JPH0653839U - 減衰力可変型緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型緩衝器

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JPH0653839U
JPH0653839U JP8904492U JP8904492U JPH0653839U JP H0653839 U JPH0653839 U JP H0653839U JP 8904492 U JP8904492 U JP 8904492U JP 8904492 U JP8904492 U JP 8904492U JP H0653839 U JPH0653839 U JP H0653839U
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adjuster
port
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tubular member
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康次 澤井
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株式会社ユニシアジェックス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 調整子の変形による寸法精度の悪化を防止で
き、ストッパ部材の小型化が可能で適用緩衝器サイズの
汎用性を高めることができ、製造コストの低減が可能な
減衰力可変型緩衝器の提供。 【構成】 調整子12の平面部12eと同一平面上のス
タッド3の大径穴3hに位置決め固定され、調整子12
が挿通される中央穴19aの内周側には平面部12eが
当接することで調整子12の回動範囲を規制するストッ
パ部19cを有すると共に、外周にはスタッド3の大径
穴3h内側壁に形成された縦溝3jに係合する複数の半
円状突起部19bを有するストッパプレート19と、を
備え、ストッパプレート19の各半円状突起部19bを
その基部付近から折曲して傾斜状に形成すると共に、ス
トッパプレート19の中心部から各半円状突起部19b
先端までの幅をスタッド3の大径穴3hの中心から各縦
溝3jの底部側壁面までの幅より少し幅広に形成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車のサスペンションに用いるのに最適な、減衰力レンジを変化 可能な緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の減衰力可変型緩衝器としては、例えば、実開昭63−33038号公報 、または、実開昭63−33040号公報に記載されているようなものが知られ ている。
【0003】 この従来の減衰力可変型緩衝器は、緩衝器の伸行程時に画成された2室間の流 体の流通を制限することで減衰力を発生する伸側減衰バルブと、緩衝器の圧行程 時に画成された2室間の流体の流通を制限することで減衰力を発生する圧側減衰 バルブと、該両減衰バルブをバイパスして2室間を連通するバイパス流路と、該 バイパス流路に配設されて流路断面積を変更可能な可変絞り部を有した調整子と を備えたもので、前記調整子を回転させて可変絞り部の絞り開度を変化させるこ とによってバイパス流路の流路断面積を変化させ、これにより、伸側及び圧側の 減衰力レンジを変化可能に構成されたものであった。
【0004】 そして、前記調整子側にはその径方向に穿設された横孔に位置決め用ピンを圧 入して固定すると共に、その外周部となるスタッド側の開口穴内には位置決め用 ピンが当接することで調整子の回動範囲を規制するストッパ部材が、2本のピン で位置決めされた状態で装着された構造となっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の減衰力可変型緩衝器にあっては、調整子の回 動範囲を規制する手段として位置決め用ピンが用いられていることから、調整子 に穿設された横孔に対して位置決め用ピンを圧入する工程を必要とし、この圧入 の際の衝撃力で、調整子にふれや曲がり等の変形を生じさせ、これにより、寸法 精度を悪化させる恐れがあるという問題点があった。
