な部分
分解魚蛋白質を得るためには鮮度の良好な多獲性魚類の
全魚体を使用するのが好ましい。
前記の部分分解魚蛋白質を得るために使用される蛋白質
分解酵素としては、蛋白質アクロシン、ウロキナーゼ、
ウロペプシン、エラスターゼ、エンテロペプチダーゼ、
カテプシン、カリクレイン、キニナーゼ2、キモトリプ
シン、キモパパイン、コラゲナーゼ、ストレプトキナー
ゼ、スブチリシン、テルモリジン、トリプシン、トロン
ビン、パパイン、パンクレアトペピチダーゼ、フイシ
ン、プラスミン、レニン、レプチラーゼ、レンニン等の
ようなプロテアーゼ;例えばアルギニンアミノペプチダ
ーゼ、オキシトシナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ
等のアミノペプチダーゼ、アンギオテンシナーゼ、アン
ギオテンシン変換酵素、インシュリナーゼ、例えばアル
ギニンカルボキシペプチダーゼ、キニナーゼ1、チロイ
ドペプチダーゼ等のカルボキシペプチダーゼ、例えばカ
ルノシナーゼ、プロリナーゼ等のジペプチダーゼ、プロ
ナーゼのようなペプチダーゼ;及びその他の蛋白質分解
酵素並びにそれらの変性品、配合品等があげられ、その
作用様式に従ってポリペプチド鎖の末端から作用して行
くエキソ型プロテアーゼと内部に作用するエンド型プロ
テアーゼとに分けられるが、特にエンド型プロテアーゼ
が好ましい。
本発明に用いられる部分分解魚蛋白質を得るには、まず
前記の如き原料を前記の如き蛋白質分解酵素で処理する
か又は自己消化させるが、蛋白質分解酵素で処理する場
合の処理の程度は出発原料中の全窒素に対する酵素処理
後の可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは酵素
処理後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは酵素無添
加の他は同条件で処理した後の生成物中の可溶性窒素の
重量%である)が3〜50%、好ましくは5〜40%と
なるまで処理を行う必要がある。かかる酵素による処理
は例えば20〜70℃、好ましくは30〜60℃の条件
下で約5分〜2時間、好ましくは10分〜1時間混合攪
拌しながら行えばよい。また、その際の酵素の使用量
は、通常、処理すべき原料に対して0.005〜1.0重量%で
ある。
また、前記の原料を自己消化させる場合は、出発原料中
の全窒素に対する自己消化後の可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは自己
消化後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは原料中の
可溶性窒素の重量%である)が10〜50%、好ましく
は10〜40%となるように自己消化させる必要があ
る。該自己消化は、例えば30〜60℃、好ましくは4
0〜60℃の条件下で約20分〜2時間、好ましくは3
0分〜1時間混合攪拌しながら行えばよい。
前記のように蛋白質分解酵素で処理して得られた生成物
又は自己消化により得られた生成物は、種々の手段によ
り酵素を失活させた後それに使用した原料との関係で、
もし魚骨、魚油等を多量に含んでいる場合、これらを例
えば遠心濾過、遠心分離等の手段により当該生成物より
除去し、また水溶性成分を含む水溶液部分を例えば遠心
分離等の手段でさらに当該生成物より除去することによ
