JPH0654096U

JPH0654096U - 電子打楽器

Info

Publication number: JPH0654096U
Application number: JP8747592U
Authority: JP
Inventors: 保彦旭
Original assignee: Yamaha Corp
Current assignee: Yamaha Corp
Priority date: 1992-12-21
Filing date: 1992-12-21
Publication date: 1994-07-22
Anticipated expiration: 2007-12-21
Also published as: JP2564829Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】演奏の実感を高め、自然楽器と同様な演奏感
覚が得られる電子打楽器を提供する。【構成】複数のパッド２を有する電子打楽器１におい
て、前記複数のパッド２の位置的に中央部にスピーカ１
６を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数のパッドを有する電子打楽器に関し、特にそのスピーカの取付け位置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電子打楽器は、スティックにより叩かれるパッドおよび各種楽音を制御する操作スイッチ群を備えた操作パネルにより構成される。パッドの下面には振動センサーが設けられ、この振動センサーにより打撃の強さ等を検出し、この検出信号および前記操作スイッチからの信号に基づいて楽音を制御して所望の電子打楽器音を作成してスピーカを通して放音する。

【０００３】従来の電子打楽器は、通常複数のパッドを有し、その外側の離れた位置に１つまたは２つのスピーカを設け、パッドからの打撃入力により電子音を作成し外側のスピーカから出力していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の電子打楽器においては、演奏入力部であるパッドと演奏入力に基づく電子音の出力部であるスピーカの位置が離れていたため、スティックで叩いた場所とは別の場所から音が発生し、演奏の現実感が薄れ違和感を生じていた。

【０００５】本考案は、上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであって、演奏の実感を高め、自然楽器と同様な演奏感覚が得られる電子打楽器の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案に係る電子打楽器は、複数のパッドを有する電子打楽器において、前記複数のパッドの位置的に中央部にスピーカを設けている。

【０００７】好ましい実施例においては、スピーカ前面を覆って保護するグリルをスティックで擦って楽器音を発生するように構成している。

【０００８】

【作用】

複数のパッドの各々に最も近い位置にスピーカが設けられ、演奏入力部と電子音の出力部が距離的に近づく。また、好ましい実施例では、スピーカ前面のグリルを例えばギロ等の打楽器として使用できる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の実施例に係る電子打楽器を示し、（Ａ）は側面図、（Ｂ）は上面図である。この電子打楽器１は、打撃部を構成する２つのパッド２と、両パッド２間に設けたスピーカ保護用グリル３と、スティック５を保持するスティックホルダ４と、操作パネル６と、この操作パネル６上に設けた電源スイッチや各種楽音制御スイッチを含む操作スイッチ群７とにより構成される。

【００１０】２つのパッド２の位置的に中央部のグリル３の内面側にはスピーカ１６が設けられる。各パッド２の内面側には振動センサー（図示しない）が設けられ、スティック５によるパッド２への打撃入力を検出する。検出された打撃演奏入力に基づいて、操作パネル６の内部に設けた電子制御回路（ＣＰＵ）により電子音が作成される。この電子音は、パッド２に近接して配置されたスピーカ１６から放音される。

【００１１】図２は、上記電子打楽器の制御回路ブロック図である。ＤＣアダプタあるいはバッテリに切換え可能な電源回路９が安定器（レギュレータ）１０を介して制御回路（ＣＰＵ）１１に接続される。制御回路１１は、自動演奏のプログラムや制御用データを格納したＲＯＭおよび各種楽音制御用プログラムを含んでいる。この制御回路１１には、伴奏を含む自動演奏操作スイッチや電源スイッチ等を含むスイッチ群７の各スイッチおよびクロック１２が接続され、また、インターフェース１３ａ、１３ｂを介して振動センサ１４、１４が接続され、インターフェース１３ｃを介して音源１５が接続されている。振動センサ１４、１４はパッド２、２（図１）の下面に設けられたもので、パッド２、２が打撃されたことを検出してインターフェース１３ａまたは１３ｂを介して制御回路１１に打撃ありの信号を送り、制御回路１１はこれに応じて音源１５にインターフェース１３ｃを介して発音命令を出す。音源１５は、発音命令に従ってグリル３（図１）の下面に設けたスピーカ１６から打楽器音の音色の電子音を発生する。操作スイッチ群７の各スイッチからの操作信号に基づいて制御回路１１はプログラムに従って自動伴奏音の発音命令を順次発生し、音源１５は、べース、ピアノ、等の音色の自動伴奏音をスピーカ１６を介して発音させる。