【0006】 また、位置決め用ピンが調整子の外周に突出した状態となることから、ストッ パ部材の外形が大きくなり、このため、適用緩衝器サイズの汎用性に劣るという 問題点があった。
【0007】 また、スタッド側の開口穴に対するストッパ部材の位置決めのために2本のピ ンの打ち込み作業が必要であるため、作業工数の増加により製造コストが高くつ くという問題点があった。
【0008】 本考案は、上述のような従来の問題点に着目して成されたもので、調整子の変 形による寸法精度の悪化を防止でき、ストッパ部材の小型化が可能で適用緩衝器 サイズの汎用性を高めることができると共に、製造コストの低減が可能な減衰力 可変型緩衝器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するために、本考案の減衰力可変型緩衝器では、シリ ンダ内を2室に画成して設けられたバルブボディと、バルブボディの軸心部に設 けられた筒状部材と、筒状部材の中空部内において回動可能に設けられ、その一 側面に切欠状の平坦部が形成された調整子と、筒状部材の周壁を径方向に貫通し て形成されたポートと、ポートと符合する調整子に形成され、調整子の回動に基 づきポートとの間に可変絞り部を形成する連通路と、ポート及び連通路を経由し て2室間を連通する流路と、調整子が挿通される中央穴の内周側には前記調整子 の平坦部に当接することで調整子の回動範囲を規制する内向き突起部を有すると 共に、外周には筒状部材の装着穴内側壁に形成された縦溝に係合する複数の外向 き突起部を有するストッパ部材と、を備え、前記ストッパ部材の各外向き突起部 をその基部付近から折曲して傾斜状に形成すると共に、ストッパ部材の中心部か ら各外向き突起部先端までの幅を筒状部材の装着穴の中心から各縦溝の底部側壁 面までの直径より少し幅広に形成した構成とした。
【0010】
【作用】
本考案の減衰力可変型緩衝器では、調整子を回動させることにより流路の途中 に介装された可変絞り部の絞り開度を変化させ、これにより、緩衝器の減衰力レ ンジを変化させることができる。
【0011】 そして、調整子は、ストッパ部材の突起部に調整子の平坦部が当接することで その回動範囲が規制されるもので、この突起部は、調整子の一側に切欠状に形成 された平坦部側に突出する状態で形成されることから、ストッパ部材の外径を小 さくでき、従って、適用緩衝器サイズの汎用性が高くなる。
【0012】 また、ストッパの形成に際し、調整子側には平坦部が切欠状に形成されるのみ で、調整子に衝撃を与えるピンの圧入等の工程を必要としないことから、圧入工 程で生じる調整子の変形による寸法精度の悪化を回避することができる。
【0013】 また、ストッパ部材の組み付けに際しては、その外向き突起部をその反発力に 抗して装着穴の縦溝内に押し込むもので、この外向き突起部の圧入によりストッ パ部材の位置決めが容易に行なわれると共に、一旦押し込まれた外向き突起部は 、その変形による反発力でその先端部が縦溝の内周面に圧接してストッパ部材の 容易な脱落を阻止するように働くため、以後の部品の組み付け作業を容易に行な うことができるようになる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面により詳述する。 (第1実施例) まず、第1実施例の構成について説明する。
【0015】 図1は、本考案第1実施例の減衰力可変型緩衝器の主要部を示す断面図であっ て、図中1は円筒状のシリンダを示している。このシリンダ1は、摺動自在に装 填されたピストン(バルブボディ)2によって上部室Aと下部室Bとに画成され 、両室A,Bには油等の流体が充填されている。
【0016】 前記ピストン2は、スタッド(筒状部材)3の先端小径部3aに取り付けられ ている。そして、このスタッド3は、ピストンロッド17の先端ねじ部17aに 螺合して取り付けられたリバウンドストッパ18の外周ねじ部18aに螺合して 取り付けられている。
【0017】 即ち、前記スタッド3の先端小径部3aに、圧側チェックボディ7,圧側チェ ックバルブ8,ワッシャ5a,カラー4a,ワッシャ5b,圧側減衰バルブ6, ピストン2,伸側減衰バルブ9,ワッシャ5c,伸側チェックボディ10,伸側 チェックバルブ11,ワッシャ5d,カラー4bを順次装着し、最後にナット1 6で締結している。
