JPH0653799B2 - ケイ酸塩化合物を原料とした高撥水性化合物の製造方法 - Google Patents

ケイ酸塩化合物を原料とした高撥水性化合物の製造方法

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JPH0653799B2 JP24769287A JP24769287A JPH0653799B2 JP H0653799 B2 JPH0653799 B2 JP H0653799B2 JP 24769287 A JP24769287 A JP 24769287A JP 24769287 A JP24769287 A JP 24769287A JP H0653799 B2 JPH0653799 B2 JP H0653799B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はケイ酸塩化合物を原料とした高撥水性化合物の
製造方法に係り、特に蛇紋岩、石綿以外のケイ酸塩化合
物を原料として、有機溶媒に可溶で撥水性に優れた生成
物を高収率で得ることができる方法に関する。
[従来の技術] ケイ酸塩化合物を原料として、これをシラン化合物と反
応させてシリル基を導入することにより(本明細書にお
いて、この処理を「シリル化」ということがある。)、
有機溶剤に可溶で撥水性のある化合物を得る方法は既に
公知である。例えば、特公昭49−40639号には、
ケイ酸ナトリウム化合物又はケイ酸マグネシウム化合物
を原料とし、これをトリメチルクロルシランによりトリ
メチルシリル化してトリメチルシリルシリケートを製造
する方法が開示されている。トリメチルシリルシリケー
トは撥水性、防水性及び塗膜形成能を有するため、各種
撥水剤として極めて有用である。
[発明が解決しようとする問題点] ケイ酸塩化合物を直接シリル化処理する上記特公昭49
−40639号公報記載の方法では、ケイ酸塩化合物の
種類によっては目的とする生成物の収量が著しく悪く、
工業的、経済的に不利である。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記従来の問題点を解消し、ケイ酸塩化合物を
原料として、有機溶媒に可溶で撥水性の高い化合物を高
収率で製造することができる方法を提供するものであっ
て、蛇紋岩及び石綿以外のケイ酸塩化合物を酸分解した
後、酸の存在下シラン化合物と反応させる、即ちシリル
化することにより、高撥水性化合物を製造することを特
徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法においては、まずケイ酸塩化合物を酸分解
する。本発明において用いるケイ酸塩化合物は蛇紋岩及
び石綿以外のケイ酸塩化合物であって、例えば、タル
ク、セピオライト等のケイ酸マグネシウム、カオリナイ
ト、ゼオライト等のケイ酸アルミニウム、フライアッシ
ュ、高炉スラグ等のケイ酸塩副産物、又はその他のケイ
酸塩化合物が挙げられる。また、これらのケイ酸塩化合
物の酸分解に使用される酸としては特に制限はないが、
一般には塩酸、硫酸等が用いられる。酸の使用量はケイ
酸塩化合物の種類によって異なり、ケイ酸塩化合物が完
全に分解するように適宜その使用量を決定する。ケイ酸
塩化合物に酸を加えて酸分解して得られる生成物は、酸
に溶けず、残渣として残るので、ろ過、遠心分離等の分
離操作を行うことにより容易に回収することができる。
ケイ酸塩化合物の酸分解により得られた生成物は、必要
に応じて乾燥した後、シリル化に先立ち、好ましくは苛
性アルカリに溶解して苛性アルカリ溶液とする。即ち、
上記酸分解により回収した残渣を、適当な濃度、例えば
0.6〜1.0N程度に調製した苛性アルカリ水溶液に
室温で溶解させる。この場合、特に加温する必要はな
く、室温において容易に溶解させることができる。用い
る苛性アルカリとしては特に制限はないが、一般には苛
性ソーダが使用される。なお、酸分解残渣の中には、苛
性アルカリに溶けない物質も含まれている場合もある。
この場合には、不溶部を除去して酸分解生成物の苛性ア
ルカリ溶液を得る。
次いで、得られた酸分解生成物の苛性アルカリ溶液を、
シリル化する。即ち、別途調製した酸、有機溶媒及びシ
ラン化合物(本明細書において、これを「シリル化剤」
ということがある。)を含む混合溶液に滴下して、室温
ないし50℃程度の加温下で反応を行なう。
この場合、混合溶液の酸濃度は酸分解生成物の苛性アル