り、本発明に使用される部分分解魚蛋白質を得ることが
できる。前記の分離は、二層分離機、三層分離機を使用
すれば連続処理が可能なので特に好ましい。
本発明で使用される部分分解魚蛋白質は、分子量10万
より大きいものが20%以下、分子量10万〜4万のも
のが20〜50%、分子量4万〜1.4万のものが20〜
50%、分子量1.4万より小さいものが20%以下であ
ることが必須である。かかる各分子量区分の割合は、近
藤らの方法(生化学、第44巻、第304頁、1972
年)に従いリン酸ナトリウム/SDS(pH7.2)でSD
S/ポリアクリルアミドゲルにサンプル6μgを注入し
て40mAで7時間泳動を行い、同様に標準分子量キット
(フアルマシア・ジャパン社製)を用いて泳動パターン
を記録し、これを用いてキャリブレーションカーブを作
製後、サンプル中の蛋白質分子量をキャリブレーション
カーブより求めると共にキャニングデンシトメーターを
用いて分子量10万超、10万〜4万、4万〜1.4万、
1.4万未満の4区分の蛋白質の割合を計測したものであ
り、このような計測により各分子量区分の割合が前記の
範囲に入るように前記の蛋白質分解酵素による処理又は
自己消化の程度及び処理後の生成物からの水溶性成分を
含む水溶液部分の分離解除の割合が選択される。
本発明に使用される部分分解魚蛋白質は、前記の如くし
て得られるが、特に、魚体をそのまま、或いは内蔵部分
又は/及び表皮部分を除去した後、蛋白質分解酵素で処
理し、その後、魚骨、魚油及び水溶液部分を分離、除去
して得られる部分分解魚蛋白質は好ましい。尚、かかる
部分分解魚蛋白質は、必要に応じて凍結乾燥、噴霧乾
燥、通風乾燥等の種々の手段で乾燥することもできる。
本発明の養魚用餌料は、前記のようにして得られた部分
分解魚蛋白質又はその乾燥物を蛋白源の一つとして好ま
しくは主成分として含有することを特徴とするが、その
他の成分として例えば魚粉、牛肝末、ミルクカゼイン、
大豆カゼイン、卵黄、卵白、血清アルブミン等の動植物
蛋白及び微生物蛋白のような蛋白源;例えばタラ肝油、
ニシン油、ω−3(オメガ−3)高度不飽和酸若しくは
そのエステル、大豆油のような油脂源;例えば骨粉、リ
ン酸二カルシウム、その他のリン酸塩、マグネシウム塩
のようなミネラル源;例えばビタミンA,B,B
,B12,C,D,E,Kのようなビタミン類;例
えば小麦胚芽粉、小麦ふすま、とうもろこし粉、α化デ
ンプン等の炭水化物類;例えば酵母エキス、クロレラ醗
酵残留粕、アミノ酸類、抗菌剤、成長促進剤、りん脂
質、ゼラチン、結晶質セルロース及び前記の部分分解魚
蛋白質の製造の際に副生するフィッシュソリブル等を含
有することができる。この場合の他の成分の含有量は、
本発明の養魚用餌料における部分分解魚蛋白質の含有率
が10〜100%、特に30〜80%となるようにする
のが好ましい。
本発明の養魚用餌料は、前記の部分分解魚蛋白質をその
他の成分と混合し、通常の養魚用餌料製造で用いられる
イクストルーダー、噴霧乾燥、凍結乾燥、造粒乾燥等の
種々の方法で粒状化したり、或いは餌料全体をマイクロ
カプセル及び徐放形態にすることにより製造される。
〔実施例〕
下記の参考例1及び2は、本発明の養魚用餌料に用いら
れる部分分解魚蛋白質の製造例である。
参考例1 マイワシ1Kgに蛋白質分解酵素;プロテアーゼアマノA