【0018】 また、前記スタッド3には、その軸芯部に貫通穴(中空部)3bが穿設される と共に、その周壁を直径方向に貫通する状態で上方から順に、第1ポート3c, 第2ポート3d,第3ポート3e,第4ポート3f及び第5ポート3gが穿設さ れている。尚、前記第2ポート3dと第3ポート3eは軸方向同一位置に形成さ れている。また、第2ポート3dと第4ポート3fだけは周方向同一位置に形成 されているが、その他の第1・第3・第5ポート3c,3e,3gはそれぞれ周 方向に位相をずらせた位置に形成されている(図4,5,6参照)。
【0019】 さらに、前記スタッド3の貫通穴3bには、調整子12が、その下端を環状の ロアブッシュ14で支持されて回動自在に設けられている。
【0020】 この調整子12は、その軸心部に、その下端が前記下部室Bに連通した中空部 12aを有した筒状に形成され、また、その周壁には、前記第1ポート3cと中 空部12aとを連通する第1横孔12bと、第2ポート3dと第4ポート3fと 第5ポート3gとを連通する縦溝(連通路)12cと、第3ポート3eと中空部 12aとを連通する第2横孔(連通路)12dが形成されている。
【0021】 本考案実施例では、伸行程で流体が流通可能な流路としては図示の4つの流路 がある。即ち、伸側内側溝2fの位置から伸側減衰バルブ9の内側及び外周部を 開弁して下部室Bに至る伸側第1流路Dと、第2ポート3d及び第4ポート3f を経由して伸側外側溝2gの位置から伸側減衰バルブ9の外周部を開弁して下部 室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポート3d及び第5ポート3gを経由して伸 側チェックバルブ11を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路Fと、第3ポート 3e及び中空部12aを経由して下部室Bに至るバイパス流路Gとである。
【0022】 一方、圧行程で流体が流通可能な経路としては図示の3つの流路がある。即ち 、圧側減衰バルブ6を開弁して上部室Aに至る圧側第1流路Hと、中空部12a 及び第1ポート3cを経由して圧側チェックバルブ8を開弁して上部室Aに至る 圧側第2流路Jと、中空部12a及び第3ポート3eを経由して上部室Aに至る 前記バイパス流路Gとである。
【0023】 前記スタッド3の上端面側には、貫通穴3bより大径の大径穴3hが形成され 、この大径穴3hの環状底部とリバウンドストッパ18の環状下端面との間に、 ストッパプレート(ストッパ部材)19が挟持状態で設けられている。そして、 前記リバウンドストッパ18における、調整子12の上端面と対向する下端面に は、低摩擦材より成るスラストワッシャ20及び鋼板製スラストワッシャ21を 収容すると共に調整子12の上端部を回動自在に挿入可能な大径穴18bが形成 されている。
【0024】 また、前記ストッパプレート19は、ステップモータの原点出しを行なうため に調整子12の回動範囲を規制するためのもので、図2及び図3に示すように、 調整子12の上端部を回転可能に挿通する中央穴19aを有する環状に形成され ている。そして、ストッパプレート19の外周部にはその径方向に対向して一対 の半円状突起部(外向き突起部)19b,19bが突出形成されており、この両 半円状突起部19b,19bはその基部付近から上向きに少し折曲して傾斜状に 形成されている。また、ストッパプレート19の内周部にはその径方向に対向し て一対のストッパ部(内向き突起部)19c,19cが突出形成されている。そ して、前記大径穴3hの内周壁面には、両半円状突起部19b,19bを装着係 止可能な断面が半円状の位置決め用縦溝3j,3jがドリル加工によって形成さ れている。
【0025】 尚、両位置決め用縦溝3j,3j相互間の幅Wより、両半円状突起部19b, 19bの先端部相互間の幅Sの方が、少し(ストッパプレート19の板圧を1.2 mmとして、0.05〜0.15mm程度)幅広に形成されていて、両半円状突起部19b, 19bを位置決め用縦溝3j,3j内に一旦押し込むことで、ストッパプレート 19の位置決めが行なわれると共に、両半円状突起部19b,19b先端部が縦 溝3j,3jの内周面に圧接してストッパプレート19の容易な脱落が阻止され た状態となる。
【0026】 一方、前記貫通穴19a内に挿通される調整子12の上端部は、両側面の切削 加工により、平行な一対の平面部(平坦部)12e,12eを有する平板状に形 成されていて、前記両ストッパ部19cに両平面部12e,12eが当接するこ とでその回動範囲が規制されるように構成されている。
