JP2524793Y2 - 減衰力可変型液圧緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型液圧緩衝器

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JP2524793Y2
JP2524793Y2 JP1989099513U JP9951389U JP2524793Y2 JP 2524793 Y2 JP2524793 Y2 JP 2524793Y2 JP 1989099513 U JP1989099513 U JP 1989099513U JP 9951389 U JP9951389 U JP 9951389U JP 2524793 Y2 JP2524793 Y2 JP 2524793Y2
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光雄 佐々木
史之 山岡
忍 柿崎
浩行 清水
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Description

【考案の詳細な説明】 (従来の技術) 従来の減衰力可変型液圧緩衝器としては、例えば、NI
SSANサービス周報第578号 C−87頁(発行:昭和62年
6月、発行所:日産自動車株式会社)に記載されている
ようなものが知られている。
この従来の減衰力可変型液圧緩衝器は、ピストンに設
けられた減衰バルブと並列に、シリンダの上部室と下部
室との間を連通するバイパス路が形成され、このバイパ
ス路の途中に可変オリフィスが設けられたものであっ
た。
そして、この可変オリフィスは、口径を異にする3つ
のオリフィス孔(丸孔)が、固定側円筒部の周方向等間
隔のもとにそれぞれ内外を連通するように穿設され、該
円筒部内には、スリットを有する円筒状の調整子が回転
自在に設けられたもので、この調整子の回動で、スリッ
トと符合するオリフィス孔を切り換えることによって、
減衰力レンジを3段階に変更できるようにしたものであ
った。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の減衰力可変型液圧緩
衝器にあっては、可変オリフィス構造が、減衰力レンジ
を段階的な選択切換により変更する構造であるため、レ
ンジの設定に限りがあり、種々の状況に応じた最適な減
衰力特性に設定することができないという問題があっ
た。
もっとも、上述のような可変オリフィス構造にあって
も、スリットとオリフィス孔との間の開口面積を無段階
的に変化させるべく調整子に徐々に回動させることで、
減衰力レンジを無段階的に変化させることができるが、
この従来構造では、第7図(イ)に示すように、スリッ
ト100の開口幅がオリフィス孔101の丸孔径よりも大きい
構造となっているため、スリット変位に対するオリフィ
ス孔の開口面積の変化が、第7図(ロ)において実線で
示すように、全開近傍と閉じ切り近傍で変化が小さく、
途中で変化率があまり変化しない特性となり、このた
め、スリット変位に対する減衰力特性が、第7図(ハ)
において実線で示すように、2次曲線状の特性となって
しまう。
従って、従来の構成により単に減衰力レンジを無段階
に変更しようとすると、減衰力コントロールのためのス
リット変位(調整子の回転角)制御が難しいという問題
がある。
即ち、このようなスリット変位の制御を用意とするに
は、第7図(ハ)において1点鎖線で示すような、1次
比例の直線的な減衰力特性が好ましく、このような減衰
力特性を得るためには、第7図(ロ)において1点鎖線
で示すように、全開側で変化率が大きく閉じ切り側で変
化率の小さな2次曲線的なオリフィス開口面積の変化特
性が理想的である。
本考案は、上述のような従来の問題に着目して成され
たもので、スリット変位に対する丸孔の開口面積の変化
特性を2次曲線的な特性とすることにより、スリット変
位に対する減衰力特性を1次比例の線形特性にすること
ができる減衰力可変型液圧緩衝器を提供することを目的
としている。
(課題を解決するための手段) 上述のような目的を達成するために、本考案の減衰力
可変型液圧緩衝器では、作動液が充填されたシリンダ内
を上部液室と下部液室とに画成して設けられたピストン
と、該ピストンの作動に基づいて流通する流体の流路途
中に設けられ流路断面積を変更可能な可変オリフィスと
を備え、前記可変オリフィスを、固定部材とこの固定部
材に対して回動自在な可動部材とのいずれか一方に形成
された複数の丸孔と、いずれか他方に形成されて各丸孔