(天野製薬(株)製)0.3gを少量の水に溶解して加
え、温度を50℃に保って30分間攪拌すると、次第に
魚骨より魚肉が剥離して全体がスラリー状となる。
このスラリー状物の可溶性窒素の増加率を次の方法で測
定した。スラリー状物10gをとり、水30mlと混合
し、10%トリクロロ酢酸溶液5mlを加えて水50mlに
し、濾紙(東洋濾紙:NO.5A)で濾過する。この濾液
10mlを常法により硫酸分解後、可溶性窒素量をケルダ
ール法で測定し可溶性窒素(Ne)とする。又、スラリー
状物2gを取り硫酸分解後同様に処理して全窒素(Nt)
とする。さらに酵素無添加の原料について50℃に30
分間保った後、10gをとって同様にトリクロロ酢酸溶
液添加後濾過した濾液10mlを硫酸分解して可溶性窒素
量を測定し可溶性窒素(No)とする。上記測定の結果、
このスラリー状物の可溶性窒素の増加率: は24.2%であった。
次にこのスラリー状物を昇温して75℃で15分間保
ち、酵素を失活させた後、6メッシュのステンレス製金
網を取り付けたバスケット型遠心器で魚骨を除去し、魚
骨の除去されたスラリーを3000r.p.m.で5分間遠心分離
して魚油、水相(スティックウォーター)、部分分解魚
蛋白質沈殿部に分離させ、部分分解魚蛋白質からなるケ
ーキを取得した。
このケーキを真空凍結乾燥して130gの粉末状部分分
解魚蛋白質を得た。
次に、この乾燥物の少量をとり、冷エタノールを用いて
良く洗浄後、減圧乾燥して溶媒を除去し、以下の方法で
蛋白質の分子量をSDS/ポリアクリルアミドゲルを用
いる電気泳動法で測定した。近藤らの方法(生化学、第
44巻、第304頁、1972年)に従い、リン酸ナト
リウム/SDS(pH7.2)でSDS/ポリアクリルアミ
ドゲルにサンプル6μgを注入して、40mAで7時間泳
動を行い、同様に標準分子量キット(フアルマシア・ジ
ャパン社製)を用いて泳動パターンを記録し、これを用
いてキャリブレーションカーブを作製する。サンプル中
の蛋白質分子量をキャリブレーションカーブより求める
と共に、キャニングデンシトメーターを用いて、分子量
10万超、10万〜4万、4万〜1.4万、1.4万未満の蛋
白の割合を計測した。
その結果、上記部分分解魚蛋白質は、分子量10万超の
部分が7%、10万〜4万の部分が41%、4万〜1.4
万の部分が35%、1.4万未満の部分が17%であっ
た。
出発原料について同様に試験した結果は、分子量10万
超の部分が34%、10万〜4万の部分が28%、4万
〜1.4万の部分が30%、1.4万未満の部分が8%であ
り、蛋白質分解酵素処理によって得られた上記部分分解
魚蛋白質は、魚蛋白質は部分分解を受けて低分子化され
ていることが判る。
参考例2 マイワシ1Kgを50℃の温度に保って40分間攪拌する
と、次第に魚骨より魚肉が剥離して全体がスラリー状と
なる。
このスラリー状物の可溶性窒素の増加率を次の方法で測
定した。スラリー状物10gをとり、水30mlと混合
し、10%トリクロロ酢酸溶液5mlを加えて水50mlに
し、濾紙(東洋濾紙:NO.5A)で濾過する。この濾液
10mlを常法により硫酸分解後、可溶性窒素量をケルダ
ール法で測定し可溶性窒素(Ne)とする。又、スラリー
状物2gを取り硫酸分解後同様に処理して全窒素(Nt)
とする。さらに原料10gをとって同様にトリクロロ酢
酸溶液添加後濾過した濾液10mlを硫酸分解して可溶性