【0027】 また、調整子12の回動は、コントロールロッド15により成されるもので、 このコントロールロッド15は、ピストンロッド17の貫通穴17b内を貫通し て上端部まで延在され、ピストンロッド17の図外の車体取付部に設けられたス テップモータによりステップ回動されるようになっている。
【0028】 そして、前記調整子12は、その回動に基づいて減衰力ポジションを図4〜図 6に示す3つのポジションの範囲内で任意のポジション位置に切り換え可能とな っている。
【0029】 まず、図5に示す第1減衰力ポジションでは、第1〜第5ポート3c,3d, 3e,3f,3gの全てが開かれていて、前記伸行程における4つの流路D,E ,F,Gと、圧行程における3つの流路H,J,Gのすべてが流通可能となって いる。
【0030】 また、図4に示す第2減衰力ポジションでは、第1ポート3cのみが開かれ、 その他の第2〜第5ポート3d,3e,3f,3gは閉じられていて、伸側第1 流路Dと、圧側第1流路Hと、圧側第2流路Jとが流通可能となっている。
【0031】 また、図6に示す第3減衰力ポジションでは、第2ポート3c,第4ポート3 f及び第5ポート3gが開かれ、第1ポート3c及び第3ポート3eが閉じられ ていて、伸側第1〜第3流路D,E,F及び圧側第1流路Hが流通可能となって いる。
【0032】 また、図5に示す第1減衰力ポジションから図4に示す第2減衰力ポジション 方向へ切り換えるべく調整子12を反時計方向に回動させていくと、第2〜第5 ポートの開度が絞られて、バイパス流路Gと伸側第2流路Eと伸側第3流路Fの 流路断面積を減少させる方向に変化させることができる。
【0033】 また、図5に示す第1減衰力ポジションから図6に示す第3減衰力ポジション 方向へ切り換えるべく調整子12を時計方向に回動させていくと、第1ポート及 び第3ポートの開度が絞られて、バイパス流路Gと圧側第2流路Jと伸側第3流 路Fの流路断面積を減少させる方向に変化させることができる。
【0034】 以上のように、第3ポート3eと第2横孔12dとの間で伸側・圧側共通可変 絞り部Rを形成し、第2ポート3dと縦溝12cとの間で伸側第1可変絞り部S を形成し、第4ポート3fと縦溝12cとの間で伸側第2可変絞り部Tを形成し 、第5ポート3gと縦溝12cとの間で伸側第3可変絞り部Uを形成し、第1ポ ート3cと第1横孔12bとの間で圧側可変絞り部Vを形成している。
【0035】 次に、実施例の作用について説明する。 (a)部品組み付け時 部品の組み付けに際しては、まず、倒立状態に固定したピストンロッド17の 上端ねじ部17aに対し、リバウンドストッパ18を螺合して取り付けを行なう 一方で、正立状態のスタッド3に対しては、その大径穴3h内にストッパプレー ト19を装着する。このストッパプレート19の装着に際しては、その両半円状 突起部19b,19bをその反発力に抗して大径穴3hの両位置決め用縦溝3j ,3j内に押し込むもので、この両半円状突起部19b,19bの圧入によりス トッパプレート19の位置決めが行なわれると共に、一旦押し込まれた両半円状 突起部19b,19bは、その変形による反発力でその先端部が両位置決め用縦 溝3j,3jの内周面に圧接することから、以後はストッパプレート19の容易 な脱落が阻止された状態となる。
【0036】 次に、前記リバウンドストッパ18の大径穴18b内に、スラストワッシャ2 0,21を装着した後、リバウンドストッパ18のねじ部18aに対し、スタッ ド3を倒立状態で螺合して取り付けを行なう。このスタッド3の螺合により、ス タッド3における大径穴3hの底面とリバウンドストッパ18の先端面との間に ストッパプレート19が挟持された状態で組み付けられる。
【0037】 そして、それ以後は、スタッド3の先端小径部3aの外周及び貫通穴3b内に 対する残りの各部品の組み付け作業が倒立状態のままで能率的に行なわれること になる。
【0038】 (b)減衰力制御開始時 緩衝器の減衰力制御を開始するに際しては、まず、ステップモータの原点出し が行なわれる。 即ち、このステップモータの原点出しは、ステップモータ自体は360度回転 可能で、基本となる0点が存在しないことから、調整子12側を基本となる原点 位置まで回動させるために行なわれるもので、調整子12の平面部12e,12 eがストッパプレート19のストッパ部19c,19cに当接するまで、ステッ プモータがステップ駆動される。 そして、この原点位置からステップモータを所定のステップ数だけ回転駆動さ せることにより、任意の減衰力ポジションへの切り換えが行なわれる。
