JPH0653592U - チエンブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンドチエンの操作方向を安全かつ能率的に
行うことができるチエンブロックを提供することを目的
とする。 【構成】 チエンブロック本体内に、ロードチエンが巻
き掛けられたロードホイールと、このロードホイールに
連動するハンドホイールとを備え、ハンドホイールに巻
き掛けた無端状のハンドチエン13をチエンブロック本体
から下方に垂下させたチエンブロックにおいて、ハンド
チエン13に、その操作方向を示す表示部15を設けたもの
である。表示部15は上昇時と下降時との操作方向を識別
可能に、ハンドチエン13のリンク14を所定ピッチおきに
着色している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、重量物を吊り上げる際に使用するチエンブロックに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

チエンブロックは、重量物を対象とする荷役作業に広く利用されており、比較 的簡便かつ安全に作業を行える利点がある。 この種のチエンブロックは、チエンブロック本体内に、ロードチエンが巻き掛 けられたロードホイールと、このロードホイールに連動するハンドホイールとを 備え、ハンドホイールに巻き掛けられた無端状のハンドチエンをチエンブロック 本体から下方に垂下させている。

【０００３】 そして、荷役作業時には、ロードチエンの下端を荷物側に引掛けた後、ハンド チエンを上昇方向に操作し、ハンドホイールを介してロードホイールを廻し、こ のロードホイールによりロードチエンを巻き上げて荷物を吊り上げる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

チエンブロックでは、ハンドチエンの回動操作によりロードチエンの巻き上げ 、巻き下げを行う。 しかし、ハンドチエンは、多数のリンクを単に無端状に連結しただけであるた め、チエンブロック本体から下方に垂れ下がっているハンドチエン13の２本の垂 れ下がり部の内、その何れを操作すれば、荷物が上昇し、或いは下降するのかが 判り難く、的確な判断が付き難い問題がある。

【０００５】 従って、荷物の上下位置を微妙に調整する必要がある場合には、２本の垂れ下 がり部の何れを操作すべきかを慎重に判断しなければならず、作業能率が低下す る欠点がある。 また判断を誤れば、荷物が不意に落下して不測の事故を招く惧れがある。

【０００６】 本考案は、かかる従来の課題に鑑み、ハンドチエンの操作方向を安全かつ能率 的に行うことができるチエンブロックを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、チエンブロック本体1 内に、ロードチエン7 が巻き掛けられたロー ドホイール6 と、このロードホイール6 に連動するハンドホイール11とを備え、 ハンドホイール11に巻き掛けた無端状のハンドチエン13をチエンブロック本体1 から下方に垂下させたチエンブロックにおいて、ハンドチエン13に、その操作方 向を示す表示部15を設けたものである。 また、上昇時と下降時との操作方向を識別可能に、ハンドチエン13のリンク14 を所定ピッチおきに着色して表示部15としている。

【０００８】

【作用】

ハンドチエン13に操作方向を示す表示部15があるため、その表示部15を見れば 、チエンブロック本体1 から垂れ下がるハンドチエン13の２本の垂れ下がり部13 a,13b の内、何れを操作すべきかを容易に判断できる。 またハンドチエン13のリンク14に着色して表示部15とすることにより、簡単に 実施できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。 図１乃至図３は、本考案に係るチエンブロックの一実施例を例示する。 図１及び図２において、1 はチエンブロック本体で、左右一対のサイドプレー ト2,3 と、これを覆うカバー4 とから成り、上部フック5 を介して所要部位に引 掛けられる。

【００１０】 6 はロードホイールで、一対のサイドプレート2,3 間に軸受を介して回転自在 に支架されており、このロードホイール6 にはロードチエン7 が巻き掛けられて いる。ロードチエン7 には、被吊り上げ用の荷物Ｗを引掛けるための下部フック 8 が連結されている。

【００１１】 9 は回転軸で、ロードホイール6 内に回転自在に挿支されると共に、一対のサ イドプレート2,3 から両側に突出せしめられている。そして、この回転軸9 の一 端側にはブレーキ機構10とハンドホイール11が設けられ、また他端側にはハンド ホイ−ル11とロードホイール6 とを連動連結するように減速機構12が設けられて いる。

【００１２】 ハンドホイール11には無端状のハンドチエン13がチエンブロック本体1 から下 方に垂れ下がるように巻き掛けられており、このハンドチエン13を上昇方向Ｕ又 は下降方向Ｄに操作すれば、回転軸9 、減速機構12を介してロードホイール6 が 巻き上げ方向又は巻き下げ方向に夫々正逆転するようになっている。

【００１３】 ハンドチエン13は例えば丸棒材を長円状に成形したリンク14を多数連結して無 端状に構成されている。そして、このハンドチエン13には、図３に示すように、 その操作方向を示す表示部15が設けられている。 表示部15は２個のリンク14を１単位として、隣合う表示部15間に夫々２個のリ ンク14をおいた状態で、ハンドチエン13の全長にわたって等ピッチに設けられて いる。