窒素量を測定し可溶性窒素(No)とする。上記測定の結
果、このスラリー状物の可溶性窒素の増加率: は16.0%であった。
次にこのスラリー状物を昇温して75℃で15分間保
ち、酵素活性を失わせた後、6メッシュのステンレス製
金網を取り付けたバスケット型遠心器で魚骨を除去し、
魚骨の除去されたスラリーを3000r.p.m.で5分間遠心分
離して魚油、水相(スティックウォーター)、部分分解
魚蛋白質沈殿部に分離させ、部分分解魚蛋白質からなる
ケーキを取得した。
このケーキを真空凍結乾燥して115gの粉末状部分分
解魚蛋白質を得た。
この部分分解魚蛋白質の蛋白分子量の分布は、10万超
の部分が11%、10万〜4万の部分が46%、4万〜
1.4万の部分が33%、1.4万未満の部分が10%であっ
た。
実施例1〜2及び比較例1 参考例1〜2で得られた部分分解魚蛋白質を使用し、下
表に示す配合組成により餌料原料を混合粉砕し、本発明
の養魚用餌料を調製した。また、比較のためにホワイト
・フィッシュミールを使用し、同様に養魚用餌料を調製
した。
前記の餌料100部に対し水50部を加え、充分に混合
した後、ミートチョッパーにて造粒し、これらを魚体重
150g前後の鯉に給与し、1ケ月間飼育試験を行っ
た。供試尾数は各区20尾で水槽は塩化ビニール製を用
いた。上記試験の結果は下表に示す。
実施例3〜4及び比較例2 参考例1〜2で得られた部分分解魚蛋白質を使用し、下
表に示す配合組成により餌料原料を混合粉砕し、本発明
の養魚用餌料を調製した。また、比較のためにホワイト
・フィッシュミールを使用し、同様に養魚用餌料を調製
した。
前記の餌料100部に対しフイードオイル5部を加え、
さらに適当量の水を加えて練り餌とした後、ミートチョ
ッパーにて造粒したものを平均体重15g前後のウナギ
に給与し、2ケ月間飼育試験を行った。供試尾数が各区
30尾で水槽は塩化ビニール製を用いた。上記試験の結
果を下表に示す。
実験例1 マイワシ1kgを50℃の温度に保って55分間攪拌する
と、次第に魚骨より魚肉が剥離して全体がスラリー状と
なる。
このスラリー状物の可溶性窒素の増加率を次の方法で測
定した。スラリー状物10gをとり、水30mlと混合
し、10%トリクロロ酢酸溶液5mlを加えて水10mlに
し、濾紙(東洋濾紙:NO.5A)で濾過する。この濾液
10mlを常法により硫酸分解後、可溶性窒素量をケルダ
ール法で測定し可溶性窒素(Ne)とする。又、スラリー
状物2gを取り硫酸分解後同様に処理して全窒素(Nt)
とする。さらに原料10gをとって同様にトリクロロ酢
酸溶液添加後濾過した濾液10mlを硫酸分解して可溶性
窒素量を測定し可溶性窒素(No)とする。上記測定の結
果、このスラリー状物の可溶性窒素の増加率: は45%であった。
次にこのスラリー状物を昇温して75℃で15分間保
ち、酵素活性を失わせた後、6メッシュのステンレス製
金網を取り付けたバスケット型遠心器で魚骨を除去し、
魚骨の除去されたスラリーを3000r.p.m.で5分間遠心分
離して魚油、水相(スティックウォーター)、部分分解
魚蛋白質沈殿部に分離させ、部分分解魚蛋白質からなる
ケーキを取得した。
このケーキを真空凍結乾燥して106gの粉末状部分分
解魚蛋白質を得た。
この部分分解魚蛋白質の蛋白分子量の分布は、10万超
の部分が4%、10万〜4万の部分が29%、4万〜1.