【0039】 (c)第1減衰力ポジション制御時 図5に示す第1減衰力ポジションでは、第1〜第5ポート3c,3d,3e, 3f,3gの全てが開かれていて、前記伸行程における4つの流路D,E,F, Gと、圧行程における3つの流路H,J,Gのすべてが流通可能となっている。 従って、伸行程時には、低ピストン速度域では、流体が流通抵抗の最も小さい バイパス流路Gを流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第3流路F, 伸側第2流路E,伸側第1流路Dの順に流通を開始し、これにより、伸行程の減 衰力レンジはソフトレンジの状態となる。 一方、圧行程時には、低ピストン速度域では、流体が流通抵抗の最も小さいバ イパス流路Gを流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第2流路J,圧 側第1流路Dの順に流通を開始し、これにより、圧行程の減衰力レンジもソフト レンジの状態となる。
【0040】 (d)第2減衰力ポジション制御時 図4に示す第2減衰力ポジションでは、第1ポート3cのみが開かれ、その他 の第2〜第5ポート3d,3e,3f,3gは閉じられていて、伸側第1流路D と、圧側第1流路Hと、圧側第2流路Jとが流通可能となっている。 従って、伸行程時には、流体が伸側減衰バルブ9を開弁して伸側第1流路Dを 流通し、これにより、伸行程の減衰力レンジはハードレンジの状態となる。 一方、圧行程時には、低ピストン速度域では、流体が流通抵抗の小さい圧側第 2流路Jを流通し、高ピストン速度域では圧側第1流路Hを流通し、これにより 、圧行程の減衰力レンジはソフトレンジの状態となる。
【0041】 (e)第3減衰力ポジション制御時 図6に示す第3減衰力ポジションでは、第2ポート3c,第4ポート3f及び 第5ポート3gが開かれ、第1ポート3c及び第3ポート3eが閉じられていて 、伸側第1〜第3流路D,E,F及び圧側第1流路Hが流通可能となっている。 従って、伸行程時には、低ピストン速度域では、流体が流通抵抗の小さい伸側 第3流路Fを流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第2流路E及び伸 側第1流路Dを流通し、これにより、伸行程の減衰力レンジはソフトレンジの状 態となる。 一方、圧行程時には、流体が圧側減衰バルブ6を開弁して圧側第1流路Hを流 通し、これにより、圧行程の減衰力レンジはハードレンジの状態となる。
【0042】 (f)第1減衰力ポジションと第2減衰力ポジション間制御時 図5に示す第1減衰力ポジションから図4に示す第2減衰力ポジション方向へ 切り換えるべく調整子12を反時計方向に回動させていくと、第2〜第5ポート の開度が絞られて、バイパス流路Gと伸側第2流路Eと伸側第3流路Fの流路断 面積が減少してくるため、この流路断面積の減少に比例して、伸行程の減衰力が 次第に高くなる。 つまり、調整子12を第1減衰力ポジション位置から反時計方向に回動させる ことにより、圧行程側の減衰力レンジはソフトレンジ状態のままで、伸行程側の 減衰力レンジのみをハードレンジ方向へ変化させることができる。
【0043】 (g)第1減衰力ポジションと第3減衰力ポジション間制御時 図5に示す第1減衰力ポジションから図6に示す第3減衰力ポジション方向へ 切り換えるべく調整子12を時計方向に回動させていくと、第1ポート及び第3 ポートの開度が絞られて、バイパス流路Gと圧側第2流路Jと伸側第3流路Fの 流路断面積が減少してくるため、この流路断面積の減少に比例して、圧行程の減 衰力が次第に高くなる。 つまり、調整子12を第1減衰力ポジション位置から時計方向に回動させるこ とにより、伸行程側の減衰力レンジはソフトレンジ状態のままで、圧行程側の減 衰力レンジのみをハードレンジ方向へ変化させることができる。
【0044】 以上説明したようにこの実施例の減衰力可変型緩衝器では、伸行程及び圧行程 の内のいずれか一方の工程側の減衰力レンジがハードレンジである時には、その 逆行程側の減衰力レンジが常にソフトレンジとなっていることから、低周波と高 周波とが複合された路面入力に対しても、快適な乗り心地と操縦安定性を確保す ることができるという特徴を有している。