に対して相対変位可能な複数のスリットにより構成し、
各スリットの相対変位方向の幅が、各スリットと符合す
る各丸孔の径よりも幅狭に形成し、少なくとも1組の丸
孔およびスリットのそれぞれの中心が一致するときの可
動部材の位置と、他の組の丸孔およびスリットのそれぞ
れの中心が一致するときの可動部材の位置とを所定角度
異ならせて前記複数の丸孔およびスリットを配置した。
(作用) 本考案の減衰力可変型液圧緩衝器では、ピストンがス
トロークすると、各液室の液圧変化に基づき、流体が流
路を流通するもので、この流路に設けられた可変オリフ
ィスにおいて、丸孔とスリットとを相対的に変化させる
ことにより、流路断面積が無段階的に変化し、これによ
り、減衰力特性が無段階的に変化する。
そして、この可変オリフィスでは丸孔とスリットとの
中心とを一致させた状態が開度が最大となり、この位置
から両者を相対変化させると開度が小さくなる。
従って、従来のように丸孔自体を全開とした時に開度
を最大とし、この状態から丸孔の一端側から徐々に開度
を小さくするのと比べると、本考案では、スリットの変
位方向の端部が丸孔の端部を越えるまでは、スリットの
両端側で開口面積が減少することになるため、開口面積
の変化率が大きくなる。
つまり、従来に比べ全開付近における開口面積の変化
率が大きくなり、閉じ切り側では従来と同様に変化率が
小さくなるもので、従来よりも2次曲線的な変化とな
る。
そして、複数の丸孔とスリットの組において、少なく
とも1組は丸孔とスリットとの中心が一致するときの可
動部材の位置が他の組の丸孔とスリットとの中心が一致
する時の可動部材の位置と所定角度位置を異ならせて配
置させていることで、可動部材の回動角度に対して複数
の上記2次曲線的な流路断面積変化を位相をずらして生
じさせることができ、これにより可動部材の回動に伴っ
て変化する減衰力特性を任意の特性に設定することが可
能となり、その結果、可動部材の回動に対して減衰力特
性を線形で変化するように設定することも可能となる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。
まず、実施例の構成について説明する。
第1図は、本考案実施例の減衰力可変型液圧緩衝器の
主要部を示す断面図であって、図中1は円筒状のシリン
ダを示している。このシリンダ1は、摺動自在に装填さ
れたピストン2によって、上部室Mと下部室Nとに画成
され、両室M,Nには油等の流体が充填されている。
前記ピストン2は、ピストンロッド3の先端の小径部
3dに取り付けられており、即ち、ピストンロッド3の小
径部3dに対しリテーナ5,ワッシャ6,圧側ディスクバルブ
7,ピストン2,第1伸側ディスクバルブ9,第2伸側ディス
クバルブ10,ワッシャ11,スプリングシート12,スプリン
グ13を順次装着し、最後にカラー14を介してナット15で
締結して取り付けられている。
さらに詳述すると、前記ピストン2には、中央にピス
トンロッド3の小径部3dを挿通するピストン貫通孔2aが
穿設され、ピストンロッド3にはその軸芯部を上下方向
に貫通する貫通穴3cが穿設されている。
また、第2図にも示すように、上部室M側であるピス
トン2の上端面には、内外二重に圧側内側溝2bと圧側外
側溝2cが形成されている。この圧側外側溝2cは環状に形
成され、その直径方向にピストン貫通孔2aと連通する2
本の外側連通溝2h,2hが形成され、また、圧側内側溝2b
は2本の外側連通溝2h,2hを境にして半円状に2分割さ
れ、かつ、それぞれ2本の外側連通溝2h,2hと直交する
方向に形成された内側連通溝2g,2gによってピストン貫
通孔2aと連通されている。尚、第1図の断面図は、第2
図のI−I線に対応して切断した状態を示している。
そして、各連通溝2h,2h及び2g,2gとそれぞれ符合する
ピストンロッド3には、圧側の可変オリフィスを構成す
る圧側丸孔3aが穿設されている。
また、両溝2b,2cの外周には、それぞれ内側シート面2
dと外側シート面2eが形成されている。そして、前記圧
側内側溝2bは、ピストン2に上下方向に穿設された複数
個の圧側連通孔2fにより下部室Nに連通されている。
尚、両シート面2d,2eには前記圧側ディスクバルブ7
が当接されている。
一方、前記ピストン2の下部室N側の下端面も上端面
側と対称的な構成となっていて、即ち、ピストン2の下
端面には、内外二重に伸側内側溝2jと伸側外側溝2kが形
成されている。この伸側外側溝2kは、環状に形成され、
その直径方向にピストン貫通孔2aと連通する2本の外側
