JPH0654547B2 - 光ピツクアツプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は高密度の情報記録装置である光ディスク装置の
光ピックアップに関する。

（従来技術とその問題点） レーザビームを微小スポットに集光して記録媒体面上に
照射し、媒体の昇過による蒸発や、相（結晶相，アモル
ファス相など）変化を生じさせて情報を記録する情報記
録装置である光ディスク装置は、これまで実用され得た
情報記録装置の中でもっとも記憶情報密度が高いため、
大容量の文書情報ファイル，画像情報ファイル，データ
ファイルを目的として開発が進められてきている。しか
しながら、蓄積し処理する情報の量の増大はとどまるこ
となく、従来の程度解像度の文書，画像より更に高解
像，高階調の文書情報，画像情報の蓄積，処理を必要と
する産業上の要請は強くなってきている。情報蓄積装置
の規模の増加やアクセス時間の増大を招来することな
く、蓄積情報量を増やすには、今以上の記憶情報密度の
高い記憶方式が必要となる。

光ディスク装置の情報の記録の方式は前述の如く、レー
ザビームを照射した媒体の状態変化の有無の２値を記録
の情報とするものであり、記録情報の媒体面内の密度
は、媒体に照射されるレーザビームのスポット径で規定
される。実用的には、現在使用されている半導体レーザ
を光源とすると光学系では、今以上にスポット径を小さ
くすることは難かしく、媒体の記録密度は限界に達して
いる。ビームスポット径で面内の情報記録密度を限られ
ているという制約を逃れる一法として、情報記録媒体を
多層構造にし、記録レーザ光の強度または、記録時間幅
を加減して、記録媒体表面から深さの異なる穴を形成し
て、深さに応じた多値の情報を記録する方式がある。

この方式によれば、情報記録容量は従来の媒体の状態変
化の有無の２値を利用した場合よりその密度を増大させ
ることができる。

しかしながら、上記の方式では情報は穴の深さとして蓄
積されているため、単なる穴の有無ではなく深さを読み
取る信号再生方式が必要となる。

従来の光ディスク装置に使用しているディスク信号読取
方式では光ディスク媒体上の記録ビットの深さを検出す
るのは困難である。

（発明の目的） 本発明の目的は上記難点を除去し、光ディスク媒体上の
記録ビットの深さを検出することのできる光ピックアッ
プを提供することにある。

（発明の構成） 本発明によれば、光源と該光源からの放射光の光波ビー
ムを直交する偏波によって二分し変位を与える手段と、
二分された光波ビームの双方ともに集束しディスク媒体
に照射する手段と、該ディスク媒体からの反射光を受光
する手段とから成ることを特徴とする光ピックアップが
得られる。

（本発明の作用・原理） 本発明の作用・原理は、基本的には光源（主に半導体レ
ーザ）、この光源からの放射光を媒体面に集束する集束
レンズ、媒体面からの反射光を光電変換する光検出器か
ら構成される光ピックアップの、光路中の集束レンズと
光源との間に光束を二つに分離する手段を設け、媒体面
上の異なる二点に光を照射し、これらから反射した光を
干渉させその干渉光強度を光検出器で検出することによ
り媒体面上の前記異なる二点の位相差を検出し、媒体面
に記録されたビットの深さを検出するものである。

（実施例） 第１図は本発明の第１の実施例の構成を示す図で、１は
光源である半導体レーザ、２は半導体レーザ１の放射光
を平行光束化するコリメートティングレンズ、３は半導
体レーザの放射光を直交する偏光の二光束に分離し、そ
れらの間に僅かに角度変位を与える、例えばウォラスト
ンプリズムのような偏光素子、４は偏光素子に角度分離
された二光束８，９を、ディスク媒体５上に集束する集
束レンズ、６は媒体５から反射した光を光検出器７に導
びくためのハーフプリズムである。

直線偏光光である半導体レーザ１の放射光の偏光方向を
偏光素子３の光学軸と45゜の角度を成すように設定する
と、該偏光素子３を出射する光は、直交する２つの偏光
の間に角度変位を有する。これら２つの光束を集束する
レンズ４は、２つの光束を位置変位させて垂直に媒体５
上に照射する。