【0045】 また、調整子12は、ストッパプレート19のストッパ部19cに調整子12 の平面部12eが当接することでその回動範囲が規制されるもので、このストッ パ部19cは、調整子12の両側面に切削加工により形成された平面部12e側 に突出する状態で形成されることから、ストッパプレート19の外径を小さくす ることができ、従って、適用緩衝器サイズの汎用性を高めることができるという 特徴を有している。
【0046】 また、調整子12側には平面部が切削加工されるのみで、調整子12に衝撃を 与えるピンの圧入等の工程を必要としないので、圧入工程で生じる調整子12の 変形による寸法精度の悪化を回避することができるという特徴を有している。
【0047】 また、スタッド3の大径穴h内にストッパプレート19を圧入する操作だけで ストッパプレート19の位置決めが容易に行なわれるため、位置決めピンを用い る従来の場合に比べて作業工数を少なくすることができ、これにより、製造コス トを低減させることができるようになる。
【0048】 しかも、ストッパプレート19は、一旦装着するとその容易な脱落が阻止され た状態となるため、以後の組み付け作業の能率を高めることができる。
【0049】 (第2実施例) 次に、図7に示す第2実施例の減衰力可変型緩衝器について説明する。尚、こ の実施例の説明にあたり、前記第1実施例と同様の構成部分には同一の符号を付 けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0050】 即ち、この実施例では、ピストンロッド17が大径で第1実施例におけるバウ ンドストッパ18が省略された形式の緩衝器に本考案を適用した例であり、従っ て、スタッド3が直接ピストンロッド17の先端ねじ部17aに螺合されると共 に、ピストンロッド17の下端面に形成された大径穴17c内にアッパブッシュ 22と両スラストワッシャ20,21が装着されていて、ピストンロッド17の 先端面と装着穴3hの底面との間にストッパプレート19が挟持された状態とな っている。
【0051】 従って、この第2実施例の減衰力可変型緩衝器においても、前記第1実施例と 同様の効果が得られる。
【0052】 以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は、この実 施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更 等があっても本考案に含まれる。
【0053】 例えば、実施例では、調整子を回動させるようにした場合を示したが、回動と 軸方向スライドとを組み合わせることもできる。
【0054】 また、実施例では、バルブボディとしてピストンを示したが、例えば、シリン ダ内の室とシリンダ外のリザーバ室とを画成するベース等、他のものにも適用で きる。
【0055】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の減衰力可変型緩衝器では、筒状部材の中空 部内において回動可能に設けられ、その一側面に切欠状の平坦部が形成された調 整子と、調整子の平坦部と同一平面上の筒状部材に位置決め固定され、調整子が 挿通される中央穴の内周側には調整子の平坦部に当接することで調整子の回動範 囲を規制する内向き突起部を有するストッパ部材とを備えた手段としたことで、 調整子側には平坦部が切削加工されるのみで、調整子に衝撃を与えるピンの圧入 等の工程を必要としないことから、圧入工程で生じる調整子の変形による寸法精 度の悪化を回避することができるという効果が得られる。
【0056】 また、ストッパ部材の内向き突起部は、調整子の一側に切欠状に形成された平 坦部側に突出する状態で形成されることから、ストッパ部材の外径を小さくする ことができ、これにより、適用緩衝器サイズの汎用性を高めることができるよう になるという効果が得られる。
【0057】 また、前記ストッパ部材の外周には筒状部材の装着穴内側壁に形成された縦溝 に係合する複数の外向き突起部を有していて、この外向き突起部をその基部付近 から折曲して傾斜状に形成すると共に、ストッパ部材の中心部から各外向き突起 部先端までの幅を筒状部材の装着穴の中心から各縦溝の底部側壁面までの直径よ り少し幅広に形成した構成としたことで、筒状部材の装着穴内にストッパ部材を 圧入する操作だけで、その外向き突起部が縦溝に係合してその位置決めが容易に 行なわれると共に、一旦押し込まれた外向き突起部は、その変形による反発力で その先端部が縦溝の内周面に圧接してストッパ部材の容易な脱落を阻止するよう に働くため、以後の部品の組み付け作業を容易に行なうことができ、これにより 、製造コストを低減させることができるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案第1実施例の減衰力可変型緩衝器の要部