【００１４】 各表示部15は、図３に斜線で示すように、２個のリンク14の内、その一方のリ ンク14を黒色の塗料により着色した黒色部16と、他方のリンク14を黄色の塗料に より着色した黄色部17とから成り、チエンブロック本体1 から下方に垂れ下がる ２本の垂れ下がり部13a,13b で、各表示部15の黒色部16と黄色部17とが上下逆に なっている。 従って、黒色部16と黄色部17とが上下何れにあるかによって、ハンドチエン13 の２本の垂れ下がり部13a,13b を区別でき、上昇時と下降時との操作方向を容易 に識別可能である。

【００１５】 このような表示部15をハンドチエン13に設けておけば、２本の垂れ下がり部13 a,13b の内、表示部15の黒色部16と黄色部17とが上下何れにあるかを見れば、上 昇時と下降時とのハンドチエン13の操作方向を極く簡単に判断することができる 。

【００１６】 例えば、黒色部16が上側にある方が下降側、逆に黄色部17が上側にある方が上 昇側とすると、荷物Ｗを僅かに上昇させる場合には、ハンドチエン13の垂れ下が り部13a を把持して若干下方に引下げ、また逆に荷物Ｗを下降させる場合には、 ハンドチエン13の垂れ下がり部13b を把持して若干下方に引下げれば良い。

【００１７】 従って、ハンドチエン13の操作方向の判断が非常に容易であり、荷物Ｗを微妙 に上下動させながら荷役作業を行う場合にも、容易かつ迅速に作業を行うことが でき、作業能率が著しく向上する。また同時に、操作方向の判断を誤った誤操作 に伴って発生する不測の落下事故も未然に防止でき、作業の安全性が著しく向上 する。

【００１８】 しかも表示部15は、ハンドチエン13のリンク14に塗料を塗っただけであるので 、実施が非常に容易かつ安価であり、特に既存のチエンブロックでも、直ちに採 用できる利点がある。

【００１９】 なお、上記実施例では、黒色部16及び黄色部17を共にリンク14の１個分とし、 各表示部15間にリンク14の２個分の無着色部分をおいているが、例えば、黒色部 16及び黄色部17のリンク数を３、４、５又は６個程度とし、無着色部分のリンク 数をそれと同数又はそれ以上の10個程度としても良い。 このようにすれば、各表示部15が大きな模様となるため、ハンドチエン13が部 分的に汚れた場合等でも操作方向を容易に判断できるようになる。

【００２０】 また各表示部15は操作方向を識別できるものであれば良く、例えば図４に示す ように２個の黒色部16と１個の黄色部17とを組み合わせても良い。 塗料の色は例示であって、黒と黄に限定されるものではない。 更に表示部15は、色の異なる粘着テープを巻き付けて表示する他、「ＵＰ」「 ＤＯＷＮ」等の文字と矢印とを組み合わせ、それを各リンク14にプレス等で刻印 したものであっても良い。

【００２１】

【考案の効果】

本考案によれば、ハンドチエン13に、その操作方法を示す表示部15を設けてい るので、チエンブロック本体1 から垂れ下がる２本の垂れ下がり部13a,13b の何 れを操作した時に上昇又は下降するのかを容易に判断でき、荷役作業を安全かつ 能率的に行うことができる。 またハンドチエン13のリンク14を着色して表示部15とすれば、極く安価に実施 でき、既存のチエンブロックに直ちに採用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すチエンブロックの斜視
図である。

【図２】本考案の一実施例を示すチエンブロックの要部
の断面図である。

【図３】本考案の一実施例を示すチエンブロックのハン
ドチエンの正面図である。

【図４】本考案の他の実施例を示すチエンブロックのハ
ンドチエンの正面図である。

【符合の説明】

1 チエンブロック本体 6 ロードホイール 7 ロードチエン 11 ハンドホイール 13 ハンドチエン 14 リンク 15 表示部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チエンブロック本体(1) 内に、ロードチ
   エン(7) が巻き掛けられたロードホイール(6) と、この
   ロードホイール(6) に連動するハンドホイール(11)とを
   備え、ハンドホイール(11)に巻き掛けた無端状のハンド
   チエン(13)をチエンブロック本体(1) から下方に垂下さ
   せたチエンブロックにおいて、ハンドチエン(13)に、そ
   の操作方向を示す表示部(15)を設けたことを特徴とする
   チエンブロック。
2. 【請求項２】 上昇時と下降時との操作方向を識別可能
   に、ハンドチエン(13)のリンク(14)を所定ピッチおきに
   着色して表示部(15)としたことを特徴とするチエンブロ
   ック。