JPH0654395B2 - 電子写真用現像剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真等の分野に用いられる電子写真用現像
剤に関する。

詳しくは、コピー品質に優れ、且つ耐久性のある電子写
真用現像剤に関する。

〔従来の技術と発明が解決しようとする問題点〕

従来より電子写真感光体などの潜像保持面上に形成され
る静電荷像を現像するための現像剤としては、キヤリア
とトナーとから成る二成分系現像剤およびキヤリアを必
要としない一成分系現像剤が知られている。

これらの現像剤を機成するトナー粒子は、通常、樹脂、
着色剤等を成分とする着色微粒子である。

これらのトナー粒子より成る現像剤をＰＰＣ（普通紙複
写機）などで繰り返して用いる場合、地汚れという白地
部分のいわゆるカブリが増加したり黒地部の均一性や、
濃度低下等の好ましくない現像が発生する。これらの欠
点を改良する試みとして従来、着色剤の種類や添加量、
キヤリアーの粒度分布や抵抗、コーテイング剤の選択等
の材料の選択や組合せの改良が行われて来たが必ずしも
満足のいく結果が得られていないのが現状である。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明者等は、普通紙複写機などで繰り返して用
いた場合の白地部分のカブリの増加や、黒地部の均一
性、濃度低下が起こらない耐久性のある現像剤を提供す
べく鋭意検討した結果特性組成から成る金属化合物をト
ナー粒子に静電付着することにより前記問題点が解決さ
れることを見い出し本発明に到達した。

すなわち、本発明の要旨は、トナー粒子、及び該トナー
粒子に対する外添剤として、酸化スズ−アンチモンの混
合物で表面被覆された酸化チタンの微粒子を含有するこ
とを特徴とする電子写真用現像剤に存する。

以下、本発明を詳細に説明する。

酸化チタンを表面被覆するのに用いられる酸化スズ−ア
ンチモンの混合物としては、酸化スズとアンチモンとが
均一に分散された状態のものであればよく、好ましくは
酸化スズとアンチモンとの固溶体の状態がよい。また酸
化スズとアンチモンの量比は特に限定されないが、通常
酸化スズ÷アンチモンが１００：５〜１００：１５であ
る。

酸化スズ−アンチモンの混合物で表面被覆された酸化チ
タンの微粒子の平均粒径は、通常３μｍ以下、好ましく
は0.0５〜１μｍである。酸化スズ−アンチモン混合物
を酸化チタンの微粒子の表面上に被覆する方法として
は、酸化チタンに酸化スズとアンチモンの固溶体を生成
させる処理、例えばドーピング処理等の方法が採用され
る。酸化スズ−アンチモンの混合物を酸化チタン微粒子
の表面に被覆する量は、酸化チタンに対して１０〜７０
重量％、好ましくは１５〜６０重量％であることが好ま
しい。

一方、本発明で用いられるトナー粒子は、バインダー樹
脂中に着色剤や必要に応じて帯電制御剤等をニーダー等
により混練・分散せしめ、冷却後粉砕し、分級して得ら
れる平均粒径５〜２０μｍの粉末であつて、これらのト
ナー構成成分としては、各種の公知の材料を使用し得
る。

バインダー樹脂としては、たとえばスチレン系樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。

着色剤としては、たとえばカーボンブラツク等の無機顔
料の他にフタロシアニンブルー、ダイアレジンレツドＳ
（Sol Red 152）等公知の有機顔料や染料が使用でき
る。使用量としては、バインダー樹脂１００重量部に対
して１０重量部以下が好ましい。また、一成分系の磁性
トナーにおいては、たとえばマグネタイト、フエライト
等の磁性化合物を含有せしめるが、それらの使用量とし
ては、全重量中の３０〜５０wt%が良好である。

帯電制御剤のうち正帯電性用としては、たとえばニグロ
シン染料、４級アンモニウム塩等があり、負帯電性用と
しては、Cr、Co等の金属含有アゾ染料等が知られてい
る。これらは、樹脂１００重量部に対し１０重量部以下
で使用する。

また、二成分系現像剤において静電荷像用トナーと混合
して使用されるキヤリアとしては、平均粒径で３０〜２
００μｍの範囲内にある鉄粉、フエライト粉、マグネタ
イト粉等が好ましく使用できる。この場合、樹脂等によ
りその表面を被覆されたコーテイングキヤリアであつて
もよい。キヤリアとトナーの混合重量比は１００：１〜
１０が好適である。又、本発明の現像剤はキヤリアーを
使用しない非磁性一成分現像剤にも使用することができ
る。