を示す断面図(図2のP−P断面)である。
【図2】図1のC−C断面図である。
【図3】調整子部分の分解斜視図である。
【図4】第2減衰力ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図1のK−K断面図,(ロ)は図1のL−L及びM
−M断面図,(ハ) は図1のN−N断面図である。
【図5】第1減衰力ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図1のK−K断面図,(ロ)は図1のL−L及びM
−M断面図,(ハ) は図1のN−N断面図である。
【図6】第3減衰力ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図1のK−K断面図,(ロ)は図1のL−L及びM
−M断面図,(ハ) は図1のN−N断面図である。
【図7】本考案第2実施例の減衰力可変型緩衝器の要部
を示す断面図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 F 伸側第3流路(流路) G バイパス流路(流路) J 圧側第2流路(流路) R 伸側・圧側共通可変絞り部 S 伸側第1可変絞り部 U 伸圧第3可変絞り部 V 圧側可変絞り部 1 シリンダ 2 ピストン(バルブボディ) 3 スタッド(筒状部材) 3b 貫通穴(中空部) 3c 第1ポート 3d 第2ポート 3e 第3ポート 3f 第4ポート 3g 第5ポート 3h 大径穴(装着穴) 3j 縦溝 12 調整子 12c 縦溝(連通路) 12d 第2横孔(連通路) 12e 平面部(平坦部) 19 ストッパプレート(ストッパ部材) 19a 中央穴 19b 半円状突起部(外向き突起部) 19c ストッパ部(内向き突起部)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を2室に画成して設けられた
    バルブボディと、 バルブボディの軸心部に設けられた筒状部材と、 筒状部材の中空部内において回動可能に設けられ、その
    一側面に切欠状の平坦部が形成された調整子と、 筒状部材の周壁を径方向に貫通して形成されたポート
    と、 ポートと符合する調整子に形成され、調整子の回動に基
    づきポートとの間に可変絞り部を形成する連通路と、 ポート及び連通路を経由して2室間を連通する流路と、 調整子が挿通される中央穴の内周側には前記調整子の平
    坦部に当接することで調整子の回動範囲を規制する内向
    き突起部を有すると共に、外周には筒状部材の装着穴内
    側壁に形成された縦溝に係合する複数の外向き突起部を
    有するストッパ部材と、 を備え、 前記ストッパ部材の各外向き突起部をその基部付近から
    折曲して傾斜状に形成すると共に、ストッパ部材の中心
    部から各外向き突起部先端までの幅を筒状部材の装着穴
    の中心から各縦溝の底部側壁面までの直径より少し幅広
    に形成したことを特徴とする減衰力可変型緩衝器。
JP8904492U 1992-12-25 1992-12-25 減衰力可変型緩衝器 Pending JPH0653839U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013067312A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Seiki Co Ltd 車両のステアリング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013067312A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Seiki Co Ltd 車両のステアリング装置

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