連通溝2r,2rが形成され、また、伸側内側溝2jは、2本
の外側連通溝2r,2rを境にして半円状に2分割され、か
つ、それぞれ2本の外側連通溝2r,2rと直交する方向に
形成された内側連通溝2q,2qによってピストン貫通孔2a
と連通されている。
そして、各連通溝2r,2r及び2q,2qとそれぞれ符合する
ピストンロッド3の小径部3dには、伸側の可変オリフィ
スを構成する伸側丸孔3bが穿設されている。
また、両溝2j,2kの外周には、それぞれ内側シート面2
mと外側シート面2nが形成されている。そして、伸側内
側溝2jは、ピストン2に上下方向に穿設された複数個の
伸側連通孔2pにより上部室Mに連通されている。
尚、両シート面2m,2nには前記第1伸側ディスクバル
ブ9が当接され、さらに、内側シート面2mの位置に第2
伸側ディスクバルブ10の外周部が配設されると共に、ス
プリングシート12を介してスプリング13のスプリング力
が与えられている。
さらに、前記ピストンロッド3の小径部3dの貫通穴3c
内には可変オリフィスとしての調整子16が、上側スラス
トブッシュ17と、下側スラストブッシュ18に挟持されて
回転可能に設けられている。
この調整子16は、それぞれ独立した圧側中空部16a及
び伸側中空部16bを有して筒状に形成され、かつ、それ
ぞれ前記4つの圧側丸孔3a及び4個の伸側丸孔3bにそれ
ぞれ略符合する位置には、圧側スリット16c及び伸側ス
リット16dが形成されている。
この両スリット16c,16dは、軸方向に縦長で、周方向の
幅が各丸孔3a,3bの半径よりも小さな大きさに形成され
ている。
尚、この実施例では、前記圧側丸孔3a及び伸側丸孔3b
の内、内側連通溝2gに連通して対向した丸孔3a,3b(中
心線をaで示す)と、外側連通溝2h,2rに連通して対向
した丸孔3a,3b(中心線をbで示す)とが、第3図に示
すように、直角に対してα°だけ位相をずらした状態で
形成されている。
このように、本実施例では、ピストンロッド3の小径
部3dと調整子16により可変オリフィスが構成されている
もので、即ち、圧側丸孔3aと調整子16に形成された圧側
スリット16cにより構成された絞り部分が圧側可変オリ
フィス21を形成し、また、伸側丸孔3bと伸側スリット16
dによる絞りの部分が伸側可変オリフィス22を形成して
いる。
尚、調整子16の回動は、貫通穴3c内に設けられたコン
トロールロッド19により成されるもので、このコントロ
ールロッド19は、ピストンロッド3の上端部まで延在さ
れ、図外のピストンロッド3の車体取付部に設けられた
アクチュエータにより回動されるようになっている。
また、前記上側スラストブッシュ17の上部には、コン
トロールロッド19と貫通穴3cとの間の隙間をシールする
オーリング20が装着されている。
次に、実施例の作用について説明する。
(イ)圧行程時 ピストン2の圧行程時には、下部室Nの流体が圧側連
通孔2fを通り圧側内側溝2bに流入する。そして、この圧
側内側溝2bから上部室Mに対し2系統の経路を介して流
体が流通する。
つまり、第1の経路は、圧側内側溝2bから、内側連通
溝溝2g,2g〜圧側丸孔3a,3a〜調整子16の圧側スリット16
c,16c〜圧側中空部16b〜圧側スリット16c,16c〜圧側丸
孔3a,3a〜外側連通溝溝2h,2h〜圧側外側溝2cを経て、外
側シート面2eの位置で圧側ディスクバルブ7を開弁して
上部室Mに至る経路である。
一方、第2の経路は、圧側内側溝2bから、内側シート
面2dの位置で、圧側ディスクバルブ7を開弁して圧側外
側溝2cに流入し、そこからさらに、外側シート面2dの位
置で圧側ディスクバルブ7を開弁して上部室Mに至る経
路である。
流体がこのような2つの経路を流通することで圧側デ
ィスクバルブ7及び圧側可変オリフィス21において減衰
力が生じる。
尚、調整子16を回動させて、圧側可変オリフィス21の
断面積を変化させることで、第1の経路の流路の断面積
を変化させることができ、それによって減衰力レンジを
無段階的に変化させることができる。
(ロ)伸行程時 ピストン2の伸行程時には、上部室Mの液圧上昇に伴
ない、上部室Mの流体が下部室Nに流入するが、この際
に流体が流れる経路は、以下のようになる。
まず、上部室M内の流体は伸側連通孔2pを通り伸側内
側溝2jに流入する。そして、この伸側内側溝2jから下部
室Nに対し2系統の経路を介して流体が流通する。
即ち、第1の経路は、伸側内側溝2jから、内側連通溝