本発明の電子写真用現像剤においては、酸化スズ−アン
チモンの混合物で表面被覆された酸化チタンの微粒子を
トナー粒子１００重量部に対し、１５重量部以下好まし
くは0.1〜１０重量部の範囲で静電付着させることが好
ましい。トナー粒子に酸化スズ−アンチモンの混合物で
表面被覆された酸化チタンを静電付着させる方法として
はヘンシエルミキサー等の方法が挙げられる。また、ト
ナーの流動性をより改善し、更に正荷電を増加させるた
めに、本発明の電子写真用現像剤に更に四級アンモニウ
ム塩で表面処理したシリカ微粒子を添加するとよい。

シリカ微粒子の処理に使用される四級アンモニウム塩と
しては、常温で固体状態のテトラデシルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライド等や液体状態のヤシアルキ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げら
れる。

四級アンモニウム塩で処理されるシリカ微粒子を四級ア
ンモニウム塩で表面処理する方法としては、シリカ水性
懸濁液中に４級アンモニウム塩を加え、混合した後にシ
リカ粒子表面に析出させ次いで精製、乾燥、解砕して調
製する方法等が採用される。

得られた四級アンモニウム塩で処理されたシリカ微粒子
はトナー粒子１００重量部に対し、0.0１〜１０重量
部、好ましくは0.0５〜重量部程度添加するといよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば普通紙写真機などでくり返し使用後もカ
ブリの増加や、黒地部の均一性や濃度低下の起きない耐
久性のある現像剤を提供できる。

〔実施例〕

以下実施例により本発明を具体的に説明するが本発明は
その要旨を越えない限り以下の実施例によつてなんら限
定されるものではない。

なお、実施例中「部」は「重量部」を示す。

実施例１ スチレン系樹脂（ＳＢＭ−６００、三洋化成社製） １００部 オイルブラツクＢＳ（オリエント化学社製） ５部及び カーボンブラツクＭＡ−１００（三菱化成社製） １０部 を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径約１２μｍの黒
色トナーを得た。

この黒色トナー１００部に対して、酸化チタン１００部
に対して酸化スズ６０部、アンチモン4.7部を表面被覆
処理した酸化チタン２部をヘンシエルミキサーにて外添
処理した。得られたこのトナー５部と平均粒径約７０μ
ｍのフツ素系樹脂コーテイングキヤリアー１００部とを
混合、攪拌して現像剤を作製した。

次に、この現像剤を有機光導電体を感光体とする複写機
を用いて実写テストを実施したところ、得られる現像剤
は連続１０，０００枚実写後でもカブリの増加がなく、
又黒地部の均一性が高く、濃度低下のない耐久性に優れ
た現像剤であることがわかつた。

＜実施例２＞ 実施例１においてテトラデシルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライドで処理したシリカ微粒子をトナー１０
０部に対して0.3部外添処理すること以外は実施例１と
同様にして現像剤を作製し複写機にて実写テストを実施
したところ得られる現像剤は連続１０，０００枚の実写
後でもカブリの増加のない又黒地部の均一性が高く又濃
度低下のない耐久性に優れた現像剤であることがわかつ
た。

＜実施例３＞ 実施例１において、酸化スズ−アンチモンの混合物で表
面被覆された酸化チタンとして酸化チタン１００部に対
して酸化スズ２３部、アンチモン2.3部を表面被覆処理
した酸化チタンをトナー１００部当り２部外添処理する
こと以外は、実施例１と同様にして、実写テストを実施
したところ連続１０，０００枚の実写後でも、カブリの
増加のない、又黒地部の均一性が高く、濃度低下のない
耐久性に優れた現像剤であることがわかつた。

＜比較例１＞ 実施例１において酸化スズ−アンチモン処理した酸化チ
タンを用いないこと以外は、実施例１とまつたく同様に
して得られる現像剤を評価したところ初期からカブリが
高く、又、連続実写で約１，０００枚付近より黒地部に
ハケスジが目立ち濃度も低下し、耐久性のない現像剤で
あることがわかつた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 義信 神奈川県川崎市川崎区塩浜３丁目10番１号 三菱化成工業株式会社川崎情報機材セン ター内 (56)参考文献 特開 昭59−168460（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−200250（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−153950（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナー粒子、及び該トナー粒子に対する外
   添剤として、酸化スズ−アンチモンの混合物で表面被覆
   された酸化チタンの微粒子を含有することを特徴とする
   電子写真用現像剤
2. 【請求項２】酸化スズ−アンチモンの混合物で表面被覆
   された酸化チタンの微粒子をトナー粒子１００重量部に
   対し、０．１〜１０重量部配合したことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の電子写真用現像剤。