4万の部分が49%、1.4万未満の部分が18%であっ
た。
上述の如くして得られた部分分解魚蛋白質を使用し、下
記第1表に示す配合組成により餌料原料を混合粉砕し、
本発明の養魚用餌料を調製した。
前記の餌料100部に対し水50部を加え、充分に混合
した後、ミートチョッパーにて造粒し、これらを魚体重
150g前後の鯉に給与し、1カ月間飼育試験を行っ
た。供試尾数が各区20尾で水槽は塩化ビニール製を用
いた。上記試験の結果を下記第2表に示す。
実験例2 自己消化の時間を25分間とした以外は実験例1と同様
にして部分分解魚蛋白質120gを得た。この部分分解
魚蛋白質の可溶性窒素の増加率及び分子量分布は次の通
りである。
可溶性窒素の増加率:12% 分子量分布: 10万超の部分 19% 10万〜4万の部分 49% 4万〜1.4万の部分 30% 1.4万未満の部分 2% 上述の如くして得られた部分分解魚蛋白質を使用し、実
験例1と同様にして本発明の養魚用餌料を調製し、この
養魚用餌料について、実験例1と同様の飼育試験を行っ
た。その結果を下記第2表に示す。
比較実験例1 自己消化の時間を70分間とした以外は実験例1と同様
にして部分分解魚蛋白質105gを得た。この部分分解
魚蛋白質の可溶性窒素の増加率及び分子量分布は次の通
りである。
可溶性窒素の増加率:54% 分子量分布: 10万超の部分 5% 10万〜4万の部分 16% 4万〜1.4万の部分 54% 1.4万未満の部分 25% 上述の如くして得られた部分分解魚蛋白質を使用し、実
験例1と同様にして養魚用餌料を調製し、この養魚用餌
料について、実験例1と同様の飼育試験を行った。その
結果を下記第2表に示す。
比較実験例2 自己消化の時間を15分間とした以外は実験例1と同様
にして部分分解魚蛋白質129gを得た。この部分分解
魚蛋白質の可溶性窒素の増加率及び分子量分布は次の通
りである。
可溶性窒素の増加率:8.5% 分子量分布: 10万超の部分 24% 10万〜4万の部分 54% 4万〜1.4万の部分 16% 1.4万未満の部分 6% 上述の如くして得られた部分分解魚蛋白質を使用し、実
験例1と同様にして養魚用餌料を調製し、この養魚用餌
料について、実験例1と同様の飼育試験を行った。その
結果を下記第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の養魚用餌料は、前記のような部分分解魚蛋白質
を含有するが、このものが、従来の魚粉等と異なり、魚
骨を殆ど含有していず、しかも魚が消化吸収し易い形に
その蛋白質が部分的に分解されており、さらにビタミ
ン、リン脂質等の魚由来の微量有効成分を変質しないま
ま含んでいるので、生存率や成長等の点で従来の配合餌
料に比し、格別にすぐれたものであり、例えばコイ、フ
ナ、ウナギ、マス等の淡水魚や例えばマダイ、ハマチ等
の海水魚等の養魚用餌料として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分的に分解された魚蛋白質であって、分
    子量10万より大きいものが20%以下、分子量10万
    〜4万のものが20〜50%、分子量4万〜1.4万のも
    のが20〜50%、分子量1.4万より小さいものが20
    %以下からなる部分分解魚蛋白質を含有し、 該部分分解魚蛋白質が、魚体をそのまま、あるいは内臓
    部分又は/及び表皮部分を除去した後、蛋白質分解酵素
    で処理し、その後、魚骨及び魚油、又はさらに水溶性成
    分を分離、除去して得られる部分分解魚蛋白質であり、 上記蛋白質分解酵素による処理を、原料中の全窒素に対
    する酵素処理後の可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは
    酵素処理後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは酵
    素無添加の他は同条件で処理した後の生成物中の可溶性
    窒素の重量%である)が3〜50%となるまで行う ことを特徴とする養魚用餌料。
  2. 【請求項2】部分的に分解された魚蛋白質であって、分
    子量10万より大きいものが20%以下、分子量10万
    〜4万のものが20〜50%、分子量4万〜1.4万のも
    のが20〜50%、分子量1.4万より小さいものが20
    %以下からなる部分分解魚蛋白質を含有し、 該部分分解魚蛋白質が、魚体をそのまま、あるいは内臓
    部分又は/及び表皮部分を除去した後、自己消化させ、
    その後、魚骨及び魚油、又はさらに水溶性成分を分離、
    除去して得られる部分分解魚蛋白質であり、 上記自己消化を、原料中の全窒素に対する自己消化後の
    可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは
    自己消化後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは原
    料中の可溶性窒素の重量%である)が10〜50%とな
    るまで行う ことを特徴とする養魚用餌料。
JP60077330A 1985-04-11 1985-04-11 養魚用餌料 Expired - Lifetime JPH0655111B2 (ja)

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