溝2q,2q〜伸側丸孔3b,3b〜調整子16の伸側スリット16d,
16d〜伸側中空部16b〜伸側スリット16d,16d〜伸側丸孔3
b,3b〜外側連通溝溝2r,2r〜伸側外側溝2kを経て、外側
シート面2nの位置で第1伸側ディスクバルブ9を開弁し
て下部室Nに至る経路である。
一方、第2の経路は、伸側内側溝2jから、スプリング
13の閉弁力に抗して内側シート面2mの位置で両伸側ディ
スクバルブ9,10を開弁して伸側外側溝2kに流入し、そこ
からさらに、外側シート面2nの位置で第1伸側ディスク
バルブ9を開弁して下部室Nに至る経路である。
以上のような経路の流体の流通が成されることで、伸
側減衰バルブ9,10と、伸側可変オリフィス22とで減衰力
が生じる。
また、この伸側可変オリフィス22の断面積を変更するこ
とで、第1の経路の流路断面積を変更して減衰力レンジ
を変更することができる。
(ハ)減衰力レンジ変更時 上述したように、調整子16の回動に基づき、圧側可変
オリフィス21及び伸側可変オリフィス22のオリフィス断
面積を変更することで、減衰力特性を変更させることが
できるもので、絞りを開けば、低減衰力レンジとなる
し、絞りを狭めると、高減衰力レンジとなる。
ところで、本実施例では、両オリフィス21,22におけ
るスリット変位に対するオリフィス断面積の変化特性が
従来と異なり、これにより、スリット変位に対する減衰
力特性も異なる。
つまり、第4図(イ)に示すように、本実施例では、
両スリット16c,16dの周方向の幅Eは、両丸孔3a,3bの半
径よりも小さく形成されている。
従って、第4図(イ)に示すように、両者の中心を一
致させた状態でオリフィス断面積は最大となる。この付
近の領域が第5図のsoft領域に相当する。
そして、この最大の状態から、スリット16c,16dと丸
孔3a,3bを相対変位させた場合、オリフィス断面積は、
第4図(ニ)において実線で示すように変化する。
即ち、第4図(ロ)はスリット16c,16dの一端Aを丸
孔3a,3bの一端Cの位置に配置した状態から他端D側へ
変位させた際の、一端Aよりも図中右側の丸孔面積を示
している。また、第4図(ハ)は同様のスリット16c,16
dの他端Bよりも図中右側の丸孔面積を示している。
この第4図(ロ)の面積から第4図(ハ)の面積を差
し引いたものが、オリフィス断面積であり、それを
(ニ)に示しているものである。
このようにオリフィス断面積は第4図(イ)の状態の
位置Fにおいて最大となり、それから減少していくが、
図示のように、点線で示す2次曲線の理想曲線と一致す
る面積変化を成す部分が生じ、この状態で減衰力特性は
1次の直線的な特性となる。
つまり、スリット16c,16dの一端Aが、丸孔3a,3bの中
心を越えてからは、オリフィス断面積において、スリッ
トの両端A,B側において面積が減少する状態となり従来
のように一端A側のみ面積変化するのと比べ変化率は極
めて大きくなるから、理想曲線と一致する。
次に、第5図は、圧側スリット16cを第3図(イ)の
位置から第3図(ロ)の位置まで変位させた時のスリッ
ト変位(調整子回転角)に対するオリフィス断面積特性
図で、同図においては第3図で示す一方の中心線a側
のオリフィス断面積特性、は中心線b側のオリフィス
断面積特性、+は前記両特性を足し合わせたオリフ
ィス断面積特性、は減衰特性として1次比例の線形特
性を得るための理想特性(2次曲線)を示している。
このように、本実施例では、圧側スリット16cの幅
を、圧側丸孔3aの半径よりも小さくしたことで、減衰力
の可変領域における各オリフィス断面積特性,が2
次曲線に近くなる。
そして、両オリフィス断面積特性をα°だけ位相をず
らしたので、両特性を直列に足し合わせたオリフィス断
面積特性+は、理想曲線に近いものとなる。
従って、スリット変位に対する発生減衰力特性は、第
6図に示すように、1次の線形特性に近いものとな
る。尚、同図は、従来の減衰力特性を示す。
以上説明してきたように、実施例の減衰力可変型液圧
緩衝器では、伸圧両行程において、1次の直線的な減衰
力特性を得ることができるという特徴を有している。そ
して、このように、直線的な特性が得られることで、途
中で特性が急変することがなく、自動車のサスペンショ
ンに適用した場合には、乗り心地と操縦安定性の両立を
図ることができるという特徴が得られる。
また、伸行程と圧行程とで、流体の流通経路が異なる
ため、伸側と圧側とで独立した減衰力特性が得られ、こ
のため、伸側と圧側とで独立して減衰力特性の設定がで
き、設定自由度が高いという特徴を有している。