カリ溶液のアルカリ濃度の7倍以上、好ましくは10倍
以上とすることにより、反応効率を高めることができ
る。また、シリル化剤の使用量は特に制限はないが、苛
性アルカリ溶液中の酸分解生成物の主成分であるシリカ
のSiO換算のモル数に対する、シリル化剤中のSi
のモル数の比(以下、「シリル化剤比率」という。)が
1以上となるようにすれば、シリル化が完全に行なわ
れ、撥水性の高い生成物が得られる。
混合溶液の調製に用いられる酸としては、硫酸、塩酸等
が適宜選択される。有機溶媒については、テトラヒドロ
フラン,2−ブタノール,ジメチルホルムアミド等の水
に可溶の極性溶媒と、ヘキサン,石油エーテル等の水に
不溶の溶媒を併用するのが好ましい。シラン化合物につ
いては、特に制限はないが、トリメチルクロロシランの
使用が一般的である。特にシラン化合物としてはビニル
基を有する単官能性のクロロシラン類,例えばビニルジ
メチルクロロシランを使用するのが好ましい。ビニル基
を有する単官能性のクロロシラン類が望ましい理由は、
得られる生成化合物が撥水処理する対象物にビニル基を
利用して架橋することにより、耐久撥水性が著しく向上
するからである。
本発明において、使用可能なシリル化剤としては、下記
一般式で示されるものが挙げられる。
(上記式中、R,R,R,R,R,Rはメ
チル、エチル、ブチル、メトキシ、エトキシ、ビニル、
アリル、フェニル等の置換基を示す。) 酸分解生成物の苛性アルカリ溶液を前記混合溶液に滴
下、反応させて得られた反応液は2層に分離するので、
上層の有機溶媒層を分液して回収し、不溶物を除去後、
有機溶媒を留去して乾燥することにより、本発明の目的
とする生成物を得る。この生成物は、必要に応じてアセ
トン,テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、水
中で再沈精製することにより精製することができる。
得られる生成物は、前記シリル化剤比率が3以上である
と概ね黄色いグリス状となり3未満であると白色粉末と
なる。特に、シリル化剤比率が1以上であると、著しく
強い撥水性を有するものとなる。
[作 用] 本発明の方法によれば、有機溶媒に可溶で撥水性の高い
生成物を高収率で得ることができる。
しかして、得られるケイ素含有化合物は、水ガラスを原
料として製造されるトリメチルシリルシリケート(特公
昭49−40639)に比し、極めて複雑な構造を有す
るため、その撥水性は著しく高い。
[実施例] 以下、実施例及び比較例について説明する。
実施例1〜4 カオリナイト(栃木県産)、ベントナイト(新潟県
産)、タルク(埼玉県産)、ゼオライト(秋田県産)、
の粉砕品各々80gを6M塩酸600ml中に入れ、5
0℃で24Hr撹拌し、分解した。分解後、遠心分離に
より約30g〜60gの残渣を回収し、水で洗浄後乾燥
した。得られた残渣を適当量、0.8Mカセイソーダ水
100ml中で3Hr溶解し、不溶部を除去後、SiO
濃度10g/100mlのケイ酸アルカリ溶液を得
た。
得られたケイ酸アルカリ溶液を、それぞれ下記第1表に
示す組成の混合溶液中に5ml/分程度の速度で滴下
し、12Hr反応させた。反応後、有機溶媒層を分液回
収し、有機溶媒を留去して乾燥し、生成物を得た。
得られた生成物の性状及び収量は第1表に示す通りであ
った。
また、各生成物を撥水剤として、その撥水性を下記方法
で調べた。結果を第1表に示す。
撥水性能試験方法 被処理布 :ナイロンタフタ 撥水剤の調合:撥水剤 5% トリクロロエチレン 95% 処 理 :被処理布を撥水剤に浸漬後、良く絞り乾
燥させる 撥水性評価方法:JIS L−1092 スプレーテスト 比較例1〜4 実施例1〜4で使用したケイ酸塩化合物それぞれについ
て、SiO含量10gとなる量を採取して、以下の組
成の混合溶液中に投入して、直接シリル化反応を行っ
た。
混合溶液の組成 硫酸(18M) 100ml 水 100ml テトラヒドロフラン 50ml ヘキサン 50ml トリメチルクロロシラン 54.2g 反応後の溶液は2層に分離し、有機溶媒層は白濁してい
た。有機溶媒層を回収し、不溶部を除去後有機溶媒を留
去し、乾燥後生成物を得たが、収量は下記第2表のとお
りで、いずれも実施例1〜4と比較して著しく少なかっ
た。
比較例2 水ガラス3号(市販品)をSiO分として10g/1
00mlの濃度となるよう調整し、実施例1のカオリナ
イトのシリル化剤条件と同じ条件でシリル化反応を行っ
た。