【００１２】図３（Ａ）〜（Ｇ）は、本考案に係る電子打楽器のグリル３の各々別の構成例を概略的に示す。本考案に係る電子打楽器のスピーカ前面を覆って保護するグリル３は、（Ａ）図に示すように、スティック５を用いてグリル３の表面を矢印のように前後に擦ることにより、打楽器の一種であるギロと同様の自然楽器音を発生する。従って、スティック５によりパッド２（図１）を叩いてグリル３の内面のスピーカから電子音を発生させるとともに、同じスティック５によりグリル３を擦って別の打楽器の演奏音を得ることができる。

【００１３】このようにスピーカグリルをスティックで擦って、打楽器として用いることにより、１台の電子打楽器で電子打楽器操作とともに別の自然楽器の演奏を行うことができ、演奏の幅が広がり変化に富んだ演奏を楽しむことができる。

【００１４】（Ａ）図は、グリル３を一定間隔Ｄ、一定厚さＦで形成した例を示す。間隔Ｄおよび厚さ（深さ）Ｆを変えることにより、音色、音高等の異なるギロ音が得られる。またスティック５の擦り方向や強さおよび速度の操作により幅広い演奏表現力を出すことができる。

【００１５】（Ｂ）図は、グリル３の間隔および厚さは一定のまま、中央を境にグリル３の傾斜方向を逆にした構成例を示す。（Ｃ）図は、グリル３の厚さを一定にして間隔を途中から変えた構成例を示す。（Ｄ）図は、グリル３の間隔を一定にしたまま途中から厚さを変えた構成例を示す。（Ｅ）図は、グリル３の厚さを一定にしたまま間隔を徐々に変化させた構成例を示す。（Ｆ）図は、グリル３の間隔を一定にしたまま厚さを徐々に変化させた構成例を示す。（Ｇ）図は、グリル３の間隔および厚さを一定にしたまま途中から傾斜方向を変えた構成例を示す。

【００１６】このようにグリル３の形状を各種変化させることにより、スティックで擦った場合の音色や音高が途中から微妙に変化し表現力に富んだ演奏を行うことができる。また、上記構成例を組合せて１つのグリルを構成することもできる。グリル３は楽器本体に対し交換可能に構成してもよい。また、複数の異なる形状のグリルを２列あるいはそれ以上の列に並列して設けてもよい。このように各種形状のグリルを組合せることにより、さらに変化に富んだギロ音が得られる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る電子打楽器においては、複数のパッドの位置的に中央部にスピーカを設けているため、打撃入力部と音の出力部の位置が近づき叩いた場所から音が発生して演奏の現実感が高まり演奏感覚が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）（Ｂ）はそれぞれ本考案の実施例に係
る電子打楽器の側面図および上面図である。

【図２】図１の電子打楽器の制御回路ブロック図であ
る。

【図３】（Ａ）〜（Ｇ）はそれぞれ本考案に係る電子
打楽器のスピーカグリルの各々別の構成例を示す説明図
である。

【符号の説明】

１；電子打楽器、２；パッド、３；グリル、４；スティ
ックホルダ、５；スティック、６；操作パネル、７；ス
イッチ群、１６；スピーカ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数のパッドを有する電子打楽器におい
て、前記複数のパッドの位置的に中央部にスピーカを設
けたことを特徴とする電子打楽器。