また、スリット変位に対する発生減衰力特性を1次の
線形特性に近づけることができるので、減衰力コントロ
ールのためのスリット変位(調整子の回転角)制御が容
易になるという特徴が得られる。
以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、
本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があ
っても本考案に含まれる。
例えば、実施例では、伸側と圧側と別個に可変オリフ
ィスを設けたが、伸側・圧側兼用の可変オリフィスとし
てもよいし、また、伸側・圧側いずれか一方のみに可変
オリフィスを設けてもよい。
また、実施例では、内側溝と外側溝とを結ぶ流路の途
中に可変オリフィスを設けたが、上部室と下部室との途
中に設けてもよい。
また、実施例では、スリット幅を丸孔の半径よりも小
さくした例を示したが、少なくとも直径より小さくすれ
ば、所期の作用効果は得られる。
(考案の効果) 以上説明してきたように、本考案の減衰力可変型液圧
緩衝器では、丸孔に対して相対変位するスリットの幅
を、その相対変位方向に丸孔の径よりは幅狭とし、さら
に、少なくとも1組の丸孔およびスリットのそれぞれの
中心が一致するときの可動部材と位置と、他の組の丸孔
およびスリットのそれぞれの中心が一致するときの可動
部材の位置とを所定角度異ならせて複数の丸孔およびス
リットを配置したため、可動部材の変位に対して流路断
面積が2次曲線で変化する断面積変化特性を、複数位相
をずらして組み合わせることで、任意の断面積変化特性
を得ることができ、これによって、高い減衰力特性設定
自由度が得られるとともに、可動部材の変位に対する減
衰力特性を1次の線形特性に近い特性とすることがで
き、減衰力コントロールのためのスリット変位(調整子
の回転角)制御が用意になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案実施例の減衰力可変型液圧緩衝器の要部
を示す断面図(第2図のI−I断面)、第2図は第1図
のII−II断面図、第3図(イ),(ロ)は可変オリフィ
スの変位を示す断面図、第4図(イ)(ロ)(ハ)
(ニ)は丸穴に対してスリットを相対変位させた場合の
特性を説明する説明図、第5図はスリット変位(調整子
回転角)に対するオリフィス断面積特性図、第6図はス
リット変位に対する発生減衰力特性図、第7図(イ)は
従来の可変オリフィス構造を示す断面図、第7図(ロ)
は従来のスリット変位に対するオリフィス断面積の変化
を示す特性図、第7図(ハ)は従来のスリット変位に対
する発生減衰力特性図である。 M……上部室 N……下部室 1……シリンダ 2……ピストン 3a……圧側丸孔 3b……伸側丸孔 16c……圧側スリット 16d……伸側スリット 21……圧側可変オリフィス 22……伸側可変オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 清水 浩行 神奈川県厚木市恩名1370番地 厚木自動 車部品株式会社内 (56)参考文献 実開 昭59−133854(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動液が充填されたシリンダ内を上部液室
    と下部液室とに画成して設けられたピストンと、 該ピストンの作動に基づいて流通する流体の流路途中に
    設けられ流路断面積を変更可能な可変オリフィスとを備
    え、 前記可変オリフィスが、固定部材とこの固定部材に対し
    て回動自在な可動部材とのいずれか一方に形成された複
    数の丸孔と、いずれか他方に形成されて各丸孔に対して
    相対変位可能な複数のスリットにより構成され、 各スリットの相対変位方向の幅が、各スリットと符合す
    る各丸孔の径よりも幅狭に形成され、 少なくとも1組の丸孔およびスリットのそれぞれの中心
    が一致するときの可動部材の位置と、他の組の丸孔およ
    びスリットのそれぞれの中心が一致するときの可動部材
    の位置とを所定角度異ならせて前記複数の丸孔およびス
    リットが配置されていることを特徴とする減衰力可変型
    液圧緩衝器。
JP1989099513U 1989-08-26 1989-08-26 減衰力可変型液圧緩衝器 Expired - Lifetime JP2524793Y2 (ja)

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