媒体５より反射した２光束８，９は、偏光素子３によっ
て同一光路に合流され干渉し、光検出器７上に導びかれ
る。光検出器７上の干渉光の強度は本光学系が２つの光
束８，９の間に光路差が生じないように構成されている
ため、２つの光束の媒体上の反対位置差のみによって変
化する。すなわち媒体上の２つの光束の照射される位置
の高さ又は深さの違いによる位相差が検出される。

第２図は光ディスク媒体上の前記２つの光束８，９が、
情報ビットが記録されたひとつのトラック上を前後して
ｘ方向に走行する場合の位置関係を示す。5bはディスク
基板、5aは媒体であり、媒体5aには深さの異なるピット
5c，5dが形成されている。本図ではひとつの光束９がピ
ット5c中に、光束８が媒体表面上に位置している。第１
図における光検出器８には、第２図における光束８，９
間の位相差すなわちピット5cの深さによる位相差に応じ
た干渉光強度が検出される。

第３図は前記２つの光束を光ディスク走行方向(x)と直
角方向に配した場合の図で、一方のビームは、ピットが
記録されているトラック5e上を、他方のビームは案内溝
5fを照射するように配置されている。本構成では案内溝
の溝底を基準とし、該溝底との高さの差として記録ピッ
ト5cの深さが検出される。

２つの光束８，９の媒体上の位置変位は、ウォラストン
プリズムのプリズム頂角φ及び複屈折の大きさを選ぶこ
とにより、０〜数十μｍまで任意に設定することができ
る。

第１の実施例では２つの光束を発生する手段として、角
度変位を与えるウォラストンプリズムを用いる場合を述
べた。波面を二分し変位を与える方法として横変位によ
る方法も可能である。すなわち、第１図においてウォラ
ストンプリズム３を除去し、半導体レーザ１とコリメー
ティングレンズ２との間にサバールプレート、すなわち
結晶の複屈折により常光線、異常光線の光路の変位を利
用する素子を挿入することにより、第１の実施例と同様
の効果を得ることができる。第４図は本発明の第２の実
施例を示す構成図でサバールプレート13によって常光
線、異常光線は横変位を受け、媒体５上に２つのスポッ
ト８及び９を形成し、媒体５からの２つの反射光は、同
一経路をたどって干渉され、受光器７によって検出さ
れ、第１の実施例と同一の機能が実現できる。

更に第１の実施例においてウォラストンプリズムとし
て、結晶のＣ軸方向に光を透過させ、やはりＣ軸方向に
電界を印加するための透明電極を有するＫＤＰ結晶を用
いると、電界を印加しないとき、光学的には等方である
ため、偏光間の角度変位は生ぜず、電界を印加したとき
のみ複屈折を生じ角度変位を生じさせることができる。
このような構成では光ディスクへの情報書込時には電界
を印加せず、１本光ビームによる書込みを、読み取り時
には電界を印加して２ビームによる上述の動作に基づく
位相差信号検出を機能させることができる。

（発明の効果） 以上述べた如く本発明によれば、媒体の厚さ方向の多値
記録方式に適応する光ピックアップが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例の構成を示す図で、１は
半導体レーザ、２はコリメーティングレンズ、３はウォ
ラストンプリズム、４は集束レンズ、５は光ディスク
盤、６はハーフプリズム、７は受光器である。 第２図，第３図は光ディスク盤上における光ビームの照
射状態を示す図、第４図は本発明の第２の実施例の構成
を示す図で13はサバールプレートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光源と該光源からの放射光ビームを直交す
   る偏波に2分し変位を与える手段と、2分した光ビームの
   双方ともに集光し、光ディスク媒体上に集束照射する手
   段と、前記光ディスク媒体からの2つの反射光が、前記
   直交する偏波に2分し変位を与える手段を逆方向に透過
   することによって再び同一光軸上で干渉する位置に干渉
   光強度を受光する手段を有することを特徴とする光ピッ
   クアップ。