生成物は白色粉末で収量は14.2gであった。また、
この生成物の撥水性能を実施例1と同じ条件で試験した
ところ、スプレーテスト評価点数は70で実施例1より
もかなり劣っていた。
実施例5〜8 実施例1〜4で行ったシリル化において、シリル化剤を
ビニルジメチルクロロシランに変え、その他の条件は同
じにして反応させ、下記第3表の結果を得た。
各生成物について実施例1と同様の方法で撥水性能を調
べた結果を第3表に示す。
なお、実施例1〜4及び実施例5〜8について下記方法
により耐久撥水性能を調べたところ、第4表に示す如
く、シリル化剤としてビニルジメチルクロロシランを用
いた実施例5〜8のものの方が優れていた。
耐久撥水性能試験方法 被処理布 :ナイロンタフタ 撥水剤の調合:撥水剤 5% トリクロロエチレン 95% 処 理 :被処理布を撥水剤に浸漬後、良く絞り乾
燥させる 架 橋 :イソシアネート系架橋剤を使用(実施例
5〜8のみ) 耐久撥水性評価法:JIS L−0217−103 [発明の効果] 以上詳述した通り、本発明のケイ酸塩化合物を原料とし
た高撥水性化合物の製造方法は蛇紋岩及び石綿以外のケ
イ酸塩化合物を酸分解後、シリル化処理するものであっ
て、分子構造が複雑で撥水性が著しく高い生成物を高収
率で容易に製造することができる。従って、本発明によ
れば、高性能撥水剤を高い生産効率で製造することがで
き、工業的に極めて有利である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛇紋岩及び石綿以外のケイ酸塩化合物を酸
    分解した後、酸の存在下シラン化合物と反応させること
    を特徴とするケイ酸塩化合物を原料とした高撥水性化合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】シラン化合物がトリメチルクロロシランで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】ケイ酸塩化合物がケイ酸アルミニウム化合
    物、ケイ酸マグネシウム化合物又はケイ酸塩副産物であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項に
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】ケイ酸アルミニウム化合物がゼオライト又
    はカオリナイトであることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】ケイ酸マグネシウム化合物がタルク又はセ
    ピオライトであることを特徴とする特許請求の範囲第3
    項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】ケイ酸塩副産物がフライアッシュ又は高炉
    スラグであることを特徴とする特許請求の範囲第3項に
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】ケイ酸塩化合物を酸分解後、苛性アルカリ
    と反応させて苛性アルカリ溶液とし、該苛性アルカリ溶
    液を酸の存在下シラン化合物と反応させることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項ないし第6項にいずれか1項
    に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】苛性アルカリ溶液を酸、有機溶媒及びシラ
    ン化合物を含む混合溶液に添加混合して反応させること
    を特徴とする特許請求の範囲第7項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】混合溶液の酸濃度は苛性アルカリ溶液のア
    ルカリ濃度の7倍以上であることを特徴とする特許請求
    の範囲第8項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】苛性アルカリ溶液中のシリカのSiO
    換算値とシラン化合物中のSiのモル比が1:1以上で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第8項又は第9項
    に記載の製造方法。
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